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多重クロスオーバー形式連載 第13話。

ハルさんがハルルへ出張する話(2)
  


第13話【ハルさん、出張する(2)】

「…絶景だな」

 

ハルは、眼前にそびえ立つ大樹を見て感嘆の声を漏らす。

無数の淡い桃色の花々が、樹を彩るように満開に咲き誇っている。

芳しい花の香りが風に乗って、鼻腔を擽る。

 

「エステルさんの言う通り、素晴らしい大樹ですね」

「はい、私も初めて満開に花が咲いたこの樹を見た時、とても感動しました!」

 

エステルは嬉しそうに笑って、町のシンボルの良さを語る。

 

「ねぇ、ユーリ。あの人…誰なの?」

「…ハルって言う貸本屋の店長だよ」

「か、貸本屋?」

「そ、貸本屋」

 

カロルは思わず聞き返すが、ユーリはあっさり同じ答えを反芻させる。

カロルの頭の中は絶賛混乱中だ。

おかしな時空の歪に呑み込まれたはずのユーリとフレン、ラピードが

戻ってきた事は幸いだ。

 

驚いたのは、エステルも一緒に帰ってきた事だ。

一体、どこで彼女と合流したのだろうか?

さらに、見知らぬ男性…ハル・シンドウという名前らしい…が同行していた。

ユーリに直接聞けば、貸本屋を経営している人との事だ。

 

 

「エステルの事もそうだけど…あの貸本屋さんって…

ユーリ達、一体今までどこにいたの?」

 

 

頭に浮遊するごちゃまぜの疑問の中から、どうにか一つだけ口にする事が出来た。

カロルの質問に対し、ユーリはあ~と面倒くさそうに後頭部を掻きながら口を開く。

 

「ぶっちゃけると『異世界』にいた」

「い…い、異世界!?」

 

「そう、そこであそこにいるハルがいて、泊まっていたエステルと

バッタリ会ったんだ」

 

「え、泊まっていた…? エステルが貸本屋に?」

 

返ってきた答えに、カロルは頭の整理が追い付かない。

 

「うん、カロル。お前の言いたい事は分かる。

けど、深く考えるな」

 

それが表情にありのまま浮かび上がっていたのか、ユーリはポンポンッと

肩を叩いてそう言った。

その言葉には「深く追求するのは面倒だから、早々にそういう事実をあっさり

認めた方が色々と楽だぞ」という隠されたメッセージが込められている。

 

すぐその意味を察したカロルは、微妙な顔で「…うん」と頷くしかなかった。

 

 

 

「…思ってたよりも、出現数が多いな」

 

樹の周辺に見え隠れする時空の歪。

目立って目に見えるものモノだけで三つ。

薄らと開きかけているモノも合わせると五つ。

予想以上の数に、ハルは眉を寄せる。

 

「そんな…こんなにあるなんて」

 

エステルも口元を片手で覆いながら、不安な表情を隠せないようだ。

 

「…カロル、いつからこんな状況に?」

 

「ユーリ達が歪に落ちちゃった時はまだ一つだけだったんだけど、

時間が経つにつれてこうなっちゃって…」

 

「町の人にはこの事は…」

「それは大丈夫! 僕が近づかないように言っておいたから」

 

(なるほど、彼が事前に周知してくれたおかげで人の気配が

下の方に留まっているんだな)

 

カロルの機転に、ハルは内心感謝した。

これだけの数の歪だ…無闇に近づけば、引きずり込まれてしまう。

念の為に、フレンが部下に命令して、事態が落ち着くまでは住民に

ハルルの樹へ近づかないよう勧告している最中だ。

 

「…直せるのか?」

 

ユーリが、半信半疑といった顔で問いかけてきた。

 

「うん、いけます」

 

返ってきたハルの答えに、カロルはぎょっとした。

 

「えっ、えっ、この歪…どうにかできるの?

