僕は医療行為をしたいだけなのだが……   作:橆諳髃

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今話までに評価を付けて下さった読者の方々

☆10 ホワイトアクア 様

ありがとうございます! また、先程のご意見ご感想を書いていただきましたので、後程返信を書かせて頂きます!

さて、今回はエルさんを盗賊から救った後……へんてこりんなロボットが介入して本来だったらスルーするはずの出来事をオリジナルで描いております。

戦闘描写を今回も描いておりまして……それが分かりにくかったら非常に申し訳ないです!

そしてサブタイトルについては……見ていけばきっと分かります。ではご覧下さい!


13話 再会、後に女難あり……

 

 

 

side ディミトリ

 

 俺達は課外活動で外に出ていたが、途中で盗賊に襲われた。その際他のクラスの級長達と一緒に行動して賊の一部をこちらに引き付けた。それから助けを求めた村に傭兵がいたこともあり、彼らの助力で何とかその場を凌ぐ事ができた。

 

(だがこの人達の実力は並大抵の物じゃない……)

 

 1人は女の人で、ベレスさんといった。黒鷲の学級(アドラークラッセ)の級長、エーデルガルトと同じくらい綺麗な人に見えた。だが戦闘で見たのは、敵に対して容赦せず無慈悲に沈めていった事だ。

 

 腰に剣を差してあったが、殆ど自分の拳で敵を鎮圧していた。しかも見るからに敵であろうと生かしている。剣を使ったときでも、敵の攻撃をいなして相手の攻勢を削ぎ、そのところを柄で殴り付けて倒していた。どれだけの鍛錬を積めばあの様に戦えるのだろう……

 

 だがベレスさんの他にもう1人……別次元の人がいた。その人の名前はアスクレピオスといって、全身を黒いフードで纏い、口元も嘴のような被り物で覆っていた。髪色は銀髪で、唯一覗ける目もどこか濁っている感じに思った。何かを諦めている様な……あぁ、これは自分が思った事だから何という事でもないが、ただそう見えてしまった。

 

 しかしそれとは裏腹に戦闘になると彼も全く違った。本来彼は医者の役職らしいのだが……

 

(あんな戦い方……どうやったらできるんだ?)

 

 一瞬で複数の敵の攻勢をいなし、見たこともない技で反撃……終いには時間をかけずに敵を拘束していた。エーデルガルトを狙った賊のリーダーの攻撃も片手で受け止めたかと思えば、受け止めた武器を素手で壊すといった芸当と、人としてはありえない動きでリーダーを撃退した。

 

 その後に出てきた謎の存在も一瞬で片を付けるのも、最初何をやったのか全く分からなかった。

 

(それにあの人が使っていた武器……デッキブラシだったか。俺もあの武器を使えばもっと強くなれるかもしれない……)

 

 そんな事を青獅子の学級(ルーベンクラッセ)の級長であるディミトリは考えていた。しかし悲しいかなデッキブラシはただの掃除道具……ディミトリの思う様に、使ったからといって強くなる訳では無い。ただ掃除が上手くなるだけである……

 

(それにしてもエーデルガルトの様子がおかしい……アスクレピオスがこっちにきて雑談するやいなやすぐに傍に行ったし、それになんかこうくっつき過ぎているような……あなたは一体何者なんだ?)

 

side out

 

 

 

side クロード

 

(いやいや……何だよあれ?)

 

 盗賊達に狙われたから命辛々でここにいた傭兵達に助けを求めたんだが……そこにいた2人が強過ぎた。ベレスさんって人は賊達を片っ端から倒していくし、アスクレピオスって人は何か見た事ない掃除道具で敵を仕留める始末ときた……俺もついついツッコンじまったよ。

 

(しかもあれでお医者様だろ? 俺からしたら逆に死神にしか見えないんだが?)

 

 確か巷で……黑神だっけ? そいつの容姿と目の前にいるお医者様の容姿が酷似してるんだが……まさかね? 

 

「そういえばこの傭兵団の中に神掌って人がいるって聞いたんだが……」

 

「ん? 何だそれは? 僕は全く聞いた事ないな」

 

「そ、そうですか……」

 

 多分だが……本人が知らないだけで絶対この人が神掌だろ……

 

(それとさっきからエーデルガルトがアスクレピオスさんに凄くくっついているんだが……知り合いか?)

