ハイスクール・フリート   若き人魚と転生者   作:ロイ1世

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雪風のCI率やべぇなあ。運60(育成中)は伊達じゃない!!


横須賀決戦 偵察と思しき攻撃

赤道祭の次の日、晴風は大規模改修を完了し出港した。

しかしワームホールを抜けた先には不運にも武蔵がいた。

 

射程圏外の為監視の任に就いているが横須賀では大騒ぎになっていた。

 

「武蔵が伊豆半島沖合で発見されました!!」

「マニラに向かっていた筈よ!?」

「横七の偵察機から送られてくる映像ではサンフェルナンド沖合を航行しているわ」

「しかし付近の職員が武蔵の映像を送ってきています」

「これはどういう…まさか!!」

 

机を叩く、そのBM―宗谷真霜―はモニターに叫ぶ。

 

真霜「騙したわね、ロイイイイィィィ!!」

 

少しの沈黙の後、場は動いた。

横七から送られていた武蔵の映像が乱れ、ある男が映る。

 

銀髪で長身、既に5月なのにトレンチコートの上にコートを羽織る男。

 

映像の乱れが治ってきたとき、モニターに映った男の表情が分かる。

 

 

気持ち悪いほどに笑顔なのだ。

 

 

BM、WD、日本政府

 

全てが大混乱の中で彼は笑っているのだ。

 

ロイ「御役所仕事は大変でしょうなぁ」

真霜「如何してこんな、虚偽の映像を流した、ロイ!!」

ロイ「怖いなあ、そんなにカッカしないで、落ち着いて」

真霜「落ち着けですって!?私達はマニラ決戦の為に戦力のほぼ全てg…」

ロイ「知っていたさ、そうさ。そうなると分かって敢えてそうしたのだ」

 

そう語る表情は失敗に対する物ではない。

成功に対するものだ。マニラにBMを集結させることに成功した、その笑顔なのだ。

 

ロイ「この戦争は第二次、つまり第一次の続きなんだ。

   空白の18年は休戦期間、まだ終戦してない。だからだ」

真霜「だから?終戦していないことがパーシアス作戦の失敗とどう関係するのよ!!」

ロイ「言っただろ、これは続きだ、続きなんだ。物語は一部すら終わってない。

   作品の途中で主人公は死んでもないのに変えはしないだろ?」

真霜「まさか、私達は無関係だから邪魔をするなと!?」

ロイ「その通り、これまではRATsがいたから乱入を許可した。

   乱入者の処分を乱入者に任せたに過ぎん」

真霜「だけど、武蔵が今は…」

ロイ「その乱入者を倒す者は既に決定している」

真霜「まさか…」

 

武蔵の一番近くにいる艦、誰かは分かっている。

しかしそれはあまりにも非常すぎる。

 

ロイ「もう既に配置に就いて戦闘を今か今かと待っている」

真霜「子供にやらせるの!?15歳の彼女達に、晴風に!?」

ロイ「そうだ。武蔵も子供達だ。子供の喧嘩に親は出る必要はない」

真霜「深海棲艦がいるのに…

   鮫の子供相手の喧嘩に人間の親は黙って見ていろというの!?

   晴風には貴方の妹分達がいるのよ!?」

ロイ「知ったことか、それに既に晴風には横七の兵器がガン積みされてる。

   それで勝てない若しくは生き残れないなら入学すらできねえよ」

真霜「それでも彼女達は子供です、我々が守るべき命です。

   福内の艦隊を送ります」

ロイ「止めておけ、無駄に被害を出すぞ」

真霜「分かっていて避難勧告すら出さない人に言われたくないわ」

ロイ「この国の人間が全て死滅しても構うもんか、精々頑張りな」

 

通信が一方的に切断される。

まだ問い質したいことは尽きない程あるが、そんなことをやっている場合ではない。

 

取り敢えず犠牲者を最小限にするため関東一帯に避難勧告を出す。

次に残っていたBM隊員で避難誘導をする。

避難先は可能な限り日本海側に近い場所だ。

なにせ関東圏はメガフロートが中心、海からくる敵には危険すぎる。

 

真霜「福内の艦隊に伝令、武蔵制圧はアベル艦隊が接近するまでに終わらせる。

   彼の言い分からして敵は横須賀に来る。全艦隊を呼び戻して!!」

 

彼の例え通りこれが物語なら、

主役はロイとアベル。脇役は横七関係者と深海棲艦。乱入者は我々とRATs。

では舞台、考えれば分る筈だった。何故ロイは横須賀の駐屯地にいたのか、そこから考えれば。

 

主役は舞台に居続けなければいけない、物語が終わるまで。

この戦争が物語ならば舞台はロイのいる場所。

最初はオーシャンモール四国沖店、次は横須賀、アスンシオン島近海…。

各地を転戦してきたが今いるのは横須賀、しかも数日間ここから動いていない。

 

