【一発ネタ】FGO4周年で実装された英霊たちで聖杯戦争【最後までやるよ】   作:天城黒猫

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 投稿遅れました。申し訳ありませんっ……!
 いやね? 任天堂がポケモン剣盾出したり、steamがセールとかやるから、ついついゲームばっかりやってたんです作者は悪くないゲームを出す方が悪い申し訳ありません!!
 あとVtuberというかバ美肉始めました。詳しくは作者のマイページとか、活動報告とかにYouTubeとか、Twitterとかのリンクがあるので、そこからいい感じによろしくお願いします。
 
 そしてとうとうこの時が来てしまいましたね……! FGO、第二部第五章配信開始しました。作者はまだやってません。正直、ギリシャが来る前に完結させたかった……怠けてた代償がががが!

 一つお知らせというか、宣言というか、読者の皆さんに知ってほしいことが一つ。
 この小説完結するまで、ギリシャ行きません。五章やりません。
 というのも、いざギリシャ行って、登場人物のイメージとか、設定とかの齟齬が生まれると、作者頭を抱えてしまうからです。なので、作者の精神の安全のために、この小説が完結するまでギリシャやりません。

 まあ、あと10話くらいで完結しますので、年内には終わらせたいです。投稿ペースどんどん上げていきますよ!!

 長々とすみません。本当に……長い前書きが嫌われるっていう意識はあるんですけど、ついつい書いてしまう……では、本編をお楽しみください!




第18話

 ケイネスの令呪によって、ソラウの元へと転移したガレスが最初に見た物は、意識を失ってベッドに横たわるソラウの姿だった。

 その彼女の姿を目にしたガレスは、ソラウをこのような目に合わせた下手人への怒りが込みだし、すぐさま己の背後にある複数の気配──すなわちソラウを襲った下手人であり、己の敵である存在を感じ取り、敵意と殺意とを発しながらイアソンとメディアを睨み付けた。

 

「なるほど、そういうことですか!」

 

 ガレスは瞬時にして周囲の状況を理解し、己がなすべきことを理解した。すなわち──ソラウを助け出し、この場から逃げ出すことである。騎士として戦ってきた経験と、培われてきた勘により、混乱するようなことは一切なくこの答えを導きだしたが、同時にそれがとても難しいということも、騎士としての経験と勘が告げていた。

 

 というのも、この部屋及び階層には、メディアが仕掛けた結界や、魔術的なトラップがあり、強固に守られた魔術要塞から逃げ出すという行為自体が至難の業だったし、何よりもイアソンが率いるヘラクレスという、この聖杯戦争において最も強い腕力、膂力、武力を誇る怪物の如き英霊が立ちはだかるのは間違いない。

 神代の魔女による結界を潜り抜けながら、ヘラクレスという怪物を前に、ガレスがソラウを庇いながら逃げなければならないのだ。

 

「お前は──!」

 

 イアソンは、ガレスがこの場に転移を行ったのを認識すると、この突然の出来事にうろたえながらも、この侵入者を始末するための行動へと出た。すなわち、ヘラクレスにガレスの始末を命じたのだ。

 

「ヘ、ヘラクレス! あのサーヴァントを追い払え!」

 

「■■■■■■──ッ!」

 

 イアソンの命によってヘラクレスは、この冬木ハイアットホテルのスイートルームの中で、そのはち切れんばかりの筋肉で構成された巨体を実体化させ、あまりの迫力と、その声の大きさによって地震が発生したと思わせるほどの咆哮を放った。

 しかし、ガレスはこの強敵を前に戦う素振りを一切見せず、ヘラクレスが現れる瞬間には己の背後にあるベッドの上で、気を失っているソラウを抱きかかえてこの部屋から、廊下へとまさしく神速の如き速度で飛び出して行った。

 

「ヘラクレス、追え! あんな女などどうでもいいが、この私が過ごすこの部屋に侵入したという時点で、脅威であり大罪だ! ああ、だがあまり物を壊すなよ? 仮にもここは私の寝室となる場所なのだ。風穴を開けられてはたまらん!」

 

「■■■■■■!」

 

 ヘラクレスは、イアソンの言葉に承知したと言わんばかりに、叫びガレスの後を追いかけ、廊下へと飛び出して行った。

 

「ええい、メディア! お前の結界はどうなっている? アレは恐らく令呪による転移だろう? そのぐらい防げたのではないか?」

 

「申し訳ありません、イアソン様」

 

 イアソンの問いかけにメディアは答えた。なるほど彼女ほどの魔術師ならば、いかな令呪による転移であろうとも、侵入を防ぐこともできるだろう。

 

