デート・ア・ライブ ■■■の精霊   作:灰ノ愚者

4 / 31
今回は四月に入ってからなんとかすぐに更新をする
ことができました‼︎


今回は『4646文字』までの膨大な量を頑張って
書きましたが、豆腐のようなクソナメクジメンタルの
自分はきちんと面白く書けているのかととても心配に
なります……(汗)


『デート・ア・ライブ0』はこれにて『最終話』
なります。


【お気に入り】や【しおり】、【投票】そして
【感想】などいただければ豆腐のようなメンタルで
脆い自分も更に『創作意欲』が増していきます‼︎


面白く出来ているかどうか心配でいっぱいですが
一生懸命にたくさん書きました。


最後まで読んでいただいてもらえたら嬉しいです‼︎


■■■ 四月九日

目を開くと同時に、眠るように混濁していた意識が

覚醒していく。

 

 

まるで視界に入り込んだ目の前の景色によって、

目を覚まされるかのような感覚。実際、長らく閉じて

いた瞼の隙間から流れ込んでくる風景は、そのくらい

鮮烈に彼女の心を揺さぶった。

 

 

最初に目に入ったのは空だった。青空に白い雲が

たなびき、絶妙なコントラスを作り出している。

 

 

だが徐々に視線を下げていくと──飽くほどに

見慣れた景色が彼女を待っていた。

 

 

「ぁ──」

 

 

抉られたように消滅した大地。滅茶苦茶に破壊された

建造物。空間そのものが意思を持って彼女の現界など

を拒絶しているような、灰色の世界。

 

 

それを目にした瞬間、彼女の全身がびくんと痙攣して

いた。

 

 

幾度目とも知れぬ現界の感覚。

 

 

それは──望まぬ闘争の開始を示す合図であった。

 

 

「───目標、〈プリンセス〉を確認。

攻撃を開始する」

 

 

遥か上空からそんな声が聞こえると同時、彼女に

目がけていくつもの円筒型のそんな物体──確か、

ミサイルといったか──が、火と煙を吐きながら

迫ってくる。

 

 

「…………」

 

 

陰鬱な息を吐きながら、右手をゆらりとその場で上方

に掲げる。すると、彼女に迫ってた何発ものミサイル

が空中で静止した。

 

 

そして彼女がその手をきゅっと握ると同時、それらの

ミサイルが空中で爆散する。

 

 

否、爆散というのは語弊があるかもしれなかった。

何しろ魔力の込められた炸薬の塊は、彼女の手の動き

に合わせて、内部から重力に引っ張られるように自壊

していったのだから。

 

 

……一体、これで何度目だろうか。

 

 

不意に眠りから覚めると同時に、見知らぬこの世界に

放り出され──武装した人間たちに襲撃される。

 

 

そんなことを、彼女は何度も何度も繰り返して

いたのだ。

 

 

だが、上空に展開している人間たちはそんなことでは

怯まないようだった。また懲りずに、彼女に向かって

ミサイルや弾薬をばらまいてくる。

 

 

「……ふん」

 

 

彼女は不機嫌そうにその顔を歪めながら、踵を地面に

突き立てた。

 

 

 

「──〈鏖殺公(サンダルフォン)〉」

 

 

 

そして静かにその名を呼ぶと同時──地面から彼女の

身の丈を超える玉座が出現する。天使〈鏖殺公(サンダルフォン)〉。

この世界で唯一彼女を守ってくれる、『形ある奇跡』

である。

 

 

彼女は玉座の手すりに足をかけると、その背もたれに

収められていた剣の柄を握った。

 

 

そして、一気にそれを引き抜く。

 

 

盾にさえ使えそうなくらい歩幅の刀身を持つ大剣。

それは淡い輝きを放ちながら、彼女の動きの軌跡を

描いていた。

 

 

「去ね、人間……ッ」

 

 

彼女は憎々しげに吐き捨てると、ブンとその大剣を

振り下ろした。

 

