これで稀輝くんは未来予知を出来ることに!!
自分のDead Endだけですが!!
・---既知は知識と成る。
灰根さんが僕の為に作ってくれた概念だ。
最近は慣れてきたけど、最初はなかなかに大変だった。
なんだか体力とか気力とかよくわからないものとかが減っていくような感覚はなかなかに辛いもんだ。
慣れたといっても、連続して使っていられる時間は一時間、それも僕個人のみを対象とした時だけだ。
効果はその名の通りで、これを使うことで未来から来る曖昧な
その時の話をしよう…………
これは、ちからの真実を知った翌日の話だ。
あまりにもショッキングな出来事の後、気が付いたら自室のベッドで寝ていた。
何処まで話したもんかと考えながら、いつも通り朝の準備をしてカレンダーを見る。
「………まだ日曜日だったか」
どうも時間の感覚がおかしくなっている。あまりにも濃密な経験のせいだろう。
朝食をと冷蔵庫を開けると中身が少ない。1食ぶんはギリギリあるだろうが…………
………買い物行くかぁー
あまりいい予感がしない。
というより、わかるだけでもこの買い物で死亡フラグが6本は用意されているのだから仕方がない。
まず、部屋を出る。
「およ、キキちゃん。おはようだにょ」
「おはようございます、ミルたんさん」
第一の関門:魔法大戦争への招待状そして最もヤバイ死亡フラグだ。
「そうだ、キキちゃん。ミルたんは今から魔法少女に成るために異世界に行ってみようと思うんだにょ、着いてくる気はないかにょ?」
「ごめんなさい、今日はやることが多くて………今から買い物なんです」
「買い物が終わったらどうかにょ?」
「明日までの宿題が有るんです。予習のしておかないと、次の単元は少し不安で………」
「お勉強なら仕方がないにょ、じゃ。ミルたんは行ってくるにょ」
いつもの魔法少女コスプレのミルたんはグッと脚に力を込めると空気の破裂する音を残して変身のポーズと台詞を決めながら、空に空いた黒い穴に消えていった。
へんしんするときのまじかるとらんすなんてことばはきこえなかった。
僕は見なかったことにして買い物に出掛ける。
そして、後は一直線でという道に入って直ぐに左折、もう一度左折、そして信号を越え少し進んで左、道を一本はずした訳だ。
すると道半ばにして左の方からクラクションと衝突音。
これが二つ目のフラグ。
路駐の車が行きなり動きだし、斜線にいた車に接触、路駐していた車に僕が轢かれて即死。
往路ではこれだけだ。
そして買い物、スーパーに入ってすぐ脇のベンチに座る。
これで五分後にコーンポタージュを買って更に一分待機だ。
十分すると入ってくるのは見るからに怪しい三人組。コートに手を突っ込み黒光りする鉄の塊を取り出す。
そう、銃だ。
「金をだぶぇらぁ」
・---ものは下に落ちる
概念結界を展開し全力でコーンポタージュを投げた。
本来ならば失速するところ、むしろ加速し強盗の顔面に熱々のポタージュが勢い良くぶちまけられる。
それと同時にベンチを掴み向きを変えて掲げ、強盗達に向かって走り出す。
ベンチは概念に従い落下をする。僕はそれを掴んで地面を蹴りながら強盗に向かって落ちる。
「て!!め…………ぇ?」
ポタージュから回復した強盗がこちらに銃を向けて最初は勢い良く、しかし尻萎みになる。
そうだろう、何せこの椅子、座り心地が悪く、前衛的なデザインの総金属製だからだ。
裏側はなんというか……人の胴体にフィットする形状だ。
まるで人の上に座ることを考えたかのような………これ以上考えるのはよそう。
これを巻き込む大きさで概念結界の維持できるのは後一秒もないだろう。
だが既に僕による加速も合わせて失速しても強盗をお押し倒せる程度の勢いがついている。
そこで僕は逃げる………訳には行かない。
事情聴取を受けておかないと逆に面倒なことになると解っているからだ。
運のいいことに、僕はこの椅子を一つだけなら持ち上げる程度の力は有るので、火事場のくそ力であると言えるだろう。
それにしても綱渡りの対処が成功して良かった。
