リリカル銀魂(仮)   作:お通しラー油

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今回は銀魂コラボの中では割と珍しいと思われる神楽が主人公を務める作品です。

神楽
「っしゅああああああああああ! 私の時代が来たアルゥゥゥゥ!」

銀時
「んなぜじゃああああああああああ!」

なのは
「うわぁ、凄いテンション高いなぁ・・・私、こんな人たちとやっていけるのかなぁ?」

その辺は気合とノリでカバーしてね。


プロローグ 寝ぼけた顔って時々自分の顔だと判別し辛い時もある

 夢を見て、それが夢だと気づくのには個人差がある。

 

 ある人は夢を見てすぐに気づく者も居れば、暫く経ってからようやく夢だと気づくニブチンまでもが居る。

 

 だが、どのタイミングで気づいたとしても、その夢は見ている本人の夢でしかない。その世界に他人の意思の介入は一切有り得ないのだ。

 

 だが、もしその夢の中に他人の意識の介入があったとしたらーーー

 

 それも、全く見知らぬ存在。それこそ住む世界そのものが違う存在同士が出会ったとしたら?

 

 果たしてそれを見て夢だと気づくのかそれとも、誰か別の意思と気づくのか。

 

 

 

 

 

          ******

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、何時もとは違う夢だった。気が付くと、一面真っ白な空間で支配されており、何も見えないし聞こえない。

 

 唯一聞こえるのは自分の足音と息遣いだけだった。そんな中を一人前に向かって歩いていた。

 

 何故歩いていたかは分からない。とにかく歩かなければならないとこの時はそう思っていた。

 

 歩き続けてからどれだけ経った後だろうか。前からうっすらと人影が見えて来た。

 

 人影が近づくにつれて輪郭がはっきりしてくるだろうと思っていたのだが、この空間は思っていた以上に霧が濃いらしく人影のシルエットが全く掴めない。

 

 それが一体何者なのか? 男なのか、それとも女? 子供なのか、それとも大人? 果てはその人影は人間なのか、或いはーーー

 

 ある程度近づいた時点で、目の前の人影は止まり、それに連なる形で歩いていた足を止めた。

 

【・・・貴方は・・・誰?】

 

【・・・お前こそ、誰アルか?】

 

 互いに互いを問う声が聞こえる。声色からして女、それも成熟していない少女の類の声だと思われる。

 

【え、えっと・・・わ、私は・・・〇〇〇って言うの】

 

【私は〇〇〇アル! その胸にしかと刻み込んでおくヨロシ!】

 

 互いの名を名乗りあった。だが、霧の影響なのか、互いの名前が響き渡る事はなかった。お互いには聞こえたのだろうが回りには一切その名を聞き取る事が出来なかった。

 

【えっと・・・そろそろ行くね。私・・・向こうに行かなきゃいけない気がするんだ】

 

【それは私もネ。あっちに行くと何か良い事ありそうな気がするアルよ】

 

【それじゃぁね。〇〇〇】

 

【縁があったらまた会おうアル! 〇〇〇】

 

 こうして、人影同士は互いに挨拶を交わした後に、再び前へと進みだした。

 

 暫く歩いていくと、目の前に一枚の扉が姿を現した。何の変哲もない木製の扉だ。

 

 この先に行く目的があるのだろうか。疑念を胸に、ノブに手をまわし、そっと扉を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ******

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・変な夢?」

 

 そう呟いて、そっと身を起こした。ふと、その時に何か違和感に気づいた。

 

 何かが違う。もっと厳密にいえば、全てが違う。

 

 壁も天井も、寝床に至るまで全てが寝る前に見ていた景色と全く異なっていた。

 

「何処? 此処・・・」

 

 まさか、寝ている間に何者かに誘拐されとか? 不安と恐怖を胸に仕舞いつつ、辺りを見回した。

 

 一切明かりがない真っ暗な空間だった。起き上がろうとしたが、その際に天井に頭をぶつけてしまう。

 

 どうやら然程広い空間ではないようだ。例えるならば、押し入れとかそう言った類の場所なのかも知れない。

 

「何で、こんな狭い場所に私は寝てたんだろう?」

 

 疑念を覚えつつも、とにかくここがどこなのか。その情報を探るべく辺りを手探りで探り出す。

 

 すぐ隣で手触りの違う感触を感じた。恐らく襖か何かだろう。

 

 それを破らないようにそっと横にスライドさせて外へと続く道を作る。

 

「こ・・・此処は・・・」

 

 目の前に飛び出したのは見知らぬ部屋だった。会社とかにある応接室とよく似た感じの部屋だった。だが、その割には何処か質素と言うべきか、もっと崩した言い方をすれば貧乏くさい部屋にも見えた。

 

「何で・・・こんな所に居るの? 私・・・」

 

 さっきまで寝ていた場所から応接室のような部屋へと飛び出す。一体何故自分は此処で寝ていたのだろうか。

 

