を無事に投稿をすることができました‼︎
今回は『6311文字』までの膨大な量を頑張って
書きましたが豆腐のようなクソナメクジメンタルの
自分はきちんと面白く書けているのかとても心配に
なります……(汗)
【お気に入り】や【しおり】、【投票】、【感想】
などいただければ豆腐のようなメンタルで脆い自分
も更に『創作意欲』が増していきます‼︎
面白く出来ているかどうか心配でいっぱいですが
一生懸命にたくさん書きました。
最後まで読んでいただいてもらえたら嬉しいです‼︎
「──待たせたわね」
その言いながら五河琴里がブリーフィングルームに
入ると同時、部屋の中央に設えられてた円卓に着いて
いたクルーたちが、一斉に立ち上がって綺麗な敬礼を
寄越してきた。
「いいわ、そのままで」
そんな彼らの動きを制するような手を軽くひらひらと
させるも、クルーたちは姿勢などを決して崩そうとは
しなかった。小さく肩をすくめながらも歩いていき、
最奥の席に腰掛ける。するとようやく、クルーたちも
席に着き直した。
──傍から見たなら、それはさぞ異様な光景であった
だろう。
琴里は自嘲気味に鼻を鳴らしてから、鏡面のように
綺麗に磨き上げられた手元のパーソナルディスプレイ
に視線を落とした。
そこには、黒いリボンで長い髪を二つに括ってた、
如何にも生意気そうな女の子の姿が映り込んでいる。
皆と色違いのそんな深紅のジャケットを肩掛けにし、
偉そうに足を組み、あまつさえ口の中には大好物の
チュッパチャップスまでくわえている。
そんな無礼極まる小さな少女を、大の大人たちが
恭しく敬礼までして迎えるというのだ。事情などを
知らぬ者──琴里の義兄である士道なんかが見たら、
驚愕に失ってしまうやもしれなかった。
「……ふふっ」
そんな詮ない想像に、思わず唇の端を緩めてしまう。
士道なら、ここに訪れたその段階で絶句してしまうに
違いない。琴里は体重をかけるように背もたれに身体
を押し付けた。
普通にしている分にはほとんどわからないが、意識を
集中させると、小さな駆動音と微細な振動を感じ取る
ことができる。
そう。このブリーフィングルームが存在してるのは、
地面に聳え立つビルディングや、地下に設えらえた
シェルターの中ではない。
天宮市上空一万五〇〇〇メートルに浮遊した空中艦
──〈フラクシナス〉。その直中に配置をしている
のである。
無論、普通に考えれば、全長二五〇メートルほどを
超える巨大な金属塊が、ここまでの静粛性と安定性
を保って空中に静止し続けられるはずなどがない。
明らかに、異常な水準の技術レベルである。
だがそんな──人智を一つ二人超えた技術力を持って
いてなお困難を極めてしまうくらいに、琴里たちに
与えられた任務は滅茶苦茶だった。
「──それでは、全員集まったところで、定例報告会
を始めましょう」
琴里の右隣の席に腰掛けた副司令・神無月恭平が
そう言うと同時、琴里の視界から自分の顔がすぐに
消え去った。真っ暗だったディスプレイに、映像が
映し出したのである。
それは、天宮市の一部の望遠で撮影したものだった。
だが……それを天宮市の人々に見せたところで、
自分の住んでいる街と認識できる者は少ないかも
しれない。
何しろ、地面は隕石でも衝突したように抉れ、構造物
は滅茶苦茶に破壊されているのである。いかにも無惨
に剥がされた道路の舗装。支柱だけが残った高架橋。
少なくとも、人間が安全的且つ文化的な生活を送れる
街には見えない。
加えて──
『──
部屋に設えられたスピーカーからそんな声が響くと
同時、ドドドドドドドドッ! という騒音が轟渡り、
画面内に凄まじい爆発と煙を巻き起こした。
陸上自衛隊AST。世界を蝕む災害『空間震』の原因を
排斥するために組織された特殊部隊である。
まるで映画のワンシーンのようなそんな光景。しかし
これは、CGでも妄想などでもなく、現実に日本国内で
起こっていることなのだ。
だが、映像はそれで終わりではなかった。
それはそうだ。彼らは何も、無為に弾薬や装備を消費
するために出動するわけではない。
『──』
──ぃぃん、と、耳鳴りのような音が鳴る。
