ハイスクール・フリート   若き人魚と転生者   作:ロイ1世

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7周年任務完了、チョー気持ちいいです。

だがサーモン北方を考えた奴は許さん


SFチックな後半戦開始

横八艦隊旗艦 インフィニティ

 

「地上より連絡、『障害の排除に成功、直ちに来られよ』です」

「うむ。セリーナ、ワームホールを展開」

「7隻のワームホール発生装置で21隻分のものを作れと?」

「セリーナ…」

「楽勝です」

 

搭載されていたAI、セリーナが言うや否や艦隊の前方が黒く塗りつぶされた。

 

いや、実の所前方に何も無ければ元から黒かった。

 

青い空も暗い海も存在しない場所…宇宙に横八艦隊はいた。

 

「横八艦隊、本名インフィニティ艦隊。

既に建造が開始されたSoF級戦艦数隻と新鋭戦艦一隻、

ガウ級空母数隻による遊撃及び決戦を目的とした艦隊。

同艦隊編成計画は4年前に始動。

しかし建造と新鋭艦の習熟訓練が遅く、緒戦に参戦出来なかった。

搭乗員の基礎訓練すら一週間前に修了していなかった為、

規則を破り経験豊富なSoF乗員をコピー。

その為本来なら艦長は私ではなく、AIもセリーナではなかった」

 

横八艦隊の概要を確認するかのように呟く艦長。

 

「私としては、やはり規則を破り機械乗員を製作したことが理解できません」

 

その隣で文句を垂れ流すのは、旗艦のほぼ全ての機器を操作するAI。

 

「セリーナ、ワームホールに集中しなさい」

「私のスペックではこれ以上の操作はできません、艦長」

「分かった、規則破りに関して説明する。しかし手は緩めるなよ」

「了解です、艦長」

 

――

「横七の海兵隊並びスパルタンも既存の兵士をコピーして量産してはならないのを知っているな」

「はい。彼らも艦乗員と同じで本島の訓練所で生産されたら直ぐに訓練を受けます。

 そして合格した者だけが横七の兵士として作戦に参加できます」

「その通りだ。だが何故コピーを禁止しているか、分かるか?」

「いいえ、考えたこともありません」

 

素直に返事をくれるのは、AIの良い所なのかもしれない。

 

そんなことをカッター艦長は感じながら答えを教えようとする。

 

「機械兵士が訓練中に時々新しい戦法を思いつくことがある。

 今の新人スパルタンもオーバースピブ…何だったか、兎に角新しい戦法で連勝してきた」

「つまり、コピーしてしまうと新しい物を考える能力を失うと」

「その通りだ。だから時間が掛かってもコピー生産はしないんだ」

「では、今回のことはどう説明するんです。新しい物を彼らは考えれませんよ」

 

流石はセリーナ、数々の困難を乗り越えてきたSoFのAIは伊達じゃない。

 

「横八艦隊概要書にも書いてあったが、

もし平時通り訓練を一からやっていたらこの戦争に間に合わなくなる。

そんなことをすればこの艦隊に掛けた費用も時間も無駄になり、負けるかもしれない」

「決戦用艦隊ですからね」

「ああ。そこで提督は今回を特例として私達をコピーした。

彼らは戦後データを抹消され実戦経験済みの新兵として訓練を受ける」

「艦長は大佐に聞かなかったのですか」

「勿論聞いたさ、何故この様な特例を認めるのか、と」

 

そしたら…と言葉を続け、我らが横七提督の言葉を言う。

 

「助けれる命を救う為、火事の家に不法侵入するのは当たり前だろ?なんて返された」

「フフフ…何だか言ってそうな気がします」

「艦長、ワームホール突入、戦闘海域に突入します!!」

 

気を引き締める。

黒に飲み込まれたと思ったら横須賀の上空に出る。

我々横八艦隊の、遊撃及び決戦艦隊の実力を見せつけてやる。

 

「駐屯地よりアーチャーミサイルによる絨毯爆撃が要請されています」

「許可する、全艦アーチャーミサイル発射準備」

「了解、着弾地点をダウンロード。…フロートを沈めませんかね?」

「さあな、しかし以前撃ち込んで大丈夫だった、全弾撃ち込んでも大丈夫だ」

「だと良いですね、発射準備完了しました」

「…全艦発射!!」

「発射します」

 

地上に向けて発射されたそれらは迷うことなく横須賀に向かう。

そして着弾。ビルや公園、商店が瓦礫の山に変身するのと同時に黒いのも消し飛ぶ。

 

「地上の敵はいなくなりましたね」

「ああ。だがまだ終わっていない。MS部隊、発進」

 

横八艦隊に唯一配備されたのは旗艦インフィニティだけではない。

その搭載機がこれからの戦いでは主役だろう。

 

遠くを見ればガウの格納庫からザク改がドダイ改に乗って発進している。

SoFからはケンプファーが出撃する。

 

