機動戦士ガンダムSEED~二重の輪舞曲   作:アマゾンズ

2 / 14
中立コロニーヘリオポリス。その内部にある学生ガレッジにおいて彼、マサユキ・クロスは同級生であり、後に友となるキラ・ヤマトと出会う。

二人の道は交わり、螺旋となる。

そして、彼は戦場の中で再会を果たしてしまう。最も出会いたい人に最も出会いたくない戦場(ばしょ)で。


偽りの平和

中立コロニー、ヘリオポリス。その内部にある街の中で一人の男子学生が眠たそうに授業を受けていた。

 

「くぁぁぁ・・・通常の授業は退屈だなぁ」

 

今彼が受けているのは歴史の授業だ。ファーストコーディネーターが産まれた時代に関して学んでいるのだが、彼にとっては退屈で仕方ない様子だ。

 

「この次は自分で履修したプログラミングの授業だ。この前は課題で作った動物のマイクロユニットのOS書き換えが楽しかったから、早く終わらねえかなぁ・・」

 

彼が通っている学校では必須科目の他に、興味がある分野の授業を二つほど履修する事が必須となっている。

 

その中で彼は工学系のマイクロユニットとプログラミング言語に関する授業を取っている。本人からすれば興味深い事であった為だ。

 

そんな事を考えていると授業の終了を知らせるチャイムが鳴り、教員が本を閉じた。

 

「本日はここまで、次の授業がある生徒は教室へ向かうように」

 

「ふう、終わった終わった」

 

彼、マサユキ・クロスは教科書やノートをカバンにしまい、次の教室へと向かう。その途中でナチュラルの友人であるトール・ケーニヒとミリアリア・ハウに合流した。

 

「あ?おーい、マサユキーー!」

 

「へ?ああ、よう!トール!ミリアリアも!」

 

「もう、ミリィでいいっていつも言ってるでしょ!」

 

「あはは、呼び慣れなくてな?ま、許してくれよ」

 

三人は合流すると平和な学生としての会話を弾ませる。マサユキとトールはふざけあいながら、ミリアリアはそれを少し苦笑しながら見守っているような感じだ。

 

「マサユキはこの後、授業か?」

 

「ああ、自主履修したプログラミングのな」

 

「プログラミングの?なら、きっとキラがいるわね」

 

「キラ?」

 

マサユキは聞きなれない名前にミリアリアへ聞き返すと、ミリアリアが少し笑顔で答えてくれた。

 

「キラ・ヤマトっていう私達の友人よ。彼もコーディネーターなの」

 

「へぇ、一度会ってみたいな」

 

「マサユキは授業が全部終わると、直ぐに帰っちゃうもんな」

 

「ガレッジに残っていてもやる事ないからな。自宅で課題を終わらせちゃうんだよ」

 

「だから、友達少ないんじゃないの?」

 

「うるせー、人間関係はどうせ不器用だよ」

 

ミリアリアの指摘にマサユキは若干、皮肉れたような返事を返す。これも平和な学生としての一場面だ。

 

 

 

 

 

 

その頃、宇宙とある宙域に停船しているザフトの戦艦、ヴェサリウスの内部で一人の女性がパイロットスーツらしきものに着替えて、部屋から出てきた。

 

「遅いぞ、メラク!」

 

「本当だよ。いつまでかかってんだか、これだから女って奴は」

 

「うるさいわね!ラスティ、ぶん殴るわよ!」

 

「おお、怖え!」

 

「メラク、落ち着け。イザークもラスティも挑発するなよ」

 

「ディアッカの言う通りだ。メラクだって、わざと遅れた訳ではないだろう?」

 

「アスランの言う通りですよ。ところでメラクさん、少し緊張しているんですか?」

 

一人の女性に対し、五人の少年達が責め立てるように挑発していたが、女性の怒号によって怯み、それを仲裁した少年達は女性を気遣っている。

 

「ふふ、ありがとうニコルちゃん。流石に緊張はしてるけど、極端にしている訳じゃないから平気よ」

 

メラクと呼ばれた女性は、メンバーの中で一番年下の少年に微笑み、言葉を返した。

 

「全員揃ったようだな」

 

そこへ白い軍服を纏い、仮面を着けた男性が近づいてきた。彼がこの部隊の隊長なのだろう。

 

