☆9 可愛い=世界 様
☆1 ばんぱいあ 様
投稿までに長い期間が開いたにも関わらず、ご評価頂きましてありがとうございます!
投稿スピードはこれまでよりも遅くなりそうですが、それでもちびちびと書いていくつもりです。楽しみにしていただいている読者の皆様には申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。
それでは本編をご覧下さい!
僕はレアに言われた様に3学級の級長に挨拶をしに来ていた。所々であの場にいた生徒達に呼び止められてお礼を言われたが、僕としては当然の事をしただけだと、そんな事を言ってその場を後にした。
最初に挨拶に来たのは、あの
「ねぇ、やっぱり俺の呼び方だけおかしくない?」
「ん? どうした
「いやいやいかねぇよ⁉︎ それと俺どこも悪くないから‼︎」
「そうか……それは残念だ」
「……なんかこれ以上言うとまた不名誉なあだ名で呼ばれそうだから何も言わねぇ。それでこんな所でお医者様が何してるんだい?」
「何をしている、か。何、先程レアさんから頼まれてこの3学級の副担任を受け持つことになった。だからその挨拶と、それぞれの学級に属する生徒達の情報を見に来た」
「えっ? オタクが俺らの副担任をするってのかい? それも3学級も?」
「全く……僕はただ医療行為をしたいだけだというのに……。まぁ決まった以上文句は言わんさ。そういう事だから、宜しくなツッコミ役くん」
「こ、この人もはや俺の事を名前で呼んでくれねぇ……そ、それで俺達の学級の生徒だったよな? それならこれだな」
「ふむ、そうか。実際に生徒を見たいから少し借りるぞ」
「えっ? まぁ良いけど」
「用が済んだら返しにくる。それではな」
そしてソーマはツッコミ役と別れた。
「……なんか他にも俺の事をツッコミ役って呼んでる気がする」
気のせいである。
次にソーマが訪れた学級がディミトリの所である。
「あっ、アスクレピオスさん! こんな所で何をしてるんですか?」
「あぁ、実はかくかくしかじかでな……」
「なるほど……あなたが僕達のクラス含めて副担任になるという事ですね」
「そういう事だ。そこで早速なのだが、君が所属しているクラスの名簿を貸してほしい。実際にどんな生徒か見てみたいのでな」
「分かりました。こちらです」
「ありがとう。用が済んだらまた返しに来るからな」
「はい! それと……なんですが」
「ん? どうかしたか? もしかしてどこか具合が悪いのか? ならすぐに救護室に行こうか」
「いえ! 俺は体調はどこも悪くなってないです‼︎ その、これはできればのお願い事なんですが……俺と1戦、模擬戦をしてくれませんか?」
「……僕は医者だ。それに見たところ君は武術に優れているな。無駄な筋肉が付いていないように見える。そんな君と、ただの医者である僕が模擬戦をしたところで、結果は見えているだろう?」
「そんな事はありません! あの夜……あなたはあの賊共を瞬時に拘束しました。それに後から出た鎧を着込んだ者達もあっという間に倒していたと、クラスの生徒から聞いています」
「俺は、確かに幼少から武術の鍛錬などにも勤んできました。そのお陰もあって、今の士官学校の模擬戦でも負けた事は殆どありません。ですが裏を返せば……俺は今の生活にどこか刺激が足りないと感じています」
「だからこそ! あの夜出会ったあなたの戦い方が……俺には美しく見えたし、それでいて力強く見えました。あなたと1戦だけでもいい……模擬戦をすれば、俺は今の生活で足りないと感じる何かを掴めるかもしれない‼︎ だから……お願いです! 1戦だけでもいい! 俺と模擬戦をして下さい‼︎」
ディミトリが勢い良く頭を下げてソーマに言う。周りにいる生徒達やこの司祭達は、遠くにいたので何を話しているかは分からないものの、ガルグ=マクのいち生徒が部外者であるソーマに対して勢い良く頭を下げていた事に何事かと思った。
それを感じていたソーマも、ここで断るのは得策ではないと思い……
「……分かった。用事が済んだら君の元を訪れるとしよう」
「っ‼︎ ありがとうございます‼︎ 先生‼︎」
「あくまで暫定的にで、僕はまだ君達の先生になった訳ではない。だからそんなに大きな声で言うものではない」
「し、失礼しました。ではまた!」
「あぁ、ではな」
そう言ってソーマはディミトリから離れていく。そして次に向かう場所はと言うと……
「っ⁉︎」
「っ‼︎」
一瞬瞳を交差させ……
ピシッ、ガシッ、グッ、グッ
「えっ? えぇっと……師にヒューベルト……一体何をやっているのかしら?」
ソーマが最後に訪れた級長……それは勿論エルのところであった。しかしエルは長身の男子生徒と何やら話し込んでいた。そこにソーマが来たのだが、ソーマとヒューベルトが目を合わせた瞬間、両者は何かを感じ取った。
それから2人はお互いに近付いて謎の動作を息ピッタリに行ったのである。まるで長らく友人をやっているかの様に……
