ダンジョンに賢王がいるのは間違っているだろうか?   作:ひまわり先生

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今回は短いです。

ポロンも出ないです。

でも見てね。


episode 4  神の宴

ポロンとベルが特訓を始めてから数日たった後、ガネーシャファミリアのホームでは神々が集まり、宴を開いていた。

 

そんな中でタッパーを片手に会場の食べ物を一心不乱に詰めている小さな神がいた。

 

 

「これもこれもこれも、ベルくんのために持って帰ろう」

 

 

彼女は炉の女神ヘスティア。

ベルの所属するヘスティアファミリアの主神。

艶やかな黒い髪のツインテールに小さな背丈に似合わない大きな胸部が特徴だ。

 

ヘスティアは普段ならこのような場に顔を出さないが、ある神に合うために今回は参加した。

 

 

「こんばんは、ヘスティア」

 

「フレイヤ・・・」

 

 

嫌な顔をしながら声をかけてきた方を向く。

 

銀髪のとても美しい女神。

あぁ、彼女のためなら私はどんなことでもしてみせよう。

 

・・・おおっと、語り部としたことがすまない。

彼女の魅力に取り憑かれていたようだ。

 

彼女は美の女神フレイヤ。

彼女のファミリアはオラリオの中でも最大派閥のひとつであり、ファミリアの団長はこの世界でたった1人のレベル7だ。

 

 

「ボク、君の事苦手なんだよね」

 

「フフッ、私はあなたのそういう所好きよ」

 

「お〜い、フレイヤ、どチビ」

 

 

ヘスティア達の間に入ってきたのは皆さんご存知の神。

 

特徴的な赤い髪、関西弁、まない「ア゙ア゙ン?」

・・・ぜっぺ「ア゙ア゙ン?」

・・・すれん「・・・(怒)」

神界のトリックスターことロキ様であられる。

 

 

「あら、ロキじゃない」

 

「そうだロキ、君に訊きたいことがあるんだ」

 

「どチビがウチに?明日は雪が降るんやないか?」

 

 

当たり前だと言わんばかりにバカにした言葉出るロキ。

 

 

ぐぬぬと悔しそうな顔をしながら言い返すのを我慢し、ロキに本題を告げる。

 

 

「君のファミリアの剣姫、ヴァレン何某に付き合ってる男や伴侶っているのかい?」

 

「あほう、そんな奴いたらウチが八つ裂きにしたる」

 

「ちっ」

 

 

ヘスティアがなぜこんなことを聞くのかと言うとベルの発現したスキルが原因だった。

ベルがミノタウロスに襲われアイズに救われた後、ステータス更新を行った時にそのスキルは発現した。

 

 

憧憬一途(リアリス・フレーゼ)

 

相手を想う事で成長を保身させるスキル。

 

つまり、アイズに憧れる、アイズのように強くなりたいと想えば想うほど強くなって行く。

今までヘスティアの聞いたことの無い成長促進スキルだった。

 

ちなみに補足するとヘスティアはベルが大好きである。

そのためベルのスキルからがアイズに想いを寄せてる事を知って嫉妬したのだ。

 

ロキの解答に対し舌打ちしたのはアイズにそういう相手がいればそれとなくベルに伝え、失恋した所で自分に好意を寄せさせようとしたのだ。

 

 

「仲がいいのね、2人とも」

 

「「どこが(や)!!!」」

 

 

なんだかんだで相性のいい2人である。

 

 

「実はまだ聞きたいことがあるんだ」

 

「なんや」

 

 

ヘスティアとロキは少しフレイヤから離れ、ヘスティアがロキに質問した。

 

 

「君のところのポロンくんだっけ、彼は何者だい?」

 

「・・・どういう事やどチビ」

 

 

急にロキの雰囲気が変化した。

先程のおちゃらけた感じはなくとても冷徹だった。

周りの神々も一斉にロキ達の方を向く。

 

オラリオに来る前のロキは神界で多くの神を殺した悪神であった。

オラリオでファミリアを創ってからかなりまるくなったが神々は悪神ロキ復活かと恐る恐る見ていた。

 

ロキの雰囲気に少し驚きながらもヘスティアは話を続けた。

 

 

「君にだから言うけどボクのファミリアの子が最近、そのポロンくんと特訓をしててさ」

 

「ポロンが?特訓?」

 

 

ロキはあの不真面目なポロンが特訓をしているだなんて、それこそバベルでも折れるんやないかと一瞬頭によぎったがすぐに切り替え、ヘスティアの話に集中した。

 

 

「それでさ、その特訓をしてから僕の子に変なスキルが発現したんだよ」

 

「待て、どチビ」

 

 

スキルと言う言葉に反応した。

 

 

「その話はまた今度聞いたる、ええな?」

 

「うっ、うん・・・」

 

 

そう言い残したロキは出口の方に進み始めた。

 

 

「どチビの貧乏ドレスを見て笑えたし帰るわ」

 

「なっ!!何だとぉぉぉ!!!」

 

 

ケラケラと笑いながらロキは退出した。

 

 

「ロキのあの感じ、久しぶりに感じたわよ」

 

「フレイヤも『用はすんだから帰る』って帰るし」

 

「あんた、今度は何をやらかしたのよ」

 

 

ヘスティアに声を掛けたのは右目を眼帯覆う赤い髪の女性だった。

 

 

「ヘファイストス!!!君に会いたかったんだ!!!」

 

 

鍛冶神ヘファイストス、ロキやフレイヤの探索系ファミリアとは違い、商業系ファミリアとして最大派閥に組みしている。

 

 

「ヘスティア、また懲りずにお金かしてなんていうんじゃないでしょうね」

 

「ちがうわい、バイトもちゃんとしてるし、ファミリアだってできたんだからな」

 

「あんたのとこの子、確かベル・・だったかしら?」

 

 

ベルという言葉に反応し、ヘスティアは思い出した。

ヘファイストスにお願いしたいことを。

 

 

「ヘファイストス!!!」

 

「・・・急に何よ」

 

 

ここでまた物語の歯車が動き始める。

 

 

「ベル君の武器を作ってくれないか!!!」

 

「ダメ」

 

「頼むよ」

 

「ダメ」

 

「一生のお願いだ」

 

「ダメ」

 

 

・・・今回の結末はまた別の機会にでもお話ししよう。

 

それではまた次回でお会いしましょう。

 

 

~episode 4 end~




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