 

 だがその場で聞くのをやめた……だって今そんな質問したら、何故かエーデルガルトに追いかけ回されてボロボロになる結末しか見えねぇ……これは自信があるね!

 

 

side out

 

 

 

 

 

 僕達が少しの雑談をしていると、そこにアロイスという現セイロス騎士団の団長が現れた。粗方賊を討伐し終えてこちらに来たのだとか。だがこちらに来たときには既に終わっており、正直アロイス達は何もする事がなかった。

 

 しかしながらそこにジェラルドがいたこともあって、役20年ぶりの再会になる様だ。そんなこんなで話は進み、僕共々ガルグ=マクに案内される事になったのだが……

 

「団長ー‼︎」

 

 そこにセイロス騎士団の兵士が駆け込んできた。何でもアロイスが離れた後に謎の物が他の生徒達と行動していた部隊を急襲したのだとか……怪我人は出ているが何とか持ち堪えている。しかしそれも時間の問題だと言う事で救援要請に来たんだとか。

 

 その時には僕は駆け出してそこに向かっていた。

 

「先生っ⁉︎」

 

「ちょ、おいアスレイっ⁉︎」

 

(先生)‼︎」

 

 後ろでそんな声が聞こえる。因みに3人目に僕の事を師と呼んだのはエルで、さっきからそう呼んで僕にくっついていた。にしても本当に大人になったな、エルは。

 

「いや、今は患者達の元に向かう」

 

 僕は暗がりの森の中を全速力で駆けていく。

 

 

 

 

 

side マリアンヌ

 

 

 それは一瞬の出来事でした。クロードくん達が一部の盗賊達を引き連れてここから離れると、後に残った盗賊達はセイロス騎士団の人達によって一気に鎮圧されました。他の生徒達もこれで助かったと思ったのか、緊張の糸が切れて空気が緩慢としました。

 

 でも……この事は序章に過ぎなかったのかもしれません。

 

 どこからともなく、見たこともない鎧をつけた一団が、私達の帰路を襲ってきたんです。いきなり攻撃された事で陣形は崩れてしまい、怪我人も出ていますが、幸い生徒達に被害は出ていません。逆に戦える生徒も戦闘に参加していたなんとか凌いでいますが……敵をどれだけ倒しても後から出てきます。それに敵の鎧は意外と硬く、数人がかりでやっと倒せます。騎士団の人達も戦いに参加する生徒にも疲弊が見られました。

 

(私も……何かできる事を……)

 

 あの人に会って……私は変わる様に努力しました。全てはあの人の傍にいるために。

 

(もう……あんな悲しそうな顔をさせない為に……)

 

 私は負傷した騎士団の人達の手当てをしていきました。確かに私にも使える攻撃魔法はありますが、同じクラスのリシテアさんが私達に近づく敵を片っ端から倒してくれています。私よりも年下なのに凄いと感じつつも、私もできる事をして行きます。ですが……

 

「しまった⁉︎」

 

 リシテアさんの攻撃を掻い潜って私の所へ一目散に駆けてくる敵……そのまま手に持っている物を私に振りかぶってきました。

 

(せめてこの人だけでも守らないと!)

 

 無意識のうちに私は手当てをしている人を庇いました。あと少しで私に攻撃が当たるでしょう。それもまともに喰らってしまうでしょうから……最悪の場合ここで死んでしまうかもしれません。

 

 昔は……死にたくても自分から命を断つ事ができない臆病者でした。でもあの人と……クレイ先生と会った事で変わった。私は……私の命をあの人の為に使いたいって。だから……

 

(ここで死にたくない……私は……あの人の夢を支えたい!)

 

 そう思ったとしても敵の攻撃は止まらないでしょう。私の身体に敵の刃が当たる……頭に耐えれるように意識を集中させました。

 

 でも……いつまで経っても痛みが来ません。もしかしたら痛みが襲う前に事切れたのかもしれない……恐る恐る目を開けました。でも瞳に映った景色はさっきまでと同じでした。ゆっくりと後ろを振り返るとそこに……

 

 

 

 

 

 

 

貴様……僕の大切な患者()に手を上げようとしたな?

