異世界にて食道楽。   作:枕魔神

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焼豚炒飯と転生勇者。

 

 転生者、桐生真斗(きりゅうまさと)。彼の人生は波乱万丈、まるで漫画のような不運の連続だった。

 

 イベント毎に風邪を惹き、外を歩けば犬に吠えられ、家ですごせば床が抜ける。靴紐は月一で切れるのは当たり前で、好きな女の子には同性愛者だと誤解され、バレンタインに渡されたチョコには謎の毛が混入していたり……エトセトラ。

 特に女性に対する運がずば抜けて低く、最終的には存在しない子供を認知しろと迫られた末、ストーカー女性からブスリ脇腹に一発。

 

 桐生真斗、享年十六歳。彼は生涯童貞でその短い人生を終えるはずだった。

 しかし、これまでの度重なる不幸の反動だろうか、真斗の歴史上類を見ない特異体質は、幸運にも神々の目に留まり、晴れてチート能力を授かった上での異世界転生が認められたのだった。

 

 当然、彼が願ったチート能力は幸運値の上昇。今まで不運のせいで苦労してきたため、第二の人生は運に左右されず静かに暮らしたいと願っての事。

 しかし、長年彼を苦しめた不幸体質が、そう安々と彼の幸運を見過ごす訳が無く、チート能力を授かる際、神のちょっとしたサービス精神が原因で、真斗はかなり強めに加護を授かってしまう。それにより、チート能力と特異体質でようやく並になるはずだった真斗の幸運値は、圧倒的プラスの方へと振り切ってしまった。

 

 その事に気が付かない真斗は、そのまま異世界に転生。

 これからの穏やかな生活に胸を弾ませていた彼を待っていたのは、過剰なまでの幸運の嵐だった。

 

 道を歩けば高額の財布を拾い、それを持ち主に返せばお礼として立派な屋敷を無料で譲り受け、街の外をジョギングして小石を蹴飛ばしたかと思えば、ピタゴラスイッチ的な流れで近くにあった魔物の集落をぶっ潰し、虐められている子犬を助ければ親犬が三大魔獣の一角である赫狼(かくろう)で、よく知らぬウチに忠誠を誓われていたり。

 当初計画していた異世界で冒険者になり、少しの刺激を求めつつもまったりと暮らすスローライフの予定はあっという間に崩れ去り、いつの間にか勇者さまと持て囃される始末。

 

 真斗は思った、「誰がここまでやれと言った」と。

 

 老後の様な穏やかな暮らしを求める真斗にとって、勇者なんて呼ばれる事は断固拒否すべき案件、これ以上有名になってたまるかと、なるべく目立つような事は起こさないように心がけていたのだが、そうは問屋が降ろさない。

 すでにこれまで何度も功績を讃えられて城に招かれてるし、つい先日も赫狼の討伐を理由に城への招待と言う名の強制連行が再び決定。まさに勇者に相応しい目立ちまくるイベントに真斗は絶望した。

 

「よく来てくれた勇者マサトよ。今回の赫狼討伐の件、大義である。ささやかだが、貴殿の功績に感謝してパーティを開いた、是非とも楽しんでくれたまえ!」

「は、ハイっ……感謝しまする、るるルシアン国王陛下」

 

 そして現在、聖ミスティモア城の王の間で、目の前の国王にビビり倒している勇者真斗だった。

 

  ◇

 

「つ、疲れたっす」

 

 さて、ところ変わってパーティ会場。

 緊張しすぎて何を話したか覚えていないが、どうにか国王との面会を終わらせた真斗は、自身に挨拶に来るお偉いさん達から隠れるように逃げ、目立たないバルコニーの隅で、ようやくホッと一息ついた。

 これでもう何度目かのパーティになるが、相変わらず慣れない。挨拶って何話せばいいの? 自分ただの高校生っすよ!? と内心で愚痴を吐き捨て、今はただこのままパーティが終わるのを願うばかりだった。

 

「あぁ、帰りたい」

「パーティの主役がこんな隅っこに居て、あまつさえ帰りたいときたか」

 

 つい漏れてしまった本音を聞かれ、真斗がしまったと思って振り向くと、そこには見知った茶色い三つ編みが夜風に揺れていた。

 

「よう、相変わらずだな勇者殿よ」

「なんだ、副団長さんっすか。脅かさないで欲しいっす」

 

 真斗に声をかけた相手は、ノーツ・ガードナー。

 不本意ながらも勇者である真斗にとって、この王国直属の騎士団の副団長を任されているノーツは、何度か一緒に依頼をこなした事もある相手で、このパーティで真斗が緊張せずに話せる数少ない人物の一人だったりする。

 

