夏は秋へと色変えて   作:嘘つき魔神

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 第1話です。


第1話:目覚めた先は

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「うぅ、ここは‥‥‥?」

 

 一夏が目覚めたのは、知らない天井の部屋だった。いったい、何故こんなところにと頭を抱えていると、ドアが開き、メイド服の女性が入ってきた。

 

「おや、お目覚めになりましたか。しかし、検査すれば、水分不足と疲労とは。倒れていたのでビックリしましたよ。」

 

「え、あ、はい‥‥‥」

 

 誰だこの人。一夏は、そう言うしかなかった。

 

「今から、主人を呼んできます。」

 

 そう言うと、一礼をし、部屋から出ていった。

 

(何でこんなことになったんだ‥‥‥?)

 

 正直、訳が分からない。何故こうなった?一夏には、何も分からなかった。少しすると、またドアが開き、今度は、白髪の優しそうな雰囲気を纏う男性が入ってきた。

 

「あぁ、起きたかい?よかった、心配したんだよ」

 

「あ、はい、起きました‥‥‥」

 

「そうか、体は大丈夫かい?」

 

 誰だこの人。本当に誰だ?

 

「あぁ、すまない。私は、藤堂久義(とうどうひさよし)だ。君は?」

 

「‥‥‥織斑、一夏‥‥‥」

 

 それを聞いた藤堂は、驚いた顔をする。

 

「‥‥‥嘘はついていないんだね?」

 

「‥‥‥何ですか、俺が嘘をついていると?」

 

「そういうのではない。ふむ、これを見てほしい」

 

 いったい何を。そう思って見た一夏は、絶句した。何故なら、自分と全く同じ顔で、同じ名前の人物が、自分に代わって帰ってきたと取り上げられていたからだ。

 

「これで、何故私が嘘をついていないか聞いたか、分かったかな?」

 

「何、で‥‥‥?一夏は、俺なのに‥‥‥?」

 

「分からないが、恐らく、孤児か誰かが君を騙って、織斑家に入ろうとしたのかな?」

 

「なんでだよ‥‥‥おれは、おれはぁ‥‥‥!」

 

 そう言って、一夏は泣き出してしまう。自分と違う奴が、自分に代わって帰ってきたと取り上げられる。それは、自分の存在を否定されたようで、千冬の件でダメージを受けたこともあり、一夏の心を叩きのめした。

 

「‥‥‥」

 

 藤堂は、何も言わず、一夏が泣き止むのを待った。それから、数分後、一夏は泣き止んだ。その代わり、頭に浮かんだのはこれからどうしようという不安だった。自分の代わりがいるということは、家にはもう帰れない。

 

「どうしよう‥‥‥」

 

「もしかして、行く宛がないのかい?」

 

 それに頷く一夏、すると、藤堂はある提案をした。

 

「ふむ、一夏君、どうだね?私の夢に協力してくれないか?」

 

「協力?」

 

「あぁ、協力だ、協力してくれたら、戸籍と住むところは用意しよう、どうだね?」

 

「‥‥‥やります」

 

 その答えに、藤堂は満足げに頷くのであった。




 終わりです。
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