 

瞬間、彼女のその太刀筋に沿うように空気が震え、

その延長戦上にあるものを薙ぎ払っていく。

 

 

それは空中すらも例外ではない。機械を纏った人間

たちが、慌てた様子で彼女の剣撃を回避していった。

追撃を恐れてか、先ほどよりも距離を取って彼女の

周囲を飛び回り始める。

 

 

だが──

 

 

 

「ぬ……?」

 

 

眉根を寄せる。彼女の斬撃から逃げまどう幾つもの

シルエットの中、一人の人間が彼女の前に降り立った

のである。

 

 

他の人間と同じように、全身に機械の鎧を纏っている

少女だ。この殺伐としてる戦場にいるのが似合わない

くらいに綺麗な顔立ちをしているのだが……そこには

表情らしきものが一切見受けられなかった。

 

 

確か名は……トビイチオリガミ。仲間にそう呼ばれて

いるのを聞いたことがある。

 

 

思わず顔をしかめる。彼女が人間たちの中でもっとも

苦手としているのは、間違いなくこの少女だった。

 

 

無論、力の差は歴然である。確かの人間たちの中でも

戦闘技術には長けた方らしかったが、それでも彼女の

足元にすら及ぶまい。

 

 

事実、幾度となく彼女に襲撃をかけていながら折紙は

彼女の霊装に傷を付けたことさえなかった。

 

 

だが……

 

 

 

「…………」

 

 

折紙が、双眸を刃の如く研ぎ澄まし、彼女を刺し殺す

ような視線を放ってくる。

 

 

「──っ」

 

 

 

彼女は思わず息を呑んだ。

 

 

そう。人形のような……という彼女のそんな形容に

意を唱える者はいないだろうが、それは折紙からは

まったく感情が窺い知れないことを示すわけでは

なかった。

 

 

むしろ人間たちの中でもっとも強く、深く、激しく、

その仮面の如き表情の隙間から彼女に対する敵意(てきい)を、悪意(あくい)を、殺意(さつい)を──痛いくらいに放ってきていたので

ある。

 

 

「ぅ……」

 

 

心臓が絞られるような感覚に感覚に、眉をひそめる。

 

 

 

──嗚呼(ああ)駄目(だめ)だ。これは(きら)いだ。

 

 

 

どんな強力な兵器であろうと、彼女の霊装を傷つける

ことは叶わない。

 

 

しかし、音もなく発される敵意は。

 

 

視界に込められた悪意は。

 

 

彼女の存在を消し去ろうという殺意は。

 

 

容易く、彼女の心を引き裂いた。

 

 

「……め、ろ……」

 

 

「………」

 

 

軋みを上げるほどに強く、大剣の柄を握りしめる。

 

 

 

「その目を──やめろぉぉっ!」

 

 

 

叫ぶと同時、彼女は手にした大剣を振り抜いた。

先ほどと同じように、その太刀筋の延長戦上に

存在する瓦礫が綺麗に両断されていく。

 

 

「……!」

 

 

しかし折紙はそれを予想していたとでもいわん

ばかりに身を翻し、その一撃を華麗に避けた。

 

 

そして不自然な姿勢で空中に静止したまま、手にした

巨大な砲門から、夥しい数の弾薬をばらまいてくる。

 

 

「ふん……!」

 

 

だがそんなものが彼女に届くはずもない。キッと視線

を鋭くするだけで弾は彼女に触れてしまう前に空中に

弾け飛んだ。

 

 

が──恐らく、そんなことなどは折紙も承知していた

のだろう。

 

 

「む……?」

 

 

ぴくりと頬を動かす。目の前に展開した弾幕の破裂に

よって視界がちらついた瞬間、折紙の姿が霞のように

消えていたのである。

 

 

「──く……!」

 

 

と、折紙の刺すようなそんな敵意を感じ、彼女は剣を

振り上げた。

 

 

