ダンジョンに賢王がいるのは間違っているだろうか?   作:ひまわり先生

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ダンまちキャラ結構いるから書き出すのめちゃ大変になりそうだと思い絶望しております。


・・・ちゃんと続けられるか不安

どぞ


episode 0  赤子

この物語は英雄志望(ベル・クラネル)でも剣姫(アイズ・ヴァレンシュタイン)の物語でもない。

 

 

この物語はロキファミリアの遠征帰りの途中、ハイエルフのリヴェリアがダンジョンの中では絶対に聞くことはない声を聴いたことから始まった。

 

 

「ん?フィン・・・止まってくれ」

 

「どうしたんだいリヴェリア?」

 

「急に立ち止まって何だ?」

 

「静かに・・音を立てないでくれ・・・・・」

 

 

聞き間違いだったらいい。

いや、聞き間違いであってくれた方がいい。

ダンジョンの中でしかも14階層、中層だ。

 

聞こえるはずがない、人の・・赤子の泣き声など。

 

 

「うぇぇぇぇん!!!」

 

「フィン!!ガレス!!」

 

「僕にも聞こえた!!!急ぐよ!!」

 

「おうとも!!」

 

 

三人は遠征の疲れも忘れ、泣き声のする方へと走った。

 

 

「どっちだ!!」

 

「そこを左だ!!」

 

「声が近づいてきてるのぉ!!!」

 

 

ここはダンジョン、赤子の泣き声につられて魔物は寄ってくるだろう。

そうなってしまえば赤子の命はついえてしまう。

これは三人が赤子の元にたどり着くか魔物が突くかのスピード勝負。

 

 

「この壁の奥からだ!!!」

 

「マッピングされてない場所、未開拓領域か・・・」

 

「声は少し遠いのぉ、それなら」

 

 

ドワーフのガレスは自身の武器を構える。

 

 

「どぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

ガレスの一撃で壁が崩れ、奥へと続く道が現れる。

 

 

「魔物の気配はないようだね」

 

「赤子の声もまだしている、先を急ごう」

 

 

道周りには胞子が青く発光するキノコが生えており、とても明るく神秘的であった。

道を進むにつれて赤子の声がはっきりと聞こえてくる。

 

そして開けた場所に出るとその中心にその赤子はいた。

 

 

「うぇぇぇぇん!!!」

 

「大事は・・・・・なさそうだな」

 

 

その赤子は木製の籠に入れられており、頭に青い宝玉の入ったサークレットを身に着けていた。

リヴェリアは泣き続ける赤子に手を伸ばす。

 

 

「待つんだリヴェリア、コレはもしかしたら」

 

「ダンジョンの罠であるならお前の指が反応しているはずだ」

 

「・・・確かにそうだね」

 

 

一度止めた手を再び動かし、その籠から赤子を抱いた。

それまでずっと泣いていた赤子が泣き止み、スヤスヤと寝息を立てている。

 

 

「フフッ、かわいい寝息だな」

 

 

赤子の無事に安堵した三人だが、突如体の周りが緑色の光に包まれた。

 

 

「何なのだこれは!?」

 

「リヴェリア!!その子を離すんだ!!!」

 

 

パルゥムのフィンの言葉はリヴェリアには聞こえていなかった。

その時彼女は頭に直接響く声にしか意識が向かなかったからである。

 

 

~麗しきエルフよ、その方を頼みます~

 

『リレミト』

 

 

眩い光によって視界を遮られる。

光が収まるとそこはガレスが崩したはずの壁の前にフィン、ガレス、赤子を抱いたリヴェリアが立っていた。

 

そして何より壊した壁が元に戻っており、その後何度崩そうとしてもあの神秘的な道が出現することはなかった。

 

 

「転移の魔法・・・・」

 

「それよりもこの壁はさっきワシが壊したはずなんだがどうなっとるんだ?」

 

「この子はいったい・・・・」

 

 

これが10年前の話らしい。

そして現在は・・・

 

 

「テメェ、また俺の顔に落書きしやがったな」

 

「よかったじゃん、みんなに大爆笑だったぞ」

 

「私の部屋に虫のおもちゃ仕込んだのはアンタね」

 

「『キャー――』だってさ、ちょー面白かったぜ」

 

「お前が布団に水たらしたせいで俺の二つ名が漏らす男(ウェットマン)になったんだぞ」

 

「ぷーくすくす、超お似合い」

 

 

「「「ふざけんじゃねぇ、ポロン」」」

 

 

「おい!!!ポロンまたお前か!!!」

 

「ヤッバ、リアだ・・・みんな逃げるぞ」

 

「キュキュ」「ゴブゴブ」「キキッ」

 

 

町中を逃げ回る金髪の少年。

名はポロン。

 

三匹の調教(テイム)された魔物、『ぶりっ娘アルミラージ』、『ガキ大将ゴブリン』、『はぐれバッドバット』を率いて今日もロキファミリアのメンバーにいたずらをして、追い掛け回されてる。

 

 

「リヴェリアもちゃんとママしとるなぁ、ウチもママァって甘えさせてもらいたいわ」

 

「それはやめといたほうがいいんじゃないかなロキ」

 

 

窓からのぞく二人はロキファミリアの団長、フィン・ディムナと神ロキ。

外の明るい光景に二人は笑みを浮かべていたが、フィンがある事についてロキに尋ねた。

 

 

「それよりポロンのステータスだけど・・・」

 

「まったく変化なしやでレベル0や」

 

()()()()・・・ね」

 

 

レベル0。

 

この世界には天界から神が自身の能力を封じて下界に降りてきており、その神が下界の子に神の恩恵(ファルナ)を与えることで様々な事象から経験値を得て能力を引き上げ、新たなる能力を得ることが出来る。

 

そして初めて恩恵を受けたものはある特別な条件が無い限り、基本はレベル1からスタートする。

つまり、レベル0なんて存在しないはずなのだ。

 

 

「しかもアビリティーもオール0で一向に上がらんし、魔法とスキルの欄には何か書いてあるようやけれど鮮明に見えへん」

 

「あれだけ走ってたら俊敏でも上がるはずだからね」

 

 

走ったりすれば俊敏がダメージを受ければ耐久が微々たるものではあるかもしれないが初期ステータスならば必ず上がる。

 

それも上がらないとなるともはやポロンが授かった神の恩恵(ファルナ)は異常としか言いようがない。

 

 

「ポロン、今日と言う今日は許さないぞ」

 

「待ってリア、そんなみんなの見てる前で尻たたきはちょっとっていうかレベル6の尻たたきはやばいって腰砕けちゃうから」

 

「大丈夫だ、加減してやるし、もし砕けてしまってもエリクサーを用意してやろう」

 

「たっ助けてくれ!!アルちゃん、ゴブさん、バッくん」

 

「「「・・・・・(プイッ)」」」

 

「裏切り者~~~~ぎゃ~~~~~~」

 

 

ポロンの断末魔が響いた。

 

 

「まぁ、ゆっくり調べていけばいいんちゃうん?」

 

「フッ、それもそうだね」

 

 

ロキは酒を片手にポロンの現状に爆笑し、フィンはポロンの断末魔を聞き、「本当に手加減してるよね」と苦笑いを浮かべている。

 

 

改めて言わせてもらおう。

この物語は英雄志望(ベル・クラネル)でも剣姫(アイズ・ヴァレンシュタイン)の物語でもない。

 

まだ目覚めぬ賢王の物語である。

 

 

 

~episode 0 end~




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