え?こんなクエストでこんなに貰えるの!?   作:脇役のまま終わりたい

1 / 2
転生/成長/魔法

 

私は転生した。

 

おぎゃー、おぎゃーと可愛い赤ん坊の産声が幸せそうに笑う女性の胸の中で元気にあげている。

 

その赤ん坊は考えていた。

前世の記憶が存在し現在の自分の状況を。

特に泣きたくもないが涙が出てしまうし声を上げてしまう。周りの光景は目が上手く開かず全く見えないが体の大きさが小さいのは抱っこされている状況でなんとなく分かる。

 

話は変わってしまうが私の前世は英雄だった。

それも魔法職最強と謳われた存在だ。目が見えない所で魔法を行使すれば大体の位置の把握なんて簡単に出来てしまう。

 

うん、美人だ。

 

なんというか凄い美人な人だった。着ている衣服こそ粗末なものだけど衣服のマイナスをものともしない美人ぷりだ。同じ女の私でも少し照れてしまう。

 

「うちは貧しい家だけれど元気に育ってね綾人」

 

ん?ん〜〜〜!?えと今なんと?

 

「あらあらこんなに元気に泣いて。ふふ、綾人お父さんのように強くなるのよ?」

 

あ、綾人?いやいや...まさかですよね?え?私男の子なの!?女の子じゃないの?いや落ち着こう。まだ男の子だと決まってはいない。まだそんな時間じゃない!

 

「ただいま。今帰ったよ」

 

「あら、おかえりなさい。ほら綾人もお父さんですよー」

 

いかにもガテン系なゴツい人だ。見た目凄い強そう..。手に持ってるのはキジかな?

 

「綾人も俺と同じ男の子だからな!沢山肉を食うんだぞ!!」

 

おふ...どうやら私は男の子に転生してしまったようだ。なんでだし!!

 

「ふふ、あなたったら。まだお肉を食べさせるのは早いですよ」

 

「おやそうだったか?ははは、まあお前が食べれば栄養もいくだろう!今日は豪勢にいくぞ!」

 

「ふふ。でもキジ狩りなんて危ないわ。」

 

え?キジ狩りが危ない?魔法が使えない猟師が鉄砲で食料として確保するキジが?...流石に冗談...の顔してない。え?見た目的にもそのキジ小さめだよね?

 

「ははは!愛しの娘の為なら命くらいはるよ。なんてな、知り合いの冒険者に頼んだんだよ。俺がキジ狩りなんて出来るわけないだろ?」

 

いやいやそんなドヤ顔で言われましても...。ちょっとそんな私強そうですみたいなガタイで何言ってるんですか。というかお母さん?で良いよね。お母さんもホッとしない!キジってあれだよね?駆け出し冒険者の魔法の練習にされて乱獲された...うん哀れだ。そのキジだよね?

 

「でも高いんじゃない?うちにそんなお金ないわよ?」

 

「だから頼んだと言ったろ?勿論無料(タダ)さ!」

 

いやいや親指立てながらキラーンて歯出さなくて良いから、あれ?もしかしてこの世界のキジってそんなに強いの?コカトリスみたいに相手石化させちゃうの?

 

「さあ夕飯にしようか。調理の仕方分かるか?」

 

「分からないけれどきっとなんとかなるわ」

 

キジという生き物が気になったまま私の1日は過ぎていった。

 

 

 

 

私が転生してから5年という歳月が流れた。

 

そんな私は今右手に猪を左手にキジを引きずりながら森を歩いている。母親譲りの銀髪にパッチリとした目。さぞ女の子だったら美人になっていた事だろう。

 

かれこれ森に入って二時間。そろそろ帰らないと両親が心配してしまうので帰りに向いている。

 

「あ、お母さん。ただいま」

 

「綾人!一体どこに...えーーー!?」

五歳児の子供が猪とキジを引きずっていたらそりゃ焦るか。普通に考えたらカオスかもしれない。

 

勿論五歳児の体にそんな身体能力は無いので魔法で補っている。現在発動している魔法は付与魔法が3つ。

 

力を飛躍的に向上させる、フィジカルエンチャントパワー。

 

防御を飛躍的に向上させる、フィジカルエンチャントシールド。

 

そしてMPの自動継続回復、アディショナルフィジカルエンチャントアップ。

 