「何せ、この拠点を確保したのはつい先ほどですから……あらかた結界は張り終えましたが、それでも十分という訳ではないのです。転移を防ぐといった、強力な効果を発揮する結界の施術は、まだしばらく時間がかかります」

 

「……そうか。まあいい! フン、私にはヘラクレスがいる。そもそもアイツがここを守っていれば、侵入者など一捻りだからな! ああ、だがメディア。何もお前の仕事がないというわけではないぞ? ヘラクレスばかりを働かせるわけにはいかないからな。引き続き結界の設置をしておけ」

 

「了解しました。イアソン様」

 

 さて、注目すべき戦い──もとい、ガレスの逃亡戦に目をやるとしよう。

 

 あるとあらゆる戦いに言えることだが、逃げる側と追いかける側、どちらが有利かと問われれば、やはり逃げる側、すなわち撤退する方に軍配があがるだろう。

 というのも、逃走する方は己が逃げ切れるように、どの道を選ぶのか、どのような場所を移動すればいいのか、そしてどのような行動を取るのか、そういった選択肢を自由に取ることができる。しかし、追いかける側となれば、そうはいかないだろう。逃走する人物がどこへ逃げるのか、どの方向へと逃げるのか、そうしたことを予想しながら、追いかけなければならないのだ。すこしでも予想が外れれば、翻弄され逃走者の姿を見失うこととなる。

 さらに言えば、これらの事実から逃走する方には精神的な余裕があることが多いし、追跡するほうには余裕がない方が多いだろう。

 

 では、今回の戦いはこの法則に当てはまるのか、といえば少しばかり微妙なところであった。

 というのも、戦場はホテルの廊下であり、あまり入り組んでいないものの、ヘラクレスの巨体にとっては狭い場所であり、ある程度移動を阻害されるような場所であった。故に、ヘラクレスは高速で自在に移動することはできなかった。イアソンから下された物を壊すな、という指示もまたヘラクレスの動きの鈍さに拍車をかけていた。

 

 かといってガレスに余裕があるわけではなかった。ガレスはソラウを抱えて移動しており、もしも生身のソラウがヘラクレスの攻撃を喰らってしまったのならば、その肉体はほんの一瞬で粉々に砕けてしまうであろう。

 故に、ガレスはヘラクレスの攻撃を一撃でも、受けるわけにはいかず逃げなければならなかった。それに、彼女の鎧もまたバーソロミューとの戦いによって砕けてしまったため、彼女自身もヘラクレスの攻撃を受ければ、無事では済まないだろう。それ故に、ガレスには逃走者が抱く、あるていどの精神的な余裕はなかった。

 

「ふうッ……一刻も早くこの建物──あの巨人から離れなければなりませんね!」

 

 ガレスはソラウを抱えながら、後ろから迫り来るヘラクレスを見た。

 ガレス自身、前にヘラクレスと戦闘を行った時は、まさしく手も足も出ない状態であり、どうにか死なないようにするというだけで精一杯といった状況であった。それほどに、ガレスとヘラクレスとの間には大きな実力差があるのだ。

 しかし、ガレスはヘラクレスと戦うのではなく、逃げるのが目的であった。このホテルの廊下の狭さによって、ヘラクレスの行動を阻害できているからこそ、今のガレスはソラウを抱えて逃げ切ることができているのだ。それ故にガレスはホテルの一階を目指すために、非常用の階段を探しだし、そこから下の階へと降りることを選択した。

 

「確か、こっちの方に階段があったはず──! そこから下へと降りれば、一般人がいる階層になる。そうなればあちらも追ってこない……と願いたいですね!」

 

 ガレスは廊下を走り続けた。設置された、メディアによる魔術によるトラップが発動し、ガレスへと襲い掛かった。しかし、ガレスは持ち前の対魔力により、ソラウを庇いつつその攻撃を全て跳ね返してみせた。

 今のガレスはヘラクレスから逃げるために、必死であったためその足を止めるわけにはいかなかった。

 

 そしてとうとうガレスは非常階段へとたどり着き、すぐさま下の階を目指し階段を駆け下りた。

 この非常階段は天井が高く、幅もそれなりにあるため、ヘラクレスの巨体もある程度自由に動くことができる広さを持っていた。

 故に──今まで狭い廊下で阻害されていたその動きを晴らすかのように、ヘラクレスはその巨体を思う存分に振り回しはじめた。

 

「■■■■■■■──!」

 

