fate 新たなるアヴェンジャー   作:オメガリバイブ

67 / 68
UBWルート第3話

 ライダーを倒してから数日後、俺は夜の冬木の街を一望していた。

 

(──ここんところキャスターの奴が動いているが、なかなか尻尾をつかましてくれないな)

 

 キャスターはその名の通り、魔術師のクラスである。そして今回召喚されたキャスターは、余ほど古い魔術の使い手なのか、魔力を隠すのが得意なようで、今だにキャスターの魔力の痕跡を発見できず、いつも痕跡を辿ってサーヴァントの拠点に行くのだが、その痕跡が無いのでキャスターを狩るのが出来なくて困っている。

 

(───そろそろ尻尾を出してくれないかな……?)

 

 ───そう思った瞬間、事は動いた。

 風に乗ってきた魔力は俺が今までは感じたことの無い魔力だった。

 

「───この感じは。キャスター奴が動いたか……」

 

 俺は魔力が流れてきた方角を魔力を見れる千里眼で見る。

 キャスターの魔力が流れてきたのは、言峰が居る教会からだった。

 

(なぜあそこにキャスターが居るんだ……?)

 

 俺は疑問符を浮かべる。あの教会には何も無く、もし言峰を殺しても、キャスターには何のメリットが無いはずだ。

 

(とりあえずは現地に行ってみないとわからないな)

 

 俺は教会まで空間転移する。

 

─────────────────────────

 

 教会の入ってすぐの礼拝堂に空間転移した俺は、魔力が流れてくる方向へ向かう。

 

「──今この教会に居るのは6人か……キャスター、セイバー、アーチャーとそのマスターか……。これはキャスターは終わったかな?」

 

 俺はそう言って、魔力の流れてきている地下の礼拝堂に向かって歩いて行く。

 

 ──そして、そこで見た光景は予想とは違う物だった。

 

(──これは非常に面白くない展開だな)

 

 まず目に入って来たのは礼拝堂の奥で魔術によって縛られているセイバー。

 次にアーチャーだけがキャスターの配下に加わっている様子。

 そして最後にキャスターのマスターによってセイバーのマスターとアーチャーのマスターが追い詰められている様子だった。

 

(……キャスターめ、セイバーとアーチャーを何かしらの魔術で配下にして、セイバーの持つ膨大な魔力を使って聖杯を呼び寄せるつもりか!確かにここには聖杯のレプリカがあって、器としては申し分無い。ああもう厭だ、こんな展開になるとは……)

 

 そして俺は二人のマスターを教会の外に転移させて、キャスターの令呪とセイバーを縛る魔術を弱める。

 

(心苦しいが、セイバーにはもう少し頑張ってもらおう。あの二人のマスターの事だ、恐らくランサー辺りを連れて戻って来るだろう)

 

 俺はその場を離れる。そしてキャスターが聖杯を得る前に聖杯の回収するために器のホムンクルスのいる城、アインツベル城に向かう。

 

 

─────────────────────────

 

 

 ──日が昇りきった頃。俺はアインツベル城に着いた。

 どうやら先客がいたようで城の中から戦闘音が聞こえてくる。そして俺が入った城の庭はその先客とバーサーカーが戦った影響でぐちゃぐちゃだった。

 

(──この戦闘跡。まさかギルか?)

 

 そして俺はその戦闘跡が続いている方向に向かって行く。

 そして戦闘音が止み、俺の目の前で戦闘が終わった。

 

 先客はギルであり、ギルはホムンクルスの少女に向かって歩いて行く。

 少女を守っていたバーサーカーはギルが放っていただろう無数の武器によって体を貫かれて、見るも無残な姿になって沈黙していた。

 

 ギルはホムンクルスの少女の元に着くと剣を取り出して、まず目を斬り、次に肺に剣を突き刺す。そしてホムンクルスの少女から心臓を取り出す。

 ──その瞬間、沈黙していたバーサーカーが動きだし、ギルに襲いかかる。

 

古の投影・開始(エンシェントトレース・オン)───オーディンの一撃(グングニル)

 

 放ったグングニルはバーサーカーの心臓を貫き、バーサーカーは消滅した。

 

「──やはり来たか、ヴァイス」

 

 どうやらギルは俺が来ることを予想していたようだ。

 

「来るのがわかっていたか」

 

「ああそうだ。お前ならこれを取りに来るだろうと思っていたからな」

 

「お見通しか……。で、それをどうするんだ?」

 

「これを使いこれの中身を呼び出して、今いる人間の間引きをするつもりだ」

 

 ギルしようとしている事と俺が今回聖杯にしてほしい事は、ほぼ同じであった。俺の聖杯でしたいことは、聖杯の中身を呼び出して世界に復讐する事である。

 

「──なるほど。ならそれの使用はお前に任せるよ。俺の欲しいのはその中身だからな」

 

「そうか。なら協力しないか?これの管理はお前が得意だろ?」

 

「そうしよう。それの方が効率的そうだからな」

 

 こうして俺はギルと協力関係を結んだ。

 

「──おい、ギルガメッシュ!なんなんだそいつは、早く殺してしまえよ!」

 

 後ろの方から青髪の青年が文句を言いながらやって来る。

 

「なにを言うだシンジ?こやつは我達に協力する味方なのだぞ」

 

「そ、そうなのか。せいぜい僕の為にしっかり働いてくれよう」

 

 シンジは命令口調で俺に言ってきた。

 

(──こいつの相手は苦労しそうだ)

 

 ──その時だった。俺の上の方から何かが落ちてくる気配を感じた。

 

「待てえええええ!!!」

 

「ひっ!─────え、衛宮!」

 

 俺は上を見上げる。どうやら落ちてきたのはあの時に助けたセイバーのマスターだった。

 

失われたもう一本の鎖(ロスト・オブ・チェーン)

 

 俺の背後に現れた黒い渦から何本かの紫の鎖は、落ちてくるセイバーのマスターを空中で固定した。

 

「──や、やるじゃあないか。さぁそのままそいつを殺せ!」

 

「いや、ここで時間切れだ。このままここにいればそいれが腐ってしまう。そうだろ、ギル?」

 

「ああ。シンジ、残念だがその雑種に構っている時間が無い」

 

「ッ────────。ふん!命拾いしたな衛宮」

 

 そう言ってシンジは城から出て行き、ギルもその後を追う。

 俺は鎖を解除し、セイバーのマスターに詰め寄り、胸ぐらを掴み上げる。

 

「───俺をあんまり失望させるなよ。敵がどういう奴か分かっているのに出てくるなんて、本当にお前は馬鹿だよ。今回は運が良かったが、次からはちゃんとした勝算があってから出てこいよ。でなきゃあ俺がお前を助けた意味が無くなるからな」

 

 俺はそう言って胸ぐらを放し、ギルガメッシュの後を追った。

 

 





 どうもオメガリバイブです。
 アンケートの結果、絶対魔獣戦線バビロニアに多くの票が入ったので、次の章が絶対魔獣戦線バビロニア編なりました。つきましては時系列が逆になりますが、バビロニア編終わってから、カルデア編に入って行きます。カルデア編は1.5部まで続け、1.5部終盤でアンケートを取りたいと思っています。

 そして次回でUBWルート最終回になります。UBWルートは一番短かったですが、次の章の都合上というわけではありませんので、その辺はご了承ください。

 それでは次回もお楽しみに(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪

 評価、感想お待ちしています。

新たなるアヴェンジャー一周年記念内容

  • オリジナル異聞帯予告
  • 水着回
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。