「赫狼の討伐おめでとう、おかげで俺の仕事が減って助かった」

「どうもっす。……あと副団長さんは知ってると思うっすけど、今回も偶々っすよ。しかも討伐してませんし」

「あぁ、たしか手懐けてるんだってな。まぁ、そっちの方が俺達からしたら意味不明なんだが」

「赫狼……ハチは最近はボール遊びにハマってて、庭で泥だらけになりながら遊んでるっす」

「ハハッ、赫狼の名が泣くなぁ」

 

 完全に野生を失ってペット化している三大魔獣の一角の現状に、思わず笑ってしまうノーツ。とうの飼い主はそれが原因で城まで引っ張り出されているのだから笑えなかった。

 

「にしても、相変わらずのラッキーボーイっぷりだな。最近だと何処に行っても勇者殿の話を聞くぜ?」

「分不相応っす、俺は目立ちたくないんすよ!」

「今回は特に倒した魔物が魔物だから、これまで以上に勇者の腕は確かなものだと周りに確信を持たせる結果となってるぞ」

「でも実際俺より副団長さんの方が強いっすよね?」

「まぁ、腐っても副団長だからな。いくら勇者といえど、つい最近冒険者になったルーキーには負けられないさ。今レベル幾つだよ」

「今はたしか、この前48になったっす」

「はぁ!? 俺の二つ下じゃねぇか!」

「ええっ!? レベルの上がり方ってこんなもんじゃないんすか?」

「ベテランの騎士のレベルでようやく30ぐらいだぞ! 俺だってようやく50に上がったばっかりだってのに!」

 

 普通他人のレベルなんてプライバシーの関係上詳しく聞く機会も無かったため、これが普通と思ってたのだが、まさかの事実を前にして驚きをあらわにする真斗。ノーツもかなりの衝撃を受けた。

 

「いや、おかしいだろ! どんな経験値してんだよ。赫狼ってそんなに経験値デカイのか!?」

「ハチは倒してないっすから経験値なんてないっす!」

「ならなおさら可笑しいわ!」

 

 そう言われて自身の成長スピードが異常だと言う事に気がついた真斗は、最近倒した魔物を思い出していく。

 

「そういえば最近、突然家の庭に湧いた金びかりしたスライムの駆除をしたんすよね。いや、でもアイツめっちゃ弱かったから関係ないっすよね」

「そいつだ! そいつが原因だ! それ超激レア突然変異個体の高経験値スライムだろ!」

「メタリックなスライムが高経験値とかそんなベタなっ!? 普通経験値って相手の強さに比例するもんっすよね!」

「比例しねぇから突然変異個体なんだろ! 勇者殿、どんくらい倒したんだ!?」

「……五十いや、六十は倒した気がするっす」

「どうりでレベルが爆上がりするわけだよ!」

 

 ノーツの心からのツッコミをうけ、ガクリと項垂れる真斗。庭にスライムが湧いた時には生前の不幸の懐かしさを感じていたが、実際は無意識のうちに、またチートが発動していた事実にショックを受ける。

 

「もう俺、一歩も家から出ない方が静かに暮らせるんじゃないっすかね?」

「……勇者殿のぶっ壊れた豪運聞いてると、どうせ赫狼あたりに家の庭から金塊とか掘り出されそうな気がするな」

「あ゛ぁぁ!! ありそうっす!!」

 

 真斗は「どうすりゃいいんすか! 俺は目立ちたくないんすよ!」 とぐわぁっと頭をかきむしりながらそう叫ぶ。そんな彼をノーツは、運が良すぎるのも考えものだなと、心から同情する。自身も王国騎士副団長なんて柄じゃない立場にいる事に、少なくない煩わしさを感じているからこそ、真斗の嘆きに共感していた。

 目立たず普通の生活がしたい真斗、穏やかに庭いじりをしたいノーツ、互いに引退願望の共通点がある事が、この二人が仲良くなったきっかけのかもしれない。

 

「まぁ、嘆いたってしょうがないさ。元気出せよ勇者殿」

 

 ぽんと肩に手を置き、優しく真斗を励ますノーツ。

 

「ありがとうっす副団長さん」

「ほら、勇者殿って極東出身だろ? 今日のパーティは極東の料理を用意してるからさ、その故郷の飯でも食べて元気だそうぜ」

「うっす、もうホントマジで副団長さんだけが頼りっすよ!」

 

 とうぜん真斗の故郷は日本なので、故郷の味が異世界であるこの地にあるわけが無いのだが、そんな事よりも疲れている真斗にとってはノーツの気づかいの方が嬉しかった。ノーツに連れられてバルコニーを後にし、極東料理が置いてあると言う方へ向かう。

 

 そして、近づくにつれて、濃厚なソースの匂いがする事に真斗は気がついた。

 

「え? これって」

 

 それは、転生前の祭り屋台等で慣れ親しんだ匂いに似ていた。こちらに来てからここまで完璧なお好み焼きソースの匂いを感じることは当然無かったため、思わずそんな声が漏れる。

