魔法戦記リリカルなのは クロスホープズ (更新凍結) 作:No.20_Blaz
フェルト「けど・・・何だか、お姉ちゃん達二人の間の空気が変わったような・・・・。」
ラプラス『このまま、何も無ければいいのですが・・・』
さて。ノイズ出現から数日が経ち、俺はフェルトと共にノイズの対策について検討し、結果、天羽々斬からのデータを元に対ノイズ用のOSを作成する事にした。
だが、そのOSの完成にはそれなりの日数を必要とするので、当面はノイズ出現時は俺と翼で対応すると言う事になった。結果、例によって鈴羽は少し不満の顔だったが・・・
「・・で、アレからどうなってる?」
「んー・・・取り合えずOSはまだまだだよ。でも、ノイズの出現パターンは教えてもらったからこれで今までよりかは早く察知できると思うよ。」
「流石だな。それで・・高町嬢は?」
「えっと・・・最後の反応からして、多分管理局と一緒に艦に向かったと思うよ。」
と、フェルトの自室で話し合っていた俺とフェルト。彼女の部屋は女の子の部屋と言うにはほど遠く、何処か科学者の様な人が住んでいる部屋だったのだ。例外があるとすればハロがあるぐらいだが・・・
「・・・さてと。それはそれで・・これからどうするかだな。」
「・・そういえばずっと疑問に思ってたんだけど・・・ジュエルシードを集めてどうするつもりなの?」
「ああ。それはそれで実はちゃんと理由があるんだ。」
『理由・・・ですか?』
「そう。恐らく・・・と言うか、確実にだが、あの金髪の少女は誰かに命令されてジュエルシードを集めているんじゃないか・・って思うんだ。」
『・・・確かに、高町嬢は鈴羽の話からあのフェレットに頼まれてジュエルシードを集めたという事ですし・・・。』
「だが、彼女だけはそれが見られなかった。仮に命令されず、自分自身でと言う考えもあるが、それはそれで理由が無い。」
『なるほど・・・それで彼女にバックが居ると。』
「まぁな。だが、その正体が解らない限り無理は出来ない。今は慎重にしよう。』
俺たちが自宅でそうしている頃。翼は一人街を出歩いていた。腕の方はもう心配ないが、治りたてと言う事で無理はしない様にと翼には言っておいたのだが・・・
「そうは問屋が下ろさないかもな。」
どうやら、またも誰かが彼女の事を尾行していたらしい。相手は一人。街中では撒きやすいが、翼はあえて人気の無い場所に向かおうと考えていたのだ。
「・・・・ここからだと・・・近いのは海の近くの公園かな。」
相手を見つけ出す場所を決めた翼は気付いてないフリをしつつ目的の場所に向かって行った。それに相手は気付かず、翼をつけて行ったのだ。だが、その時にあの金髪の少女、フェイトにも見つかり、つけられているのに気付いたのは少し後だった。
翼が二人に後をつけられてから数分。目的地の公園に辿り着き、次の一手を翼は考えていた。
(さて・・・目的地に着いたはいいが・・・・コレはコレでどうするか・・・)
彼女自身未だに二人につけられているのには気付いてない。
それでも、彼女はどうするかと考え、追跡者達を見つける方法を考えたのだ。
「・・・・・・・・・・・。」
その一方で、追跡していた人物は物陰から翼を見ていた。そして、彼女が木の近くを曲がるのを見て、反対側を見たのだが、其処には誰も居なかったのだ。
「っ!?」
慌てて追跡者は木の近くまで近寄って回りを見たり木の上を見たりとしたが、やはり誰も居なかったのだ。
「くそっ・・・見失っちまった・・・折角風鳴翼を見つけて俺の女にしようと思っていたのに・・・!」
その追跡者は金髪の少年で目は赤と緑のオッドアイ。加えて美形などからして明らかに「自称オリ主」だったのだ。それを何処からか見ていた翼はヤレヤレと呆れていたのだった。
「・・・あれが最後の一人か。どう転がっても私達を自分の物にしたいと思う奴がココには居過ぎるな・・・」
翼がそう言って近くを見回していたとき、偶然にもその自称オリ主を見ていたフェイトを見つけたのだ。それを見た翼はいつから彼女にもつけられていたかと考えていたが、やがてオリ主が去るとフェイトもその場所から去ろうとしていた。
しかし・・
「・・・ん?アレは・・鈴羽?」
フェイトの後ろから近づこうとする鈴羽が居たのだ。何か怪しいと考えた翼はそのまま鈴羽を観察していた。そして、鈴羽はフェイトに対して話しかけたのだ。
「・・・・・・・・まさか、アイツ・・・」
「貴方は・・・?」
「私は鈴羽。単刀直入に言うよ。私は貴方の正体を知っている。」
「っ・・・・・!」
鈴羽はフェイトに対してイキナリの宣言をし、フェイトを驚いた。一層、警戒を強めたフェイトは手に持っていたデバイスをいつでも使用できるようにと構えていた。
だが、鈴羽はそれを解っていても話しを続けたのだ。
「大丈夫。私は貴方の味方だよ。」
「・・・その根拠は?」
「・・・貴方の事についての情報を漏らさない。って言うのは信用ならないと思うから・・・
私達が持っているジュエルシードを上げる・・って事で・・・どうかな?」
「っ・・・・!!」
(アイツ・・・!)