ここなのだ、次の舞台、惨劇の舞台は横須賀なのだ。

――

福内艦隊は晴風が監視中の武蔵に攻撃を仕掛けたが、失敗に終わった。

RATsに対する抗体を大量生産し艦も改装を施し万全の状態で挑んだ。

 

しかし敗北した。

未だ殉職者は出ていないが4隻中4隻が何らかの大きな損害を負い戦闘続行は不可能だった。

それに加え東から黒い波…深海棲艦の大群が現れこれ以上は監視すら危うくなった。

 

芽依「私達、武蔵を、深海棲艦をこのまま横須賀に行かせちゃうの?」

幸子「しかし、蛇は頭を喰われたら生き返るものも返らなくなります」

鈴「いくら横七の兵器があってもあれだけの数は無理だよぉ」

 

戦意喪失、晴風艦橋組の言葉は晴風、ひいては世界の意を代弁していた。

艦長である岬明乃は震えて縮こまってしまっていた。

副長である宗谷真白でさえ諦めかけていた。

 

真白「これ以上は危険だ…180°反転してこの場かr…」

マチコ「深海棲艦群に突撃する何かがいます!!」

幸子「あれは…教官!!」

 

一筋の光の如く彼、ロイ・ヴィッフェ・ヒドルフは突撃した。

黒い波の奥深くに向かって、一直線に。

 

少し高い所から見れば彼の通った跡は明るい、いつもの綺麗な海に戻っていた。

それと同時に爆発音や発砲音が響く。

火の玉が幾つも現れては直ぐに消え、また現れる。

 

戦闘が生み出した副産物は遠目から見れば花火のように美しかった。

――

ロイ「そこを退けッ!!、お前等のような蛆虫を相手にする暇は無いんだーッ!!」

 

右手から迫りくる深海棲艦に向けてリボルバーを撃つ。

すると今度は左からもやってくる。

其方にはプラズマグレネードを投げつけ吸着させる。

その後起こることは分かり切っているので正面を見つめ直す。

 

相手はこちらの奇襲、といっても単独の特攻紛いの攻撃に混乱して対応しきれてなかった。

まだ入り口であるのに沈めた深海棲艦は100を下らない。

 

「沈めてやる!!」

 

人型の姫級と思しき奴の額に向けてSPANKrPRIMEを発射する。

スナイパーライフルの如き速さのロケット弾を避けれる筈がなく命中、

顔が吹き飛んで沈んでいく。

 

今の俺は通常時には考えられない量の武器を持っている。

スナイパーライフルは狙撃に使わない為持ってきていないが、

それでも多くの武器を持ってきている。

 

先日の赤道祭の時に本島の武器庫からかっぱらってきたのだ、伊達ではない。

無論、その重さもだが今の所、約20%の出力低下で済んでいる。

弾が切れたら投げ捨てるので何れこれも解消されるだろう。

 

今やっていることは強硬偵察である。

目標は敵戦力の確認、アベルの位置、SoFを沈めた兵器の調査。

どれもが重要なことであり、断じてどれかを欠かすことは出来ないのである。

 

すれ違いざまに敵艦隊に向けてタルタロスガベルを振り下ろす。

発生した衝撃波が後続を巻き込んでいくのはもう堪らない。

 

哀れに体当たりを仕掛けてきた駆逐艦がシールドで粉微塵になった時は感動すら覚えた。

 

既に横須賀では海兵隊とスパルタンが配備に就いていると思うが、

総取りして仕事をなくしてしまう。

 

 

 

そんな慢心を決め込んでいたら、体が光線に呑まれた。

応急修理女神を持っていたから無事だったが余裕は無くなった。

 

光線が来た方向を見ると、何か巨大な砲台が十数個牽引され、その内の一つから煙が出ていた。

遠すぎて何か分からないがあれがSoFを沈めた兵器だろう。

何せシールドと追加装甲を一瞬で溶かし本体を消したのだ、あれ以外考えれない。

 

女神による燃料の回復はあったがHALO系の武器に弾薬は補給されていなかった。

まだ改善の余地しかないなと思いながらエナジーソードを構え突撃する。

 

一つ、二つ…辻斬りの様に近付いた敵を斬り沈めていく。

しかし10回程でエネルギーが切れたのか刃の部分が消える。

仕方がないのでジ・アンサーで辺り一面を爆発させながら進むと、目標の全てがわかった。

 

敵戦力は予備含め10万、謎の兵器は何時ぞやの衛星兵器の残骸を利用したもの。

そしてアベルの場所は…目の前だ。そう、真正面。

 

随分と奥に潜んでいたが見つけれた。

いつもなら砲弾の2桁や3桁飛ばしてもいいのだがまだなので逃げる。

方法は至って単純、個人携帯の試作品のワームホール発生装置で横須賀の駐屯地に飛ぶ。

 

結果としては体がバラけなかったし砲弾も数発付いてきたが無事偵察を終わらせた。




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