 

「期待していいぞ、第二王女お抱えのシェフによる極東料理だからな、なんでもパーティといえば最近の流行りだとコレだ! って料理らしい」

 

 そう言われ、ノーツが指を指す方へ視線を向ける。そこには見慣れた丸い食べ物がソースとマヨネーズ、カツオ節と青のりでトッピングされてそこに鎮座していた。まごうこと無き、見事なタコ焼きである。

 

「……ぱ、パーティってタコ焼きパーティ……タコパの事っすか!?」

「そうそうタコ焼きって言うんだってな、やっぱり知ってたか」

「知ってるっすけど! えぇ!? なんでタコ焼きがこんなとこにあるっすか!?」

「元気になったようで良かった良かった 。よう、チビッコにシェフ殿。タコ焼き食べに来たぞ」

 

 驚く真斗をよそに、ノーツは近くで黙々とタコ焼きを転がしながら作っている、『I LOVE たこ』とプリントアウトされたTシャツを着た長髪の男性と、その隣でタコ焼きにトッピングを施している、男とお揃いのTシャツを着た銀髪ツインテールの美少女に声をかける。ノーツに声をかけられたクソださTシャツ二人組は、一旦作業を停止してこちらを振り向いた。

 

 そして真斗は、タコ焼き製造マシーンの男性の顔を確認して、異世界に来てから一番驚く事となる。

  

「米蔵パイセンっ!!? どうして此処にっ!?」 

「んぁ? ノーツに……真斗か? いらっしゃい。タコ焼き食べる?」

「いただきます! いただきますけどっ!! 反応薄くねぇっすか!!?」

 

 まるで昨日も会ったかのような軽い同郷の先輩のセリフに、当然過ぎる後輩のツッコミが炸裂する。勇者の声がパーティ会場に響いた。

 

  ◇

 

「んじゃ、タコ焼きも完売したし帰るか」

「ちょっ! 待ってほしいっす! 説明をプリーズっす!!」

 

 宴もたけなわ、パーティも無事終了したため、さっさと自分の住処である厨房へ、なんの説明もなしに帰ろうとする白銀。そんな薄情者に、慌てて真斗は待ったをかける。

 先程は思わずツッコんでしまったが、今は仕事中らしい白銀の邪魔をしてはならないと、律儀に大人しくタコ焼きを摘みながら待っていたのだ、ようやく得た説明のチャンスを逃がすわけが無かった。

 

「えぇ、説明いる?」

「いるっす! 超いるっす! なんでパイセンが居るんすか!?」

「コッチに来てから始めた店が潰れそうになって、どうすっかなと悩んでた所を……」

「この私がお城に勧誘したわ!」

「簡潔で分かりやすいのに釈然としない!」

 

 えっへんと胸を張るラティアと白銀の主従コンビにツッコミをぶつける真斗。ノーツは仕事があると帰っていったので、この場にいるツッコミ要因は彼だけだった。

 

「というか! この御方ラティア様っすよね! クソださTシャツでたこ焼き作らせていいんですか!?」

「……確かに。ラティア嬢良かったん? ドレス着て挨拶周り? とかしなくても」

「そーいうのはお姉様がやってくださってるし、お父様も納得してくださってるわ。その代わり、後で私が作ったたこ焼きを絶対に持ってきてと二人に念押しして頼まれたけれど」

 

 愛する妹or娘の手作りたこ焼きに釣られた、ラティアにただ甘なこの場にはいない二人の王族に、相変わらずだなと白銀。

 いくら許可が降りたからといっても、と言うかそもそも王族に出店の手伝いをさせるなよと、真斗は全力で思うが、この人に言っても無駄、話が脱線するだけだと、ぐっとツッコミを堪えた。

 

「つまり勇者様は、ハクギンとお友達だったのね!」

「友達って言うか知人と言うか……ただ餌付けしてただけというか」

「酷っ! パイセンつれないっすよ、俺とパイセンの仲じゃないっすか!」

「だって俺、お前の苗字知らねぇもん」

「桐生っすよ! 桐生真斗! あと、俺が教えてないんじゃ無くて先輩が興味なくて忘れてるだけっすからね!」

「そーそ、桐生だったな。ごめんごめん」

 

 流石に苗字すら把握してないとは思っていなかった真斗は、大声で物申すが、白銀は軽く流している。そんな二人の様子を苦笑いでラティアは見ていた。

 

「まぁ、間違いなく同郷の知り合いではあるな」

「それでもまだ知り合いなのね」

「知り合いなんてちゃちな関係じゃないっすよ! マジパイセンは俺の心の師匠なんで! 超リスペクトしてるっす!」

「……あと、基本良いやつなんだが。俺に対してだけなんかこう……ウザったい」

「……なるほど、何となくわかったわ」

 