次の瞬間。彼女の背後から現れた折紙が、奇妙な機械

から出現させた光の刃を彼女へと振り下ろしてきた。

──要は、銃弾などでは彼女には通じないと知って、

あえて目くらましに使ってきたようだ。

 

 

彼女の〈鏖殺公(サンダルフォン)〉と折紙のレイザーブレイドが

打ち合い、火花を散らす。

 

 

「舐めるな……ッ!」

 

 

「──」

 

 

彼女が柄を握る手に力を込め、そのまま一気に剣を

振り抜くと同時、折紙は一瞬、レイザーブレイドから

光の刃を消し去った。

 

 

「ぐ……っ⁉︎」

 

 

急に負荷がなくなり、姿勢を崩してしまう。

 

 

すると折紙が好機とばかりに、再度握った柄を光の刃

を出現させ、彼女に剣撃を放ってくる。

 

 

「この……!」

 

 

彼女は体重を右足へと預け、左足を振り上げると、

その靴底で以て折紙の放ってくるレイザーブレイドを

受け止めた。

 

 

バチバチという火花が散り、微細な振動が霊装越しに

伝わってくる。

 

 

「く──」

 

 

さすがにこれ以上連撃などを放ってくるつもりは

ないようだ。折紙が後方へ飛び退き、距離を取る。

 

 

彼女はフンと息を吐くと、振り上げていた左足を地面

に打ち付けた。

 

 

霊装を纏っている今の状態であれば、別の無防備な

脇腹に一撃をもらおうとさしたるそんな痛痒もない

はずだった。

 

 

だが──それを理解してなお、この女に急所を晒す

のを身体が躊躇ったのである。

 

 

彼女は、未だ狂気に近い敵意を放ってくる少女に

目を向けた。

 

 

「……なぜ、だ」

 

 

そして、幾度放ったとも知れない問いを、懲りずに

発する。

 

 

「なぜ、貴様等は私に刃を向ける……ッ! 一体、

私が何をしたと言うのだ!」

 

 

「……なぜ?」

 

 

言うと、折紙は油断無く光の剣を構えたまま声を

発した。

 

 

 

「あなたは災厄(さいやく)。あなたは害悪(がいあく)。そこに『いる』だけで世界(せかい)不和(ふわ)(しょう)じさせる。───〈プリンセス〉、あなたが存在(そんざい)することは許容(きょよう)されない」

 

 

折紙の言葉に、彼女はギリと歯を嚙みしめた。

 

 

 

意味のわからない問答などだけではなかった。

──〈プリンセス〉。その呼称が、そんな彼女の心を

ざわつかせた。

 

 

その言葉が彼女を示してることにはなんとなく察しが

付いていた。識別名。彼女を攻撃目標と断ずるための

記号。

 

 

その名で呼ばれると、彼女自身も自分を無機質な

殲滅対象と認識してしまいそうになるのである。

 

 

「……その〈プリンセス〉というのを、やめろ」

 

 

「あなたにそんな権限はない。〈プリンセス〉」

 

 

折紙は構わず呼称を続けてくる。彼女は足を踏み

しめて、拳を作った。

 

 

「やめろと言っているだろう! 私は〈プリンセス〉

ではない! 私は───」

 

 

そこで。彼女は、言葉を止めた。

 

 

──止めざるを、得なかった。

 

 

「わ、たしは……」

 

 

非常に単純。且つ残酷な理由。

 

 

 

彼女(かのじょ)には───名前(なまえ)が、なかったのである。

 

 

 

初めから持っていなかったのか。それとも忘れて

しまったのか。記憶の中に、己を示す語句などが

見当たらない。

 

 

いや、そんなこと、今でもわかっていたはずなのだ。

だが、改めてそれを認識すると──灰色の世界に自分

が一人、取り残されてしまったかのようなそんな錯覚

に襲われるのだった。

 

 

「っ、……わた、し……は──」

 

 