力と防御を上げつつ魔法の行使による魔力切れを起こさないようにしている。魔力切れになる恐怖はなってからじゃ無いと分からないからMP自動継続治癒は魔法師にとって必須にもなっている。この世界じゃ分からないけど。

 

何はともあれ。

 

めっさ怒られた。両親ともに涙を流しながら怒られるのはこれが初めてかもしれない。危険な行為はやめてくれ。まだ5歳なのよ?耳にタコが出来るほど聞かされた。素直に謝ると豪華なご飯を食べさせてあげられるってお礼言われたけど。うちの主食は菓子パンだからね。

 

 

 

そして十年という月日が流れた。

 

綾人。

15歳になり成人になる。

そして現在森の奥底にて魔物と遭遇していた。

 

「グギャァアアア」

 

赤い目をした形容し難い存在。紫色の靄みたいなものが体を包んでおり村では禁忌の存在とされていた。そんな存在と出くわしているのは理由がある。この魔物の気配を村にいたら感じたからである。憎しみと憎悪の忌々しい権化のような感情に始めて鳥肌を覚えた。村の言い伝えでは魔物は普通の生物の物理限界を軽く突破するらしい。理性を失う代わりに力が桁外れに上がるらしい。更に魔物の中にもランクが存在しており下から最下位級、下位級、中位級、上位級、最上位級、厄災級となっている。紫色の靄が晴れてきて姿を表すのは5メートルはあるだろう骨のドラゴン。カオスドラゴンだった。このまま放置すれば村の被害は甚大なものになる。特に、カオスドラゴンは疫病の塊のようなもので腐臭から菌が増殖し魔法も満足に扱えない者なら簡単に疫病にかかってしまう。

 

ランク的には上位級、もしくは最上位級に入るのだろうか?

 

「フィジカルエンチャントエレメント、フィジカルエンチャントシールド、フィジカルエンチャントパワー、アディショナルフィジカルエンチャントアップ、フィジカルエンチャントミラー、フィジカルエンチャントマジック、フィジカルエンチャントキラー。こんなものかな」

 

付与魔法を付与し終わりカオスドラゴンと向き合う。正直この世界に来てからキジやら猪やら熊やら虎やらしか相手にしていないから魔法を試す事も出来なかった。低位の魔法で直ぐに死んでしまう相手に高位の魔法を使っても意味がない。だからなのかな少しだけ、そうほんの少しだけ楽しみだった。

 

「とりあえず牽制でアイスニードル!」

 

氷の柱が三つ空中に現れてカオスドラゴンに向けて飛んでいく。簡位の魔法ではあるけど少し応用してるから中位くらいの威力にはなっている。カオスドラゴンは氷の柱が当たると体が少し浮き倒れてしまう。あれ?牽制のつもりの攻撃で終わっちゃった?落胆しつつもカオスドラゴンは雄叫びを上げながら起き上がる。そして尻尾で此方を攻撃してくる。

 

「イージス」

 

防御魔法。3枚ほど念の為に貼っておいたけど一枚すらヒビ割れすらしていない。予想以上に攻撃力は低いみたいだ。

 

「はあ..こんなんじゃ練習にもなんない」

 

未だ一枚も割れていない相手にため息をつきながらもカオスドラゴンに向けて掌を向ける。

 

「火炎地獄(インフェルノ)」

 

火の上位魔法で焼き尽くす。その技の後にはカオスドラゴンの骨すら残さずに全てを焼き尽くした。森の一部が燃えてしまったが仕方がない。どうせカオスドラゴンが歩くだけで草木は枯れてしまうのだから同じだろう。

 

「さてと。あ、あったあった」

 

骨すら残らない威力を出しても魔石だけは残っていた。漬物石くらいの大きさの魔石。これがどれ程の値打ちになるのか分からないけどキジすら高いなら相当な値打ちが付くはずだ。魔石に関して重さは殆どないけどかさばってしまうので空間魔法を使って魔石を異空間にしまっておく。

 

「さ、帰ろっかな」

 

用事も済んだので家に戻るために地面に六芒星の魔法陣を書いていく。

 

「うん、バッチリだね」

 

書いた魔法陣の上に立って詠唱を始める。

 

