等身大の愛し方   作:桐谷 アキラ

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第4話 急展開

 俺は生徒会以外にも部活に―――文芸部(ぶんげいぶ)に入っている。決して、ドキドキする文芸部(ぶんげいぶ)ではない。まあ、普通の部活なんだが……あまり行きたくないんだよなぁ……。その理由は部員である彼女―――朝倉薫(あさくらかおる)が原因だ。

 彼女はなんて言うか……高嶺の花みたいな ? そんなイメージ。分け隔てない対応、あどけない笑顔。超絶技巧で創られた人形とまでよばれ、成績も優秀……あれ ? なんか既視感(デジャブ)が……。

 この丸山学園(まるやまがくえん)で嫌う人はいないとまで言われる存在だ。

 

 俺が彼女のことを考えていると、丁度部室につく。彼女かぁ……。

 

 俺は彼女が苦手だ。なんで苦手かって言うと―――。

 

 「先輩、待ってましたよ ! 」

 

 彼女は微笑む。その笑みを見たらどんな男子もイチコロだろう。だか、俺は嬉しげな彼女とは対照的に顔をひきつらせる。

 

 「受け取って下さい ! 」

 

 彼女の手にはクッキーが握られていた。ものすごくお店のっぽいけど……多分、手作りだろうなぁ……。

 

 「どうした ? なんかあったか ? 」

 

 俺のターン ! スキル 『すっとぼけ』を発動 !

 

 「受け取ってくれないんですか ? 」

 

 効果はいまひとつのようだ。ハイライトさんがニートになり、手慣れた動作でスタンガンを取り出す。バチバチという音からは、『死』というのを身近に感じる。受け取るしかないのか……まだ死にたくないしな。どうして、こんなにも俺が頑なに受け取りたくないのには理由がある。

 

 このクッキー恐らくだが、彼女の体液やら髪やらが入っている。

 こいつは俺に好意を向けている。こんな高嶺の花が俺みたいなやつに気があると思っていなかったし、俺も手を出そうなんて思っていなかった。

 

 好意を向けられているのに気がついたのはごく最近のことだ。俺がトイレに行ってて帰って来たら彼女は俺の鞄に顔を突っ込んでいた。

 あれは……スゴかった(語彙力崩壊)。

 結構あれは仰天したがスルーすることは出来ず、俺は探ることにした。基本的に能力の低い俺氏だが、洞察力には自信がある。顔の表情から相手がどんな感情なのかが、結構な確率で分かる。

 

 彼女は隠す気がないのかそれとも想いが強いのかは知らないがすぐに分かった。『彼女は俺が好きだと』。

 と、言ってもだ。冷静に考えてこんな人が俺みたいなのを好きになるはずがない。そう思って俺は自分の考えを捨てることにした。

 

 だが、俺の放棄した考えは彼女の方から拾われることとなる。

 あれはいつだったかゲームをしている時だ。相手が好きなものを当てるというゲームで俺は当てることが出来ず彼女に正解は ? と問いかけた。

 

 すると彼女は『先輩ですよ ? 』と一言。

 冗談だと思った。だけど、俺は分かってしまった。その時ばかりはこの自慢の洞察力が怖かった。

 彼女の瞳からは疑いようのない『 愛 』(狂った愛)を感じた。

 

 その日は確か流していたような気がする。気がする、というのはあまり記憶がないからだ。一部始終しか覚えていない。

 

 「先輩 ? 」

 

 と、まずは生存ルートを確保しなければ。ジリジリと俺の方に寄ってくる彼女に俺は思考を巡らせる。直ぐに良い案を思い付かなかったので一先ず受け取ることにした。

 

 「ああ、有り難く貰うよ」

 

 俺はあたかも嬉しいかのように満面の笑みで受け取る。

 

 「じゃあ、先輩――「なあ、朝倉 ? 」 先輩 ? 」

 

 不穏な空気を感じとった俺は逃げの一手を打つ。

 

 「家に帰ってから食べても良いか ? 」

 

 家に帰ってしまえばこっちのもんよ ! 妹にこのクッキー(劇物)食わせたるわ !

 

 「どうしてですか ? 」

 

 ですよね。知ってました。

 

 「実は具合が悪くて(仮病)な……さっき直ぐに返答出来なかったのもそれが理由なんだ。さ、もうお開きにしよう。お腹が空いてる時の方が美味しく感じるしな」

 

 強引だが、俺の演技力にひれ伏したのか何も言わなくなる……というか表情がどんどん険しくなっている。やべぇ速く逃げよう、そう思い勢いよく振り返ると―――西園寺明美(さいおんじあけみ)―――会長が背後に立っていた。

 




 ヤンデレは難しいからなるだけ時間稼ぎしようと思ったけど無理でした。

 4話にして安定してきた(願望)
 何度も読み返してなるだけ良い小説を書こうと勉強中です。こういう表現したら良いよとかこんなシーンあったら良いんじゃない ? 等の意見、質問ありましたら教えて下さい。
 決してヤンデレの小説はいざ書いてみると難しくて案が思いつかないとかじゃありません。アキラウソツカナイ……。
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