フェートンヘリオスと言う最新の航空機は既に深海棲艦を溶かしている。

 

「マッドアングラー隊はどうしている、連携を取れとの命令だ」

「既に戦闘中です。第三モニターに映します」

「ほぅ…」

 

マッドアングラーの搭載機だろうか。

水中にいた深海棲艦の頭をそのアームか爪か分からないので潰している。

他にもトマホークを発射して攪乱させている。

 

「指揮官は誰だったか」

「分かりませんがドイツで活動していた方です」

「あれは何れ化けるぞ、提督にも勝るやもしれん」

――

晴風

 

つい数時間前は何か青い物体が晴風に飛んできたが、今はSFの世界にいた。

 

深海棲艦に対して人間サイズの機械が複数飛んで戦っている。

その遥か上空には以前見たSoFとそれよりも大きい変わったデザインの艦がいた。

 

「なんかもう…一方的だね」

「ロイ兄さんは同じ戦力で真っ向勝負しないって昔言ってた。

将棋もオセロもチェスも、同じ戦力で戦う愚かな遊びって言ってた」

「教官そんなこと言ってたの!!許すまじ…」

「そ、そんなことよりもこの流れだと直ぐに終わりますよ」

 

その時、私達の耳に轟音が届く。

見れば武蔵が上空の艦隊に砲撃していた。

 

「貴女達に頼みごとがあります」

「うわっ!!…可愛い」

 

何か声がしたと思ったら知床さんが叫んだ。

視線の先を見れば舵の上に小人が…妖精が立っていた。

 

「晴風には武蔵を助ける為の装備を積んでいます。

もし武蔵が人質として行方を晦ましたら大事です。

敵の目が空に向いてる今の内に行いたいんです」

「艦長がいないのでハッキリと言えませんが、具体的に何をするんです」

 

その時、あの芝居の黒幕が伝声管の蓋を開ける。

 

「本島で搭載した噴進弾、あの煙には深海棲艦の細胞が全て消滅する効果があります」

「ロイ兄さんを刺したナイフに似たような力ですね」

「そのナイフをサルベージして作りました。またしても一点物ですが」

「…教官は自分よりも戦いを優先したんですね」

「っ!?艦長ですか…」

 

物音を立てること無く静かに入ってきた艦長に少し驚いてしまう。

その顔がほんのちょっぴりだけど凛々しくなっていた。

 

「はい。自分の治療よりもアベルの抹殺を選択しました」

「治療?そんな話聞いてないぞ」

「驚かないで聞いてほしいの。ロイ教官は…」

 

驚かない筈がない。兄さんは既に死んでいた?それもしんばしの時から…。

それはつまり…私の所為で死んだ、私が殺したという事か?

 

しんばしで私を助ける為に突入して、酸素発生装置を壊されて。

急遽の代案で血を飲んだのだろう。

だってあいつから血が流れる程噛んだのだから飲んでいても可笑しくない。

 

惨めだ。

とことん惨めだ。

 

兄さんに憧れて人を助けようとして、兄さんを殺してしまうなんて…。

 

けど兄さんが選んだ道を邪魔するつもりはない。

迷惑を掛けてしまったのだから、手伝いたい。

 

「艦長、武蔵の制圧・救助作戦を進言します」

「しろちゃん…皆はどう?」

「心の友しろちゃんと偉大な師匠の為なら!!」

 

納沙さん…ありがとう。けど偉大な師匠ってなに?

 

「わ、私も!!今ここで逃げちゃって武蔵の人になにかあったら嫌だから!!」

「艦長、副長、あたし達はやるよ!!」

「うい!!」

 

皆が一緒になるのを感じる。

 

比叡の時よりも強く団結している。

 

心が一つになる…私達が一人の人間であるかのような錯覚すら覚える。

 

「艦長、晴風全員が賛成しています!!」

「ありがとう皆。…副司令官、晴風に作戦を通達して下さい!!」

「なんでそれを…分かりました。作戦を通達します」

 

作戦は要するにこうか。

噴進弾を武蔵の上を通過するよう発射。

煙に呑まれたのを確認したら強行接舷。

その後はRATsを駆除しつつ感染者に抗体を撃ち無力化。

制圧したら横須賀まで連れてこい…。

 

無理難題を吹っ掛けられている。

 

一発しかない噴進弾、航洋艦で大和型戦艦に体当たり、質量差を考えない曳航。

 

それも強行接舷の際はシールドを張れない。

理由は張ってると武蔵を弾いちゃうからだぞうだが、危険だ。

深海棲艦がいなくてもRATsで狂暴化してるのは変わらない。

 

曳航の方はコードを入力すれば馬力が武蔵の300倍になるから大丈夫だそうだ。

しかし知らないと使えない機能にコード。

なにより入力端末が受話器だと知ったときは誰もが驚いた。

 

「艦長、各部配置に就いてます。作戦の開始を」

「うん、作戦開始!!」

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