冒険者と呼ばれた男   作:牛猫

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ヌメーレ湿原にさえ...着けば...。




冒険者と地下道

 

「ねえキミ♥ちょっとボクと闘らない?」

 

 

 

 ようやっとハンター試験会場に着いた俺は何故か、ヤバそうなオーラを纏ったピエロに絡まれていた。

 

 周囲の様子を伺って見るとさっきゴン達に色々言っていたおっさんは顔を真っ青にして黙りこくってしまったし、他の受験者達もこっちを見ようとしない。どうやらこのピエロは相当厄介者扱いされてる様だ。

 

 

「なあおっさんあんた色々詳しいみたいだけど、コイツ知ってる?」

 

「こ、こいつは奇術師ヒソカ。去年合格確実と言われながら気に入らない試験官を半殺しにして失格になった奴だ...。」

 

「そんな事はどうだっていい♠良いだろ?キミ中々出来そうだしさ♣」

 

「ふむ」

 

 改めて目の前の男を見ると、結構良い身体をしている事が伺えた。筋肉の付き方に加え、オーラの動きと質、見られた時の反応からするにコイツは、重度の戦闘愛好家(バトルマニア)って奴なのか。単純な強さでいえば平均的な"上級騎士"以上かもしれない。だからこそ気になるのがコイツはどうしてオーラを常時露出させているのか、ということだ。

 

 オーラを露出させながら闘う。それは俺からして見れば余りにも無防備かつ危険な行為に他ならないのだが。

 

 

「...ヒソカ君だっけ。俺は別にやっても良いけれど今はちょっとなあ、試験中だし、もうちょっと後に機会があれば闘っても良いぞ」

 

「OK。...楽しみに待ってるよ♥」

 

 

 笑みを深めたピエロはゆっくりとその場を離れていった。

 

 

「おいあんた、やめといた方がいいって!殺されちまうぞ!」

 

「なに、そんなにやっばい奴って訳?」

 

「奴は去年試験官の他に20人の受験生を再起不能にしてるんだぜ!やっばい奴どころじゃねえよ!」

 

「ふーん」

 

 

 まあオーラ制御の出来るやつが一般人を何人相手取った所で負けるわけ無いだろうけども...そんなことを考えていると、クラピカが話し掛けて来た。

 

 

「なあルカ。ひょっとして、あの男もオーラの使い手なのだろうか」

 

「だと思う。といっても俺この時代のメジャーなオーラの扱い方とか殆ど知らんけど」

 

「その、オーラが使える奴ってのはこの会場には何人位いるんだ?」

 

「安心しろよレオリオ、オーラの使い手はこの会場には俺とあのピエロ、何か針が一杯顔に刺さってる奴と後は...試験官位だ」

 

 

『ジリリリリリリリリ!!!』

 

 レオリオにそういうと突如ベルの音が地下道に鳴り響き、スーツ姿の髭の立派な男が姿を現した。

 

 

「ただ今をもって受付け時間を終了いたします」

 

 どうやらあの髭の男が試験官だろう。そして彼もその身にオーラを纏っている。やっぱりあれが今の時代の正当なオーラの使い方で間違いなさそうだな。...マジ?

 

 

「ではこれよりハンター試験を開始いたします」

 

 そういうとその男は配管を降り、受験生達について来る様に言うと突然、地下道の奥へと走り出した。

 

 

「おいおい何だ?やけにみんな急いでねーか?」

 

「試験官の男が走り出したみたいだね」

 

 

 一次試験担当官の男は自らの名をサトツと名乗った。一次試験は"試験官についていく事"らしい。簡単だな!まあオーラが使えなかったらまだ分からないかもしれないけどさ。

 

 

 しばらく走っているとスケボーに乗っている子供がいた。よく見ればさっき見た才能ありそうな坊主か。スケボーとは良いなあ、楽そうじゃないか。

 

 そう考えているとレオリオが銀髪のボウヤに怒鳴った。ズルいと思う気持ちはわかるけどさあ。

 

「ねェ君、年いくつ?」

 

「もうすぐ12歳!」

 

「ふーん...やっぱ俺も走ろっと。俺キルア」

 

「俺はゴン!」

 

 

 どうやらゴン君はまた一人友達を増やしたらしい。コミュニケーション能力高いね君...やっぱミトさんの教育の賜物なのだろうか。

 

「そこのオッサンの名前は?」

 

「...聞かれてるぞレオリオ」

 

「まさか。あんたの事だろ?」

 

「つーかどっちもだよ」

 

「「ぐっ」」

 

 またオッサンって言われた...どうして!やっぱりこの白髪頭か!いやいや。これは銀髪だよ。そこのキルア君と同じのな。

 

「オッサ...これでもお前らと同じ10台なんだぞオレはよ!」

 

『ウソォ!?』

 

「あ、ひっでーぞ!ゴンはともかくルカ、テメエまでそんな事を...おめーも俺と一緒にオッサン扱いされたってぇのに!」

 

「別にい?俺は良いもーん、実際とっくにオッサンって呼ばれてもおかしくない年齢だしなぁ」

 

 わし、千と数十歳。なけるぜ。

 

「じゃあいくつだよ、言ってみろ」

 

「自分でも覚えて無いでーす!」

 

「んな訳ねーだろてめっ、吐きやがれコラッ」

 

 

 ちょっ待て、脇腹、そこ脇腹だから!脇腹はやめろって!

 

 

 

 

 

 

 それから数時間の間、俺達は走り続けた。途中でサトツさんの走るペースが上がったりとか急に地面が階段になったりとか色々あったものの、今のところ俺達は全員残ってると思う。レオリオとクラピカは後ろに行ってしまったから分からないが。

 

 俺、ゴン、キルアの3人は受験生達の一番前を走っていた。

 

「いつのまにか一番前に来ちゃったね」

 

「うん、だってペース遅せえんだもん」

 

 

 俺は当然体力は温存しているが、ゴンですら少し息を切らしている中、キルアは全く息を切らしていなかった。結構やるじゃない。

 

「ふーん、じゃあオッサンはどうしてハンター試験をうけようと思ったんだよ」

 

 二人はハンター試験の志望動機について会話を交わしていると、急に俺にも話が振られた。

 

「オッサンて呼ぶな。俺にはちゃんとルーカスっていう名前が有るんだよ...俺にはゴン君みたいに深い志望動機は無いね。強いて言うなら身分証明の手段が欲しくて」

 

 そういうと、キルア君は吹き出した。失礼な奴だな、人の志望動機を笑うなって親に教わらなかったのかねこいつは。

 

 

「......だってよ、高々身分欲しさにハンター試験を受けるって...役所とかで申請とかすれば貰えるんじゃないの、分かんねーけど」

 

「俺からしたらこっちの方が手っ取り早くて楽なんだよ」

 

 

 そんな会話を交わしていると、ようやく地下道の先に光が見えてきた。この暗くてジメジメした地下道にもついに別れの時が来たらしい。

 

 

 

 

 

 ...そう思って地下道から外に出た俺だったが、そこで待っていたのは更にジメジメとした世界だった。...ガーンだな。

 

 

 




ヒソカが暴れるまで持ちこたえられれば...(瀕死)


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