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宗谷邸
真白「うう・・・」
椅子の上で項垂れている彼女は、何かの紙を持っていた。
真白「なぜだ・・・なぜこんなにも低いんだ・・・」
その紙は先日受けた横須賀女子海洋学校の模試が、
入学不可能という書き込み付きで帰ってきたからである。
別に彼女が勉強をサボっていたとか、本気で受けていないとか、
知能指数が猿並の馬鹿ということはない。
寧ろその逆で積極的に勉強しており、成績も優秀な部類に入る。
だからこそ、目の前の現実が受け入れられない。
真白「ははは・・・ははは・・・」
ロイ「大丈夫か?」
真白が絶望に飲まれているところに、
教材を詰めた箱を持ったロイが現れる。
真白「ああ・・・ロイさん・・・私もうダメかもしれません」
そういう顔は笑顔であるが、目がとても濁っていた。
流石にロイも、何があったのかを聞いてしまう。
ロイ「何があった、大丈夫か!?」
真白「模試・・・模試・・・模試があぁ・・・」
ロイ「模試がどうした!!」
その時ロイは真白が紙を持っていることに気付き、それを奪って見る。
ロイ「なにがあったらこんな点数を叩き出せるんだ、
お前・・・しっかり勉強していたよな?」
真白「うん・・・」
ロイが模試を奪ったことで、正気を取り戻してきた真白。
ロイ「解答用紙はあるよな?、
なんでこんな点数になったか、分析するぞ」
真白「うん、確かここに解答用紙があった気が・・・」
早速解答用紙を見始めるが、その瞬間、ロイは笑ってしまった。
真白「な、なんで笑うんですか!?」
ロイ「真白・・・お前、ちゃんと見直ししたか?」ケラケラ
真白「ちゃんとしましたよ!!」
笑い出したロイに少し怒り気味で返してしまう。
そんな真白に、ロイはある一言を言い放つ。
ロイ「回答欄が一つずつズレてるやん」ケラケラ
真白「///」カァーッ
急いで真白は解答用紙を見る。
確かに、途中から一つずつズレている。
ロイ「そこ以外は基本大丈夫だから。元気出せって」
笑うのを辞めて励ますロイ。
真白はロイにあるお願いをする。
真白「あの・・・私にも、教えてくれませんか?」
真白のお願いは、勉強の指導だった。
少しでも不安を軽くするためのことだ。
実際にロイの指導を受けた真冬達べんてんは活躍している。
そこから考えたことでもあった。
ロイ「いいぞ。早速、なにか不安な所や苦手な所はあるか?」
真白「うん。この問題の所が・・・」
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図書館
ロイ「海戦研究・・・陸戦研究・・・艦船・・・」
早速だが、今俺は図書館に来ている。
理由としては、真白の歴史の教科書を見て前世と今の世界の差の大きさを知ったからだ。
陛下が第二次世界大戦が無く、日本は海に沈んでいると言っていたが、
他にもまだ違うことが多い。
まず飛行機やミサイル、ヘリコプターとかの空を飛ぶものが無いのだ。
ライト兄弟め、しくじったか。
そのおかげで飛行船がまだ空の主役を務めている。
そのため空母は無く、飛行船支援母艦なるものになっている。
そして加賀は空母になること無く、戦艦として活躍している。
他にも世界史でアドルフ・ヒトラーと調べると、
ドイツ第三帝国の総統 1945年死去
と書いてあった。詳しく調べると第一次世界大戦で大怪我を負い、
そこから世界平和がなんたらと書いてある。
弱体化したドイツ復活のため、オーストリアなどを併合しているのは変わらないが、
ダンツィヒ要求の際、最新の戦車や武器を大量に渡すことで回収しており、
世界大戦は回避された。その後ポーランドはソ連と戦うも、
英仏独がポーランドを支援したためソ連は白紙講和をする。
最期はベルリンの総統地下壕を視察し出た直後、
過激派によって妻とともに殺害されている。
ムッソリーニとは平和主義者という点で仲が良く、
彼が反体制派によって妻と共に殺され、
吊し上げられた際、とても悲しんでいる。
余談だが、彼の描いた絵は彼の故郷オーストリアの美術館で、
大切に保管されているらしい。イタリアにも幾つかあるようだ。
ロイ「はぁ・・・大きすぎるだろ」
溜口を零しながら帰ろうとするが、
ふと手を伸ばしているツインテールの少女を見つける。
どうやら欲しい本が高いところにあり、届かないようだ。
ロイ「この本か?」
ロイは少女が欲しいと思われる本を取って聞く。
少女「あ・・・ありがとうございます」
そういうと少女は本を取って走っていった。
ロイ「急いでたのか。にしてもここは酷いな。
高いところの本を取る手段が無い」
図書館を出ると、そこには真雪がいた。
真雪「あら、ロイ君。その格好で外出していたのね」
ロイ「そうですが・・・どうかしましたか?」
真雪「いえ・・・まあいいわ」
軽く困惑しているが、それこそがロイ、という考えをする。
真雪「そういえばロイ君は、昔教師をしていたの?」
ロイ「はい。だいぶ前ですが」
真霜から聞いたと思われるロイの過去。
真雪「ねえ。学校で先生やってみない?」
ロイ「うん・・・うん?」
あまりにも突然なことで、驚いてしまう。
真雪「横須賀女子海洋学校で海洋実習の時は人手不足なのよ。
取り敢えず来年の春から、どう?」
ロイ「いえ、大丈夫ですけど、教育免許持ってませんよ」
真雪「大丈夫よ、海洋学校はブルーマーメイドやホワイトドルフィンの職員を
特別講師として呼べるのよ。別に免許はいらないわ」
ロイ「それなら安心して教壇に立てる」
一安心したロイ。そうしているうちにロイは目的の場所につく。
ロイ「それではこの辺で。教師の話、来年の春からですね」
真雪「ええ。けど春休みの時に一度呼ぶから、覚えておいてね」
ロイ「分かりました。それではまた明日」
時間は過ぎ、夜になる。
するとロイの近くの海面が急に膨れ上がる。
ロイ「予定道理の到着だな」
そういうと膨れ上がった海面から潜水艦が現れる。
妖精「横七から電文です。
四月上旬に一度戻ってこい、と言っています」
ロイ「あいつがそこまでいうとは、何かあったか?」
妖精「なんでも面白い発見があったそうで、
それが形になるまで結構時間が掛かるようです」
横七からの電文の内容を気にしつつ、潜水艦に入るロイ。
そこには前世では一部の人にしか見えない妖精がいた。
艦長妖精「前回と同じく、このまま潜航して待機します」
ロイ「頼む。俺はもう休む」
そう言って奥に行くロイ。
この船が、今のロイの家である。