Brand new page   作:ねことも

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ハルさんの回想(8)

他種族との交流の話。

※他ジャンル(テイルズシリーズ)によく出てくる某種族が登場します。
  


ハルさんの回想(【少年時代】猫人族)

 

あれは、人間年齢11歳頃の話。

 

「うーうー♪」

 

俺は任務を終えて、疲労した体を癒すために魔神族と友好関係にある部族

…小柄な猫型の獣人族の領地内でお世話になる事となった。

 

「オーオー♪」

 

他の仲間が身体を休めている間、暇をつぶすために、俺は村の中を散歩する事にした。

途中で落ちていた長い木の枝を拾い上げて、ぶんぶんそれを振りながら、ゆっくり歩いていく。

 

「うえー♪」

 

前世で、どこかの旅番組で流れていたBGMのメロディを自分流にアレンジして

口ずさみながら、一人の時間を満喫する。

 

そんな適当感満載な唄を披露中に、第一村人を発見。

村に住む子ども…7歳位の猫人族の少年が、興味津々にこちらを見つめていた。

 

「あ、こんにちは」

 

目が合ったので、挨拶をした。

少年は、目をパチクリさせると「ひゃあー!」と驚いた声をあげて逃げていった。

部外者が珍しかったのかな…と呑気にそんな事を考えながら、すぐに散歩を再開。

 

「らーらー♪」

 

すると、後ろの方で気配がした。

ちらりと振り返ると、さっきの第一村人の少年がいた。

新たに、第一村人と同世代の少年が加わって、ちょこちょこと一歩ずつ慎重な足取りで、

距離を取りながら近づいてくる。

 

手を小さく振ってみると…先程と同じく、少年達はハッとしたように瞬きすると

「ひょー!!」と興奮交じりの声を出して、またしても逃げていく。

 

 

(…こわがって、はないな)

 

 

あれは、明らかに楽しんでやっている感じだ。

その上、逃走時の叫び声もやたらと耳に残る面白さ。

 

「るーるー♪」

 

さらに、歩を進めていると…案の定、少年達はやってきた。

今度は、さらに小さい3歳位の少女も参加している。

 

「おーい、俺に何か用?」

 

試しに声をかけてみた。

第二村人の少年と少女が「どうするの?」と第一村人の少年にアイコンタクトする。

少年は、恐る恐るといった感じでゆっくりとこちらに歩み寄ってきた。

 

「お兄ちゃん…君は魔神族?」

「そうだよ」

 

肯定すると、少年達はわー、きゃーとはしゃぎだす。

 

「魔神族は、えらい種族だって父さんが言ってた!」

「おっかないけど、強くてたのもしいって!」

「にいちゃんも戦えるの?」

 

どうやら、この村では「魔神族」=『有名人』という認識のようだ。

サインちょうだいと強請るように、その目はキラキラと純粋な憧れの色を宿している。

 

「うん、戦えるよ」

 

まだ、戦士の卵だけどね…と正直に付け足す。

 

 

「「「にゃー!」」」

 

 

返した答えは、子ども達の心を大いに刺激した。

 

「お兄ちゃん以外に、魔神族って来てるの?」

「うん、大人が五人。俺と同じ子どもが二人いるよ」

 

「みんな、たたかえるの?」

「うん、皆戦えるし、強い」

「すごー!」

 

子ども達のテンションは、これでもかと上がりまくっている。

そして、彼等も色々と教えてくれた。

 

 

分かった事をまとめると…

この村で暮らす猫人は、一般的に戦闘が不得手だ。

戦える若者はそこそこいるが、鼠や兎、小さな鳥などの獣を狩る程度の技量しかない。

その代わり、手先が器用な長所を生かす形で、主に物づくりで生計を立てているのだ。

 

「これ、ぼくの母さんがつくった服だよ」

 

第一村人…もといソルトが自分の着ている服を指さして、くるっと一回転して

アピールする。なるほど…他の獣人族とは異なる独特の服装だ。

前世の俺の記憶の知識から、その服装を表現するとしたら、東洋の浴衣っぽい

デザインに近い。

 

「へぇ…着心地いいの?」

「うん!」

 

「服は、村の女の人が作るんだよ。男の人は材料集めたり、力仕事をするんだよ」

「するんだよー」

 

第二村人もとい少年のクラン、その妹のリイが答えてくれる。

 

「ヴァイスの兄ちゃん、この村にどのくらいいる?」

「他の皆の体力がある程度回復するまでだから…半日くらいかな」

 

「だったら、あそぼう!」

「お話もっと聞かせて!」

 

この村では、定期的に訪れる顧客以外は外部からの客人は来ない。

特に上位にあたる部族との交流は、長と側近以外は滅多にないとの事。

ヘタに接触して、相手側に粗相をしてしまったら大変な事になる。

責任はミスをした己自身だけに留まらず、部族全体にも波及してしまうからだ。

 

「ねーねー」

「おねがーい」

 

ソルト曰く、親から口酸っぱく言われており、なんとなく分かってはいる。

けれども、それ以上に好奇心を抑えられないのだ。

この場に同族の大人がいたら、ソルト達を叱責するか…窘めていただろう。

 

「いいよ」

 

でも、俺は可愛い子猫人達の願いを了承した。

危険な事態を回避する事は、身を守るための一つの方法だろうけれど、

それを過度にやりすぎるのはよくない。

 

それだと、人生の岐路に立たされた時や困難に立ち向かう勝負所で損をする事になる。

なら、俺が彼等にとっての【きっかけ】になればいい…外の世界を知るための。

 

 

それから、俺は時間がくるまでソルト達といっぱい遊んだ。

その際に、彼等がとっておきの場所を教えてくれ、そこで【ある物】を発見し、

後にそれが魔神族の食の変革に大いに役立つ事となった。

 

あと、あの当時は気付かなかったけれど、俺や子猫人の交流を陰で見守っていた

魔神族もいたようで…

 

その辺の話は、また別の形で語りたい。

  

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