小説の林堂 二次創作 小説「キノの旅」   作:イバ・ヨシアキ

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 皆様、お久しぶりでござます。
 イバ・ヨシアキでございます。
 やっとネット環境が戻りました! でも、工事費が……それでもキノの旅小説は出るのですね。18巻が出ました。
 キノがあんなキャラになってしまい、エルメスがあんなギミックがありと、驚く回でした。
 今はパソコンの中のデータを整理中なのですぐには載せれませんが、キノの旅を載せていきたいです。
 これからもよろしくお願いいたします。
 では、本編です。
 


女神さまの話 ──Story of goddess

 

 その国には、何故かとても大きな女神像がありました。

 様々な国を巡り旅する人々の間でいつしかその女神像は旅人の中で噂になり、その女神像の物見たさで訪れる人々で、その国は賑わっていました。

 今にでも空に飛んで行きそうな、まるで天使のような大きな両翼を背に持ち、その両翼と同じようにまるでこの国を抱くように細い両手を大きく広げ、優しく、そして穏やかな面持ちと澄んだ眼差しで国民を見守るように向け、まるでこの国を慈しむかのように何時も、幾年とこの国を、その女神像は見守っていました。

 自分たちを見守ってくれるその女神像に国民は守り神としてその女神像をとても敬い、いつも祈りをささげ、毎日が平和であることや身近な人が病気でない事や、日々が幸せである事を感謝していました。

 そんな国に旅人のキノとモトラド(注意・二輪車の事)のエルメスが訪れ、その女神像を感心しながら眺めていると──

 

 おや坊や見かけない子だね。

「はい、ボクは今日この国に入国したキノと言います。で、こっちが──」

「モトラドのエルメスです。よろしくおじいちゃん」

 おお、モトラドが喋るとは、これはまた珍しい乗り物じゃな。

「ええ、こいつはよく喋りますよ」

 ほう。

 またそれはそれは珍しいの。

「そうかな。世界は広いし、喋る乗り物がいてもおかしくはないんじゃない」

 たしかにそうじゃな。

 世界は広いからの。

 わしもこの国で落ち着く前までは、色々な国を巡っておったよ。世界にはいろいろな国があって、国によっては色々な人間がおるし、この国にも、かつて女神様が降臨されたしの……喋れるモトラドがおってもおかしくはあるまいて。

「……女神様?」

「女神様って、この像の事?」

 そうじゃよ。

 この国に女神様が舞い降りられたのじゃ。

「ええ、こんな大きな人が空から下りて来たの? 大騒ぎにならなかった」

 ははは、いやいや、女神様はこんなに大きな方ではなかったよ。

 それに女神様は普通の人間での、この国に来る時はボロボロな黄色い車に乗って来られたんじゃよ。

「……黄色い……車ですか?」

 そう、小さな黄色い車じゃったよ。

「……ねえ、キノそれって?」

「ッシ!」

 こうして大きな女神様として作ったのも、女神様の感謝を形にした結果じゃよ。

「こんなに大きく作るほど感謝してるの? 何をしてくれたの?」

「よろしければ教えていただけますか。その女神様の事を」

 ああ、良いとも。

 女神様の事をぜひ知ってもらいたいからね。女神様がこの国に降りてくれなんだら、わしらは今のこの生活を手にすることはできなんだ。

 妻も息子や孫も、今の平和や幸せを手にすることはできなんだ。

 それもこれも女神様と、そのお連れ様が、この国の暴君を皆殺しにしてくれたからじゃよ。この国をおった悪い奴を殺してくれたんじゃ。

 ほんに良い女神様じゃて。

「暴君?」 

 そう、この国はの昔三人の暴君がおったのじゃ。

 

 ……それはまだわしが若かった頃。

 でも、キノさんよりは確か年上だったかの。

 まあ、わしは旅人じゃった。

 もともとわしはこことは違う、遠い北の他所の土地で妻と一緒に暮らしていたんじゃが、ある年を境に不作が続いてしまっての、それが原因で国内で戦争が起きてしまいよったんじゃ。