ていうか…その人が直すの!?」

 

驚愕するカロルを、エステルが落ち着かせようとする。

 

「大丈夫です。ハルさんは信用できるヒトですから!」

 

自信たっぷりに言うエステル。

彼女のその言葉に、カロルは「へ、へぇ…」と返答に困ったのか、

ぎこちない笑いを浮かべてしまい、ユーリはハァ…と溜息を漏らす。

 

「では、作業に取り掛かります」

 

ハルはそう言うと、ハルルの樹…歪が生じている場所まで…へ近付く。

歪に吸い込まれてしまわないように、二歩程度の距離をあけたところに立つと…

 

「まずはこの町全体をスキャンして…」

 

ハルは手を翳して、見た事のない文字が幾重にも羅列された構図の

魔法陣を前方へ出現させた。

 

「あれは…!?」

「リタが魔導器(ブラスティア)を解析してた時のような陣だ…」

 

驚くユーリとカロルをよそに、ハルは解析陣で町のどこかに歪が

発生していないか調べていく。

 

(…ふーむ、歪が出現している個所はこの周辺だけか)

 

解析の結果、歪は樹以外の住民が行き来する場所には全く現れていない。

どうやら、この樹がある付近は‟異界との繋がりが出来やすい条件”が

揃っているようだ。

 

(この樹には精霊が宿っている…)

 

そのため、下にある町に比べると此処は魔力に相当する力の濃度が高い。

 

(以前、エステルさんから聞いた話だと…樹の上に結界を張る装置があった)

 

ハルルの樹の上にあった魔導器は長い間、町を守る結界を起動していた。

今は媒体がなくなっているが、その媒体を起動させるための仕組みは

残っているようだ。

 

(精霊の力と、起動するための仕組み…それらの複合的に作用してしまったため、

歪が生まれやすくなっている)

 

根本的な原因は判明した。

…あとは、それを改善するだけ。

 

(時間はかかるかな…なるべく、急ピッチで進めていこう)

 

頭の中でそう考えながら、ハルは指先を無駄のない早さで動かしていき、

陣を操作して原因を取り除く作業に移っていった。

 

 

 

 

 

「こちらの方は異常ありません」

 

「ありがとう、引き続き町の周辺を警戒するように…

妙な歪を見つけ次第、連絡してくれ」

 

部下にそう命じながら、フレンは町の巡回をしていた。

ハルルの樹がある上層部では、ハルが現在進行形で歪を封じる作業に

取り掛かっている。カロルが事前に住民達に忠告していたおかげで、

自分達以外の被害者は出ていなかったのが幸いだ。

 

…とはいえ、この町を定期的に訪れる業者や観光旅行者など、

事情を知らない人は頻繁に出入りしている。

 

ハルの作業が終わるまでは、そういった人達が上層部へ行かないように、

フレンは駐屯する騎士達に指示をした。

自らも細心の注意を払い、町中を歩いていると…

 

「えぇ~…上には行けないんスか!?」

 

町の出入口付近で、大声が上がる。

何事か…とフレンはそちらへ足を進めた。

声の主は、マントを身に着けた小柄の子どもだった。

フードから見え隠れする赤い髪と幼い容姿から、年齢はカロルと同じ位だろうか。

 

「トラブルでもあったのですか?」

 

その隣にいるもう一人の男性が、事情を尋ねている。

子どもと同じくマントを身に纏い、フードを深々と被って顔は見えないが、

マント越しからも分かるがっしりとした体格の持ち主だ。

 

対応している騎士を見下ろせる程の高身長で、その所為か騎士はやや委縮しつつも、

丁寧に二人に説明をしている。

 

「すみません。詳細は言えませんが、本日中は樹のある場所へは

出入り禁止とさせて頂いております」

 

「そんなぁ~…」

 

「…ならば仕方ありませんね。宿で休みましょう。

時間に余裕はあるのですから」

 

