ダンジョンに賢王がいるのは間違っているだろうか?   作:ひまわり先生

4 / 13
お気に入り100件突破、ありがとうございます。

多くの人に見られていて少し驚いています。

今回はダンまちでは有名なシーンですがポロン介入でどのように変化するか・・・

ご覧ください。


episode 3  白兎

「あぁぁぁ・・・しんどい」

 

みっちりとリヴェリアからお説教をもらったポロン。

そんな彼だが今現在はホームのトイレ掃除を罰としてやっていた。

 

 

「てか何でおいらまで罰を受けないとなんないんだ!!!!」

 

「ゴブゴ・・」

 

「落ち着けって言われても落ち着いていられるか!!!!」

 

「ゴブゴブゴ・・」

 

「『早く終わらせないと』ってなんでだ?」

 

「ゴブゴゴブゴ!!!」

 

「ああ、ベルと特訓があるんだった!!!」

 

 

コクっと頷くゴブさん。

 

 

「こうしちゃいられない、ゴブさんとっとと終わらせよう」

 

 

こうして二人は綺麗にそしてスピーディーにトイレ掃除を終わらせた。

 

 

 

~廃教会~

 

ポロンとテイムされた魔物3体はオラリオ外壁側の寂びれた廃教会に来ていた。

 

 

「ベル~~~、いるか~~~」

 

「は~~~い、今行きます~~~~」

 

 

廃教会の中から1人の白髪の少年が出てきた。

 

 

「すまねぇ、トイレ掃除に手間取っちまって遅れちまった」

 

「大丈夫だよ、僕もホームの掃除してたからさ」

 

 

彼の名前はベル・クラネル。

種族はヒューマンでレベル1。

 

最近オラリオに冒険者になるために田舎から出てきた。

特徴的な白い髪に赤い目。

体の線も細く、あまり冒険者向きではない。

そしてアイズに惚れている。

 

 

なんで別ファミリアであるベルと特訓することとなったのか。

それはとある夜の出来事だった。

 

 

 

================================

 

~豊穣の女主人~

 

 

ポロンは遠征に参加していなかったがロキファミリアの宴会に出ることになった。

 

少し居心地の悪さを感じながらも彼の持ち前のポジティブさと大道芸でみんなを盛り上げた。

 

そんな中、ベートがある話を始めた。

 

 

「なぁ聞いてくれよ5階層にいたトマト野郎の話」

 

「トマト?」

 

「ああ、帰る途中で何匹か逃したミノタウロスで最後の1匹だけ5階層でアイズが始末したんだがよ」

 

「いかにも駆け出しのガキが逃げたミノタウロスに追い詰められててよ」

 

 

ポロンはこの後の話に予想がつき、気分を悪くした。

 

 

「・・・・やめろよ」

 

「それでアイズが細切れにしたくせー牛の血を浴びて真っ赤なトマトみてぇになったんだよ」

 

「・・・・・やめろ」

 

「しかもそのトマト野郎、叫びながら走ってどっか行っちまってさ」

 

 

ポロンはどんどんと気分が悪くなり、それと同じく怒りもこみあげていた。

 

 

「あの状況じゃ仕方なかったです」

 

「いい加減にしろベート、そもそもあのミノタウロス逃がしたのは我々だ、恥を知れ」

 

「あ?ゴミをゴミと言って何が悪い」

 

「やめろって言ってんんだろ!!!」

 

 

ポロンはその場から立ち上がり、ベートの顔を殴った。

その時、同時に店から出る1人の少年がいた。

 

 

(あれってまさか!!!)

 

 

ポロンは瞬時にベートの話していた冒険者が出て行った少年だと悟った。

 

 

「ゴブさん!!アルちゃん!!バッくん!!追ってくれ!!!」

 

 

ポロンの号令を受けた3体とポロンは店を飛び出し、少年の後を追った。

 

一方で店の中でロキファミリアのメンバーは驚愕に満ちていた。

 

 

「・・・ねぇロキ、ポロンてレベル1なんだよね?」

 

「ロキこれはいったいどう事なの?」

 

 

ヒュリテ姉妹はロキに問い詰める。

この二人だけでなく宴会に参加したメンバーが思っていた。

 

なぜレベル1であるポロンがレベル5であるベートを殴り飛ばせたのか?