だってここだけで30を越えるパターンが有るのだから 。
今の方法でもミスがあれば撃ち殺されることになってしまうのだ。
コーンポタージュを別の飲み物に変えるだけでダメだったくらいだ。
あの粘度がいいんだ、ドロドロしているのがね。
コーヒーじゃダメなんだ。
すぐに対応されて、撃たれてしまうんだ。
そんな感じでなんとか偶然を押し通して事情聴取が終わった。
強盗がなぜかスーパーに現れて、銃を取り出すのを見た僕が、偶然手に持っていたポタージュをぶつけて、座っていたベンチで押し倒したってことです。
ほら、どこも間違っていない。
思い出して怯えているふうに見せたから割と早く終わった。
そして帰路に着く。
丁寧にスーパーまで送り返してもらった。うん、食料の買出しに行って、まだ買ってないわけだしね。
それでも随分と親切な警察だった。
三つ目が終わったところで残り半分が本当に面倒で、避けづらい。
しかし、三つともひとつの手段で全て回避できるのだ。
なんせ、正しくは一つなのだから。
携帯電話を取り出す。
「もしもし、梵慈郎さん?」
『……ああ、なんだ』
「いや、先程見かけたんで、もし不思議荘に帰るんだったら合流しようかなと、」
『……今、商店街の本屋だ』
「はい、有難うございます」
どうしてか、少しかしこまった言い方になってしまう。だって、なんというか、スゴ味があるんだよね……
っと、急いで合流しないと。
ここで、答えの発表だ。
堕天使らしきやつに殺されるわけよ。遭遇する場所が三ヶ所あるから、フラグが三本ってわけだ。
それが、梵慈郎さんと一緒に帰るだけで全部解決できちゃうんです。
「…来たか」
「すいません。思ったより距離がありました」
合流した梵慈郎さんの手には、数十冊の本が入った紙袋…が二つ。
「すごい量買ったんですね……」
「…こっちは忍のだ。やつめ、火が出ているときは燃えるから出歩きたくないと……」
「あれ、灰根さん達のおかげで克服できたんじゃ……」
「…燃えないが、それでも疲れるらしい」
「怪しいですね」
「…おそらく、嘘だろう」
「ですよね~」
「……まあ、今更だ。それに…」
「それに?」
「…今日は何やら物騒みたいだからな、忍が出歩いて巻き込まれるよりはいいだろう」
「えー、とっちかというと身体能力では忍さんの方が上でしょう」
「…そういうことじゃない」
「そうですか。まあ、確かに僕もそう思いますよ」
自分がその物騒な事件の関係者、関係者になり得たというのは言わなくてもいいだろう。
さて、何故梵慈郎さんと帰るといいのかというと、
「む」
梵慈郎さんが何かに気がついたのか、どこかを…サングラスを外して凝視した。
「どうしました?」
「……いや……もう終わった」
そして、サングラスをかけ直して前を向く。
梵慈郎さんは視線に敏感なそうで、その視線に込められた感情もある程度わかるらしい。
要するに、今のは僕の死亡フラグであった堕天使の視線に気がついて文字通り睨みを効かせたのだろう。
可哀想に、30秒位目を向けていたぞ……これはしばらく恐慌状態になるな……その間、まともに言葉を話せないかもしれないぞ。
こうして、僕は無事に帰ることができた。
「ただいまにょ」
「お帰り、ミルたんさん。なんですか、その猫とうさぎを足してさらに別のものを足したような無機質な目をした小動物は……本当になんすか、耳毛?耳毛なんですか!?動いてるんですけど!!」
「キューべぇって言うらしいにょ。ミルたんの魔法少女としてのマスコットにしようと思って連れ帰ってきたんだにょ」
「灰根さんたちに許可をもらって躾て下さいよ?」
「大丈夫にょ、この子は賢いんだにょ」
「……………………………わけがわからないよ…」
ミルたんに耳毛を掴んで吊るされている小動物が喋った気がした。
ミルたんが行った世界………一体、魔法少女なに✩マギカなんだ……!!
外伝の方の抽選も初めてマース。
さすがにここでサイコロ転がすと期限が短くなるので、そのまま続きです
条件厳し過ぎる気がしますが……二巻(フェニックス)終わったらボーナスタイム儲けようかな……