「クルーゼ隊長」

 

「今回の任務は地球軍の開発した新型機動兵器の奪取、大変重要な任務である。諸君らの双肩にザフトの命運が掛かっているといい。大いに期待する!」

 

「「「「「「はっ!ザフトのために!!!」」」」」

 

その後、赤色のパイロットスーツを着込んだ六人はコロニー内部へと侵入し、地球軍の開発工業地帯へと向っていった。

 

「(マサユキ・・・貴方は今何処に居るの?私は今、軍人として戦争に参加している。貴方はこの戦争をどう思っているのかしら?)」

 

 

 

 

 

 

その後、ザフト軍による強襲で内部は戦火に包まれ、民間人は混乱の極みに達していた。そんな中、マサユキはトール達とはぐれてしまい、一人でなんとか逃げ出していた。

 

「参ったな。シェルターはどこも満タン。おまけに逃げ場もほとんど無いと来てるし」

 

マサユキはなるべく被害の少ない場所へと無意識に向かっていた。そこへ立ち入り禁止のマークがある場所へと入った瞬間、とんでもないものを発見してしまう。

 

「こ、これって!モビルスーツって奴か!?」

 

特別な機体なのだろう、二機だけ並んでいる所を見れば急造された機体なのかもしれない。マサユキがモビルスーツのすぐ近くまで近づいたその時だった。

 

「そこの君!何をしている!此処は危険!がぁ!?」

 

「なっ!?」

 

「(民間人?いや、この場所に居たのだから違うわね!悪いけどここの機体は奪取させてもらうわ!)」

 

目の前で軍人らしき人が撃たれるところを見て、マサユキは動揺していた。そんな中ザフトの軍人がマサユキに向けてナイフで襲いかかろうとした時、マサユキはその顔を見てしまい、声に出してしまった。

 

「メラ・・・・ク?」

 

「え?(マサ・・・ユキ?どうして!?)」

 

瞬間、建物の扉が爆風で開く。一瞬だけ動揺してしまったメラクだが予定にあった機体のコクピットへと向かい、中へ入ると素早く機体のOSの書き換えを行い始めた。

 

「(なんで、メラクがザフトに!?)うわっ!?ちっ!この中に逃げるしかないか!」

 

マサユキはとっさの判断でもう一つの機体のコクピットへと入り、機体状態を見るために起動させた。機体が欲しかった訳ではなく、逃げる手段として使うためだ。

 

「システム起動、歩行可能。飛ぶ事は・・・不可能、ジャンプだけは可能だけど意味はないか!」

 

二機の内、機体色が蒼くなった機体は直ぐに離脱していき、残ったメタリックグレーの機体はその場でジャンプした後、歩行で逃げるように先へ向かうが、着地に失敗し足取りも悪い。

 

「ぐ、だめ・・か!」

 

そんな中、目の前で白と青が特徴的な機体とザフトの量産型の機体であるジンが戦闘を行っていた。

 

「何!?もう1機だと!?」

 

ジンはマサユキの方にも向かっていき、パンチを繰り出し、それをまともに受けたマサユキの機体は倒れてしまった。

 

「うああああ!?ぐ、機体が思うように動かない!?落ち着け、こんな時はちゃんとチェックするんだ」

 

キーボードらしきものを取り出し、マサユキは改めてOSの起動画面を見る。そこには・・・。

 

[General Unilateral Neuro-Link Dispersive Autonomic Maneuver]と表示されていた。

 

「ガン・・・ダム?って・・・なんだよ!このOSは!?勉強中の俺でも無茶苦茶だって解るぞ!これだけの機体を動かせる訳が無いだろ!」

 

マサユキ自身もメラクがやったようにキーボードを叩き、OSを書き換えていく。どこをどう組み合わせるかを口にし、どこがどんな状態になっているかをチェックし続ける。

 

「キャリブレーションを取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定!ダメか!?なら、擬似皮質の分子イオンポンプに制御モジュールを直結、ニューラル・リンゲージ・ネットワークを再構築!メタ運動パラメータを更新!フィードコアシステムを再起動!伝達関数及び運動ルーチン接続!」

 

機体に気づいた地球軍の所属らしき女性がマサユキの乗っている機体に反応を示した。

 