「時の女神ノルン、貴女の力を私の体に!?これは魔力暴走?」

 

体の端から夥しい量の魔素が溢れ凝縮されていく。転移魔法は物凄い量の魔力を使うので魔法陣で補っていたけどこの魔素量なら。

 

詠唱を辞めて魔法陣も足で消していく。

 

「さて。転移魔法、テレポーテーション!」

 

一瞬にして景色は家の前に変わっていた。魔力切れを起こした様子もない。前の体よりも魔力量は断然多いようで少しわくわくしてしまう。魔力量が足りなくて諦めていた魔法は多い。魔法陣を用いて使用できた魔法もあるけれどこれなら...。届くかもしれない、天体魔法にも!

 

人類では不可能と言われていた天体魔法。その使用方法は単純なものだった。重力魔法と転移魔法の同時使用の重ね掛け。理論は分かっていても成せるものは居ない。それが可能になるかもしれない。こんなにも嬉しいことはなかった。

 

そんなテンションをおかしな方向に上げている時家の中から両親ではない人の気配がした。というか見たこともない馬車が置いてある。誰?まさかお父さんの知り合いの冒険者のササキさんかな?私が出生した際にキジをくれたお父さんの知り合いの冒険者。気さくでとても良いおじいちゃんみたいな人だった。6歳の時にキジをあげに行ったら驚いてたっけ。

 

うちよりお金はあると思うけどあんな馬車買えるほどでは無いはずだし。

 

「よし、覗いちゃおっと。インビジブル」

 

私が呪文を唱えると体が透明になる。服まで見えなくなる優れものだ。ただ魔眼持ちや魔法解除の結界内だと直ぐに効果が無くなってしまうという難点があった。それと匂いも残るらしいから動物相手だとバレてしまう為滅多に使わない魔法だったりする。

 

家の中に入ると少し肥えたちょび髭のおじさんがいた。着ている服も高そうなナルシストみたいなおじさんだ。というかこの村の領主を任されてる人だった。一度だけ見たことあるけど何の用なのかな?

 

「おほん。では話を戻すぞ?御宅の息子を私の養子にしたい。勿論金なら好きな額をくれてやるし、もっといい家に住まわせてやる。それに勤続的に金も支払おう」

 

え?私を養子に?なしてそんな話に?

 

「で、ですから息子だけは渡すわけにはいきません!しがない私達の家庭に産まれてくれた大切な家族なんです!」

 

やばい、状況がいまいち分からないけど泣きそうだ。

本当に良い両親のもとに産まれたみたいだ。

 

「だが私も断られて、はいそうですかと引き下がるわけにはいかないのだよ。おいここにあれを持ってこい」

 

「は!」

 

ん?あれとは?付き人の人が一度馬車に戻り見覚えのある猪を持ってくる。というか見覚えしかなかった。

 

「こちらに」

 

「これがなんだか分かるかね?」

 

「猪...ですが」

 

父さんは分かっていないみたいだけど母さんは薄々分かってきたみたいだった。

 

「これは偶然森で見つけたものだ。私が隣町に移動している際に目の前に雷が迸った。そこに急いで向かわせると、君達の子供が去っていく姿と森が一部焼け落ちている場所に遭遇した。その場には猪が5頭倒れていた。これがどういう意味か分かるね?」

 

あーそう言えば一週間程前に猪の群れに出くわして面倒いからサンダーボルト落としていったんだっけ...まさか誰かに見られていたなんて。

 

「でも!その子がうちの子という確証は!」

 

「御宅の子の髪は銀髪だね?奥さんのように綺麗な。そんな銀髪の子供なんて王都にも、勿論この村にも一人しかいないのだよ」

 

原因が全て私にあり冷や汗が先程から止まらない。なんていうか二人ともごめんなさい。

 

「それでも...」

 

「領主様。私達夫婦にとって綾人はかけがえのない存在です。綾人に何をさせる気ですか?」

 

「魔法学校に通わせようと思っている。あれ程の魔法の才だ、学ばせねば勿体無であろう。それにあの年だコントロールだって出来ていないだろう」

 

今更魔法学校に行って教わることは何もないと思うが、その感情を抜きにしても通ってみたいという気持ちもあった。この世界の人がどの程度の実力を知るのにも学校という機関はうってつけだ。ただそれとこれとは話が違う。私は両親のもとにいたいし離れたくない。