男性が、子どもを諭すように言うと子どもはぶぅーと頬を膨らませながら渋々従った。

よほど、あの子はハルルの樹を観光したかったのだろう…罪悪感が胸を刺激してくる。

フレンの瞳が自ずと上にある樹を映し出す。

 

(…今日中に解決できたらいいな)

 

そう願っていると、また大きな声が響いた。

 

「【凛々の明星】のボスを連れてきて!」

 

…今度は聞き覚えのある少女の声だった。

入り口付近にいるその姿を目にしたフレンはクスッと口元が緩んでしまった。

 

 

*** ***** ***

 

 

封印作業を開始して一時間。

開きかけていたモノを含めて四つの歪を閉じる事に成功した。

残すのは、一番面積の広い…人ひとり容易く呑み込まそうな大きさ…歪だけだ。

 

「ハルさん、何かお手伝いできる事はありませんか?」

 

作業をずっと見守っていたエステルが声をかけてきた。

 

「お気遣いありがとう。

そうだな…喉が渇いたから水を頂いてもいいですか?」

 

「分かりました。準備してきますね!」

 

二つ返事をすると、エステルは駆け足で下にある自宅へ急ぐ。

 

「カロル、折角だから休め」

「えっ?」

「碌に寝てねえんだろ? 隈ができてるぞ」

 

ユーリが目元を指さして指摘すると、カロルはあっ…と反射的にそこを

指先で触れてしまう。

 

「エステルの家で仮眠取ってこい」

「…うん、ありがとう。そうするよ」

 

カロルがふぁ~と口元を右手で抑えながら欠伸をすると、

踵を返してエステルの後を追うように降りて行った。

 

「もう少しで終わりますよ」

 

ハルは作業を行いながら、後ろにいるユーリに話しかけた。

 

「あんた、すげーな。そんな大層な術ができるなんて…」

 

作業の一部始終を見ていたユーリはそう感想を口にした。

…素直な称賛とやや警戒の色を込めて。

 

「貸本屋になる前は、色んな世界を旅していまして…

その分、知識と経験を磨いた成果ですよ」

 

「…ふーん、あんたも世界を渡れる身って事か」

 

「今でも時々【用事】があれば、出かけます。

大抵は店で仕事をしていますけどね」

 

さりげなく探りをいれるような問いかけに、ハルはそつなく答えていく。

 

「なぁ、“ソレ”なんだが…発生した原因って分かったのか?」

 

そんな会話のキャッチボールを繰り返していく中…ユーリはある事を尋ねた。

 

 

「はい。簡単に言えば…複数の要因が重なった所為で、多数の歪が

出来上がったようです。処置を施しておいたのでその問題は解決しました。

ただ…このハルルの樹の周辺は元々、時空への入り口が出来やすい場所のようですね。

だから、歪がまた発生する可能性が否定できません」

 

 

原因である魔道器の装置が、ハルルの樹の精霊の力を過剰に引き出さないように魔法で、

調整しておいた。しかし、調べている内に此処事態が別の次元への道を開きやすい

領域なのだと分かった。一概に『もうこれで安全です』とは言い切れない。

 

「…マジかよ」

 

ユーリは眉間に手を押し当てて、苦々しげな声で呟く。

すると、ハルが作業の手を止めて思いがけない事を提案してきた。

 

「よければ、定期的に様子を見に来ましょうか?」

「つまり…今回と同じ事が起きたら、また封印をしてくれるって事か」

 

ユーリが微かに瞠目するが、すぐにその目を訝し気に細めながら聞き返す。

 

「はい、そうです」

 

ハルは、ほんのり笑みを浮かべて小さく頷く。

しかし、ユーリはどこか腑に落ちなかった。

 

「有難い話だが…あんたって変わってるな」

「…ん?」

 

「店の常連が困ってるからって理由だけで、わざわざ世界を越えて

問題を解決するなんて…かなりのお人好しって言われないか?」

 

それとも、別の…特別な事情でもあるのか?

