更新遅くなりすみませんでした。
オールマイトにどんな授業をやるのか聞けば2組に別れさせ、ヴィランとヒーローに分けて戦わせると返ってきた。それを聞いた私は適当に「ふーん」と相槌をうった。
「ふーんって興味なさそうだね…」
「そもそも授業自体興味ないんで」
「はっきりと言うなあ」
「正直、志村少女相手にクラスの皆で戦わせようかとも思ったんだよ」とオールマイトは言った。私的にはそっちの方が良かった。そのままオールマイトに告げれば、オールマイトは苦笑いをしてポリポリと頬を掻きながら言った。
「残念ながら相澤君に却下されてね。「貴方は生徒を殺させるつもりですか」と真顔で言われてしまったよ」
「……流石に殺しはしねぇよ。あのおっさん…!」
「相澤君曰く「志村は相手が生徒だろうが弟だろうが幼馴染であろうが手加減をするつもりは一切ありませんよ。『手加減』という文字がアイツの頭にインプットされてないんです。おかげで敵系戦闘狂ヒーローなんてテロップつけられて…教え子だっただけに恥ずかしくて仕方がない」ってね。長々と君の事を言っていたよ」
「手加減ぐらい知っとるわ! 舐めてんのかあのおっさん!!」
「因みに志村少女は誰かに一度でも手加減したことはあるかい?」オールマイトは私にそう問うてきた。私はオールマイトを睨みつけながら言った。
「ンなもん無ェに決まってんだろ」
「うん……良くも悪くも素直だね君は。後、言葉使いを直しなさい。それだから敵系なんて言われてしまうんだよ」
「若いなあ」オールマイトはそう言いながら私の頭を撫でてくる。顔面を爆発させてやろうとするのだが容易く避けられてしまうので、思わず火が着きかけたのは内緒でもなければ口外することでもないどーでもいい話だ。
βやらγなんて呼ばれる部屋につき、オールマイトが生徒に説明をする。その際、オールマイトが聖徳太子になりかけたりしたが興味が無いのでカット。愚弟の視線も凄かったが、それも丸々無視してやった。おかげで、イラついたのかあいつの貧乏ゆすりが尋常じゃなかった。正直、うるせーと思ったが喋りかけるのは辞めた。あいつと関わると碌なことにならないからな。
「へー、こんな組み合わせにするんスか」
「何か問題でもあったかい?」
「いや別に。どの組み合わせも興味無ェなあと思って」
「……君は一体何に興味を持つんだい?」
そんな話を愚痴愚痴としていたらどうやら試合が始まるらしい。第1回戦は愚弟から始まるという目障りな試合となっている。是非とも出久君に勝ってもらいたいところではあるが、
別に弟だから贔屓しているとかそんなものでは無い。冷静に考えてだ。確かに、久しぶりにあって気づいたが出久君は成長していた。勿論、背もそうだが、前は全くついていなかった筋肉、そして……個性。昔とは色々と違う。だが、それは所詮付け焼き刃でしかない。見たところ、あの筋肉の付き方は一年ちょっと鍛えたぐらいだろうし。
愚弟はなんやかんや言いながらも小さい頃から私の隣で鍛えていたりした。個性だって扱いきれるように、一人で特訓していたところも見たことがある。私にコテンパンに負かされる度に、泣きながら特訓していたところを何回も見てきているわけだ。
出久君の一年と愚弟の数年。出久君にいい師匠がついていたとしても、たった一年では殆ど何もしていないと一緒だ。見たところ個性もまだちゃんと扱えていなさそうに見える。
「……君の弟って爆豪少年かい? 凄く似ているね」
オールマイトがモニターを見ながら小声で話しかけてきた。「どこが似てんだよ。てめぇの目、節穴なんじゃねえの?」そう蹴りと共に返せば、クリーンヒットした尻を擦りながらオールマイトは「爆豪少年の口の悪さは君譲りなんだねきっと」と言われた。再び、蹴りを入れようとすれば今度はすんなり避けらた。ちっ。
「これはどっちも負けるな」
「……それはどう言う意味かい?」
大体私の中で勝敗はついた。もう見なくていいかな、なんて思いながら呟いた独り言はどうやらオールマイトに聞こえていたらしい。聞き返してきた。
「どう言う意味も何も、力で愚弟は勝ち精神で出久君は勝つ。それだけっス」
「(彼女はこんなナリをしているが頭の回転は早いみたいだね。決断力が凄い。そして圧倒的な自信。流石、
『あんな体育祭』。それはオールマイトが雄英の教師につくと決まって相澤に見せられた体育祭のことだった。「これから貴方の同僚になるやつの方がビデオです。これを見れば、あいつの人間性がわかるんで、見といてください」そう言われ渡されたビデオ。それは、中々に強烈で一癖二癖もありそうだと思ったのは仕方の無いこと。体育祭でもそうだったが、彼女は頭の回転が早いらしい。オールマイトは嬉しそうにウンウンと頷く。
「何ひとりでに笑ってんスか。気持ち悪い」
「んー、もうちょっとオブラートに包んでくれないかな! オジサンに気持ち悪いはちょっと堪える!!」
「注文多いなこのおっさん」
「うん、口に出さないで心の中だけに留めておこう」
「オールマイト!! 志村先生!! 今すぐこの闘い止めた方がいいって!!」
オールマイトが無駄に絡んできて、それに付き合っていれば、生徒達がガヤガヤと騒ぎ始める。どうやら中々酷い闘いをしているらしい。
オールマイトも焦り、中断させようとしたが私が止めた。
「志村先生何で!? 危ないですよ!!」
名前は覚えていない。誰かが言った。私はその生徒を見ることなく、モニターも見ることなく、この部屋の出口に向かいながら言った。
「止める前に決着はつく。だから大丈夫だ」
見るだけなんて暇なことやってられるか。この場はオールマイトに任せて私は職員室でぐったりとサボろうと思う。
そんな私を見てオールマイトは呟いた。「相澤君に怒られても知らないぞ」と。
職員室に戻ろうと思ったが、相澤先生の姿が見えたので職員室に戻ることはやめて、今は誰もいない1-Aの教室に行くとこにした。
教室は私が使っていた頃と何も変わっちゃいなかった。だから、私が昔転弧と書いた落書きだって残っていた。
『絶対ェてっぺん取る』
『皐己が怪我しませんように』
上が私。下が転弧だ。卒業する前に二人でコソッと書いていたものはまだ残っていて、とても懐かしく思う。確か、転弧がこんなの書いて私がキレたんだったけか。「ンなもんするか! ナメんなや!!」みたいな感じで。壁に傷つけて書いているので、書き直すことも出来なくて、その後の私は何となく機嫌が悪かったような気がする。そこまでちゃんと覚えていないので、定かではない。
過去に浸っていれば、チャイムがなった。どうやら授業が終わったらしい。ずっと同じ体制で居たためか、身体が凝っていたので少し伸ばしてから私は職員室へと向かった。結局、途中授業を見に来ていた相澤先生に私がサボっていたことが見つかり、こってりと絞られるのは数分後の話である。