 戦争は長く続いてしまい、結果、故郷はのうなってしもうた。

 わしと妻はどこかに移民できる国がないか探して世界を旅をしておったんじゃが、早々移民できる国などは見つからんもんでの、もし移民できる国があれば、それはまさに幸運じゃった。

 無論、移民が出来る国にもそれ相応の理由があっての、難しい条件や厳しい法律などで、移民なんぞかんたんに許可されんかったよ。

 もし許可が下りても、それはひどい条件での移民しかなくての、国によっては、移民者は奴隷と同じ扱いを受ける国がほとんどじゃったよ。

 そんな毎日が続き、もうどこの国に立ち寄る余裕も無くなり、最後に訪れたこの国で、わしらはどんな不利な条件でも移民するしかなかった。

 だがこの国にも不利な条件があっての、上から貴族に、そしてわしら移民が最下層の奴隷として扱われておったんじゃ。

 その制度がいつからかは知らんが、この国が出来てからもうあったらしい。

 出来ればこんな身分の差がある国に移民などしたくはなかったんじゃが、わしには当時、身重の妻がおっての、だからどうしても、この国に身を置くしかなかった。

 奴隷になっても何とか頑張れば市民になれると信じてこの国に移民したんじゃが、この国には、それはそれは恐ろしい貴族の三人兄弟がおったんじゃ。

 この三人はこの国を治める王様の子どもでの。

 産まれたときからまるで苦労を知らんで毎日を贅沢三昧をしておった、ろくでもない三人兄弟じゃったよ。

 まあ贅沢三昧ならまだわしらが我慢できることじゃったんじゃが、その三人兄弟は自分達は何をやっても許される存在と思いあがっていての、奴隷なんて人間ではないと言いきって、パースエイダーで撃ち殺しては毎日を遊んでおったよ。

 そう、あの三人兄弟は、いつも奴隷を殺して遊んでおった。

 必死に働いている奴隷を難癖つけては殺して、無茶苦茶な理由をつけては殺して、退屈だと気まぐれで殺してはと、奴隷をまるで人間として扱ってはおらんかった。

 最低な人間じゃったよ。

 いつも面白半分で奴隷を殺しておった。

 やがて自分の親、王様が死んでからその遊びはひどくなっての。

 長男が国を治めてからは、旅人なぞは奴隷と同じだと言い、国に立ち寄っただけの旅人を言葉巧みに誘いこんでは理由をつけて殺し始めよった。

 そんな悪いうわさが流れ、旅の商人すらこの国に立ち寄らなくなりだした頃に、あの死神様が来てくれたんじゃ。

 今もよう覚えておる。

 たしか片方は黒髪が腰まで長くてとても綺麗で背の高い、それはそれはとても見目美しい女性じゃった。もう一人のほうは、これも女性見たく見えるほどに細くてハンサムな男性じゃった。

 そんな二人が訪れたら無論、あの恐ろしい三人兄弟がほっとくわけがないからの。

 入国と同時に一番下の弟が、その旅人を屋敷に招待しおったんじゃ。

 どうせ美女を自分のものにしようとしておったんじゃろう。

 末の弟は節度が無いほどの女好きでの、奴隷や旅人の女性に好みのがいればいつも手籠めにしておった、どうしようのない極悪人じゃった。

 その美女も手籠めにしようと考えてたんじゃろう。

 入国したその日の晩にその末の弟は二人を夕食に招きおった。わしは何とかしてその二人にこの国から出るように伝えたんじゃが、せっかくの申し出を断るのは失礼だと言い、夕食に向かってしまいよった。