それと同時に、画面内に満ちていたそんな濃密な煙が
真っ二つに断ち斬られた。
否、煙だけではない。地面や崩落した建造物の残骸
までもが滑らかな断面を晒し、更にはその延長線上に
ある空中にも剣圧の塊とも言うべき空気の線が伸びて
いった。
そこにいたAST隊員が慌てて回避を行うも、装備など
の一部が削り取られ、しばらく滞空したのち地面へと
落ちていく。
そして煙が晴れ──その太刀筋の主が姿を現した。
そこに立っていたのは、冗談としか思えないくらいに
綺麗な少女だった。
ぼんやりとした不思議な輝きを放つそんな光のドレス
を身に纏い、右手に大きな大幅の剣を握っている。
風に遊ぶ髪は漆黒に近い夜の色。端正な貌の中央に
鎮座した双眸はまるで水晶のようである。
だが、その美しい貌に浮かんだ表情は、お世辞にも
彼女の魅力を引き立てるものとは言い難かった。
陰鬱そうに歪められた眉。引き結ばされた唇。
敵意と憎悪に彩られた目。
それら全て示すのは──途方もない倦怠と絶望に
他ならなかった。
『……また、
少女が吐き捨てるように声を発し、剣の柄を握る
手に力を入れる。
次の瞬間には先ほどと同じように街が切断され、
その景色を一瞬のうちにがらりと変えた。
──
見た目こそ麗しいものの、彼女は明らかに人間とは
異なる存在だった。
彼女こそが『空間震』の原因と目されている、
「……あ、改めて見ると、とんでもないですね」
と、円卓に着いたクルーの一人──〈
額に汗を垂らしながらうめくように呟く。
「本当に……可能なのでしょうか、こんな少女を
相手取って──」
「今さら泣き言なんて聞きたくないわ」
琴里は部下のそんな弱音を切って捨てると、ふうと
息を吐いてあごに手を置き、画面の中の少女を改めて
見つめ直した。
そんな物騒な名前呼ばれるにはあまりに美しく──
痛ましい少女を。
「──私たちがやらなければ、何の冗談でもなく世界
はそのうち滅びてしまうわ。ASTを始めとする各国の
対精霊部隊も頑張ってはいるみたいだけれど、正直、
相手になっていないのが現状。──それに」
口にくわえたチュッパチャップスをガリ、と齧る。
「私たちが諦めたら、その瞬間、彼女たちの救いは
この世からなくなるわ」
琴里の言葉に、クルーたちはごくりと唾を呑んだ。
琴里たち〈ラタトスク機関〉の目的。
それは──空間震の原因たる精霊を平和的その手段で
以って無力化し、普通の生活を送れるようにすること
なのである。
考えようによっては、単純な殲滅作戦により遥かに
難易度の高いミッションだ。
だが、琴里たちがやらねば、彼女らは永劫、人間に刃
を向けられながら生きねばならないのである。
そんなことは……琴里には、決して許容などは
できなかった。
──一歩間違えば、琴里があの少女のようになって
いたかもしれない。
「………っ」
クルーたちの不思議そうな視線に、琴里は小さく息を
詰まらせてた。もしかしたら、少し思い詰めた表情を
作ってしまっていたかもしれない。
気を取り直すようかのようにブンブンと首を振る。
偉そうなことを言っておきながら、自分が部下たちを
不安がらせてどうするというのか。
「で、これはいつの映像だっけ?」
「……ん、およそ三週間ほど前だね」
琴里が問うと、左隣の席に腰掛けてた女性が、分厚い
隈に彩られた双眸を向けながら、眠たげなそんな声を
上げてきた。
村雨令音。〈フラクシナス〉の解析官にして、琴里の
友人である。
「三週間……ね。その前の現界は?」
「……それからさらにひと月ほど前だ。
……あくまで、〈プリンセス〉に限っての話だが」
令音の言葉に、琴里は腕組みしながらキャンディの
棒をピンと立てた。
「やっぱり、どんどん現界頻度が高まってるわね。
──そろそろ、私たちも次の段階へと移らないと
いけないかもしれないわ」
「……というと──ついに彼を?」
「ええ」
琴里は唇の端を上げると、大仰にうなずいた。
如何に高度な技術力を持つ〈ラタトスク〉とはいえ、
それだけでは精霊を籠絡することなどできはしない。
作戦成功の鍵となる人物──要は、精霊と直接接触を
