ソラ、シロ、マックロドールズフロントライン   作:弧蒼 ソタ

6 / 8
指揮官災難(中編)

作戦は速やかに進行した。

まるでバターを温めたナイフで切るかのようにあっさりと解決に向かっている。

 

「ねえ?ちょっといい?」

 

指揮車両の運転席から声がかかった。

 

「忘れてたんだけどあたしが乗る飛行機はどうしたの?あれないといつまでたってもカリーナさんの部下状態じゃん。毎日毎日作戦報告書作るの面倒なんだよ?」

「まあまあ、あとなんでも大規模作戦のために貸し出してる最中だから。多少はね?」

「ちゃんと帰ってくるのかなぁ?」

「安心していいぞ。もしS09地区の噂の指揮官が下手ならその分ぶん捕らせてもらうとするさ。」

 

運転席で運転してさらにはカリーナを支援している彼女の名は明日方舟。いろいろと特殊体質なのだかそれはおいおい。今回、指揮官の間では俗に特異点と呼ばれる大規模な作戦が進行中であった。なんでも軍と共同で行っているらしい。とりあえずそんなことはこのイスタンブールかどっかあたりの辺境では今朝の朝食が硬かった程度の問題に等しい。

 

「ふふ、俺の勘だと絶対に失敗するはずだ。」

「その根拠は?」

「じつはな、、、、、、鉄血にスパイがいるらしいんだ。」

「え?初耳。そんな人徳あったんだ?」

「なんかひどいな。」

 

指揮官は椅子からずり落ちる。気を取り直して前かがみに座りなおす。

 

「ああ、と言っても今回の作戦の一回しか来てないんだがな。コードネームはEE。俺がメタルギアファンだからわかる味方ネームだ。」

「EE................?ああ、エマ・エメリッヒの事?」

 

しばらく記憶の底をさらった後べっとりと付いたタールを見たかのように嫌そうな顔をして明日が言った。

 

「多分俺のところにいたハイエンドモデルのメイドの事だと思う。名前はそうだ........ユートピア。懐かしいな。胡蝶事件が起こる直前までスタンドアロンでいたから、、、何年前だ?とにかく俺たちの希望そのものだった。」

「そんなにすごいロボットだったの?」

「ああ、ビームで物を浮かす機能付きだった。ってそうじゃなく、人類人権団体唯一のロボットだったハズだ。俺たちの派閥は前も聞いたことあるだろ?」

「えーーっと共産主義なんだっけ?」

「そう、俺たちはロボットにはかなわない、そのことを素直に認める必要があると考えた派閥だ。だから原点に戻った、金による暴力社会から力を平等に振るうことで核の抑止力ならぬロボットの抑止力、、、いわゆる個人に権力を持たせようとした。一昔前のインターネットによる個人の権力の有力化に似ているな。そのためにも俺たち自身でロボットを量産、民間で飽和させることによって武力による富の強制分配を実行しようとしていたんだ。そのための研究開発用として俺たちは汗水たらし、時には犯罪まがいの事もした.........前の警察官の仕事をほっぽりだして本当にどうかしていたと思うよ。そのかいあってユートピアを購入した。その1.2年後に胡蝶事件が起こってどこかに消えてしまったんだ。」

「そのユートピアって人形の昔話は良いけどさあ。本当に彼女だっていう保証はあるの?っていうかどういう手段で連絡してきたの?」

「ない。だがわざわざメールにサインを送ってきたうえに鉄血の内部状況を知らせてきたんだ。それに終わり書きと連絡方法を見ればわかるんだ。」

「どうして?」

「Vectorがお気に入りの屋上のベンチで休憩していたらドローンがいきなり墜落してきたんだ。一緒に運ばれてきた小包のなかに血だらけの包帯と手紙が入っていたんだ。血液を採取したところひどく損傷していたがアッシュの血液だった。そして送り書きは人類人権団体に栄光あれ。どうだ?俺は指揮官。そして人類人権団体は敵対団体。普通のやつは考えつかない。」

「なるほどねえ。」

 

しばらく明日は考えたのちふと思いついたかのように質問する。

 

「メタルギアを知ってるってことは彼女に変な知識押してたんでしょ?」

「まあ、な。。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。