ハイスクール・フリート   若き人魚と転生者   作:ロイ1世

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最近、なんか投稿頻度が落ちてる…


理由としましては主に拡張作戦の任務、5-5攻略に四苦八苦しているからです。
一度だけ、6-4のゲージ削りに成功しましたが、ギリギリで

「これ勝てんの?」

と思い始めてきました。



後はfallout76が楽しすぎることですかね。
申し訳ありませんがまだまだ遅くなりそうです。


平和が終わり夢を見始める

マチコ「武蔵、離れていきます」

幸子「このままなら射程外に逃げれます!!」

明乃「…」

鈴「助かった…のかな?」

 

広がる安堵の声

 

まだ戦闘海域とはいえ追う者がいない今、晴風は平和を謳歌していた。

 

 

 

 

爆発音が響くまでは…

 

 

マチコ「武蔵後方で爆発があった模様!!」

秀子「なにか青い物が晴風に降りかかってます!!」

まゆみ「ひっ、人のようなものが!!」

 

ー

「急げ急げー!!早く繋げないと魂が逝っちまう!!」

「分かってます!!心臓代替装置のセットに…」

「脳を戻します、手伝って!!」

「血管を繋げています、骨格修復員は直ぐに出れるよう…」

 

小さな小さな妖精達は青い溶けた何かに集まっている。

酷く原型を損ねたそれを必死に元に戻そうとしている。

 

明乃「あの…それってなんですか…」

 

落ち込んだ声で聞くも耳を貸す者は誰一人(匹?)としていない。

その間に溶けた何かは徐々に本来あるべき姿に戻り始める。

 

明乃「裕兄!!大丈夫裕兄!?」

 

溶けた何かの中から徐々に姿を露わにする人。

それが誰か分かり駆け寄ろうとするも見えない壁にぶつかり進めない。

 

「ダメです…今は貴女が近付ける程余裕はありません」

 

声がする下を見れば、横七本島で案内係として会った妖精がいた。

 

「ここにいるのはダメです、別の場所に行きなさい」

明乃「嫌だよ!!

   裕兄があそこにいる、一人で寂しく泣いている、近くにいてあげなきゃ」

「いい加減にしろ!!医療ド素人のガキがここにいて何になる、帰れ!!」

 

沈黙、作業をしていた妖精すら言葉を発さずに手を動かし始めた。

 

「彼が寂しがってるのなんて妖精なら誰でも知ってる!!

 …兎に角、元の場所に戻ってください、貴女は艦長の筈です」

明乃「…分かりました」

 

今までの口調とは一変した妖精に叱られる。

艦橋に戻ろうとした明乃だったが、後ろから聞こえてきた声で立ち止まる。

 

「肉体の修復が完了しました!!」

「意識は戻っているか!?」

「ダメです!!取り敢えず何処か安全な所に運ばなければ…」

「う~む、横須賀に運ぶのは危険すぎる、かといって呉に運んでは復帰した際のリカバリーが…」

「本部なんて論外です。ワームホールでバラけます」

「どうすれば」

明乃「あ、あの!!ここの医務室でどうですか!?」

 

それは彼女にとって咄嗟の一言だった。

ただ近くにいたい、それが理由で考えも無く言ったことだった。

 

「戦前の陽炎型…言ってしまえばポンコツでオンボロな船に託すのですか?」

「…救護班長、その意見に吾は同意しかねます。しかし晴風は本島にて改修済みです」

「本島に他人を通したのですか!?それも改修まで…」

「提督の指示です。取り敢えず、ここの医務室に」

明乃「分かりました!!直ぐに美波さんを呼びます!!」

「大丈夫です、吾が運びます」

 

そう言うと吾と名乗った妖精はロイを浮かして医務室に運んだ。

――

美波「脳波が低すぎる。心臓に至ってはほぼ止まっているぞ」

 

診察台に載せた後、美波さんはウォイルさんの時と同じように検温や脈拍などを調べてくれた。

そして言われた一言がそれだ。医療に詳しくなくても何を言いたいのかは分かる。

 

『もうすぐ死ぬ』

 

それだけは嫌だ。あの時みたいに、三回も家族を失いたくない。

 

明乃「どうすればいいの、どうすれば裕兄は回復するの!?」

美波「確証は無いが、皆の証言が本当ならある」

明乃「それは!?」

美波「それは「深海棲艦の血を飲ませる…ですよね?」こと…だ」

 

希望を聞こうとして、被せてくる声があった。

さっき救護班長と呼ばれていた妖精の少なくとも上にいる妖精だ。

けど美波さんが言いたいことはそれらしい。

 

確かにと、そう思った。

裕兄は死にかけても深海棲艦の血を飲むことで蘇ってきた。

 

艦橋で死にかけた時、襲ってきた深海棲艦の血を飲むことで蘇っていた。

つまり今回も…今回も蘇れる!!