 ヘラクレスは巨大な石斧を振り回し、階段の段差を粉々に砕きながらガレスへと突進を行った。

 ガレスはソラウを抱えて居るから、反撃をすることができないため、ただ避けるしかなかった。彼女はとっさに階段の踊り場から、下段の踊り場へと飛び降り、その直後に先ほどまで彼女が居た踊り場が粉々に粉砕された。

 その際に発生した衝撃と風圧により、ガレスは吹き飛ばされ、その体を壁に叩きつけた。その際彼女は思わずソラウの体をその腕から離してしまい、気絶したソラウは床へと落下した。幸いというべきか、頭を打ったり体の骨を折ったりするようなことはなかった。

 

「ソラウ──ッ! くっ、申し訳ありません!」

 

 ガレスは体中に迸る痛みに耐えながら、床に横たわるソラウを見やり、彼女の安否を確かめるとすぐさま目線をヘラクレスへとやった。

 

「ヘラクレス──このままでは、逃げることは難しいでしょうか……!」

 

 ガレスはこれまで戦わずに逃げることのみを考えていたが、この状況下では非常に難しいと判断し、考えをあらためることにした。つまり、ヘラクレスと戦い、彼をどうにかして倒すか、足止めをするかしなければならないと判断したのだ。

 ガレスは意を決すると、目の前に立つ鉛色の巨人を睨み付け、手元に己の武器である巨大な馬上槍(ランス)を実体化させ、その柄を力強く握りしめた。もう片方の手には、巨大な盾を構えてみせた。

 鎧はバーソロミューとの戦いで砕け散ったが、槍と盾だけは残った──この二つの武具こそが、ガレスの武器にして防具なのだ。

 

「──う、ん」

 

 ガレスは今にもヘラクレスへと飛び掛からんとし、ヘラクレスもまたそれを迎撃するべく待ち構えていた──ガレスとヘラクレスが行動を開始する直前の、僅かに生じた静寂の時間のなかソラウはうめき声を漏らし、その目を開いた。

 地面に叩きつけられた衝撃によるものなのか、メディアの手によって奪われていた意識を取り戻したのだ。

 

 ぼんやりと未だ目覚め切らない様子だったが、そういったまんじりともしない調子は、目の前で繰り広げられている光景を目にすると一瞬で消え去り、彼女の脳は高速回転を始め、意識は完全に覚醒した。

 

「やぁぁぁぁぁあっ!」

 

「■■■■■■■■!」

 

 彼女を驚かせ、目を一気に覚ましたその光景が、ガレスとヘラクレスとの戦いであるということは、言うまでもないだろう。

 ヘラクレスが石斧を一振りするだけで、その場の大気が叩きつけられて震え、撹拌されることによって衝撃波が生み出され、階段や壁を粉々にしていった。ガレスも負けておらず、その己に向けられた攻撃を回避すると、槍を振り回したり、あるいはヘラクレスの体へと突き刺したりといった具合に応戦している。

 

 彼らは戦う場所を次々と変えていた。階段を破壊しながら、階下へと落下する瓦礫を足場とし、上へと跳躍したり、あるいは壁を蹴って下方向へと跳躍したりと、四次元的な空間を自在に移動しながら戦っていた。

 

 ソラウはこの聖杯戦争において、サーヴァント同士の戦いは使い魔を通じて見ていたが、こうして実際に目の前で、直にその戦いが繰り広げられるとなると、離れたところから使い魔を介して見る映像とは迫力が全く違うものとなっていた。

 

「──ッ」

 

 彼女は固唾を飲んで、目の前で繰り広げられている戦いを見つめた。つまりその迫力に彼女は圧倒し、戦慄しているのだ。現在、ヘラクレスはソラウは眼中にないのか、ガレスのみを狙い攻撃し続けており、またガレスはソラウが目覚めたのに気が付いてはいるものの、彼女に言葉をかけるような余裕は一切なかった。

 ガレスは元から気絶したソラウに被害が及ばないような場所を選び、移動し、戦っているためソラウへと戦闘の余波が降りかかることはなかった。

 

 ヘラクレスとガレスとの激しい戦いは、時間にしてほんの数分にも満たなかった。何事であろうとも終わりがあるように、その戦いにも終わりが訪れることとなるのである。

 

「──ぬぐぁッ!」

 

 これまでガレスはヘラクレスの攻撃をどうにか回避し続けてきたが、とうとう石斧による一撃を受けてしまい、吹き飛ばされたのだ。今ソラウが居る場所よりも上の階で戦っていたガレスは、その身で階段を砕きながらソラウが今立っている踊り場へと落下した。

 