 

今、ベートはポロンに顔面を殴られ3m弱吹き飛び、気絶している。

本来ならあり得ない事実に驚愕した。

 

だがこのことに関してはポロンの秘密を知っているフィン達3人も驚いた。

しかしこの場にはロキファミリア以外の人物もいる。

ここでポロンの情報が明るみになるのを避けるためにフィンは一芝居打った。

 

 

「ベートも悪ふざけはそれぐらいでいいんじゃないかな?」

 

 

フィンはガレスにアイコンタクトを送るとガレスは頷き、ベートに近寄った。

 

 

「ふざけて後ろに自分から飛びおって、ずいぶん強く自分から飛んでおったが大丈夫か?」

 

 

ガレスはベートの口元に耳を近づける。

当然、本当に気絶している為、何も話していないがガレスは相槌をする。

 

 

「ん?何々?自分から吹っ飛んだ時少し脳が揺れて吐きそうじゃと!?」

 

「ベート店ん中ではいたらあかんで、ミア母ちゃんに出禁にされてまう」

 

「おいガレス、そのままベートを運んでくれ」

 

「まだまだ飲み足りないが仕方ないのぉ~」

 

 

ガレスはベートを運び、店から出た。

 

 

周りの冒険者も「なんだ、わざとか・・」とどうにか納得していた。

 

 

「でだ・・アンタらここの修繕費は?」

 

「ミっミア母ちゃん!?」

 

「どうなんだい?」

 

「修繕費と迷惑料込でちゃんとお支払いいたします」

 

「ちゃんとしてくれるならこっちも文句話言わないさね」

 

「お心づかい感謝します」

 

 

ミアが再び自身の立ち位置に戻ったのを確認するとロキが深い溜息を吐いた。

 

 

「ふぅ~、危うく出禁になるとこやった」

 

「心配なのはそこじゃないだろう」

 

「そっちはホームに帰った時に説明したる」

 

 

幹部組だけは気づいていた。

ベートが自分から吹っ飛んだのではなく、ポロンによって吹っ飛ばされたことを。

ただ団長たちが一芝居打ってまで他のものに知られたくない意図がある事が分かった為、その場で深追いはしなかった。

 

 

さて、視点をポロンの方に移そう。

 

 

「待て・・待って・・・待っ・・・て・・待って・・くだ・・さい」

 

 

ハァッハァッと息を切らすポロン。

 

 

「速すぎない!?」

 

 

ポロンと白髪の少年とのスピードは歴然の差だった。

 

 

「ハァッハァッ・・・バッくん!!アルちゃん!!先に行って止めてきてくれ!!!」

 

「キキッ!!」「キュ!!」

 

 

ポロンを除く魔物の中でスピードが速いのは地上ではアルちゃん、空中だとバッくんになる。

 

 

アルちゃんはウサギが原型の為、脚力が強い。

またポロン達とダンジョンを潜ることで経験値を稼ぎ、レベル2の冒険者に引けを取らない俊敏さを得ている。

 

バッくんも同様だ。

コウモリの為、俊敏さは元々高くない。

だが、狭いダンジョン内でも素早く移動できるよう自力で訓練し、ダンジョンにいるバッドバットとは比較にならない速さを手に入れた。

 

 

「魔物!?やめろ!!!邪魔しないでくれ!!!」

 

 

白髪の少年の声が聞こえる。

アルちゃんとバッくんが追いついたみたいだ。

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・追いついた~」

 

 

息を乱しながらもようやくポロンは白髪の少年に追いついた。

 

 

「何だよ・・・ほっといてくれよ!!!」

 

 

少年が声を上げた。

 

 

「ほっとけるわけないだろ、防具も身に着けないでダンジョンに行こうとしてる冒険者をさ」

 

 

白髪の少年は腰にあるギルドの支給品のナイフ一本を持ち、防具やポーション等の必需品も今は持ち歩いていなかった。

 

 

「・・・君も僕を笑いに来たんだろ」

 

「は?」

 

「そうだよ!!僕は弱い!!弱いんだよ!!」

 

「初めてゴブリンを倒したぐらいで神様に報告しに帰っちゃうようなガキだ!!!」

 

「ミノタウロスに襲われそうになって腰を抜かした弱者だ!!!」

 

「でも!!それでも!!」

 

 

少年はポロンの腕を掴み、叫んだ。

 

 

「あの人みたいに・・あの人に認められるために・・僕は強くなりたい!!!」

 

 