 

「一度も深海棲艦の血を飲んだ人間の末路を知らないからそう言えるのです」

明乃「だけど現に裕兄は飲んで「詳しく知らないからです」…」

美波「貴様が何者か知らんが教官はしんばしの一件以降、健康に過ごしているぞ」

明乃「しんばしの時から!?」

美波「そうだ。教官を看ている時に血液を調べた。その時には深海棲艦の細胞が確認された」

 

そうだったんだ。けど、深海棲艦の血を飲んでも大丈夫だってことは証明された。

 

明乃「直ぐに飲ませようよ!!」

「確かに、数日位なら大丈夫です。生きれます。ですが体は死に始めます」

明乃「どういう…」

「そもそも、他の生物の血を飲んだことがありますか?」

明乃「ない…けど」

美波「病に罹る可能性が高い。正気の人間ならしないだろう」

「はい。そして深海棲艦の血も同じ…いえ、それ以上に質が悪い。

 何しろ陸上の生物にとっては猛毒、即死する程のものです」

美波「即死?しかし現に教官は生きているぞ」

「彼は普通の人間ではありません。9年前、疑似的なものですが深海棲艦になりました」

 

「まず最初にやったのが全身手術。

 人間を深海棲艦に・・・対抗できる、艦娘という存在にしたんだ」

 

言っていた。その口から聞いた。あの時は何とも思わなかったが、彼はしっかり宣言していた。

 

 

自分が人間ではないことを。

 

「9年もあれば疑似的とはいえ近い存在になれます」

美波「医学的に言えば、教官が血を飲んでも輸血しただけと?」

「それならば良かったです。しかし現実は違います。耐性は完璧ではなかった。

 徐々に各器官が死んでいきました。噂でも聞きませんでしたか?

 耳や目は機械で代行していましたが、味音痴とかは…」

 

ヘロインの匂いがするとサワークラフトに言われ大泣きしていた伊良湖ちゃん…

なんにでも「うまいなぁ」と感情もなく言っていた夕食での裕兄…

 

「昔、それこそ前世でのことですが、横七全体で人間の深海化を研究しました。

 実験に使用した生物は揃って全能力が飛躍的に進化しました。

 電探を用いても捕捉できない蚊、模擬弾頭魚雷の様なカジキ、

 測定不能な知能指数を検出した猿。

 勿論、陸上生物はその後揃って永眠しましたが…

 兎に角、深海化のメリットのみを享受出来るよう、数年間研究が続けられました。

 結果は悲惨そのものでした。段階的な深海化でも最終段階を迎えたら死亡するという…

 二度と陽を浴びることは無かった研究成果…のはずでしたが、決戦の切り札として重要視、

 決戦当日、唯一の人での被験者は敵方に大きな被害を与え細胞の壊死が原因で死亡しました」

美波「まさかその被験者が…」

「ええ、ロイ提督です。…お話しできるのはここまでです。吾も司令部に戻らねばなりません」

明乃「待って…裕兄はどうなるの、このままじゃ死んじゃうよ!!」

「…残念ながら、既に我々も手を尽くしました。元はしんばしで絶えた命です。

 最期だけでもゆっくりさせてあげてください」

 

そう伝えた後、妖精は霞みになって消えた。

 

残された二人のうち一人は直ぐに椅子に座り、頭を悩ませ始める。

 

自分は海洋医大屈指の天才、それが人を、それも恩師ともいえる人を助けれないとは何事か。

きっと自分は何か出来る。だから考えろ、何かきっと手段はある、だから考え続けろ…と。

 

そしてもう一人は何か考える訳でもなく、ただ診察台に寄りかかって倒れる。

否、何も考えていない訳ではない。但しそれが現実を直視していないだけだ。

 

豪華客船を降りた後、ちょっと奮発して遊園地に行き楽しむ三人の姿。

先に海洋学校に入学し、今はWDに勤務、海洋実習の監督官として参加する兄の姿。

そんな兄が監督官を務める学校に入学する自分と親友の姿。

二人を叱り、褒めながらも実習以外ではとても甘やかす兄の喜んだ顔。

 

それは長年夢に想いつつも現実ではありえないと知っていたもの。

しかし実の所ほとんどがその妄想通りになった。

故に妄想と現実の良い所のみを抽出した彼女だけの世界、それにどっぷりと浸っていた。

彼女には現状は兄が死にかけ、大勢の命が喪われる危機に瀕しているとは思っていない。

只々兄は過労で倒れ、自分はそのお見舞いに来た程度にしか思っていない。

 

故に彼女は何も言わず、ただ寄りかかって倒れる。

 

兄と等しい人物と笑顔で話す。そんな幸せな日常は彼女の頭の中の世界。

 

 

 

 

 

 

そんな世界から彼女は突如放り投げだされた。

自分の認めたくない人物の過去の世界へと。

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