実態としてはあれを書こうとしてたのにこれを書いちゃって・・・が続いただけです。
飛ばし飛ばし読んでも多分問題ない…はず。
そんなことよりゴトランドと神威とコマンダンテストが欲しい。
コマンダンテストはともかくゴトさんは何十回もいったのに来ない。
〇ねよ。・・・失礼しました、全ては運のない私の所為です。雪風の加護が欲しい。
その雪風もいないんだけどな・・・う〝っ〝(泣)
それでは本編参りましょうか。どうぞ。
昨日に続いて横須賀のとある施設では会議が続いていた。
「総員、提督に敬礼!!」
会議室に続く道で配属されている海兵隊はとある人物に向けて敬礼する。
ロイ「御苦労、休め」
この第二次深海戦争の中心人物の一人に向けて。
――
横須賀駐屯地の会議室の机はU字磁石に似ている。
そして持つ部分に座るのはこの場で一番階級が高い者、つまり司令官。
しかし今回と前回に限ってはロイが座る。
ロイ「まず、海兵隊の増援計画だが二個師団で決定した。
スパルタンも元SoF所属の3人に加え新兵だがウォーゾーンで活躍した12人の
計15人が新たに配属される。着任は明日だ。
他にも精鋭2人が今晩到着する」
「提督、御命令通り既に防御陣地の形成は開始しました。
しかし計算によると当駐屯地の戦力ではやはり不可能です」
フォージ「そうだぜ大佐。この半月で下水道に蔓延っていた深海棲艦共は駆除したが、
その過程で弾薬が減り過ぎた。今のままBR55HBバトルライフルや
MA5Cアサルトライフルを使うには一度大規模な補給が必要だ」
ロイ「軍曹、その点に関しては大丈夫だ」
フォージ「どういう事です、大佐?」
ロイ「明日になれば分かる」
結局、この日の会議は主に海兵隊やスパルタンの更なる増員。
航空機をバンシーやフェートンといった新型に更新。
昨日から引き続き部隊の展開場所の計画などで終わる。
予想外だったのはこの駐屯地に国会から説明責任があるため階級が一番上、
つまり現在ではロイに呼び出しが掛かったことだ。
翌朝
いつもと変わらない服装で国会議事堂のある新東京フロートに車で行く。
護衛は要らないが、牽制の為フォージ軍曹を連れてる。
フォージ「大佐、少しお耳に入れておきたい話があります」
議事堂の近くで車を止める。話していい、そんな雰囲気を作る。
フォージ「…今の国会には与野党どちらにも深海棲艦が擬態して潜伏しています」
ロイ「…」
フォージ「恐らく入口で銃火器を没収されるので格闘のみで戦うことになります」
ロイ「軍曹、議事堂に入ったら擬態している深海棲艦を報告しろ、
議員、秘書、清掃人、警備員、全てを駐屯地に」
フォージ「了解しました」
話はそれだけなようなので、車を動かし始める。
門の前で車を止めて降りる。車はディスク*1となってロイに回収される。
フォージ「横須賀から代表として来た」
ロイ「横七の代表として来た」
警備員「はい、銃、爆発物、刃物、全部出してね」
フォージ軍曹は背中に背負っていたショットガンと腰に付いていたハンドガンを渡す。
それに対しロイはなにも渡さず行こうとする。
警備員「ちょっと、あんたもなにか持ってんじゃないの?」
ロイ「危険物にはこの義手も含まれるのかぁ?」
警備員「いいえ、持ってないならいいです」
金属探知機を通る際、しれっと蹴りを入れて壊したのはバレなかったようだ。
そして国会に入っていく。
――
議長「なに、それは本当か!?」
「はい、横須賀から来た代表にロイがいます!!」
議長「今日は荒れるな、胃薬を持ってきてくれ」
横須賀から責任者を呼び答弁を行う。
来るのは横須賀の責任者、つまり日本の横七支部で一番階級が上の人物。
そう思っていた。事実、与野党問わずロイは来ないと高を括っていた。
だが、実際は違った。警備員からの急報でロイが来たと分かった。
横七協力条約締結の際、横七の副司令官が交渉したがそれでも十分の強さだった。
それが横七の司令、つまりNo1が来たらどうなるか、分からない。
議長「席について、これより横須賀から代表者が入場します、急いで」
今日は歴史に残る日になる。それが良い物か悪い物かまだ分からないが…。
――
ロイ「以上を踏まえまして
我々は断固として新深海棲艦との戦争を止めるわけにはいかないのです」
断固として、そう断固として。
今の彼は休戦なんてものを考えない。例え考えるとしても直ぐに頭から外されるだろう。
彼としては終戦はこちらかあちら、そのどちらかが絶えるときにしか訪れないと考えている。
事実、アベルとしても横七が存在する限り戦争は終わらないと考えていた。
議員「今回の新深海棲艦の要求を満たす理由はないと
横七支部から伝えられましたが何故でしょう」
ロイ「お答えします、理由としては日本国は民主国家であり独裁色が強くないこと、