 酷いっす! と騒ぐ真斗を横目に、白銀はため息を吐く。そういえば転生前はよくコイツに絡まれたなと思い出していた。

 

 白銀と真斗の出会いは今から二年前の四月、真斗が高校に入学したばかりの頃。

 昼休みに白銀が自分の家から持ってた米と土鍋とカセットコンロで、炊きたてご飯を炊いていた所に、不運の末に弁当箱をゴミ箱へとダンクシュートした真斗が、フラフラとやって来た事がきっかけで出会うこととなる。

 聞いてるこっちが悲しくなる様な腹の虫の音を聞いた白銀が気の毒に思って、気まぐれでおにぎりを恵んでからというもの、ことある毎に昼飯を食べ損ねる真斗に、常に何か食べ物を携帯していた白銀が食べ物を恵むというサイクルが完成。完全の飼い主とペットの構図である。

 

「うん、よく思い出しても餌付けしてた記憶しかねぇわ」

「確かに先輩に会う時、絶対に何かしら食べ物もらってましたけど、それ以外にも思い出ありません!?」

「……そーいや、真斗の彼女さんからたくさんカニ貰ったな。いい人だった、元気してる?」

「そいつ俺の彼女じゃなくてストーカー! 俺とパイセンがコッチに来ることになった(転生することになった)元凶っすよ!!」

 

 真斗が懐いている白銀に嫉妬したストーカーが、何処で知ったのか、白銀のアレルギーであるカニを白銀に贈呈。料理バカなら食べるだろうとのストーカーの思惑通り、当然のようにそれを食べて白銀は死亡。そしてその後、色々あって真斗がストーカーに刺されて死亡。

 これが、二人の転生までの真実であった。

 

「へぇそっかぁ。まぁ、結果オーライだし問題ないだろ」

「問題しかないっすよ、まったく。……相変わらず料理の事しか興味ないんすねパイセン」

「ハクギンって昔っからこうなの?」

 

 ため息を吐く真斗に、自分が出会う前の白銀の過去に興味があったラティアがそう問いかける。

 

「そうっすね。よく学校で勝手にご飯作って先生に怒られてたり、突発的に畑を耕したり釣りに行ったりしては、自ら食材を調達してきたり、醤油や味噌の作り方習ってくると一週間ほど旅に出たり……そんな感じでしたよ」

「むしろ今よりも酷いわ!」

「基本食べ物の事しか考えて無い人っすから、米蔵パイセンって」

「そうね、うん。本当にそのとおりね」

 

 思い当たるところが多すぎて、しみじみとそう呟くラティアと、頷いて同意する真斗。

 そんな二人の物言いに、先程まで脳内で『腹減ったなぁ、そーいや冷蔵庫にこの前作ったチャーシューが余ってるな……炒飯食いてぇ』と考えていた白銀が流石に異議も申し立てる。

 

「失礼な、俺だってもっといろんな事考えてるわ」

「へぇ、例えばどんなこと考えてるの? ハクギン」

「……せ、世界平和とか? 知らんけど?」

「言ったそばから適当すぎるっすよこの人」

「わたしが当ててあげるわ! さっきのハクギンの顔は『腹減ったなぁ、そーいや冷蔵庫にこの前作ったチャーシューが余ってるな……炒飯食いてぇ』って思ってる顔に違いないわ!」

「いや、何でわかんの?」

 

 少し声を低くして白銀の真似をしながらそう言い当てるラティアに、白銀は驚きを隠せない。

 しかし、当のラティアから言わせると、白銀ほど分かりやすい人はいない。白銀は食べ物の事を考えていると、楽しみだからなのか、分かりやすく雰囲気が柔らかくなるのだ。

 まぁ、だからといって、この料理バカの食べたい料理までドンピシャで当てる事ができるのは、後にも先にもラティアしかいないだろう。

 

「こんなの、日頃から白銀を見てたら朝飯前なんだから!」

「凄いっすねラティア様。あと、パイセンのモノマネも地味に似てましたし」

「ふふん、でしょう? お姉様のお墨付きなの、ちなみにお姉様はお父様に睨まれるノーツのモノマネが得意よ」

「あんたら姉妹二人で何やってんの?」

 

 知らぬところで開かれている、暇を持て余した淑女達のモノマネ大会に、白銀は呆れてそうラティアに問いかけるが、ラティアは「ふふっ、ナイショ」と受け流した。

 

「まぁ、その話は一旦置いておくとして、実はちょっとお腹空いてきちゃった。私も炒飯が食べたいわハクギン」

「あ! 俺も! 俺もパイセンの炒飯食べたいっす!」

「はいはい、じゃあ厨房へと帰りましょうかね」

 

 そう言って厨房へと足を向ける白銀。早速炒飯の事を考えながら歩いていたが……

 

