ダンジョンに賢王がいるのは間違っているだろうか? 作:ひまわり先生
とりあえず形になりました。
頑張って続きも書く予定です。
「『デイン』!!!」
「おお~」
ベルの放った雷の呪文によりゴブリンが魔石に変わる。
「まさかベルが魔法を覚えるなんてな」
「それを言うならこっちもだよ、ポロンが魔法を使えるようになってたなんて」
「弟子のベルが使えて師匠の俺が使えないなんて格好がつかないからな」
「師匠って僕ポロンから何一つ教えてもらったことないんだけど・・・」
ジトっとした目でポロンを見るベル。
そんな視線に対しポロンは笑ってやり過ごす。
(それにしても『デイン』か・・おそらく『ライデイン』と同じ系統の呪文だろうな)
(これも『ロト』がもたらした物なんだろうな・・・)
ポロンが関与したことによりベルのステイタスには『ロト』というスキルが追加されていた。
説明文にご丁寧に異世界の勇者とも書かれていた。
(俺のスキル戦友団結で唯一アルスの力だけ使えなかったってことはベルが『ロト』のスキルでアルスの力を受け継いだからってことになるよな)
「まっ難しいことはリアとかロキに考えさせるか」
「?」
「気にすんな、それより次の団体さんの登場だ」
ポロンが指で示す先にゴブリン3体とコボルト2体が現れる。
「今度は俺に任せな『メラ』!!!」
ポロンは魔物に向かい走り出し、ゴブリンに三体に対し火炎呪文メラを放つ。
「gygyaaaaaa」
「拳に気を乗せて~殴る!!!」
ポロンがコボルトの顔面を殴り、そのまま壁に叩きつけられる。
「gygyaaaaaa」
「からの~回し蹴り!!!」
ポロンの回し蹴りがきれいにコボルトの頭に決まる。
二体のコボルトはすぐさま灰となり魔石を落とした。
「GYAGYAAAA」
「その焦げたお顔も素敵だぜゴブリンさんよ」
メラにより顔にこげめのついたゴブリン三体が一度に襲い掛かる。
「ポロン!!!」
「問題ねぇ!!!」
肩掛けの鞘から剣を抜き、そのままゴブリンに向けて振るう。
黒い鎧を着た戦友の動きを思い出しながら体を動かす。
1体、2体、3体とすれ違いざまにゴブリンの頭を落とす。
「へっ、倉庫の中で眠ってたものだけど切れ味は抜群だぜ」
剣についた血を掃い、納刀する。
「ポロン・・・急に強くなりすぎてない?」
「ふっ・・・俺もついに真の力に目覚めたってところよ」
「なにそれ」
本当の事である。
(レベルアップしてから一週間で気の扱い、格闘術、剣術がだいぶ様になってきたな)
(キラやヤオみたいに技を出せるまで練度は高まっていなけど今なら上層は難なく攻略できそうだ)
「うっし、じゃんじゃん稼ごう」
「ちょ、おいてかないでよポロン」
~オラリオ:ギルド前~
ギルドから出たベルとポロンの二人は途中まで一緒にオラリオの街を歩いた。
「いや~稼いだ稼いだ」
「うん、いつもより多く稼げてる、ありがとうポロン」
「お礼なんていいよこれからも一緒に行動することになるパーティ―メンバーだろ」
「そうだね・・・これからもよろしくかな?」
「ああ、よろしく」
後にこの二人のパーティーが数々の逸話を残すのだが後のお楽しみに。
そんな二人が談笑しながら歩いているとベルがある声に気づく。
「どうしたベル?」
「今、女の子の声が・・・」
「このクソパルゥムが!!!」
「ぐっ!!!」
「っ!!行かなきゃ!!!」
「ちょっ!!待てベル!!」
ポロンの呼び掛けも聞かず裏路地に入る。
ベルが見たのは地べたに横たわる顔に打撲痕のある小さな女の子とその子に武器を向けてる男。
女の子は男が叫んでたように小人族で茶色のくせっ毛が特徴的だ。
「っ!!何があったんですか」
「!!なんだ小僧、関係ないだろ・・」
ベルは女の子と冒険者であろう男の間に入る。
「俺はそいつに用があるんだ」
「でも・・・その・・・」
自分よりも明らかに強そうな冒険者に委縮してしまう。
だが、傷つく女の子を見てほっとくこともできない。
(どっどうすれば・・・・)
焦ったベルをよそにフードを被ったポロンが現れた。
「いやーお兄さん、連れが出しゃばったマネをして悪いね」
気さくにへらへらと笑みを浮かべながら冒険者の男に近づく。
男の目の前に立ち、ポーチからそれなりにふくらみのある布袋を取り出す。