 

 後ろ姿で私を助けてくれた人の顔が見えません。見えないけど……

 

「クレイ先生……来て……くれたんですね……」

 

 自然と私の口からその言葉が出ていました。

 

 

 

side out

 

 

 

 

 生徒達も戦っていた。中にはリシテアやマリアンヌの姿も見て取れた。彼女達もここ数年大きく成長した様だ。その時、リシテアの攻撃を躱して一体マリアンヌに攻撃を仕掛けるロボットが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガン細胞風情がっ‼︎

 

 僕はうちから沸き上がる怒りを感じた。そしてマリアンヌに攻撃しようとした敵の刃を止め、直ぐに頭をかち割って行動不能にした。

 

「クレイ先生……来て……くれたんですね……」

 

 背後からマリアンヌの安心した様な……そんな声が聞こえる。しかしこの姿でよく分かったな……

 

「久しぶりだなマリアンヌ。久方ぶりの再会で僕も話したい事があるが……先ずはこの状況を何とかするか」

 

 僕は一歩踏み出した。それと同時に鎧の類と武器も装備する。一瞬も目も離さなかった人からすれば、ただ一歩踏み出しただけでどんなカラクリだと思うだろう。装備としては、腰あたりにスカートの様なアーマーと、両腰にその上から大きな鞘状の物、そして僕の右手には何も飾り気がないレイピアが持たれていた。

 

 そこからやる事は早かった。まずリシテアが食い止めている敵の頭を一突きし……それだけでロボットは動かなくなる。同様に他のロボット共も頭を一突きした。

 

「あ、アスクレピオス先生っ⁉︎」

 

「やぁリシテア。偶然だな。といっても数節前に会ったばかりだが……ともかく今はこのガン細胞共を蹴散らしに行く。君は後退して怪我人の治療をして欲しい」

 

「で、でもこの数を先生1人だけじゃあ……」

 

「心配はいらない。何せこの地(患者)から(病魔)を駆除するのも医者の務めだからな」

 

「そ、そうなんですね……」

 

「だからここは僕に任せて欲しい」

 

「わ、分かりました。でも怪我だけはしないで下さいね⁉︎ 絶対ですよ⁉︎」

 

「あぁ、分かっている」

 

 そう返事をして僕は近くの奴らから駆除していった。手こずっている騎士団の所にも介入して、騎士団の連中には生徒を守る様にと伝えて後退させた。それは全然で戦っていた生徒達も同様にだ。

 

 そうすると敵の目は必然的にこちらに向かう。状況的に僕VSロボット集団だ。

 

ウィー、ウィー、ウィーン、ウィーン、ガショ、ガショ……

 

 そんな機械音がこちらに近付いてくる。

 

(まぁ……僕の患者に手を出したんだ。この場にいるガン細胞どもも今から駆除される事を分かってこの場にいると見たって誰も文句は言わないだろう)

 

 僕はそう思ったと同時に、直線上にいたロボットの腹をレイピアで貫いた。それも後ろにいた奴事……そして上に振れば奴らの頭が吹き飛ぶ。まずは2体。そこから速さに物を言わせてどんどん敵を貫いては捨てて行く。

 

 そしたら学習したのだろう。腹を貫いたらそれを離さず、僕の動きを封じてきた。後ろから何機か僕を攻撃しようと迫って来る。

 

 だがそれは悪手だ。僕はレイピアのスイッチを入れて持ち手と刀身を分離させた。後ろから敵が振りかぶると同時に空に飛び、僕に当てようとした攻撃は逆にレイピアの刀身を掴んで離さなかったロボットに当たっていた。それを確認した後更にスイッチを押した。すると、ロボットの装甲に突き刺さった刃が爆発し、僕に切りかかってきた1体も巻き込まれた。そして後ろから襲おうとしたもう1体を、僕の踵から迫り出したブレードでロボットの頭を踵落としの要領でカチ割る。

 