「勇者様にもハクギンの昔のお話をたくさん聞きたいわ! ハクギンったら自分の事全然話さないんだから」

「基本料理の事しか話さないっすもんね。あ、それだったら面白い話がありますよ? パイセンが釣った魚を猫と本気で奪い合ってた話とか」

 

 真斗の台詞で歩みがビタリと止まった。

 

「おい、まて何でお前その話しってんの?」

「何その話! とっても気になるわ!?」

「いや、気にならなくていいから! アレは流石に自分でも無いなと反省したんだから! おい真斗黙ってろよ!」

「いいえ! 是非ともお話を聞きたいわ勇者様!」

「聞かなくていいの! 黒歴史ってやつだから!」

「……すいませんパイセン。流石に姫様の頼みなら断れないっす! 」

「この裏切り者が!」

「別に久しぶりに再会したのに、扱いが相変わらず雑だったり、苗字忘れられたりして怒ったりとかしてないっすよ? 怒ったりはしてないっすけど、やっぱり王族の方にお願いしれたら断れませんよ。だから仕方ないっす! どんまい!」

 

 そう言って真斗は厨房までの道のりの間、白銀の黒歴史を意気揚々と語り続けるのだった。

 

  ◇

 

「オラァ! 炒飯つくんぞコンチクショォ!!」

 

 過去に、サ○エさんもビックリするほどのガチ喧嘩を猫と繰り広げ、結果漁夫の利トンビに負けた男、そして先程まで羞恥で打ちひしがれていた白銀は、厨房に着くなりやけっぱちでそう叫ぶ。

 現在時刻は夜中の11時、こんな時間に食べる炒飯なんて体重増加へまっしぐらだが、そんな事を気にしている奴は一人もいなかった。

 

 さっそく手を洗って髪を纏め上げ、調理の準備に取り掛かる白銀。

 

「今回はやる作業も少ないし、ラティア嬢は休憩しててくれ。パーティーの準備とかで疲れたろ?」

「そうね、じゃあお言葉に甘えるわ」

「あ! じゃあ俺が手伝うっすよ!」

「インスタントラーメンも満足に作れん様な奴はいらん、他の料理ならまだしも炒飯は戦いなんだぞ? 素人が厨房に入れると思うな、最悪死人がでるぞ?」

「炒飯で死ぬわけないっすよ!」

「炒飯で死ぬんじゃない、邪魔だと感じたら俺が問答無用で叩き出すんだよ。なのでお前も座って待ってろ」

 

 そう言ってバッサリと申し出を拒否された、実は料理スキルが皆無の真斗は、おとなしくラティアと一緒にカウンター席で白銀の調理を見学する事になった。

 

「取り出しますは、先日ノリと勢いで作ったチャーシューと、卵六つに長ネギ一本、あとは生姜を半欠片っと」

 

 今回作っていくのは、チャーシューと卵とネギのシンプルな炒飯。なので製作者の腕がダイレクトに料理の出来に関わってくるので、単なる夜食といえど白銀はガチだった。

 

「炒飯はマジでスピード勝負みたいなところがあるかんな、なので使う食材は最初に下処理を済ませておくのが基本だ。基本的に具材は細かく微塵切りにしてやればいい」

 

 そう言ってネギと生姜を微塵切り、チャーシューを細かく賽の目状に切っていく白銀。

 

「チャーシューも結構細かく切っちゃうのね?」

「そうっすね、もっと大きくてごろごろしているのをイメージしてたっす」

「そこは完全に好みだけど、こっちの方が米とサイズが近いぶん、味に纏まりが出来るんだよ。個人的にチャーシューをでかくすれば、肉を食べてる感は出るけど炒飯全体としての完成度は落ちる気がする」

 

 微塵切りが終わると、手早く卵を割って軽く溶いていく。

 

「で、下処理はこれで終了だ。シンプルだからなあっという間だな」

 

 そう言いつつ白銀は、平皿三枚と中華鍋を取り出した。

 普段の料理なら既製品のフライパンで十分だが、やはり薄い鉄板で作られた中華鍋のほうが、コンロの火を直に食材に与えること出来るため、炒飯を作る上では好ましい。

 アイリーンが好きそうな新作スイーツのレシピと引き換えに、ノーツの伝で鍛冶屋にわざわざ特注生産を頼んで作ってもらった一品だ。

 

 食材をすぐ使えるように手元に用意し、鍋に火をかけたら準備完了。

 

「こっからが本番、いよいよ炒飯を作ってくぜ。一般家庭用のコンロとかでやるなら一人前づつ作ったが美味いけど、この中華鍋と業務用魔石コンロなら特に問題はないだろう」

「普通だと鍋自体の温度が下がるから、一人前ずつなのよね?」

「んだ、それだとご飯一粒づつに熱が均一に入らないから、パラパラした炒飯にならねぇんだよ。あと、熱下がるから煽れないし」

「先輩ってフライパンで煽ったり、フランベしたり、派手なの好きっすよね」

「炒飯って煽ってなんぼってイメージない? あといかにも料理してる感じがして楽しいしな」

 