「それに、私達は管理局と協力はしてない。多分いずれは・・貴方を助ける為に協力するとは思うけど・・・」
「・・・・それを今ココで信用しろと?」
「それは直ぐには無理だと思う。だから、私がもう一度会って貴方にジュエルシードを渡す。それで信用してくれるかな?」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
数分の静寂が流れ、三人はそのまま動かずに立っていた。
だが、その静寂を最初に破ったのはフェイトだった。
「・・・いいよ。でも、一度考えさせて。」
「・・・・うん。」
フェイトの回答に鈴羽は喜ぶと、フェイトはその場を後にし、鈴羽はその後姿を見届けたのだ。
「・・・・・・・よし。」
「随分と勝手だな。まるで正義の味方気取りだ。」
「・・・・・・・・。」
気がつけば、鈴羽の後ろには翼が立っており、木に背を預けていたのだ。
それに気付いた鈴羽は余裕そうな顔で翼に言い返したのだ。
「正義って・・・貴方だって前世は正義の味方だったでしょ?」
「・・違う。私は防人、決して正義者じゃない。それに、アレは恭真が考えがあったから確保したジュエルシードなんだぞ。勝手に使ってはあいつにとって迷惑の他でもない。」
「どうかな。私はちゃんと恭真君に話せば理解して貰えると思うよ。」
「自分の正義を他人に押し付けてか?」
「・・・・・・・・・。」
「鈴羽。お前がそう言う考えなのは構わん。だがな、他人に自分の理念を押し付けて、その者の生き方を捻じ曲げるのは・・・私は納得はしない。」
「・・・押し付け?そんな事無いよ。私はその人の生き方を尊重する。でも間違っていたらそれを正すだけ。」
「自分の都合の良いようにだろ。」
「っ・・・・・・・。」
翼の言葉を聞き、鈴羽は顔を歪めていた。自分の正しいと思っていた考えをことごとく反論していったからだ。そして、鈴羽は怒りを爆発させる一歩手前にまで怒りが登っていたのだ。
「そんなの・・・・そんな事は・・・」
「いい加減現実を直視しろ。お前の考えが通じるのは、魔法の世界だけ・・いや、管理局の世界だけだ。」
そして、その時であった。
「・・・・・・・・・・・・・。」
翼は肌で鈴羽から殺気が溢れるのを感じた。だが、その殺気は殺意と言うよりも怨念と言った方が正しい様な感じであった。それと同時に鈴羽の喋り方も変わり、翼は自然と臨戦態勢に入るのだった。
「少し・・・・頭冷やそうか。」
「冷やすのは・・・どちらかな?」
刹那。二人は同時にデバイスを構え、鈴羽は結界を周囲に張ったのだ。
そして、同時のタイミングでセットアップするのだった。
「フォーチュンハート、セットアップッ!!」
「行くぞ、ハバキリッ!!」
『STAND BY READY』
『術式展開』
バリアジャケットになった二人は結界の張られた場所であった市街地のビルの屋上に着地し、臨戦態勢に入ったのだ。
そして、先ずは動き出したのは鈴羽でスフィアを複数展開して発射したのだ。
「アクセルシューターッ!!」
だが、それを翼はジャンプで回避し、数発を回避するが残る数発のスフィアを刀で牽制していったのだ。スフィアを破壊した翼はそのまま刀を持って接近戦を仕掛けるが、鈴羽は回避し、カウンターでスフィアを発射するが、ほぼ至近距離で翼は回避し逆羅刹で反撃したのだが、シールドでガードされ再びスフィアで反撃し、ジャンプで翼は回避して距離を取ったのだった。
「ちっ・・・・!」
「ディバイーン・・・」
「っ・・・!」
「バスターッ!!」
鈴羽は続いて砲撃を放つと、翼はジャンプして回避したのだが、すかさず鈴羽がアクセルシューターで反撃を仕掛けたのだ。
「なっ・・・・・!」
翼はそれを防御したが、空中で止まってしまい隙が出来てしまい鈴羽が砲撃を構えたのだ。
「ディバイーン・・・・・!」
「っ!!」
「バスタァァァァァァァァァァ!!」