 両腰の鞘にはそれぞれ3つずつ穴が開いている。ソーマは左側の鞘のうちの1つの穴に持ち手部分で刃を支える方を差し込んだ。すると自然と鞘はスライドした。スライドが終わると、そこにはさっきと同じレイピアが握られていて、ソーマは次の目標に向けて突き進む。そして遠くの敵に対しては後ろに備え付けられていた銃でロボットを壊し、近くの敵には変わらず突き刺して壊していた。

 

 そんな事をしていると、また敵は学んだのか今度は僕を取り囲む。僕をここから出さずに嬲り倒すのが目的の様だが……正直僕は空をも蹴って飛べる。だからあまり良い方法とは言えない。

 

(まぁ飛ばなくてもこれぐらいなら直ぐ対処は可能だ)

 

 腰の前に備え付けられているアーマーから2つ何か迫り出した。それを持って左右に向く様に構えた。その武器はハンドガンサイズの銃で……

 

「セイフティ解除」

 

 ソーマがボソリというと、どちら共の銃がカチッと音を立てた。次の瞬間、

 

ガンッ! ガンッガンッ‼︎

 

 銃口から次々と弾が発射され。その銃声の数と一緒にロボットは打ち砕かれて機能を停止して行く。銃声が鳴り終わる頃には、そこに立っているロボットは1体もいなかった。

 

「司令官、アンドロイド隊回収部に告げる。これからある座標を送る。壊れてる機械の回収を頼む」

 

『分かった。こちらで手配する』

 

 司令官とそんな会話をして僕は未だに負傷者がいる所に歩いていき、先程の空気など全く関係ないと言わんばかりに、普通に治療をしていった。

 

 しかしながらこの後、ソーマに女難が訪れるという事を……彼自身認識していない……

 




戦闘が終わって負傷者も治療し終えた後の事……

マ「クレイ先生!」

ソ「マリアンヌか。さっきも言ったが久しぶりだな」

マ「はい! あの……先生は何故こちらに?」

ソ「あぁ、その事だが「アスクレピオス先生ー!」ん?」

 ソーマとマリアンヌに近づいて来るリシテア

リ「あれっ? アスクレピオス先生とマリアンヌって知り合いですか?」

ソ「ん? あぁ、患者としてカウンセリングをした。それからの付き合いだな」

マ「でも私……その頃は全てに絶望して塞ぎ込んでいたから……その時にクレイ先生からこの子を経由して交換日記をする事になったの。会ったのは1度だけだけど、それからもこの交換日記で連絡を取り合っているんです」

 ソーマの使いである白い蛇を撫でながらそう言う。

リ「えぇーっ⁉︎ それで交換日記ができるの⁉︎ ずるい⁉︎ 私は一節毎の手紙でのやり取りだったのに‼︎ でも数節に1度は先生の検診で会えたから良いんだけど……」

マ「えっ? 数節に1度? それってどういう……」

リ「そういえばさっきからアスクレピオス先生の事をクレイ先生って呼んでるけど……」

マ・リ「先生……どういう事(ですか)?」

ソ「……僕にも色々とやるべき事があったという事だ」

マ・リ「説明になってない(いません)‼︎ ちゃんと説明して(下さい)‼︎」

ソ「……」

 その後……しどろもどろになりながらもなんとか本人達が納得する形で説明した。

 一方他にソーマと縁がある人達は……

「ヒェェェッ……なんか私達を助けてくれた人が怒られてるぅ〜……あれ? でもあの人……アスレイさんに似ている気が」

「あらあら……私の事を助けてくれた人だわ〜。でも今行くとまた話がこじれそうだから、ゆっくりとした時間に一緒にお茶でもしながらお話ししようかしら〜」

「ん? あれって……あ、アスクレピオスさんっ⁉︎ また何でこんな所に……にしてもあの人の戦い方マジで容赦ねぇぜ……兄貴が愚痴るのもわかる気がするわ〜」



 大体こんな感じの反応でした。

本日の解説

:ガンダム・ヴィダール

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」2期より
ヴィダールという人物が登場したガンダム・フレームに数えられる機体。

武装

・バーストサーベル
・ヴィダール専用ライフル
・ハンドガン
・脚部ハンターエッジ

より詳しい内容はWikipedia参照……

それでは、次回お楽しみに
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