後半は敢えて言葉にしなかった。

出会って丸一日経過していないが、エステルの件も含め、一宿一飯の恩もある事から、

人としては真っ当なタイプ…というのが現段階でのユーリの見解だ。

 

しかし、このハルという男はまだ何か隠しているような気がしてならない。

相手がそう易々と懐を見せるとは思わないが、それとなく探りを入れる形で言った。

 

 

「うーん……そうだな、昔から友人に…いや、今でも時々そう言われてるかな」

 

 

しかし、そんなユーリの思惑とは裏腹に、ハルは至極真面目な顔で顎に手を当てて

思案して…一分も経たない内にあっけらかんとした感じですんなり答えた。

彼のその態度に、ユーリは少々肩透かしを食らってしまう。

 

「言われてるっ…て」

 

「まぁ、エステルさんには、今後とも店を贔屓にしてもらいたいから…

サービスしておこうと思ったのもありますね」

 

ハルは明るく笑って、多少の打算も含んでいる事を明かした。

 

「…御心配なく、俺は貴方が大切に思っている人を傷つける事は致しません」

 

すると、再び顔に篤実な色を宿してハッキリと胸の内を伝えた。

 

「約束できるのか?」

「はい、必ず」

 

ユーリが真剣な顔でその言葉に偽りがないか聞き返すと、ハルは力強く

首を縦に振る。ふぅ…とユーリは軽く息を吐くと、腕を組んで改めて

ハルを見据えた。

 

「分かった…一先ず、あんたのその言葉を信じる」

 

但し、とユーリは付け加える。

 

「あんたがどんな人物なのか…じっくりと見極めさせてもらうぜ」

 

「それは、当店…【双月文庫】へ通うという意思表示と受け取って

構いませんか?」

 

「あくまで、エステルの護衛で付き合うだけだけどな。

今朝方まで、騎士団長のアイツと話し合った結果、‟追加で”任務を

依頼されたんでね」

 

なるほど、最初からこの話題になるのを待っていたのか。

ユーリの狙いを理解したハルはジッと彼を見つめたまま、

一分の間思考を兼ねて沈黙する。

そして、小さく頷いて口を開いた。

 

 

「了解しました。貴方のその目で…俺が是か非かを確かめてください」

 

 

ハルもまた、ユーリの考えに同調する答えを出した。

ユーリがどんな判断をするかで、エステルが常連から外れる事にも繋がりそうだが…

そこは彼等の裁量に任せるしかない。

勿論…こちらにとっても、エステルにとっても後味のいい結果になる方がベストだが。

 

「はい、この件は一旦お開きにして、最終作業に移りましょう」

「って…切り替え早いな」

「ハハハ、よく言われます」

 

ハルは一笑すると、解析陣を作動させる。

 

「この作業が終わったら、すぐ帰るのか?」

「そのつもりです」

 

おそらく、エステルも時間をおいたら再び店へ戻るだろう。

仲間にも詳しい事情を話した上で、改めてユーリも彼女に同行するのだろう。

 

「部屋はどうしますか?」

 

その事を見越したのか、ハルは解析陣を操作しながら質問した。

 

「そうだな…昨日と同じでいい。料金は…ちょっと待ってくれ。

フレンとうちのボスに相談しないといけねえからな」

 

どうやら、騎士団長と依頼の金銭負担交渉をする気のようだ。

その様子を想像しながら思わず吹き出しまうのをこらえながら、

ハルは「かしこまりました」と了承した。

その時、ハルは動かしていた指をピタッと止めた。

 

「…空が賑わってきましたね」

 

ハルのその言葉に、ユーリはハッとハルルの樹を見上げる。

樹の天辺に、複数の大きな鳥…いや魔物が旋回している。

 

「…ったく、話の途中だってのに」

 

ユーリは面倒くさそうに、装備していた剣の鞘を放り投げる。

 

「はい、終了!」

 