 そう言いつつ、白銀は熱された中華鍋に油を突入していく。

 

「そんなに油入れても大丈夫なの?」

「のーぷろぶれむ、ラティア嬢。すでにこの時点で、美味い炒飯とそうでない炒飯の違いは出てくるもんよ。油は臆することなく多め、カロリーなんて気にしないコレ基本」

「身体には絶対悪いっすけどね」

「身体気にして我慢して食べる飯なんてクソだ、バカ以外誰も食べやしねぇよ。食ったぶんちゃんと動けば問題ねぇさ。さて、こっからノンストップで作っていくぞ」

 

 まずカンカンに熱された油に刻んだ生姜を入れ、油に生姜の香りを移してから、すかさずチャーシュー、卵、温かいご飯を投入する。

 

「ここで使うご飯は原則温かいものだけとする。理由はさっきも言ったけど鍋の熱が下がるのを防ぐため、火加減が命アルよ」

 

 エセ中華訛りで巫山戯つつも、中華鍋を振る様子は真剣そのもの。手早くお玉の側面でご飯をほぐす、卵でご飯一粒一粒をコーティングする様なイメージだ。

 白銀は忙しなくお玉を動かし、時折鍋を煽ってご飯を均一に炒めていく。その様子にラティアと真斗は息を飲んで見守っていた。

 

「で、ここで調味料を入れる。塩を小さじ一杯半、そんで醤油ベースのチャーシューの煮汁を鍋肌に直接、軽く焦げ目がつく様に入れて香りを出しつつ、ご飯と混ぜ合わせていく」

 

 煽る煽る、ひたすら中華鍋を煽る白銀、そのたびに生姜と醤油の香ばしい香りが広がっていく。

 食指を刺激される匂いに耐えつつ、白銀は調味料にムラができないように注意しながら炒め、全体に調味料が馴染んだところで、最後の具材である長ネギを投入。軽く火を通してネギの香りと甘みを出していく。

 

「そしてさらに、黒胡椒をしっかりと振りかけて香り高く仕上げる。うん、いい感じにパラパラになってきたな」

「それで完成っすか?」

「んや、まだ最後の工程が残ってる。このままでは水分が飛びすぎてパラパラ超えてパサパサだかんな、米の旨味も卵のコクも損なわれちまっている。なんで、酒を加えてやるんだよ」

 

 酒を加えることによってパラパラしつつも、しっとりふわふわの食感が味わえる上、大量の油でコッテリしていたのも抑えられるため、そのままでも全然美味しい炒飯が至高の領域へと引っ張り上げられる。

 チャーシューの煮汁と同様、鍋肌に酒を大さじ三杯ほど回し入れてムラが出来ないように炒飯と混ぜ合わせる。

 

「そして、表面の水分を飛ばして、香ばしく最後に炒めたら完成っと」

 

 中華鍋を起用に煽ってお玉に炒飯を入れ、手早く平皿に三人分の炒飯を盛り付けていく。

 最後に隣に福神漬を添え、白銀特製の焼豚炒飯が完成したのだった。

  

「「「いただきます!!」」」

 

 配膳が終わって席につくなり、三人揃って手を合わせ、熱々の炒飯にレンゲを差し込んだ。簡単に米がほぐれて光り輝く様子に胸を高鳴らせながらの一口目。

 

 さらっパラッふわっ

 

「んーっ! 美味しい! とっても美味しい! 美味しいわ白銀!」

「うまっ、いや俺が作ったんだから当たり前だけど。うまっ、は? うま」

「これっすよ! コレが食いたかったんすよ! パイセンの炒飯だぁ! くぅ、うめぇ……!」

 

 噛めば噛むほどに溢れるジューシーなチャーシューの旨味、ふわっふわのコク深い卵とネギの甘み、ほのかに香る焦がし醤油の香り。ご飯もパラパラとしっとりの中間を絶妙な加減で申し分ない出来だ。

 味付け自体はとてもシンプルなのに、一つ一つの味の組み合わせが黄金比率のレベルで噛み合っており、一度口に運べばレンゲが止まることを忘れてしまう。 

 

「思ってたよりも、全然さらっとしててとっても食べやすいわ!」

「そりゃ最後の調理酒を入れた結果だな、あれがねぇと若干クドい纏まりのない味付けになんだよ」

「最初に入れた生姜が良い感じに香りを高めてて流石っす」

「味変で福神漬と一緒に食ってもいいぞ、というかむしろ推奨」

 