一部要求を満たすのは不可能な事、そして満たしても日本国に利益がないことです」
議員「何故利益がないのでしょうか、不履行すれば国民の生命が危険に晒されます」
ロイ「簡単です、仮に横七支部がなくなればアベルは何の憂いもなしに因縁の国を潰せます。
例え今手を出さなくても行方不明者が続出するでしょう。横須賀の様に」
議員「…」
この議員は前半部分の返しに「相手は約束を守るはずです」と言うつもりだった。
しかしその後、「横須賀の様に」と言われてはなにも言えない。
横須賀では行方不明者が増えていた。
理由は市民などに擬態した深海棲艦が擬態元を監禁していたからだ。
例を挙げるなら、海上安全整備局の局長。
横七が彼を救出するまで事実上、局長は行方不明だった。
今では海兵隊の活躍で監禁されていた被害者は解放されているが、
彼らが消えた後、再び行方不明者が増えるのは予想できることだ。
国防大臣「貴方は4月25日、横須賀ベイタワーにて警備任務に就いていた日本国防衛隊員を
数名の部下と共に殺傷、間違いないですね」
ロイ「はい、間違いないです」
国防大臣「それに関して反省や後悔などはしましたか」
ロイ「いいえ」
国防大臣「それでは、死亡して隊員や遺族に対しどう思いますか」
ロイ「可哀想に、とは思いますね。言っておきますが同情はします。しかし謝罪はしません」
国防大臣「それはなぜですか」
ロイ「世界の軍事組織は戦時などの特別な状況を除き志願制が基本です。
そして軍事組織というものには犠牲者が付き物です。
BM(ブルーマーメイド)やWD(ホワイトドルフィン)でも死者は毎年出ています。
昨今の世界は平和そのものですが何時テロリストや海賊が現れても可笑しくはありません。
そういった意味で入隊者は死を覚悟しているはずです。
戦死したのであればそれは悲しながらも殉職死、務めを果たしたのです。
私は、戦場で出会った如何なる敵に対し尊敬の意を持っております*2。」
否定するような声は上がらない、国防省関係者は拍手している。
そんな場に、ズガズガと入り込んでくる集団が一つ。
その先頭にいる女性は大声を出しながら自分の席につく。
「良い話だとは思いますが兵士は愚の骨頂です、
横七はもとよりWDもBMも日本を去っていただきたい」
ロイ「軍曹、あの女は誰だ」
フォージ「…民政党の党首です。
政策は主に戦力の放棄を掲げBMやWD、海洋学校に喧嘩を売っています」
ロイ「時代錯誤もいいところだ、取り敢えず遅刻をしたのに反省の色なしとは…」
党首「幾つか質問させていただきます、横七はこの戦争が終わったら世界征服を始めますか」
突拍子もない話にロイは思わず笑いそうになるが、必死に噛み殺し答える。
ロイ「新深海棲艦の殲滅を確認した後の事は予定が今だございません」
党首「我が党の調べによると横七はこの戦争に勝利した場合、仮に全ての戦力が駆逐されても
3ヵ月で再軍備をできるとのことですが、
それでも世界征服をしないという理由はありますか」
ロイ「ええ、3ヵ月で再軍備可能かどうかをお答えすることは出来ませんが、
現状、世界を横七が占領しても利益は損失を上回らないと考えております」
これは事実である。
横七第一回会議で世界を横七領として軍拡してもゲリラやパルチザンによってあまり利益は無く、
戦争の際に出す被害が大きすぎてアベルと満足に戦うことが出来ないと結論付けられた。
党首「次です。
世界各国でヘリウムガスなどを使わない航空機の開発が始まったのは御存知ですか」
ロイ「はい。理論からまず破綻していて全くの進歩無しと聞きます」
党首「某国が横七から技術提供を受け
既に航空機の量産を開始したとの発表がありましたが、
横七協力条約において加盟国である我国は情報要求が出来ません、
この対応の差はなんですか」
ロイ「本条約は元々現地での作戦活動を容認させる目的があり、
未加盟国に優遇をするものではありません。
そして横七では例えどの様な国家が如何なる条件で技術要求をしても
提供されることはありません。
もし提供される場合、提督である私か副司令に話が回ってきます。
それが無いということは、
偽情報であり某国は今だ量産体制もなにも出来ていないと考えます」
党首「何故話がないだけで無いと確信できるのでしょうか、スパイの可能性もありますよ」
ロイ「機密情報のためお答えすることができません」
党首「では、技術提供をしたということですか!!」
党首は語勢を強めて言う。それに呼応するように「そうだ」という野次も増えていく。
既にこのとき、ロイは軽くキレていた。フォージは頭を抱えていた。
フォージ「大佐、相手にする必要はありません。事実無根の話に等しいです」
ロイ「そうだな軍曹、あの党首が言っていることは妄想に等しいな」
フォージ「大佐!!」