だが、放たれた砲撃を翼は回転して砲撃の衝撃を回転のエネルギーとして使って回避したのだ。そして、それに続き、翼は反撃を撃ったのだ。
「千ノ落涙ッ!!」
幾千の蒼の刃が鈴羽に向かって降り注ぎ、それを鈴羽がシールドでガードしたのだが、それでも鈴羽は怯まず飛行してスフィアを発射したのだ。
「アクセルシューターッ!!」
「同じ手を食うかッ!!」
だが、翼は刀を使いスフィアをいくつか破壊し、一気に鈴羽との距離を無理矢理詰めたのだ。咄嗟の事に鈴羽は判断が遅れたが、デバイスを使って防御したのだ。
しかし、近接が得意な翼と不得意な鈴羽では直ぐに鍔迫り合いが終わってしまい、翼に対して有利になったのだった。だが、鈴羽も伊達に魔導師をしていた訳ではない。
鈴羽はデバイスを使って無理矢理振り払うとスフィアを使って牽制したのだ。
翼はそれを迎撃するが、鈴羽がかなりの距離を取っていた事に気付き、大型の技が来ると察知した。
「っ・・・・・。」
「魔力集束・・・・これで極める・・・・!」
「なら・・こちらもっ!」
鈴羽は膨大な魔力を集束させ、照準を翼に合わせた。対し翼もジャンプをして空中で大技を叩き出そうとしていたのだ。
そして。
「スターライトォォォォォ・・・ブレイカァァァァァァァァァァァァァ!!!」
「天ノ逆鱗ッ!!」
鈴羽は巨大な魔力集束砲を発射し、翼は対して巨大な刀を撃ち出した。両者の一撃がぶつかり合うと周りには大きな衝撃波が発生し、結界の外へもその衝撃が及ぶほどだった。
「くっ・・・・・うううう・・!!」
「っ・・・・・・!!」
しかし、そのぶつかり合いが長く続く事はなかった。翼の刀はヒビが入り始め、鈴羽の砲撃は少しずつ揺らいでいたのだ。そして、二人の一撃はそれぞれ破壊されると、撃った本人達はビルの屋上に着地したのだった。
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
「・・・・・・・。」
鈴羽は息を切らしていたが翼は余りそう言う素振りを出さず、やや余裕の表情だった。
それでも互いに戦闘をやめる気は無く、次の行動を行おうとしていた。
「行くぞッ・・・・・!」
「っ・・・・!!」
翼がそう言い刀を構えて鈴羽に向かい、それを鈴羽が迎え撃とうとしていた。
だが、突如二人の間を無数のミサイルが襲い掛かり、二人の間で着弾。爆発したのだ。
「「っ・・・・・!?」」
着地をした翼と構えを解いた鈴羽は周りを見回した。すると、二人の上を一機の重装備の装備をした何かが飛んでいたのだ。それはVF-25メサイア・アーマードパック装備仕様で
乗っていた、と言うよりそのVF-25にセットアップしていたのは当然恭真だったのだ。
「恭真ッ!?」
「恭真・・君?」
「二人共。何をしていた。」
恭真は少し高度を落として二人との目線を近づけると今まで無い冷たい言い方で話しかけていた。そして、聞かれていた二人は翼は無言で刀を構えるのを止め、鈴羽は言い訳をしようとしていたのだ。
「それは・・その・・・・・」
「・・・・・・・。」
「どうした?そんなに言いにくい事なのか?」
「っ・・・ちがっ・・・・!」
「なら・・・堂々と言えばいいじゃないか。」
「・・・・・・・・・・。」
「翼。」
「・・・・・。」
翼は対し、刀を納めると目を閉じて独りで自身を責めていたのだ。
「・・・咎を受ける覚悟はある。」
「・・・・そうか。」
その後。無言で一行は戻り、気まずい空気は鈴羽にも感じられる様になったのだ。
その空気は結界の外にも、更には通信越しのフェルトでさえも伝わっていたのだ。
この時に、三人は改めて恭真の怖さを知り、彼を二度と怒らせないと誓うのだった。
次回予告ッ!
翼・鈴羽「「恭真(君)怖い・・・・・・・」」ガクガクブルブル・・・
フェルト「・・・ど・・どうすれば・・・・」
ラプラス「取り合えず予告を・・・・・」
フェルト「そ・・そうだね・・・次回「交渉開始」って・・え?」
フォーチュン「何だか嫌な予感が・・・・」