ダンジョンに賢王がいるのは間違っているだろうか?   作:ひまわり先生

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短いけど投稿しちゃう


episode 6  叫び

~賑わう街中~

 

 

「さてと・・・おいらも楽しんじゃおっかなぁ」

 

ポロンは道を歩いていると一点の古着屋を目にする。

 

 

「おっ、おいらのレーダーが反応してるぜ」

 

 

ちなみに今現在ポロンはロキとファミリア内のポロンからの被害の会により、化粧にウィッグに女物の服、つまり女装中である。

 

 

「さっさと着替えたいし、そこで見繕うか」

 

 

~服を物色中~

 

 

「へへっ、いいねぇ」

 

 

ポロンが身にまとったのは青い七分丈シャツの上に緑色の布を羽織り、緑色のダボっとしたパンツを胸のあたりからボタンでつなげている。靴は角のない明るい黄緑。

そして極めつけはまるでツインテールのように二股に分かれ赤と青のストライプの帽子。

 

 

「そしておいらがいずれ必要になると考えたこの付け鼻とメイクで・・・完成だ!!!」

 

 

自身の鼻が隠れるほどの大きさの赤くて丸い付け鼻とメイクで頬まである大きな唇を描いた。

鏡に映る自分を見てにやりと笑うポロン。

 

 

「完璧だ・・・これぞまさしく伝説の遊び人!!!」

 

 

見た目は完全なピエロだがあいにくこの世界にはピエロという存在は認知されてなく、周りから変な服着てるなとしか思われてない。

 

 

「そして祭りでにぎわってる、人がたくさん、お金たくさん・・・ぐぇへへへ」

 

 

よだれを垂らしながら満面の笑みを浮かべるその姿はもはや不審者、変態にしか見えない。

そんな姿を怪しく思った祭りの警備にあたっていたガネーシャファミリアの人がポロンをつかむ。

 

 

「おいそこのお前!!なんだその恰好は!!!」

 

「いっ!?なんだよおいらはまだなんもしてねえだろ!!」

 

「まだってことは何かするつもりだったんだな?」

 

「・・・それは言葉の綾だ、ちょーっとだけ芸を披露して路銀でも貰おうかなって」

 

「路上でやるのならわれらガネーシャファミリアかギルドに申請は出してるんだろうな?」

 

 

当然今さっき思いついたことなので出してるはずがない。

わざとらし口笛を吹くポロン。

 

警備員はため息をつき、「一応警備員待機テントに連れていく」と言った。

 

だが、祭りを楽しみにしてるポロンとしてはこのまま連れて行かれても説教&説教だということを理解していた。

そこでポロンはまた嘘をつくことを考えた。

 

 

「おい、大変だよ!!そういえば今回の祭りで捕まえたモンスターが逃げったってさっきぶつかったやつが騒いでたんだ」

 

「そんなわけないだろ、ちゃんと調教されたモンスターを使用してるし、ちゃんと監視だってついてる」

 

「本当なんだ信じてくれ!!」

 

「あーもう、いい加減に」

 

 

警備員がポロンに言い返そうとすると数多くの叫び声がこだまする。

 

その叫び声の中に確かに聞こえたのだ・・・「モンスターが脱走した」と。

 

 

「おい小僧!!!早く非難しろわかったな!!」

 

 

そういって悲鳴が上がったほうへ警備員は走っていった。

 

 

「おっ、おいらもすぐにげなきゃ!!」

 

 

悲鳴が上がったほうに背を向けるが足が動かない。

 

 

(みんなこの祭りに参加してるレフィーヤもゴブさん、アルちゃん、バッくん、ファミリアのみんな)

 

(いやいや、おいらはレベル1の最弱冒険者、いったところでモンスターを倒せない)

 

 

ポロンは自身に無理だと強く言い聞かせる。

言っても死ぬだけだ、行くだけ無駄だと。

 

 

「ママー!!!ママー!!」

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

「どけ!!そこからさっさとどけ!!!」

 

 

この阿鼻叫喚を前に足が震えてくる。

初めてモンスターと戦った時以上の恐怖が自信を襲う。

 

 

「よっよし、にげっ!?」

 

 

一歩踏み出して再び足を止めてしまう。

 

 

(なんだよ・・・なんだってんだよ!!!)

 

 

ポロンを襲ったのはただただ嫌な感覚だけだった。

悪寒と例えたほうが正しいだろうか。

 

 

「・・・・クソッ!!」

 

 

そしてポロンはその場で振り向き、逃げてく民衆とは逆方向に走っていった。

 

 

 

~出店が並ぶ広場~

 

 

「何なのあいつ!?ヘビ!?」

 

「あんなの見たことないわよ!?」

 

 

レフィーヤ、ティオネ、ティオナの三人は地面から現れた緑色のヘビのようなモンスターと対峙していた。

 

 

「私たちが惹きつけるからレフィーヤは詠唱を!!」

 

「レフィーヤ任せたよ」

 

「はっはい!!!」

 

 

見たことのないモンスターに少々驚くがティオネの指示通り、レフィーヤは魔法の詠唱準備にかかった。

 

 

「解き放つ一条の光 聖木(せいぼく)弓幹(ゆがら) 汝 弓の名手なり 狙撃せよ 妖精の射手(しゃしゅ) 穿て 必中の矢」

 

 

詠唱が唱え終わるその時だった。

緑色のヘビのようなモンスターはティオネ、ティオナを無視し、レフィーヤの方に襲い掛かってきた。

 

 

(魔力に反応して!?)

 

 

ヘビの攻撃は素早く、回避する余裕もない。

だが重い衝撃より先に何者かに押し倒された。

 

 

「あっぶね~、間一髪だったぜ」

 

「「「ポロン!?」」」

 

 

レフィーヤを押し倒したのはポロンだった。

 

 

「言っとくけど助けるためにおいらはレフィーヤを押しただけだからな!!あとでお仕置きとかそういうの無しだぜ」

 

「そんなこと言わないけど、それよりどうして来たんですか!?」

 

「なんでって、おいらがこの騒ぎを収めてみんなからの称賛を得るために決まってんだろ」

 

 

レフィーヤにはポロンが強がっているのがわかった。

口元は笑っているが全身が震えている。

 

 

「怖いんでしょう!!だったらすぐ逃げ!?」

 

 

ヘビのモンスターが出てきた時のように再び地震が起こる。

すると地中から巨大な花が現れる。

 

 

「こいつらヘビじゃなくて花だったの!?」

 

 

食虫植物のごとく口を大きく開けて叫びをあげる。

 

 

「なにこれ邪魔!!」

 

 

ツタやツルがレフィーヤたちの方へ行くことを邪魔する。

そんな中、花は身動きが取れないレフィーヤたちに近づいていく。

 

 

(発動を中断させちゃったからまた一から詠唱しなきゃ魔法は撃てないし、魔力を集中させれば一斉にこっちを狙って来る)

 

「ポロンだけでも逃げて!!」

 

「いや、大丈夫みたい」

 

「何を・・・」

 

 

その時、レフィーヤが耳にしたのは風の音だった。

何度も聞いたことのある音。

 

(ああ、また私・・・)

 

こっちに迫ってきた花はポロンたちの目の前で縦二つに割れる。

 

(あの人に守られる)

 

 

「もっと早く来てくれよ姫さん」

 

「ごめんね?」

 

 

緑色の風を纏った戦姫がポロンたちの前に降り立った。

 

 

~episode 6 end~




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