ライダーが脱落した次の日、俺はまた町をぶらぶら歩いていた。
(……ライダーが脱落したからそろそろ色んな陣営が動き出すはずだが……)
そんなことを思って歩いていると、見覚えがある人が歩いていたのを見た。
(あれはイリヤスフィール!……何処に向かっているんだ?)
俺はイリヤスフィールにバレないように後をついていった。
暫く後をつけていると、イリヤスフィールは小さな公園の中に入っていた。
(ん?何で公園なんかに入って行ったんだ?)
俺は公園の入り口の近くに生えてる木の陰に隠れ、公園内の様子をうかがう。
公園内にはイリヤスフィールとベンチに座っている衛宮士郎がいた。
(衛宮士郎!なんでここにいるんだ……それになぜセイバーを連れていない?無防備にも程があるだろう)
昼間はマスターを殺さないのが聖杯戦争のルールだが、それはマスター殺さなければ何してもいいということになる。
そんな聖杯戦争のルールをあまり知らない衛宮士郎はイリヤスフィールと何か話している、そして段々頭がくらくらしていき、そのまま倒れてしまった。
(あーあ、やっぱりかー)
俺と反対側の入り口から二人のホムンクルスがやって来て、衛宮士郎を担いでいった。
(──ハァ仕方ない、後を追うか。)
俺はまたバレないようにイリヤスフィール達の後を追う。
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イリヤスフィール達を追っていると見覚えがある森に入っていく。
(ここはアインツベルンの森……ということはイリヤスフィール達の根城はアインツベルン城か)
10年前にも来たことがある惑わしの森。ここの結界は10年前と変わらず働いており、常人なら迷ってしまうだろう。
イリヤスフィール達の後を追って森の中を進むこと数時間、やっとアインツベルン城に到着した。
イリヤスフィール達は城の中に入って行き、衛宮士郎を城の一室に運び込む。
協力関係から衛宮士郎を助け出したいが、この城にはバーサーカーがおり、騒ぎを起こせばすぐにやって来るだろう。
受肉した今の俺では思ったように力は出せず、バーサーカー相手には苦労する。なので俺はイリヤスフィール達が部屋から出てくるまで待機するしかなかった。
そして数時間後、イリヤスフィール達は部屋から出てきて、何処かにいってしまった。
俺はそれを好機と思い部屋に入ろうとするが、走ってくる足音が聞こえてとっさに近くの柱に隠れてる。
走ってきたのはなんとセイバーと遠坂凛とアーチャーだった。
(あいつら、もう来たのか!)
セイバーは衛宮士郎の居る部屋に着くと勢いよく扉を開け、凛とアーチャーも一緒に入っていく。
(やれやれ、行くしかないか)
俺も柱の陰から出て、部屋に入る。
「感動のご対面はすんだか?」
「なっ!アヴェンジャー。どうしてここに居るのよ!」
「どうしてって……」
「どうしてって……衛宮士郎がイリヤスフィールに連れ去られて行く所を見たから、それを助けようと思って、イリヤスフィールを追いかけてここに来たんだ。
でも衛宮士郎を助けようと思っても、ここにはバーサーカーが居るから迂闊には動けなかったし、ここで動いたら衛宮士郎を守れる保証はなかったから様子をうかがうことしかできなかった。で、イリヤスフィールが部屋を出て俺が入ろうとしたときにお前達が来たんだ」
「そういうことね……それじゃあすぐにここを脱出しましょう」
俺達は部屋を出てアインツベルン城のロビーまで順調に戻ってきたが……。
「──なぁんだ、もう帰っちゃうの?せっかく来たのに残念ね」
その声を聞いた瞬間、足を止めて後ろを振り向く。振り向いた先にはイリヤスフィールとバーサーカーがいた。
「──もう来たか!」
バーサーカーは俺達を睨み付け、いつでも殺せる状態になっている。
(どうしようか……)
そんなとき……。
「──アーチャー、ひとりでアイツの足止めをして」
俺は耳を疑った。それはアーチャーに死ねと言ってるようなものだ。
「おい!それは……」
「──別にアレを倒してしまっても構わんのだろう?」
アーチャーの目には覚悟が浮かび、その後ろ姿には俺達に″行け!″と言っている。
「ッ!行くぞ!」
俺達はバーサーカーをアーチャーに任せ、アインツベルン城を脱出した。
評価、感想お待ちしています。
新たなるアヴェンジャー一周年記念内容
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オリジナル異聞帯予告
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水着回