「あれは!X-106!?開発されていたとは聞いていたけどいったい誰が動かしているの!?」

 

「あの機体もこれと同じで?」

 

「武器、残りの武器は!?」

 

システムをチェックし、武器がないかを調べるが頭部バルカンのイーゲルシュテルン、両脇に装備されたアーマーシュナイダーのみが表示された。

 

「バルカンとナイフだけ!?あの白い機体と同じかよ!あれは?」

 

画面に表示されているのは同じガレッジの友人達であった。おそらく、避難が間に合わなかったのだろう。

 

「ミリアリア!?トールも!?友達をやらせるかよ!えっと、完全起動方法は!?このボタンか!」

 

ボタンを押した瞬間、白と青の色を持つ機体のようにマサユキが搭乗している機体にも彩色現象が起こり、鮮やかな深碧(しんぺき)色が現れた。

 

「こんなところで戦闘しやがってえええ!白い機体!聞こえるか!」

 

「え?」

 

「俺が前へ出る!牽制を頼む!」

 

「え・・・あ!」

 

深碧(しんぺき)色の機体はスラスターの出力が強いらしく、素早くジンの間合いに入ると機体の関節部に刃を突き立て、白と青の機体もトドメと言わんばかりにバルカンを放った。

 

「機体を放棄するしかないか!」

 

ジンのパイロットは機体を破棄するために自爆装置を起動させて脱出し、爆発に巻き込まれる前に撃退を成した2機はその場から離れた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・マズイだろうな、たぶんこれ軍関係の物だから」

 

「Xー106のパイロット!降りてきなさい!」

 

女性の声で出てくるように促され、マサユキは素直に降りる。抵抗の素振りも見せず、降りた後は両手を上げている。

 

「マサユキ!?あれ、お前が動かしてたのか!?」

 

「はは、成り行きでさ」

 

トールの言葉にマサユキは苦笑して返すが、そこへ一発の銃弾が地面に撃ち込まれた。

 

「!」

 

「余計なお喋りは禁止です!貴方達は軍の最高機密を知ってしまった民間人、然るべき処置が決まるまで私と行動してもらいます」

 

「なんだよ、そ・・・っ!?」

 

「トール、ここはこの人に従うしかない」

 

「マサユキ・・・」

 

トールが反抗しようとしたのをマサユキが止めると同時に、ミリアリアが他の友人達を伴って向かってきた。そこへ軍の関係者の人間も同時に現れる。

 

「マサユキ!」

 

「ミリアリア?カズィとサイも、それと彼は?」

 

「あ、彼がキラ・ヤマトよ」

 

「よろしくね、君は?」

 

「俺はマサユキ、マサユキ・クロスっていうんだ。よろしくな」

 

二人が自己紹介をしている中、軍の人間達も自己紹介をしていた。それぞれが敬礼してあいさつを交わしている。

 

「地球連合軍第7機動艦隊所属のムウ・ラ・フラガ大尉だ。よろしく」

 

「あ、私は宇宙軍第8艦隊所属マリュー・ラミアス大尉です」

 

それぞれが挨拶している中、ムウ・ラ・フラガと名乗った男性はマサユキとキラに近づき、事実でもある言葉を放った。

 

「君達、コーディネーターだろ?」

 

「はい」

 

「隠す必要もありませんよね、さっきの機体を動かしてちゃ」

 

コーディネーターと聞いて地球軍の軍人達は銃を二人に向けるが、それを止めたのは意外にもマリューだった。

 

「銃を下ろしなさい、彼らは敵ではないわ」

 

「一発撃っておいて庇うんですか?」

 

マサユキの言葉にマリューは申し訳なさそうな顔をしながら、謝罪の言葉を言った。

 

「ごめんなさいね、機密を話されると思ったから」

 

「軍人としては仕方ない・・・ですかね」

 

意見を述べてはいるが、実際は殺されるのではないかという恐怖心でいっぱいだった。その後、全員がアークエンジェルと呼ばれる戦艦へ乗り込み、処置が決まるまで滞在となった。




ガンダムSEEDのこの作品、かなり前に書いた作品ですので所々違いますし、省く部分もあります。

でも、重要な部分は必ず入れますので。

メラクに関して知っている人、いるかもしれないと思ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。