 

「それは...そうかもしれませんが」

 

「綾人の為に、か」

 

何処か二人の中で養子に渡すという選択肢が出てきたみたいだ。私のせいで本当にすいません。というか養子にさせられても困るからそろそろ。

 

「ただいま。お母さん、お父さん」

 

「!?あ、綾人!?いつから?」

 

私が急に現れたからだろうか領主の前に護衛の男が立ち杖をこちらに向けている。

 

「君、何を」

 

「領主様。すいませんがこの子供は危険です。王都の魔法騎士団元副団長の私ですら気配すら気付けませんでした。先程の話も聞いていたことになります。この状況で姿を現すと言うことは返事は否なのでしょう。ですから、業火の炎を以って敵を焼き尽くせ焔!」

 

炎に身を包んだ狐が現れて突進してくる。話を聞く限り危険な存在だと思われたらしい。なんでだし!

 

「綾人!」

 

「綾人!」

 

両親の叫び声を聞きながら私は掌を狐に向けた。

 

「氷牢獄《アイスプリズム》」

 

「ほ、焔!?」

 

一瞬で氷漬けになった狐。可哀想だから殺してはいないけど仮死状態にしてあるから解かない限り動くことも出来ないはず。

 

「ふう。火とか家が燃えちゃうので止めてもらえますか?」

 

「わ、私の相棒が一撃だと!?それになんなんだその魔法は!!業火の炎により敵を焼き尽くせ!!ファイヤーボール!!」

 

ちっさ!!なんの冗談なのか掌サイズくらいの火球が真っ直ぐこちらに迫ってくる。領主は止めろと先程から言ってるからいいとしてこれで二度目である。一度目なら許しても二度目は許しちゃいけないって前世で親友に教えてもらっていた。

 

「グラビティー」

 

その一言で護衛の人は立っていられなくなり膝を折る。かなり抑えた状態での重力魔法である。話せなくなる程度にかけたから魔法も発動できないしこれで話をきりだせる。

 

「これほど、とは」

 

領主の言葉に返す人は誰もいない。私の魔法は両親にすら見せたことは無かったから驚きで固まってしまっている。

 

「さて領主様。こんなことをしたのです。当然対価は頂けるのですよね?」

 

領主は黙ったままうなづいていた。

 




主人公
名前 綾人
年 15歳
魔法
簡位魔法
●心眼(目で見えなくても360度見えるようになる)
●アイスニードル
中位魔法
●サンダーボルト(雷を操る魔法。威力もスピードも微妙だが燃費が良く多人数戦では威嚇射撃として好まれていた)
上位魔法
●火炎地獄《インフェルノ》(火よりも威力の高い火炎系の魔法。範囲が広くカオスドラゴンの骨すら残らない)
●氷牢獄《アイスプリズム》(視認した敵を氷の中に閉じ込める魔法。一旦仮死状態になるが時間が経過すると意識が戻る。ただし対抗できる魔法が無ければ出ることは出来ない)
超位魔法

最上位魔法

防御魔法
●イージス(防御魔法の中でも高い防御力を誇る盾。最大で10枚まで重ねて発動出来、使い勝手の良さから重宝されている)
付与魔法
●フィジカルエンチャントパワー(力を飛躍的に向上)
●フィジカルエンチャントシールド(防御を飛躍的に向上)
●アディショナルフィジカルエンチャントアップ(MPの自動継続回復)
●フィジカルエンチャントエレメント(属性値を飛躍的に向上)
●フィジカルエンチャントミラー(オート反撃)
●フィジカルエンチャントマジック(魔力を飛躍的に向上)
●フィジカルエンチャントキラー(攻撃にキラーを付与)
天体魔法

重力魔法
●グラビティー(視認している相手の重力を操作する魔法。最大で5トンの重力をかけることが可能。重ねて使用することで重力を増やすことができる)
転移魔法
●テレポーテーション(一度行ったことのある場所じゃないと転移出来ない。かなりの魔力を消費する)

結界魔法

視認魔法
●インビジブル(体が透明になり着ている服まで見えなくなるが匂いまでは隠せない。他にも対応策が多く前の世界では使う機会が少なかった魔法)

になります。主人公が使っていく毎に増えていきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。