 白銀にそう言われて、さっそく福神漬と一緒に炒飯をいただく二人。そしてすかさず美味しさから唸る。

 あれほど完成されていた炒飯に、新たに加えられた福神漬独特の甘い味わい。コレがびっくりするくらい相性いいのだ。ぽりぽりとした福神漬の歯ごたえがも、程よいアクセントとなり、飽きをこさせない。

 

「パイセン、前より炒飯作るの上手くなってねぇっすか!?」

「あたぼうよ、ラティア嬢に雇われる前の金のないときにゃバカみたいに炒飯作ってたからな。これほど奥が深ぇ料理だし、炒飯のレパートリーだけで言っても数え切れねぇな」

「何それ! 食べたい!」

「今度気が向いたら作るわ。けどまぁ、個人的に一番美味いと思う炒飯はシンプルなこのレシピだけどな」

「「それは私(俺)も同意見だわ(っす)!!」」

 

 声を揃えて白銀に同意するラティアと真斗。

 三人揃ってあっという間に完食。炒飯は本日のシメを飾る満足のいく一品となったのだった。

 

  ◇

 

 その後、いつの間にか仲良くなっていた真斗とラティアは、白銀の思い出話や愚痴に花を咲かせていた。やれ料理バカだの、危機管理能力が足りないだの、挙げ句の果には鈍感唐変木の思春期とは思えない程に枯れた、初恋を普通に食材の牛とかにしてそうな奴だの(最後のは真斗が言った。直後お玉が真斗の顔面に直撃した)なんて、かなり酷すぎる事を話しており、結論として白銀はとっても変な奴だと言う事に落ち着いていた。悲しいがコレが現実である。

 

 その様子を皿洗いをしながら聞いていた白銀は、呆れたように苦笑いを浮かべる。

 

「……ったく、そんな変なやつ自分達から関わっ来てる時点で、ラティア嬢達も俺からしたら十分に変なやつだよ」

 

 表面上は鬱陶しそうにしながらも、何処か嬉しそうな様子で、そう小さく呟いた白銀。

 ぱぱっと皿洗い終わらせて、タオルで手を吹きながら二人が待つ方へ向かった。

 

「あれ? パイセンさっき何か言ってました?」

「何も言ってねぇよってありゃ? 急に静かになったと思えば、ラティア嬢寝ちまったの?」

 

 テーブルに突っ伏して、すぅすぅと可愛らしい寝息を立てているラティア姫。さっきまでの盛り上がりが嘘の様に、完全に夢の世界へと堕ちていた。

 

「ついさっきまでパイセンが来るのを待つって言って、睡魔と戦ってたんっすけどね」

「まぁ、今日は色々と手伝ってお疲れだったんだろ。寝かせとってやろうぜ」

 

 そう言って、さっとタオルケットをラティアの肩に掛けてやる白銀。そんな白銀の様子に、まるであり得ないものを見たかのような視線を向ける真斗。

 

「……んだよ、その眼は?」

「いやぁ? 別にぃな〜んもねぇっすよぉ? 枯れたパイセン略して枯れセンのパイセンにも、春が来たとか思ってねぇっすよぉ?」

 

 そう言って、ぶん殴りたくなるようなニマニマした顔で笑う真斗。

 

「随分とラティア様には優しいんすねパイセン? 可愛いっすよねラティア様、そりゃ優しくなりますよね?」

「……てめぇ、ラティア嬢が起きてたらぶっ殺してるとこだかんな」

「そ〜ゆーの気にする時点でお察しっすよねぇ」

「うぜぇ……ストーカーに刺されて死ね」

「ほら、そう言うとこ! 露骨に扱いに差がありません!? これで何か無いって嘘でしょ」

「うるせぇ、ラティア嬢が起きんだろうが。静かにしてろ。しねぇなら強制的に黙らすかんな」

「……納得がいかないっす」

 

 そう言って拗ねた真斗が用意されたお茶を飲んでいると、不意に厨房の扉が開かれた。

 

「ん? ノーツじゃねぇか。どうした?」

「いや、明かりついてたから寄ってみただけなんだが。お、勇者殿とチビッコも一緒か……ってチビッコ寝てるのか」

「そ、お疲れみてぇだ」

「なんだ、深夜に食事したら太るぞってからかってやろうと思ったのに。まぁ、でも勇者殿が居るのは都合がいいや」

「へ? 俺に何か用っすか?」

 

 そう言って、テーブルに着くノーツ。

 

「そう、用事。と言うか仕事の話、勇者殿に王様からのドラゴン討伐の依頼だ。なんでも西部の村周辺で大量発生したんだと」

「ドラゴン大量発生って……明らかにヤバいやつじゃないっすかぁ。無理っす、てか死ぬわ!」

 

 急に持ちかけられたクエストの依頼、ドラゴンというゲームなら最低でも中ボス確定な相手にビビる真斗。

 