 昨日までの記憶を呼び起こそうと思考を巡らせてみた。

 

(えっと・・・昨日はお風呂入った後に宿題をやって、その後普通に寝たんだっけ・・・でも、それじゃ何でこんな場所に? 私が寝ている間に誘拐されるなんてまず有り得ないだろうし、それじゃ一体どうしてーーー)

 

 悩めば悩むほど理解に苦しめられた。どれだけ悩んだところで答えなど出る筈がなかったからだ。

 

 却ってドツボに嵌るだけだった。

 

 背後から物音がした。何かが襖から這い出てくる音だ。こう毛がもさもさした感じの生き物を連想させられた。

 

 気配に気づき、すぐさま後ろを振り返ってみた。

 

「ワンっ!」

 

 其処には一匹の犬が居た。それだけならば驚く事はないだろう。見た目的には子犬のそれっぽく見える。全体の大きさがヒグマ並みなのを除けばだがーーー

 

「ひ・・・ひぃ・・・」

 

 突然の出来事に一瞬思考がフリーズした。そのフリーズした思考が再起動した時、彼女がとった行動は一つだった。

 

「ひやあああああああああああああああああああ!!」

 

 そう、悲鳴を上げたのだ。悲鳴をあげつつ巨大犬から距離を置く。

 

 その際に腰を抜かしてしまったのか、とても無様に情けない動きで犬から距離を置く。

 

 その犬はと言えば、首を傾げてこちらを見ていた。まるで「何それ? 新しい遊びなの」と訪ねているようだった。

 

「何!? 何なのこの犬!? って言うか、これ犬なの?」

 

 完全に頭の中がパニックになっていた。思考がしっちゃかめっちゃかになってしまっておりまともな判断が出来ないままだった。

 

 犬がこちらに近づいてくる。つぶらな瞳で舌を出しながらさも遊んで欲しそうな顔をしながら近づいてくる。

 

 それが、普通のサイズの犬ならば可愛いのだが、ヒグマサイズの巨大犬に近寄られたらそれはパニックに陥っても仕方はないかも知れない。

 

「こここ、来ないで! こっちに来ないでぇぇ!」

 

「???」

 

 何故、自分を見て脅えているのだろうか。理解出来ず犬は困った顔をしながら首を傾げていた。

 

「ったく、朝っぱらからでっけぇ声出してんじゃねぇよ。頭に響くだろうがバカヤロー」

 

 そんな時、隣の部屋からのっそりと声と共に人が姿を現した。

 

 大人の男性だった。寝間着姿でだらしない顔をした銀髪のナチュラルパーマヘアーの男性だった。

 

「た、助けて! 犬が! 巨大な犬がぁ!?」

 

 これ幸いにと男に助けを求めた。

 

 だが、男は面倒臭そうな顔をしながら彼女を見下ろしていた。

 

「何? お前寝ぼけてんの? 朝から何ミラクルかましてくれちゃってんだよ。ボケてんのか? 今どきそんなボケしたってなぁ、客の笑いなんてとれねぇんだよ」

 

「そんな場合じゃないよ! あの犬、凄い大きいんだよ! 何であんな大きい犬が此処に居るの?」

 

「何でって、そりゃお前が拾ってきたからだろ?」

 

「拾ったって・・・私犬なんて拾った覚えないよ! ましてやこんな大きな犬なんて、拾える訳ないじゃない!」

 

 仕切りに異常を訴えてはいるのだが、男に動きは見られない。寧ろ、だんだん苛立ってきているのが見て取れる。

 

「わぁったわぁった。後で定春の散歩には行ってやるから。お前も何時までも寝ぼけてないでさっさと顔洗って来い。今日仕事あるんだからな。遅刻すんなよ【神楽】」

 

「・・・・・・え?」

 

 ふと、それは自分の事なのかと思えなかったのか思考が止まった。

 

「何ボケっとしてんだよ。さっさと顔洗って着替えて来いよ」

 

「え? あ、う・・・うん・・・」

 

 言われるがままに洗面台へと向かった。その際に犬が飛び掛かってこないだろうかと警戒したが、どうやら稀有だったようだ。

 

 どうやら部屋の間取り自体は然程広くないようで、洗面台は案外すんなりと見つける事が出来た。

 

 蛇口をひねり、水を出して、それを手に掬って顔を洗う。タオルで顔を拭いて、綺麗になった自分の顔を見て、彼女は絶句した。

 

「だ・・・・・・誰?」

 

 其処に居たのは明らかに見知らぬ誰かだった。オレンジ色の髪に青い瞳。白い肌をした少女が其処には立っていた。

 

 だが、明らかにこれは自分じゃない。

 

「・・・・・・」

 

 主室に、自分の頬に手を当ててみる。鏡の前の自分と思わしき少女もそれに倣って同じ動作をしていた。

 