「ここはこれで手を打ちませんかね」
麻袋に指を入れ、その中の通貨を一枚相手に見せる。
「ほぉ、よくわかってるじゃねえか」
「ええ、それはこれぐらい常識ですよ」
男はポロンから布袋を奪い取るように取り、ベルやポロンに背を向ける。
その状況を見たポロンは小声で『ピオラ』を自身とベルに唱える。
ポロンはベルに近づき、耳元で囁く
「逃げるぞ」
「え?」
そう囁くとポロンは素早く女の子を片手に担ぎ始めた。
「ヴェルフ印の魔剣バージョン23起動!!!!!!」
ポロンの掛け声と共に男の方から「パンッ」という破裂音が聞こえた。
「ギャーー目がーーーー!!!!!」
その叫び声を聞いた僕はいち早く行動を起こしたポロンの後ろ姿に追いつくため走った。
「ポロンいったい何をしたの」
「ガハハ、遠隔起動できるちょっと強めの風が出る魔剣を激辛パウダーが入った紙風船に仕込んどいたわ」
「何しちゃってんの!?」
「いや~あんな上から目線のやつ見てるとムカつくから・・・テヘッ」
「テヘッ・・・じゃな~~~~~い」
そんなことを言いながらもベルとポロンは男が追ってこれなくなる場所まで逃げた。
「はぁはぁ・・・ここまでくれば大丈夫そうだな」
「はぁはぁ・・・そうだね」
「あの・・・そろそろ、うぷっ・・おろして」
女の子はポロンが運ぶ際に酔ってしまい顔色が悪くなっていた。
そんな様子を見てポロンは「すまんすまん」と軽く謝り、女の子を下ろした。
「・・・たすけてくださり、ありがとうございます」
「いや、僕は何も・・・ねぇ、なんで君は「ベル」」
ベルがなんであそこで暴力を振られてたかを聞こうとするとポロンがそれを止めた。
ベルの耳元でポロンが囁く。
「あまり深入りするな、同じファミリアならともかく関係ないファミリアに深く関わらない暗黙のルールだろ」
「でも・・・・・」
ポロンはオラリオでの最大派閥ロキファミリアに所属しているためこのような出来事に対して口酸っぱく長年言われてきた。
だからこそ先ほどの場面でフードを被り素顔を出さないよう工夫した。
ベルも頭では理解しているが、それで納得できるかといえばそうではない。
その気持ちが表情に出てしまう。
そんな中、女の子が口を開く。
「ではすみません、用事が残っているのでこれで失礼します」
「あっ・・・・」
「さっきの出来事は他言無用で頼むぜ~」
ベルとポロンは女の子の姿が見えなくなるまで見送った。
「そうだベル、明日から数日間パーティーを休ませてもらうから」
「別に大丈夫だけど?急にどうしたの?」
「なんでも俺の魔法はベルと同じ速攻魔法で使い勝手がいいから遠征でも使えるかどうか確認っていうか特訓だな」
ベルには『メラ』しか使えないことにしているため、多くは語れないが、明日からの数日は幹部メンバーがポロンに付き添ってポロンの呪文がダンジョン攻略で通用するかを見極めるそうだ。
「大手ファミリアも大変なんだね」
「まぁな」
「わかった、ソロで頑張ってみるよ」
そして二人は挨拶をかわし、それぞれの帰路についた。
次の日-------
ポロンの方では、
「よし、行こうかポロン」
「初日から団長様かい!!!」
「リヴェリアからも厳しくやるように言われちゃったからね」
「俺の人生ハードモードだぜ(泣)」
ベルの方では、
「冒険者さん、冒険者さん、サポーターを雇いませんか?」
「えっ・・・君は」
昨日出会った女の子に似たフードを被る茶髪の大きなバックパックを持ったサポーターが自身を売り込みに来た。
~episode 12 end~
☆☆本日のびっくり!どっきり!アイテム☆☆
『ヴェルフ印の魔剣バージョン23』
起動用と発動する側の2本の剣が必要になる魔剣。
発動する側は数回使用で壊れてしまうが起動側が全く壊れない優れもの。
半径3メイル(メートル)範囲でしか効果を使用できない。
能力としてはちょっと強めの風が出るぐらいでモンスター相手にあまり効果はない。
製作者が語るにこいつは一応魔剣だが俺の求めていた魔剣とは違うとの事
ポロンはいたずら用に数本作ってもらっており、最初のころは女の子の足元に置き、スカートめくりをするために使用していた。
(当然後で女性冒険者にボコボコにされた)
以上、本日のびっくり!どっきり!アイテムのコーナーでした。