する対話役が必要なのである。
と。
「……ん?」
琴里は微かに眉をひそめた。
肩掛けにしたジャケットに入れていた携帯電話が、
不意に震えだしたのである。
「ちょっと失礼するわよ」
言ってポケットから携帯電話を取り出し、画面を確認
してみて、琴里が小さく肩をすくめた。
「噂をすればなんとやら、ね」
「……?」
「件の『秘密兵器』からよ」
令音が首を傾げてくるのに返し、琴里は通話ボタンを
押した。
なぜか琴里の言葉を聞いたその瞬間、令音がハッと肩
を揺らした気がしたが、さして気にも留めずに言葉を
発する。
「もしもし? どうしたのよ士道」
『…………ッ、こ、琴里……? おまえ、本当に琴里
なのか?』
電話口の向こうから、兄・士道の声が聞こえてくる。
なぜだろうか、妙に戦慄した様子の、そんな震えた
声だった。まるで──そう、妹に電話をかけてみて、
まったく知らない誰かが電話に出たなら、そんな調子
になるかもしれない。
「? 一体何よその反応は。失礼ね。私だって忙しい
んだから、用件は手短に──」
「……琴里、琴里」
と、ちょんちょん、と令音が通話している琴里の肩を
つついてくる。
少々こそばゆかった、令音は意味もなくこんな戯れを
するような人間ではない。何か理由があるのだろうと
思い視線で問いかける。
すると令音は無言で指をピンと立て、ちょいちょい、
と琴里の頭を指し示してきた。
正確には、琴里の側頭部で髪を括っているリボンを。
「……え?」
琴里が訝しげに首を傾げ──
「──あ」
令音の意図に気付いてハッと目を見開いた。
髪を括るリボン。それは、琴里がいつも用いる
マインドセットのスイッチだった。
白いリボンを着けているときは、無邪気で明るい士道の妹。
黒いリボンを着けているときは、苛烈な司令官。
そして士道は、後者の琴里のことを知らないのだ。
「やば……」
どうせそのうち明かすことになる秘密だろうが、
そのときが来る前に無用な詮索などをされても具合
が悪い。琴里が慌てて携帯電話をその場に置くと、
手慣れた動作で一瞬のうちにリボンを付け替えた。
そしてコホンと咳払いをしてから、再び携帯電話を
耳に押し当てる。
「おー! どうしたのおにーちゃん?」
琴里がそんな甲高い声を上げてみせると、部屋に
居並んだクルーたちが一様に苦笑いを浮かべていた。
だが、今の琴里にはそんなものさして気にならない。
どちらかというと、電話の向こうで
『琴里が……琴里が俺のこと呼び捨てに……?
い、いや待て……聞き間違いという可能性も……
いやでもやっぱりあの本は……』
と、ブツブツと呟いている士道の方が気にかかった。
「さっきからどーしたの? なんか変だよー?」
『! あ、ああ……いや……』
琴里が問うと、士道はしどろもどろになってから
言葉を続けてきた。
『琴里……おまえ今、どこにいるんだ?』
「え?」
琴里はぐるりと眼球を動かし、すぐに部屋の全景を
眺めてから唇を開いた。
「友達の家だよ? なんでー?」
まさか、天宮市上空一万五〇〇〇メートルに浮遊を
している空中艦の中だなんて言うわけにはいかない。
適当に出任せを言っておく。
『友達……』
すると士道が、なぜか戦慄した様子でごくりと唾液を
飲み込んだ。
『琴里、その友達って、普通の友達だよな……?』
「え? 普通のって……普通じゃない友達って
なーに?」
『いや……それは』
士道は何やらモゴモゴと口ごもった。最初、司令官
バージョンで士道を呼び捨てにしてしまったことを
差し引いたとしても、明らかに様子がおかしかった。
と、何やら思い立ったかのように、急に大きな声を
響かせてくる。
『そ、そうだ! 琴里、ちょっとその友達に電話を
替ってくれないか?』
「えっ?」
琴里はぴくりと眉を動かした。
「な、なんでー?」
『い、いや……ほら、妹がお世話になっている
んだから、挨拶くらいはきちんとしとかないと
いけないだろ……⁉︎』
「………」
今でも幾度か友人宅で士道からの電話を受けたことは
あったが……彼がこんなことを言うのは初めてのこと
だった。まさか、琴里の言葉が嘘であると気付いてる
とでもいうのだろうか?