 わしはどうすることも出来ない自分を恥じたよ。

 でもわしにも家族がおるし、それ以上の事ができなんだ。

 せめてあの二人が無事に戻ればと祈っておったその日。

 その末の弟の屋敷が何故かドカンと爆発してしまったんじゃ。

 末の弟は木っ端みじんに吹き飛ばされ死んでしまいおった。

 美女の方はその爆発の時に運よく外に出ていての、美男が遅れてやって来てから外で気を失っているのを発見されたらしい。

 当時は、王族を狙ったテロに巻き込まれてしまったんじゃろうと、二人には嫌疑がかからなんだ。

 まあ、あの二人がまさか爆破したなんて思うまいて。

 

 次男がその二人を自分の屋敷に招待しよった。

 次男も末の弟に負けず劣らないほど残酷なやつでの、人を殺しては、はく製にして眺める最悪な人間じゃった。

 美女と男性を殺してはく製にしようと考えておったみたいじゃが、それは叶わんかった。

 その二人が屋敷に向かう前に、次男は死んでしまいおったんじゃ。

 昼食を終えた後、急に頭がパンとはじけて死んでしまったらしい。

 当時の噂で聞けば、昼食を終えた後、次男の頭が風船見たくパンとはじけてしまっての、頭が粉々になってしまいよった。

 わしはそこでようやくに気付いたんじゃ。

 

 あの美女が。

 あの美男が。

 この国の悪を殺しに来てくれたのじゃと気付いたんじゃ。

 

 あの兄弟を地獄に連れて行く為に来てくれたのじゃと、わしは解ったんじゃ。

 でもその事に気付いたのか、一番上の兄がその二人を殺そうと、家来を連れて国中を探しまわったんじゃが、どこにも見つからなくての、死ぬまでの間ずっといらついておった。

 あの時の事を思い出すたびに、胸のつかえがとれる程に爽快じゃった。

 

 そしてその兄もついに女神様の裁きが落ちる日が来たのじゃ。

 そう。

 一週間後の朝。

 その兄貴は自分の屋敷で殺されておったのじゃ。

 そしてようやく、この国にその三人がいなくなり、貴族が恐ろしくないと平民が立ちあがり、この国に革命を起こして、思いあがっておった貴族どもを打倒したんじゃ。

 威張り腐っておった貴族を家族もろとも全員処刑し、この国を変えるきっかけを与えてくれた女神様を今も称える様に、わしらはこの女神像を建てたんじゃ。

 これがこの国の由緒ある女神様の話じゃよ。

 

 老人が上機嫌で立ち去った後。

「師匠は、この国に立ち寄っていたんだ」

 キノがどこか感心しながら女神像を見て何気に言い、

「そして女神様になって崇められているなんてすごいよね」

 エルメスも関心するかのように言います。

「……色々な事をしていたって聞いてはいたけど、まさか像になっているなんて師匠も思ってないだろうね」

「あのおっそろしい師匠からまったく想像できないよね」

「うーん。でも何となく面影はあるかも」 

「あれ? ねえキノ師匠って中から翼が生えていったけ?」

 エルメスがわざとらしく訊ねてくる。

 キノは何故か不安そうに周りを注意深く確認してから、

「……翼は無かったと思うよ。あと、やっぱり少し顔が違うかな。もっと、こう、師匠はしっかりした感じだったような気がするし、もっと腕も筋肉がついていたと思うよ」

「あ、腰も、もう少し太かった気がするよね」

 

 女神像に陽の光がそっと指す中で、キノとエルメスはそんな会話をしていました。

 

 女神の話 END

 





 いかがでしたか?
 キノとエルメスがとある国に訪れて、師匠の偉業を知ってしまうと展開にしてみたのですが、語り手をお爺さんにしてみましたが、うまくかけたでしょうか?
 ところで、師匠の正体は何ものなのでしょうか?
 名前も不明のまま18巻まで来ましたが、語られる日は来るのでしょうか?
 以前の17巻の師匠のあの衣装はすごかった。
 そんな意外性の師匠が小生は気に入っております。
 では、また。
 
 
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