党首「なんです!!」「どういうことだ!!」「失礼だぞ!!」「謝罪しろ!!」
フォージは小声で無視を勧めたのに対し、ロイは大声で否定した。
ロイ「私は私がいる場であらぬ噂が立つのを好みません。
故に私としては党首、あなたにお聞きしたい。
我々横七が某国に情報提供した証拠はありますか」
党首「それは…某国の発表d「それが真実であるという証拠はありますか」既に…」
ロイ「証拠が不十分であるため横七が情報提供したという事実はありません。
勿論、証拠を隠蔽した可能性もありますが
今度は隠蔽が事実である証拠を出さねばなりません。
仮定を重ねた根拠のない理論など最早妄想でしかありません。
その点を御理解していますよね?」
静かになる。野次も飛ばない。
フォージもロイも後一部議員も少し笑みを浮かべている。
しかしそれでも黙らない党首は次の質問をぶつける。
党首「…要求を満たさなければ攻撃される場所を何処か、分かっていますか」
ロイ「いいえ、全く」
党首「それでは国民の命を守れませんが、どうなのですか」
ロイ「…今現在各地で防御陣地を形成中、大都市などの人口密集地には増援を出しています」
横七は日本人を救う理由なんてない。
協力条約にもそんなことは書いて無い。しっかり確認してから来ようね。
ロイは答えた後席について党首の質問を聞いていると、フォージが囁くように報告する。
フォージ「大佐、以前第61ガウ航空隊の指揮を執っていた二人が来ました」
ロイ「そうか、…えっ?」
フォージ「ウォイル閣下とレイ閣下が国会議事堂に来ています」
ロイ「」
絶句してしまう。次の瞬間扉が勢いよく蹴り破られる。
そして出てくるのは二人の深海棲艦。
ウォイル「副隊長がロイはここにいるからと聞いてきたけれど」
レイ「おっ、あそこに座っているぞ!!」
党首「なんですこの方達は、警備員はどうしたのです」
レイ「警備員?そんなのいなかったぞ」
議長「静粛に、まず乱入者達、貴方達は何者ですか」
胃薬を摂取した議長はざわめく場を鎮め、質問をする。
ウォイル「横七所属、ウォイル」
レイ「同じく横七所属、レイ」
ロイ「彼女達は深海棲艦でありながら横七で新深海棲艦と戦っています」
フォージの報告からずっと頭を抑えていたロイは立ち上がり紹介する。
しかし、却ってそれが火に油を注ぐことになってしまう。
「深海棲艦だと、危険だ!!、直ちに殺せ!!」
「早く部隊を呼んであいつらを殺せ!!」
「ロイ君!!直ぐにそいつらを殺してくれ!!」
大の大人が大声をあげて二人を指差し殺せ殺せと騒ぐ。
ロイにとっては愉快であるが実に不愉快な光景。
左腕の義手に忍ばせている銃を取り出し弾が入っていないことを確認して上に向けて撃つ。
ロイ「ギャーギャー喚くな、話を碌に聞かない馬鹿どもが」
空砲かドスの効いた声が効いたのか分からないが静かになる。
すると党首がマイクの席まで行き、質問を始める。
党首「…深海棲艦は危険な存在だと散々訴えていたのはあなたです。
しかしなぜ彼女達にはある種贔屓ともいえる行動をするのですか」
ロイ「理由は単純です。彼女達は我々横七の一員だからです」
党首「では他の深海棲艦も同じように出来るのではないですか」
ロイ「不可能です。党首の仰るように可能性は幾らでもございます。
しかし判断が難しく、時間を個々に掛けることが不可能なため
元々友好的な彼女達を除き深海棲艦は全て排除といった姿勢でありますそんな暇ねーんだよ、バーカ」
野次はそれでもまだ飛んでくる。
やれ危険だから殺せだの、深海棲艦は危険だの、うるさい。
質問に答えた後、ロイは席に戻らずまた発言する。
ロイ「さっきから野次を飛ばす方々に申し上げます、
彼女達は横七の所属なので貴方達がいくら殺せと叫んでも殺せる権限はありません。
それに先程から思っていましたが貴方達は横七を
日本国の内部組織の一つと勘違いしておられるようなので改めて言わせてもらいます。
権限は全て貴方達のような政治家ではなく私ロイ・ヴィッフェ・ヒドルフにあります。
防衛省のように情報公開請求をすれば公開されたり
隊員や器物をどうこうできると思わないで頂きたい」
来てからずっと思っていたことだ。
18年以上前なら違うが今の横七は日本国の機関ではない。横七という国家なのだ。
それなのに多くの質問がそれらを忘れたかのように下に見た態度。
外交問題に発展しても可笑しくはないことなのだ。
只でさえ格上相手なのに、礼儀を持たずに接するのは異常なことだ*3。
議員が黙ったのを確認してロイは席に着く。するとフォージが後ろから小声で報告する。
ロイ「実に結構、今すぐ開始しろ、一匹も逃がすな」
満面の笑みで大声で伝える。
その日は日本史、ひいては世界史にも残る日となった。
『日本国閣僚・議員虐殺事件』として。