とはいえ、ここで無下に断っていろいろ詮索されても
面倒である。琴里は再び部屋の中を見回し──令音に
アイコンタクトを送ってから口を動かした。
「んー、ちょっと待ってて」
言ってから、「適当に話を合わせて」とジェスチャー
で示し、令音に電話を手渡す。
「……ん」
令音は「任せたまえ」と言うように頷いてから電話を
手に取った。
「……お電話替わりました。はい……いつも琴里とは
仲良くさせてもらっています」
と、上手く対応していた令音が、不意に眉根を
寄せた。
「……琴里との関係……? ええ、友人ですが……」
どうやら士道が、令音のことを不審に思ってるみたい
らしい。まあ、それも仕方ないことかもしれなかった
琴里の友人というには、少々声と口調が大人びすぎて
いる感がある。
かといって令音以外に電話を渡していたならそれこそ
「こと」だった。何かの間違いで神無月あたりが対応
していたなら、今日の晩ご飯前に五河家緊急家族会議
が開かれていただろう。
「……? 他に……ですか。はあ、まあ、上司と部下
でもあるので……主従関係などともいえないことも
ありませんが。……ええ、琴里が主です」
「……!」
何やら琴里が思案している間に、令音が誘導尋問に
引っかかっている気がした。令音から慌てて電話を
引ったくる。
「お、おにーちゃん? もういいよねー? あはは、
本当面白い子でしょー? もう、あの子ったら冗談
ばっかり言うんだからー」
『……琴里』
士道は、心配そうな語調のまま続けてきた。
『お、俺は……何があったとしてもおまえの味方
だからな?』
「えと……おにーちゃん?」
『だから、その……何か辛いこととか、悩んでいる
こととかあったら、何でもにーちゃんに相談とかを
するんだぞ? な? 俺はおまえの悩みを笑ったり
しない。蔑んだりしない。絶対にだ』
「べ、別に悩みなんてないよー……」
『ん……そ、そか。わかったよ話したいときに話して
くれればいいからな。──そ、そうだ! 琴里、今日
何が食べたい? 何でも琴里の好きなものを作って
やるぞ!』
「え、えっと……」
なんだか妙に士道が優しかった。琴里は困ったように
苦笑を浮かべ──
次の瞬間艦内に響き渡った緊急アラームによって
その表情を掻き消された。
「……! 司令、天宮市西部地区に空間震の予兆が
確認された模様です!」
「空間震警報、発令されました! 住民の避難などが
始まります!」
「この波長は……恐らく〈プリンセス〉です!」
「ちょ──」
琴里は泡を食って電話の下部で覆った。
が、その騒音とクルーたちの声はしっかり聞こえて
しまっていたらしい。士道が困惑をした様子で声を
発してくる。
『こ、琴里……? 今の音は……それに、なんか
たくさんの人の声が……』
「えっと……そ、そう! 今ゲームしている最中
なんだよー! ラスボス戦みたいだから切るねー!」
『ちょ、琴──』
士道の呼びかけを無視して、通話を切る。
ついでに携帯電話の電源を切ってジャケットの
ポケットに放り込み、琴里は再度リボンを付け
替えた。
「ったく……よりにもよってこんなタイミングで
……!」
頭をくしゃくしゃとかく。これは今日帰宅したあと、
いろいろと士道に追求されてしまいそうであった。
だが、今はそれどころではない。煩わしい諸々の事情
を振り払うように首を振り、声を張り上げる。
「カメラ用意して! 作戦の本格始動までに、
少しでも精霊の情報を集めておくわよ!」
『了解!』
琴里のその号令に応じ、クルーたちが一斉に声を
上げてきた。
──翌日・四月一〇日。
琴里たちの作戦は、開始する。
最後まで読んでいただきありがとうございます‼︎
これからも皆さんが『応援』をしていただければ
『更新』の頻度が更に上がるそんな可能性がある
かもしれません‼︎
【報告】
今回はなんとか無事に『五等分の花嫁 繋がり合う絆』
や『とある暗躍の幻視者』などを近いうちに『更新』
する予定なので是非とも楽しみにしてもらえたら、
本当にありがたいです‼︎
『他の投稿作品』もあるので、是非ともそちらも
楽しんで見ていただければ、本当にありがたいです‼︎
十香と士道が出会う前の四月九日の話を書いた方がいいか
-
書くべき
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書かなくていい
-
どっちでもいい