呆然と、声を発する。そんな隙を、折紙が見逃すはず

などなかった。完全なノーモーションですぐにその場

に飛び上がり、そのまま彼女にレイザーブレイドを

振り下ろしてくる。

 

 

「はぁッ!」

 

 

「ぐ……」

 

 

一瞬、防御が遅れる。折紙の剣が彼女の胸を深々と

抉った。

 

 

無論、最強の鎧たる霊装には傷一つも付いていない。

彼女自身も、微かな負荷を感じたくらいで、ダメージ

など負っていなかった。

 

 

だが──

 

 

 

「──ああああああああああああああああああッ!」

 

 

 

彼女は絶叫を上げると、〈鏖殺公(サンダルフォン)〉を滅茶苦茶に

振り回した。

 

 

「消えろッ! 消えろッ! 消えろッ! 私の前から

消え失せろ……ッ!」

 

 

四方八方に剣撃が放たれ、目に映る景色を一瞬ごとに

様変わりさせていく。

 

 

「く……」

 

 

さすがに折紙も避けきれないと判断したのだろう。

地を蹴って空中へと飛び退く。

 

 

だがそんなもの、もう彼女には関係なかった。

ただがむしゃらに、〈鏖殺公(サンダルフォン)〉で周囲の風景を

切り刻んでいく。

 

 

 

「ぅ、ぁ、ああ、ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁあ──ッ!」

 

 

 

それは、誰にも解されることもない──

 

 

悲痛な、「助けて」の叫びだった。

 

 

 

 

──そして翌日・四月一〇日。

 

 

彼女は、一人の少年と出会う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──え?」

 

 

不意に。五河士道は振り返った。

 

 

そのまま視線を巡らせて周囲の様子を見取るが──

何もおかしなことはない。

 

 

士道の視界に映るのは見慣れた五河家のリビングの

壁であり、士道のその鼓膜を震わせるのは、遠くから

聞こえる鳥のさえずりと、時折響く車の駆動音のみ

だった。

 

 

「……おかしいな」

 

 

ぽりぽりと後頭部を描きながら眉をひそめ、首を元の

位置に戻す。

 

 

なぜだろうか──別にどこからも声など聞こえて

いなかったのだが……誰かに呼ばれたかがした

のである。

 

 

「…………」

 

 

何というか、少し自分の感覚器などが心配になって、

耳に水が入ったときのように二、三度耳を強く叩いて

みせる。だがやはり、耳にはそんな異常などは一切

見受けられなかった。

 

 

まあ、気のせいだろう。士道はそう結論づけて、

テーブルの上に広げられた本の誌面に視線を戻した。

 

 

 

子供(こども)非行(ひこう)に走ったら』

 

 

性同一性障害(せいどういつせいしょうがい)を受け止める』

 

 

()めて(ただ)子供(こども)(みち)

 

 

 

「……俺が狼狽えちゃいけないよな」

 

 

 

両親は今日の、朝から海外出張などで家を開けて

しまっている。今琴里を見てやれるのは士道しか

いないのだ。

 

 

士道は先ほどの妙な感覚を不思議に思いながらも、

とりあえず今日の夕食などは琴里の大好物で揃えて

みようと思う。




最後まで読んでいただきありがとうございます‼︎


これからも皆さんが『応援』をしていただければ、
『更新』をする頻度が更に上がる可能性があるかも
しれません‼︎



【報告】

今回は無事に『東方墨染ノ残花』書き直し(修正)
更には『デート・ア・ライブ ■■■の精霊』
『とある暗躍の幻視者』を『更新』をする予定なので
楽しみにしてもらえてたら、本当にありがたいです‼︎


『他の投稿作品』もあるので是非ともそちらの方も
楽しんで見ていただければ本当にありがたいです‼︎

十香と士道が出会う前の四月九日の話を書いた方がいいか

  • 書くべき
  • 書かなくていい
  • どっちでもいい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。