俺はギルに嘘をついた。ギルとの戦いに負けて消滅した俺は聖杯に向かわず、その場に残った魔力で人魂と呼ばれる姿になり漂っていた。
嘘をついた理由は聖杯に行けば聖杯が降霊される時の材料にされて衛宮士郎の今後の聖杯戦争で選択を見ることが出来なくなるかである。
しかし人魂の姿になったのはいいが、俺は動くことしか出来ないので、体を形成するために魔力のある場所を求めてその場を移動する。
そして数日後、魔力を求めていた俺はとてつもない魔力の波動を感じた。
(──この魔力……誰かが聖杯を降霊したか)
その波動は柳洞寺から発せられており、俺はすぐさま柳洞寺に向かう。
柳洞寺に着き、正門を越えるとそこにはギルとセイバーが居て戦っていた。
しかしその横には衛宮士郎の姿は無く、俺は辺りを探す。
すると柳洞寺の裏の方から声が聞こえ、俺は声のした方へ向かう。
声のした場所には衛宮士郎と言峰が居て、言峰の後ろの空には黒い孔が有り、その孔から黒い泥、
(──聖杯を降霊したのは言峰だったか……しかしまさかアンリマユをこうも操るとは凄い奴だな)
言峰はどうやらアンリマユをある程度制御できており、衛宮士郎に向かって黒い泥から出来た触手で攻撃をする。
(──これは衛宮士郎の分が悪いか?)
そして言峰は黒い孔から流れている泥に手を入れ、大きな泥の塊を取り出すとそれを衛宮士郎に掻けた。衛宮士郎は泥の中に引きずり込まれていった。
(───終わったな。衛宮士郎は俺の求めていた奴では無かったか。……アンリマユを使って俺の世界に復讐する願いを叶えるとしよう)
俺はアンリマユの力を使うために黒い孔に近付いていく。
すると次の瞬間、衛宮士郎が泥から這い出てきて、言峰に突っ込んでいく。
(───まさか、アンリマユの呪いに打ち勝つとは!……これはもう少し今の人類を見守る価値がありそうだ!)
衛宮士郎は片手に短剣を持ち、そのまま言峰に向かっていく。
言峰は泥を使って衛宮士郎が向かって来るのを阻止しようとする。
(──少し手を貸してやるか)
俺は瞬時に全ての泥を制御下に置き、泥の動きを止めた。
言峰はなぜ泥が止まった事に驚き、そしてその驚きの一瞬に衛宮士郎が言峰に短剣を深く刺した。
「───馬鹿───な───!」
言峰は後ろに倒れ込み、そしてそのまま息を引き取った。
「──衛宮士郎。お前の今までの選択や行動は非常にいいものだったよ。俺はもう少し今の人類を見守る事にするとよ。お前が本当の正義の味方に成ってくれるのを期待しているぞ」
俺の声は恐らく衛宮士郎には届いていないだろう。俺はそれでも構わないと思った。そして俺の心は久しぶりに清々しい気持ちになり、その気持ちのまま自分の本拠地である闇の世界に帰った。
こうして俺の第五次聖杯戦争は終わった。
Fateルート完結。次回からはUBWルートに入ります。
それも終わればアンケートで票が多かった話を書いていきます。
それでは次回もお楽しみに(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪
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新たなるアヴェンジャー一周年記念内容
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