 幸いというべきか、彼女はヘラクレスの攻撃は、盾を使用して防いだため致命傷となるような状態ではなかった。しかし、それでも現在の彼女はバーソロミューとの戦いにより、鎧を失っているため、生身で受けたも同然の衝撃が彼女の全身に襲い掛かっていたし、階段をその身で砕いたときの衝撃もやはり凄まじいものだった。

 骨は何か所も砕け散り、内臓も潰れていたりと、致命傷ではないものの存分に動くことのできない状態となっていた。

 

「ランサー! 大丈夫?」

 

 ソラウはガレスの元へと駆け寄り、床に倒れ伏す彼女の身を起こした。

 

「酷い怪我──私の治癒では、完全には治せないわね……治癒を施しても、雀の涙程度にしかならないわ」

 

「ぐ……ははは、この程度どうということはありませんよ! それよりも──」

 

 ガレスはよろよろと立ち上がり、上を睨み付けた。

 ガレスに二撃目──すなわち止めを刺すべく、ヘラクレスが上方から降りてきたのだ。彼は階段を失い、ほとんど空洞の塔と化したこの非常階段の壁を蹴ることによって、この空間を自在に移動しているのだ。そして、その巨体は猿のように素早い動きで、ガレスへと接近していた。

 

「アレをどうにかしなければいけませんね!」

 

「ランサー、壁を破壊して飛び降りることはできないの?」

 

「可能です。ですが、それだとヘラクレスも追ってくるでしょうし、外はただ広い空間になります。あの巨体の動きが制限されるこの場所だからこそ、私はある程度戦うことが可能なのです。外に出るということは、あの巨体の動きに自由を与えるのと同じですからね……

 外にでるにしても、それは足止め──つまりヘラクレスを一度倒すなり、足を折るなりして、その間に遠くに逃げ切ることが出来るときのみですね」

 

「そう──」

 

 ソラウはこのホテルから脱出するには、あのヘラクレスを倒すしか道は無い、ということを理解した。一般人がいる階層へと逃げるという選択肢もあるが、それをするのには魔術の隠匿の問題や、一般人を巻き込まないという保証がないため、ソラウの魔術師としての本能がそれを否定していたし、ガレスもまた一般人を巻き込みたくないため、戦いの場をこの非常階段から移すことができないでいた。

 

 故に、残された選択肢といえば、やはりヘラクレスを足止めするか、あるいは倒すなりして、この場から素早く逃げ出すのみなのである。

 

 このたった一つの選択肢を遂行するのは、非常に厳しいだろう。しかし、それでもやらなければならないのだ。故に、ソラウは魔術回路を励起させ、ガレスに治癒魔術を施しながら、あらん限りの声で叫んだ。

 

「ランサー! お願い! ここから逃げ出すわよ! どうか、負けないで!」

 

「ええ──はい、承知しました! もちろん、我がマスターから貴女を守れと命じられているのですから! さあ、さあ! いざ、いざ! 円卓の騎士の名に恥じぬ戦いを! この難関、見事突破してみせましょう!」

 

 ガレスはソラウの叫びを聞くと、微笑み、意気込んでみせた。

 彼女は生前のことを思い出していた。

 

(──ああ、思い出しますね。あの時も、こうでした。リネットが私の後ろにいて、目の前には得難き難敵。赤の騎士、アイアンサイドとの戦い。今のように、追い詰められていて、ボロボロになっていましたね。そんな折、リオネットが私に声を掛けたのです。頑張れ、と──! 不思議と力が湧いて、戦い続けて、勝利することができたのでしたね!)

 

「■■■■■■■■■■■■■!」

 

 ヘラクレスは咆哮し、ガレスへと迫る。それをガレスは歯をむき出しにし、こちらもまた咆哮に近い声で答えてみせた。

 

「ゆくぞ! ヘラクレス──ッ!」

 

 ガレスは踊り場から跳躍し、こちら側へと落下してくるヘラクレスへと向かっていった。

 彼女の肉体はほとんど限界に近かったが、ソラウの治癒魔術によってどうにか動かすことができる状態だった。それを抜きにしても、今のガレスの全身には不思議と力が籠っていた。

 

 ガレスは身を小さく丸め、盾を前面に突き出した。これによって、ガレスの全身は盾に完全に隠れることとなった。唯一はみ出しているものといえば、巨大な槍ぐらいだった。

 ヘラクレスは、その行為にどのような意味があるのかは考えず、己の剛腕で全てをねじ伏せると言わんばかりに、石斧を振るった。

 

 その瞬間、ガレスは盾を突き出した。そして、ヘラクレスの石斧はガレスの盾を弾き飛ばした。しかし、これこそがガレスの狙いだったのだ。

 ヘラクレスは盾を弾き飛ばした後も、攻撃を加えようとしていたが、その体を一瞬硬直させた。

 