その言葉にポロンの心が揺れ動いた。

自分は諦めてしまったな・・と。

 

最初は物語の英雄などに興味をひかれ、冒険者になった。

だけど7年も才能の芽が伸びず、すでにポロンの中には英雄の二文字は消えていた。

 

だからこそ少年の覚悟のこもった瞳に、声に惹かれた。

胸が熱くなった。

 

 

「あぁ、強くなってベートを見返してやろうぜ!!」

 

「え?」

 

 

予想してた解答と違ったため、きょとんとする少年。

そんなことも気にせずポロンは続けた。

 

 

「よし!!そうと決まれば特訓だ!!!」

 

「えっ・・ちょっと待って」

 

 

急な展開についていけず少年は焦った。

 

 

「おいらはロキファミリアのポロン、こいつらは親友のゴブさん、バッくん、アルちゃん」

 

「ゴブ」「キキ」「キュ」

 

「えっと・・・ヘスティアファミリアのベル・クラネル・・・です」

 

 

流されるがままに自己紹介をしたベル。

そのベルの手をポロンが掴んだ。

 

 

「ベルだな、それじゃさっそく特訓スタートだ」

 

「えっ・・・え~~~~~!!!」

 

 

こうして、ポロンとベル・クラネルの運命が交じり合った。

 

 

================================

 

 

「ふ~・・・・いい汗かいたな」

 

「ってポロンは戦ってなかったでしょ!!」

 

「ゴブブ」

 

 

あの出来事が起きてからこうして時間が空いたときに一緒に特訓をするポロン一味とベル。

今日はゴブさんとアルちゃんを相手に模擬戦闘をしていた。

 

 

「ポロンも参加しないの?」

 

「いや、もうおいら君達の次元についていけないんだけど」

 

 

ベルはこの特訓を始めてからどんどんステータスが上昇している。

特に敏捷はアルちゃんに負けを取らないぐらいに上がっている。

 

一方、最初の方こそ参加していたポロンだが、ベルの成長に追いつかずもう魔物たちにお任せ状態だった。

 

 

「そういえば明後日から祭りだけどベルはどうすんだ?」

 

「祭り?」

 

「ああ、怪物祭(モンスター・フィリア)

 

 

ガネーシャ・ファミリアが主催する祭。

ダンジョンにいる魔物を調教し、その魔物同士をコロシアムで戦わせる見世物だ。

冒険者以外にも多くの人が集まり例年盛大な盛り上がりをしている祭りだ。

 

 

「出店やセールなんかもやってるからデートに最適なんだぜ」

 

「デッデデデッデートォ!!」

 

「そうさ、アイズでも誘って回ればいいじゃんか」

 

 

そうポロンはベルがアイズに尊敬と好意を寄せているのを知っていた。

 

 

「でも、まだ話したこともないし、急にデートなんて・・」

 

「あまいなぁベル少年」「キュキュッ」

 

 

指を振るポロンとアルちゃん。

ちなみにポロンの方が年下である。

 

 

「アイズははっきり言って美人だ」

 

「それは・・・はい///」

 

「スタイルも悪くないが・・・・天然すぎる」

 

「天然・・・ですか」

 

「ああ、それに戦闘狂だし偏食だし戦闘狂だし・・うぎゃあああああ!!!!」

 

 

さすがのポロンも冒険者になってからの七年間、つもりに積もったアイズへの不満が爆発した。

 

 

「ハァ・・ハァ・・悪い、取り乱した」

 

「まぁ、何が言いたいかと言うとアイズはモテる」

 

「やっぱり・・・」

 

 

モテるという言葉を聞き、テンションの下がるベルだがそんな姿を見たポロンは悪い笑顔をしながらベルの肩を組む。

 

 

「だがベルは他の有象無象とは、ちが~う」

 

「え?どういうこと?」

 

 

ポロンは親指を立てて自分を指差した。

 

 

「おいらがいるだろ」

 

 

いまいちポロンの話が呑み込めず?マークを浮かべるベル。

 

 

「だ~か~ら、当日は俺がベルのキューピッドになってやるってことよ」

 

「えっ・・・え~~~~!!!!」

 

「名付けて『無表情なあの子もベルにメロメロ大作戦(怪物祭編)』!!!!」

 

 

はたして、ベルの恋路は上手くいくのでしょうか。

 

 

~episode 3 end~




感想、評価よろしくお願い致します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。