その直後、ハルは解析陣を右手でバンッと強く叩いた。

陣全体がアメジスト色の輝きを放つと…最後に残っていた歪は面積が

みるみる内に縮小していき、パァンと小さな花火を出して完全に消滅した。

 

「こっちの問題は解決したので…」

 

ハルは空間から護身用の剣を取り出した。

 

「助太刀しますよ」

「…! なら頼む」

 

はるか上空から降下してくる複数の魔物。

二人は各々の武器を手に、迫りくる敵と戦うために地を蹴った。

 

 

 

【ハルさん、出張する(2)】

 

 

 

「はぁ~…退屈ッス」

 

宿屋の一室で、ベッドに腰を掛けた赤毛の子ども…グロキシニアが足を

ぶらぶらさせながらその言葉を発した。

 

「せ~っかく、上質な魔力が豊富な場所で、たーっぷりの花弁を取ろうと

思っていたのに…立ち入り禁止なんて」

 

グロキシニアが、この町に来た理由…

それは魔力回復を兼ねた個人的な趣味のため。

 

常々、夢渡りを用いて、自分の好みな夢の領域をキープしているため、

魔力不足にはならない。けれど、非常時の為にもいくつか供給源は

確保しておきたい…と思っていた。

 

そんな時、グロキシニアはウツセミで現実世界を調査している時に

いい場所を発見した。それが、ハルルの大樹がそびえ立つこの町だった。

 

樹を中心とした上層部は、樹に宿る精霊の力が潤沢に漂っており、魔力回復には

最適な場所である。枝に咲き誇る三つの花の蜜も糖度が高く、甘い物が大好物の

グロキシニアにとって、理想のスポットであった。

 

樹の傍にいるだけで、魔力は満タンになるし、たくさん落ちている花弁も回収できて、

ジャムを作り放題。魔力も食欲も満たされて、まさに一石二鳥だ。

 

 

ほくほく気分のグロキシニアは思った。

この幸せを誰かにもおすすわけしよう、と。

だから今回、長年付き合いのある戦友のドロールを連れてきたのだ。

しかし、予定外のアクシデントで足止めをくらう事になってしまった。

 

「ドロール君、ごめん。こんな事になるとは思わなくて…」

「謝らなくていいですよ」

 

床で座禅を組んでいるドロールは「気にしていません」と返す。

 

「それとは別に…気になる事があります」

「何が?」

 

「出入り不可となった原因です。

…騎士団が旅業者のみならず、町の住民全員をも現場へ近寄らせない徹底ぶり…。

即ち、その場所に足を踏み入れるのは危険だという事…ではないでしょうか」

 

冷静に推測を語るドロール。

髪で隠されていない目を、自ずと樹のある方角へと移した…その時だった。

 

「…! ハルルの樹の上空に複数の魔物が出現したようです」

 

ドロールの魔眼が、上層部の風景を映し出した。

飛行系の魔物が、樹の頂上を旋回するや真下にいる人物達に

目を付けたのか、襲い掛かろうとしている。

 

「原因が判明したなら話が早いッス」

 

グロキシニアは、隠していた揚羽蝶を連想させる羽を広げ、

開いている窓から飛び立とうとした。

 

「お待ちください」

 

しかし、ドロールの呼びかけで阻まれてしまう。

 

「なんで?」

「…事態は解決へ向かっているようです」

 

現場にいる人物二名が、魔物を退治する様子が見えた。

だから、グロキシニアがわざわざ出向かう必要はない事を伝えたのだ。

 

だが、次の瞬間…ドロールは目を疑った。

魔物と交戦中の人物…どちらも青年だ…その内の一人が異質な気配を漂わせていた。

さらに、その容姿が―――

 

「ドロール君?」

「すみません、閑所(※トイレの事)にいってきます」

 

ドロールは立ち上がってそう告げると、足早に部屋を出て行った。

行き先へと向かうその足は…いつになく速度を上げていた。

 

 

 

【つづく】




※【物語の単語・専門用語辞書】に新しい単語を追加しました。
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