人気をキープするたけにちょっとずつ投稿するだけなんだから!
……いやもうホント。
「塔助?どこに行くのでありますか?」
「ちょっと華道部に」
「華道部?私は華道部にはいきませんよ?」
まぁまぁ。
明瑠を連れて校舎をうろつき、なんと華道部まで来ました。
なぜ華道部かって?その秘密は、僕の手帳にある。
『無情さん部活手助けスケジュール』
……うん。マネージャーかストーカーか何かかな。
無情さんは小さい頃から色々な習い事をやっているので、様々な部活のお手伝いをしている。
水泳、剣道、美術……etc。
吹奏楽なんかは誰が無情さんの使ったマウスピースを洗うかで喧嘩になるのだが、大体は一致団結した女子軍に男子が殺されている。
今日は華道部の日だ。
扉の奥に襖があり、その奥で華道部が活動をしている。
「失礼します。無情さんを受け取りに来ました」
「お、塔助」
おっと晴れ着だ。コスプレか何か?
「いやぁ助かったよ。無情さんに思いつきで晴れ着をコスプレさせてみたら思った以上に絵になった。思わずパンフレット用の写真を撮ってしまったけど、いいかな?」
「無情さんがそれでいいなら。無情さん、帰りますよ」
「ああ。着替えるから少し待ってくれ」
無情ちさんにアポイントメント取ってくれてありがとー、と、感謝の気持ちを渡される。
やっぱり僕は取り巻きとかに思われているらしく、貢物……ごほん、贈り物の類も僕が管理している。
決してちょろまかしてなんかない。けど、たまに不埒な輩が贈り物と称して恋文や指輪の類を送ってくるから、その辺りはちゃんと検閲しないといけない。
えっと……お菓子だ。問題ない、あとで無情さんに渡しておこう。
「塔助、今の人は誰でありますか?すごく綺麗でありましたが」
「無情さんって言ってね。何事にも無感情なんだ」
「む、無情が無情でありますか」
「うん。そうなんだよね」
でも、中身はとっても可愛い人で……っと、きたきた。
「待たせたな」
「いえいえ全然。……ところで無情さん、紹介したい人がいるのですが」
「……ふむ。ここでは人の邪魔になる。屋上へ行きながら話そう」
無情さんへの貢物……のうちの一つ、マドレーヌを無情さんの口に運ぶ。
お、お気に召した。美味しいですよね、これ。
「ふぇ、ふぁふはふぁふぁえもふぃってふれ」
「え……ん……?」
「で、まずは名前を言ってくれ。と言ってます」
「なぜわかるのでありますか!?」
驚愕の目で僕を見る明瑠。
が、咳払いをして敬礼する。
「お、お初にお目にかかるであります!一年、明瑠と言います!水神からやってきました!」
「うむ、三年の無情 華蓮だ。ミズノというと……海が綺麗なんだったな。一度行ってみたいものだ」
「いっ、いえ、無情さんの方が綺麗であります!!……ええと、屋上、先に行かせてもらうでありますぅ!」
何言ってるの……?
ぎこちなかった明瑠の背中を見て、無情さんが僕にちょいちょいと手招きする。
え、なんですか?おかわり?え、違う。
「なぁ、彼女は転校生なのだろう?私なんかのところに連れてこずに、どこか違う場所へ言ったらどうな……おっと」
「いえ、既にこの校内は紹介して周りました。彼女、まだこの学校で友達いないですし、どうか友達になってはいただけませんか?」
「……ふぅ。なぁ塔助」
「は、はい」
無情さんに壁ドンされた。
む、無情さんに壁ドンされたァ!?
「友達とは、意図的に作るものではないのだぞ。彼女の性格なら、自然と友達も増えていくだろう。それに……」
「それに?」
「……私のような者が友達になってしまっては、さらに友達ができる可能性が減ってしまうぞ?」
『あいつ無情の友達だからハブろうぜ!』ってことが言いたいのかな。
まったく、自己評価が低すぎるんだから。地球の反対側までトンネル作ってるんじゃなかろうか。
「無情さん」
「ん……」
「そんなことはありません。明瑠も先ほど、無情さんに綺麗だと、尊敬の念を抱いていました。無情さんの友達になりたいと思う人は、この学校にたくさんいます。断言します。無情さんを悲しませるなんて、僕が許しません。……そのために、ボディガードやってるんですから」
「塔助……」
「自分に自信を持ってください。無情さんは綺麗で、可愛いですよ」
紅くて綺麗な瞳に溜まった涙を拭う。
ほら、素直じゃないんだから。
「……っ。今回はしてやられたな」
「はい。してやりました」
「先に行っててくれ、私は少し考えることがある」
「それじゃあ、先に行ってますからね。早めに来てくださいね」
きっと、積もる物があるんだろうな。
無情さんにハンカチを渡して、僕は階段を登った。
◇
ああああああああああああ……。
綺麗って言われた!可愛いって言われた!
先ほど口に何かを放り込まれたし……ま、ま、ま、まさかこれは『あ〜ん』というやつでは……。
うぅ。
ダメだ、塔助がいなくなるとすぐこれだ……!
いままでこんなに取り乱すことなんかなかったのに、最近は塔助の姿を見ただけでも
今はどの部活よりも、どの授業よりも、塔助といる方が心がやすらぐ。
これではまるで、年頃の乙女のようではないか。
壁に額を付け、火照る顔を冷やす。
「まったく、塔助はいつもこうだ……油断するとすぐにこう……なんか、する」
どう表現したらいいのだろう。
一体誰が、この気持ちを代弁できるだろう?
自分で言うのもなんだが、私は頭が良い。
無情財閥の後継ぎとして、勉学は厳しく教育されたし、様々な習い事もこなしてきた。
別にそれがどうというわけではない。楽しかったから。
しかし、ここまで多彩に育ってきた私が気持ちの一つも言葉に表せないのは、いかがな物だろうか。
「はぁ……」
漏れるのは、大きなため息ばかり。
なんの解決にもなっていない。
がしかし、明瑠という転校生がいる以上、良くしてやるのも先輩としての務め。
早めに行ってやらねばならんな。
「……ふぅ……すぅ……ふぅ……」
よし。深呼吸で鼓動は緩やかになった。
平常心、平常心だぞ華蓮。
私は、無情財閥の華蓮だ。
一応ここで終わりです。
次はいつ投稿するかわかりません。