 なぜならば、ヘラクレスの目の前にいる人物の姿は、先ほどまで戦っていたガレスのそれではなく、イアソンのものだったのだ。

 これはガレスが持つ宝具、変身の指輪によるものだった。ガレスはヘラクレスとイアソンとがどのような関係なのかは、さっぱり分からないが、この姿になりヘラクレスの動きを止めることができないだろうか、と考えたのだ。

 このたくらみは見事成功した。ヘラクレスは狂化スキルにより、正常な思考ができずにいた。それ故であろうか。明らかにガレスが変身したと分かっていても、その姿を前に攻撃をほんの一瞬だけ躊躇ってしまった。

 

 そして、ガレスは生じた刹那の瞬間を見逃さなかった。

 

「今こそ勝機なり! 我は狼! 我が槍は全てを貫く必殺にして必滅の牙なり! 貫け! 『猛り狂う乙女狼(イーラ・ルプス)』!」

 

 ──サロメとの戦いで説明したが、今再び彼女の宝具について説明するとしよう。

 それはガレスという一人の騎士が生前に振るった猛槍(もうそう)そのものである。数々の手ごわい敵は全てこの槍と、持ち前の技量で勝利を収めたのである。これは彼女の技量と猛烈な槍捌きそのものが、強烈な連撃として宝具となったものである! 

 

「でりゃあああああああっ!」

 

 ガレスはヘラクレスへと目掛けて次々と槍を振るった。しかし、その槍の連撃はヘラクレスの強固な肉体──十二の試練(ゴッドハンド)を傷つけることはなかった。これにガレスは歯噛みするが、それでも尚続いて攻撃を加え続けた。

 

 しかし、ヘラクレスもただやられているばかりではなく、石斧を振るって反撃を行った。

 ガレスの槍とヘラクレスの石斧が交わうたびに、轟音が生じ、衝撃が辺りを破壊しつづけた。今更のことではあるが、いくら人の寄り付かない非常階段とはいえども、ここまで激しい戦闘が行われていても、ホテルの従業員なり、止まっている人が様子を見にきたりするようなことはなかった。これはメディアの魔術によって誤魔化されているためである。ホテルの中に居る人間が感じる衝撃や振動、物音は地震か、あるいは強風によるものだと思い込まされているのだ。

 

「おりゃああああああっ!」

 

 この激しい武器とのぶつかり合いにもとうとう終わりが訪れた。ガレスは最後の一撃に、己が持つ槍──マーリンから授かった槍であり、この槍にはあらゆる魔術的な加工がなされており、ただの槍ではなく魔槍といっても差し支えないほどの逸品となっている──これに込められた魔力を攻撃へと使用することによって、あらゆるものを貫き、粉砕する強烈な一撃となるのだ。

 その様はランスロットの宝具、縛鎖全断・過重湖光(アロンダイト・オーバーロード)に非常に類似していた。というよりは、ガレスがそれを再現した一撃というべきであろうか。

 

 その一撃は、ヘラクレスの持つ石斧を砕いてみせた。そして、ヘラクレスの肉体に傷を付けることこそは叶わなかったが、その巨体に衝撃を与え、叩き伏せてみせた。

 ヘラクレスの体は下へと吹き飛び、階段をいくつも砕きながら階下へと落下していった。

 

「やったのね? ランサー!」

 

 その様子を見たソラウは、歓喜の笑顔を浮かべてみせた。

 

「ええ、ですが早くここから脱出するとしましょう。倒した訳ではありませんから! さあ、体を抱えますよ。失礼しますね!」

 

 ガレスはソラウを抱きかかえると、壁を破壊してホテルの外へと脱出し、素早くホテルから飛び降り、一目散にこのホテルから離れていった。

 ヘラクレスは、その後開いた穴からガレスとソラウの姿を探したが、彼女たちの姿はどこにもなかった。そのため、追うこともなくその場で立ち尽くすばかりであった。

 

 




 おのれヘラクレスゥ!!!!!!テメエ取り扱い面倒なんじゃあ!!!ガレスがヘラクレスに勝つ(倒してない)のはおかしい?知るかぁ!!!!!ライブ感じゃあ!!!!!!

 ぶっちゃけ週一更新ってキツかったりします。やること多いしね……(白目)なので、今週は2話ぐらい更新したいと思います!
来週の日曜日(12月29日)までに2話更新することをここに宣言します!
 年内には終わらせます!!!!エタりません!完結させます!!!!!

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