等身大の愛し方   作:桐谷 アキラ

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 あれだ。ヤンデレって私の手に負えないわ。扱いが難しい。


第5話 お金払うので同伴なしで。え ? 駄目なの ?

 え ? いつからいたの ? 軽くホラーなんですけど。てか、あんたもハイライト仕事してないんかい。俺、あんただけは大丈夫(一般人)だと思っていたのに……。

 

 と言うのもこいつ(西園寺)はガチで表情が動かない。だから、俺のスキル『危険を察知』(ヤンデレ探知)が発動しない。危険人物かどうか分からなかったんだよなぁ。まあ、薄々気づいていたけども。

 ―――と、俺が現実逃避をしていると目の前のヤンデレ(危険人物)たちが口を開く。

 

 「ねえ ? 何してたの ? 」

 

 「別に何もしてないですよ ? ただ、お喋りしていただけです。そういうあなたこそ何ですか ? ここは、部員以外立ち入り禁止です、よ ? 」

 

 あれ ? マフィアの交渉かな ? 

 

 「あんまり牛一くんを困らせちゃダメだよ ? 私……何するか分からないから」

 

 いつも無表情な彼女が笑うとギャップがすげぇ……目が笑ってないけど。てか、いつも太田くんって呼んでるじゃん。なに ? どうして、ガソリン撒くかな……何なの ? 一次審査突破出来なかったの ?

 

 「へぇ……そういうことか」

 

 意味ありげに朝倉は口角を上げる。

 ここで「俺も会話に交ぜてよ ! 」 とか、言ったらどうなるかな……混沌としている空気がさらに可笑しくなりそうだから止めた。 

 ……よし、もうあれしかない。

 

 「ちよた にけら はとほ らすて のはて きらと なりは してと」

 

 これで大丈―――「何 ? やる ? 」「上等ですよ。あなた何かに先輩は渡しません」

 

 不惜身命の想いで唱えたが復活の呪文が違った……。

 俺がうちひしがれていると、ガラガラと部室の扉が開く。救世主か ! ? と思ったが、俺の目に映っていたのは工藤先生だった。

 こうなったら道連れだ―――

 

 「何をしているんだ ? 西園寺は文芸部じゃないだろ ? 」

 

 と思ったけど何かこのまま黙っていたら何とかしてくれそう。さすが、やっぱり先生は最高だぜ ! いつも行き遅れだとか思っていたこと……訂正しよう。

 

 「いえ、たまたま寄っただけです」

 

 その顔をピクリとも崩すことなく応える。

 

 「そうか ? それならもう帰るのか ? なら、手伝って欲しいことがあるんだが」

 

 「……」

 

 そうだ ! このままこいつを行かせよう……あれ ? でも、そしたら今度はこいつ(朝倉)と二人きり ? ハハ、どんな冗談だ。

 

 「先生 ! 俺も―――「先輩 ? 確か具合が悪かったですよね ? 家まで送ります」……」 

 

 バレテーラ。どうするかな……このまま帰ると家に入って来そうだし……。

 妹に助けを呼ぶか。あいつならこのヤンデレ(危険人物)でも大丈夫だろう。とりあえず妹に家に居て欲しいといったメールを送る。

 

 「そうだな……確かに具合も悪いし帰るか」

 

 「え ! ? 牛一く―――「さ、先輩行きましょう」

 

 俺の目には彼女(朝倉)が不敵に笑う姿が見えた……ような気がした。すこし不安感に襲われながらも大丈夫と自分に言い聞かせ家に帰ることにした……ヤンデレ同伴で。

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