「別にたいした依頼じゃないさ、ドラゴンと言ってもネームド級じゃない雑魚だし、俺も同伴するし」

「へぇ、ノーツと真斗ドラゴン倒すの? ご苦労なこって」

「明らかに関係ないからって、めっちゃ他人事っすねパイセン。ちょっとは心配してくれても良くないっすか? ドラゴンっすよ? 俺なんて一飲みっすよ? むしろブレスで上手に焼けましたっすよ?」

「いや、ビビり過ぎだって。普通に勇者殿のレベルなら余裕で倒せるって。現地では普通に食材として出回ってる程にメジャーだし、ちょっとした名物だぞ? ウィングリザードの串焼き」

 

 そう言って、ビビる真斗を落ち着かせようとするノーツ。確かに、食材にもなっているならそこまで討伐難易度は高くないだろう、真斗を落ち着かせるためには的確な情報である。実際に真斗も「まぁ、それならいいっすけど」と落ち着きを取り戻していた。

 しかし、だがしかし。この場でそれを言うのは愚策以外の何者でも無かった。この場に居る奴が、そんな話を聞いて食いつかない訳が無い。

 

「なぁ、ノーツ。それ俺も行っていいか?」

 

 そう、この米蔵白銀(料理バカ)が、ドラゴンが食べれるなんて聞いて、食いつかない訳が無いのだ。 

 

「はぁ!? 何でシェフ殿が!?」

「なるほど……ドラゴン肉か。ドラゴン食うって意識無いから全然思いもつかなかったわ。てか、そもそもドラゴンいる事も知らなかったし、そりゃいるよなぁ異世界だもんなぁ、ドラゴンの一匹や二匹くらい。どんな肉かな? ワニは鶏に近いからやっぱ鶏っぽいのかな? それとも全然違うのか? 筋肉質だから歯ごたえありそうだよな」

「あ、駄目だ。この人もうドラゴン食う事しか考えてないっす」

 

 未知なるお肉に、遠足前の子供よろしく眼をキラッキラさせてワクワクしている白銀に、既視感を覚えた真斗は軽く絶望を覚えた。

 これはアレだ、あの時と一緒だ。パイセンがカニ貰って食う前に、テンション上がって俺に超珍しく電話してきた時と同じ雰囲気だっ! と察していた。

 

「別にそこまで危険じゃないんだろ? 勇者と王国騎士副団長がいれば余裕なんだろ? な? ノーツ、俺にドラゴン食わせてくれ。てか食わせろ」

「いや、別にドラゴン食うぐらいなら輸入品が市場にあるぞ?」

「せっかくの初ドラゴン、討伐された新鮮なうちに食いてぇ!」

「えぇ……」

「…………副団長さん。無駄っす、こうなったパイセンは意地でも言う事聞かないっすよ。何なら今断っても単独でドラゴンの巣に突っ込んで行く恐れがあるっすよ」

「……なら、連れてったほうが良いのか?」

「そうっすね、そうするしか無いっす。この人、めちゃくちゃ料理出来るけど、やっぱ根本的に馬鹿なんっすよ。すげぇ……馬鹿なんす」

 

 そして翌日。

 

『ノーツと真斗とカルダッタ? って村でドラゴン食ってくるから有給もらうわ! ラティア嬢! お土産楽しみにしてろよ!』

 

 そんな置き手紙と共に、白銀は城の厨房から姿を消したのだった。

 

「何それ!! わたし全然話聞いてないんだけどっ!?」

 

  ◇

 

「……ノーツが……カルダッタにドラゴン討伐に行って。もう……二週間。カルダッタ……少し、遠いから……帰ってくるの遅いわね」

「ふんっ! わたしに黙って、勝手に居なくなっちゃった料理おバカの事なんて知らないわ!」

「……私はノーツとしか言ってないのだけれども。……そんなに心配?」

「べっ別に!? 全然心配してないし!? 帰って来たら絶対にコテンパンにとっちめてやるんだから!」

「……その、お手柔らかにね?」

「お姉様の頼みでも、それは聞けません! 本当に怪我なんかして帰って来たら承知しないんだらね!」

「……まぁまぁ、お茶でも飲んで……落ち着いて」

「……えぇ。ありがとうアイリお姉様」

「アイリーン様っ! ラティア様っ! ここに居られましたか!」

「…………? 慌てて、どうかしたの?」

「それが! 勇者殿と副団長殿が向ったカルダッタに、突如、三大魔獣『夢蟹(むかい)』が現れました!!」

「ッ!? ハクギンっ!」




  桐生 真斗(17)
・超絶スーパー(アン)ラッキーボーイ、異世界ラノベの主人公みたいな奴。
・最近の癒やしはペットのハチと遊ぶこと。
・好きな物は白銀の作るご飯と平穏。



 遅れながらも、なんと投稿が出来ました。ここまでのご愛読、ありがとうございます。
 
 次回、ついに最終回です。
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