 となれば、疑う余地などない。今目の前に居るのは紛れもなく自分なのだから。

 

「何で・・・何で・・・一体何がどうなってるのぉぉぉぉ!!」

 

 訳が分からず、いてもたってもいられなかったのか、鏡を前にして少女こと【高町なのは】は絶叫した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ******

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、う~~ん・・・何だったアルかぁ? さっきの夢はぁ」

 

 目を擦りながら身を起こし、異変に気付いた。

 

「何処アルか? 此処・・・銀ちゃん? 定春?」

 

 仕切りに同居人の名を叫ぶも、反応はない。部屋を見渡せば、其処は全く見知らぬ部屋でもあった。

 

 さっきまで自分が寝ていたと思われるベッドにノートと鉛筆が置かれた勉強机。それに可愛らしいぬいぐるみや女の子を思わせる装飾品などが数点部屋内に飾られていた。

 

 だが、それら全てが自分の所持品ではないと、この時彼女は思った。

 

「どうなってるアルか? 此処は私の寝ていた押し入れじゃないアル。もしかして改装工事とかしたアルか? んでもぉ、銀ちゃんにそんな金銭的余裕はなかった筈アル。それじゃ一体どう言う事アルかぁ?」

 

 謎が謎を呼ぶ。そんな感じで首を傾げだす少女。

 

 ノブが開く音がする。視線が向かったのはこの部屋唯一の出入り口と思われる扉だ。

 

 その扉が一人でに音を立てて開いた。咄嗟に、彼女は臨戦態勢を取った。

 

 扉から出てくるのが友好的な人間とは限らない。ましてや、此処は見知らぬ場所。自分は何か巨大な組織とかそんな類の輩に拉致された可能性が高い。

 

 となれば、これ以上動けなくなる前に先手必勝を心掛けるのが吉と言えるだろう。

 

 そう判断してからの彼女の行動は早かった。

 

「おはよう、もう起きたのか? なのーーー」

 

「ほわちゃあああああああああああ!」

 

「げふぅぅぅっ!!」

 

 扉から出て来たのは若い男性だった。その男性に向かい全身の筋肉をフル稼働させた飛び蹴りをお見舞いする。突然の攻撃に対応出来なかった男性は鳩尾にもろにそれを食らいそのまま仰向けに床に倒れる。

 

 その倒れた男性の上にまたがる形で動きを封じ、胸倉を掴み上げてこちらに顔を引き寄せた。

 

「てんめぇ! この私を誘拐してどう言うつもりアルかぁ!? 身代金目当てかぁコノヤロー!」

 

「ちょっ、何言ってんだよ。まだ寝ぼけてんのか? とにかく落ち着けって!」

 

「落ち着いてんだよコノヤロー! 人の事を寝ぼけたお子ちゃまみたいに言ってんじゃねぇぞゴラァ!」

 

 がくがくと男性の頭を前後に揺らして更に問い詰める。が、答えは同じだった。

 

「と、とにかくすぐどいてくれ! この後父さんと稽古の約束があるんだからさぁ」

 

「あぁん? 稽古だぁ? 何の稽古だゴラァ? あれアルか? 夜の街で一人歩く女を口説いてそのままホテルに向かってそれでーーー」

 

「だああああああああああああああ! 何処でそんなの覚えたんだお前はぁ! 違うから! 普通に剣術の稽古だから!」

 

 顔を真っ赤にして否定する。そんな仕草を見る辺り結構初心なようだと、この時彼女は悟った。

 

「って言うか、一体どうしたんだよその口調は? 何処かの映画の影響か? あんまり人様に迷惑かけるような事するなよ【なのは】」

 

「・・・・・・は?」

 

 自分の事を言ったのだろうか。聞き慣れない名前を言われて、思わず思考が一時停止してしまった。

 

「とにかく、まだ寝ぼけてるんだったら、さっさと顔を洗ってきなさい。早く起きたんだったら母さんや姉さんの手伝いをするのも良いんじゃないか?」

 

「そ、そうするアル・・・」

 

 男性の胸倉を掴んでいた手を放して、そのまま項垂れるようにトボトボと洗面台へと向かった。

 

 幸い洗面台への場所はその男性が教えてくれたのですんなり向かう事が出来た。

 

 其処で顔を洗い、タオルで綺麗にふき取り、鏡に映った自分の顔を見て、ギョッとなった。

 

「だ・・・だ・・・だ・・・だ・・・」

 

 余りにも衝撃的な光景に思わず声がどもってしまった。それ程までに衝撃的な光景が其処にはあったからだ。

 

「誰アルかあああああああああお前はああああああ!!」

 

 鏡に映ったそれに向かい、少女こと【神楽】は怒りとも焦りともとれる絶叫を挙げてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          つづく




何の前触れもなく入れ替わってしまった【神楽】と【なのは】。果たして、互いに見知らぬ世界でどう生活していくのか。今後に期待していきまっしょいww
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