ロイ「分かりました。それでは、すこしお待ちください」
仮面を付けて接客し、そのまま厨房で料理を作る。
この出店にはかなりの人が並んでいる。
テレビ局のカメラが来ているが、対応しない。
向こうも行列が出来ているので近付けない。
ナナヨコのレストラン。
80gの肉とそれに付いてくる少量の野菜のみが注文できる出店。
価格は300円。テーブルは4つ。
売りは美味しさと謎のウェイトレス兼コックのロイ。
ロイの素顔を探るためカメラが幾つか仕掛けられてたが、全て潰した。
扉には鍵が掛けられており、無理に開けようとするとサイレンが鳴る。
まあずっと仮面を付けているので、撮りたいものは撮れないが。
そんなこんなで一気に時は過ぎ、閉店の時間になる。
テーブルや椅子は倉庫に。コンロや冷蔵庫は自前なので潜水艦を呼ぶ。
そうしていると、真冬が現れる。
ロイ「どうした、もう料理は出さないぞ?」
真冬「違えよ、付いてこい‼」
真冬に連れられて、来たのは何かのステージだった。
司会「それが対戦相手でいいですね?」
真冬「勿論だ。日頃の恨み、今ここで返す!!」
日没前のイベント・・・何だったっけ。
これから行われることが分からず頭を回す。
その間に答えが回ってくる。
司会「格闘大会前回、前々回王者の真冬さんが連れてきたチャレンジャー、
ここ横須賀基地では知らないものはいない、
ナナヨコ隊長、化物の異名があるロイ・ヴィッフェ・ヒドルフ!!」
ロイ「格闘戦か、そんなんで呼んだのか・・・」
場は盛り上がっているが、そんな様子をただ見ていたロイ。
司会が勝利条件を言っていたが、聞き逃してしまう。
ロイ「すまないが・・・ルールを変えさせてくれ。
制限時間なし。何でも使っていい。そして俺は真冬に攻撃しない。
試合は真冬が諦めたら負け、これでいいか?」
この発言を受け、さらに盛り上がってしまう観衆。
真冬はとても悪い笑顔をしている。
司会「・・・それでは、試合スタート!!」
真冬「でやあああぁぁぁ!!」
開始早々全速力で突っ込んでくる真冬。
司会「今年も出た!!、チャンピオンの必殺技、先制突撃。
大半の挑戦者は、ここで敗れてしまう!!」
ロイ「遊んでるのか?」
真冬「なに!!」
しかし、その攻撃はロイに当たらない。
司会「何という事だ!!、壁を蹴って空中に逃げた!!」
ロイ「来なよ、反撃を恐れず、ただひたすら殴りに」
真冬「ば、馬鹿にするなよ!!」
そして繰り出されるパンチは、全て寸で躱されてしまう。
司会「すごい!!、チャンピオンが手も足も出ない!!」
ロイ「どうした!!、まだ一発も殴れてないぞ」
真冬「まだ・・・まだ・・・」
しかし真冬は既にもう疲れていた。
理由はロイが防御の時に真冬の腕を少し引っ張ったり、
肘を押すことで止めたりしていたからだ。
真冬「こんな・・・こんなはずじゃ・・・」バタッ
司会「な、なんてことだ!!、絶対王者、宗谷真冬が今、倒れた!!」
ロイ「もう終わりか?、じゃあな。まだ片付けが終わってないんで」
呼び止める司会に背を向け、出店に戻るロイ。
すると途中で真白が現れる。
真白「ごめんなさいロイさん、迷惑じゃなかった?」
早速謝る真白。実は真白は真冬がロイと戦うことを知っていた。
今朝も技の練習をずっとやっており、
それが原因で真白がボランティアとして運営に参加していた。
武蔵に乗れず、少し悲しんでもいる。
ロイ「大丈夫だ。それよりもお腹は空いているか?」
真白「うん。お昼食べる時間が無かったから」
ロイ「そうか。少し待っててくれ」
そういうと潜水艦に入っていき、一度目は机と椅子を。
二度目は出店で出していた料理を出して戻ってきた。
ロイ「少しだけお肉が余っててね。一人じゃ食べきれないから、真白にあげるよ」
因みに言うと、これは嘘である。
人気だったため余りはほとんど無く、ロイ一人でも十分食べきれる、
というよりもこの肉は、潜水艦に元からあった食料である。
真白「ありがとう。大人気の料理を食べれて、嬉しいよ」
?「くそう、くそう・・・」
そんな二人の姿を見て、ひとり悲しんでいる人がいる。
真冬「訓練の恨みも晴らせず、ただ負けた。
それにあのステーキ、私も食べたかった・・・」
草叢に体を隠し、涙を流す真冬。
そこにロイがやってきて、
「お前の分もあるから、ほら行くぞ」
腕を掴まれテーブルまで引き摺られていく。
その後は皆で出されたステーキを食べ、笑っていたとさ