「いえ、なにやらこの男を見ると私との感性がどうにも似通っていると言いますか……その様なシンパシーを覚えましてな。そして頭に先程浮かんだ動作をやってみれば、物の見事にあうではありませんか。いやはやこれはなかなか……嬉しいものですね」
「そんな事を言われても私知らないのだけど……」
「まぁ大半が君と同じ事を言うだろうな」
「ところで黒衣が似合うあなたはどなたでしょうか? 確か私達が危ない時にも駆けつけてくれていた様に記憶しているのですが……」
「僕の名前はアスクレピオス。ただのしがない医者だ」
「なんと! お医者様でしたか! なるほど通りで……して、エーデルガルト様はアスクレピオス殿の事を師と言っていた様ですが?」
「えぇ。あなたにも結構話したでしょう? 私を地獄から救ってくれた恩人の事を」
「っ⁉︎ すると……あなた様があの⁉︎」
「僕がどの様にエルから話されているか分からないが……エルを助けたと言うのは事実だな」
「そうでしたか……」
そう言ってヒューベルトはソーマに片膝をついて頭を下げた。
「急になにをしている?」
ソーマは内心驚きながらもヒューベルトに問う。
「私ごとにはなりますが……我が主人をあの地獄の様な日々から救って頂き感謝しております。私はエーデルガルト様の従者をその時からしていたのですが、未だ未熟で力のなかった私にはどうしようも出来ず……苦渋に満たされておりました」
「そんな中、エーデルガルト様含む兄弟の方々も忽然と姿を消したと言われた時は……私の中に絶望が満ち溢れたというもの。ですがそれから数年……エーデルガルト様は帰ってこられた。そして話を聞きました。それはあなたと会ってからの話を何回も」
「それで思ったのです。我が主人を救って下さった方に会い、再びエーデルガルト様の従者として仕える事が出来たことに対するお礼をしたいと」
「そして、今ここでお礼を申し上げたい。エーデルガルト様を救ってくれた事……感謝していますと」
ヒューベルトのお礼をソーマは最後まで聞いた。そしてソーマは……
「僕はただ、僕のやりたい事をしただけだ。それでその子の命を救えたのなら……僕は見返りなど求めない」
「だが……君が切にお礼を言っている事は分かる。だから受け取ろう。君からのお礼を」
「ありがとうございます」
「あぁ。だからもう頭を上げてくれ。それと傅かなくてもいい。分かったのなら普通にしてくれ」
「はい」
そう言われてヒューベルトは元の姿勢に戻った。
「ヒューベルトが他の人にあんなお礼をするところなんて……見た事ないわね。珍しい物が見れたわ」
「え、エーデルガルト様……あまりその様な事を言われるのは」
「ふふっ、他の人も見たらとても驚くと思うわ!」
「お、お戯れはそこまでに……」
「ふふふ……そうね。それで師、私のところに来たという事は、何か用事があるのではないかしら」
「そうだった。それでここに来たのはカクカクしかじかでな……」
「なるほど……私達の副担任になって欲しいと頼まれたのね? それも3クラスの」
「あぁ。僕はただ医療行為がしたいだけだったのだがな……」
「ふふっ……貴方の口癖も変わらないわね。まぁともかくとして、これが私達のクラス名簿よ」
「ありがとう。用事が済んだらすぐに返しにくる」
「分かったわ。あっ、そうだ‼︎」
「ん? どうかしたか?」
「師ってここの修道院について全然わからない事だらけでしょう? だから……その……」
「エーデルガルト様……まさか⁉︎」
エーデルガルトがこれから何を言うのか、ヒューベルトは表情で分かった様である。その時のエーデルガルトの表情は……上目遣いで頬を赤らめていた。
「わ、私がここを案内しても……良いかしら?」
「……そうだな。僕もここに来るのは初めてだし、案内をお願いできるか?」
「っ‼︎ えぇ! 勿論よ‼︎」
「では私にはやる事がありますのでここで」
「分かったわ。それじゃあ師! 行きましょう‼︎」
「わ、分かったから手を引っ張るな⁉︎」
エーデルガルトはソーマの手を取って早歩きで案内をする。ソーマはいきなりの事でエーデルガルトに手を引かれる形となり、前に傾いた姿勢でついていくのであった。
それを見送るヒューベルトは……
「あの方でしたら……エーデルガルト様をお任せしても問題はありませんな」
そんな事を……20歳にもならぬ学生が感慨深い様相で呟いていた。
それからソーマはエルに連れられて様々な所を案内されつつ、3クラスの名簿を片手に生徒達の名前と様相を合致させていく。
そんな中リシテアとマリアンヌがソーマに気付き、その際にエーデルガルトが何故ソーマを案内しているのかの一悶着があったが、どうにか折り合いは付けたようで、3人一緒にソーマを案内することになった。
しかしその時もソーマの手を誰が握るのかを、彼女達はガチの目をしながら争い合っていた。それもジャンケンで……
そしてあいこが何十回と続いていき、最終的にはエーデルガルトとマリアンヌがその権利を勝ち取った。1人負けてしまったリシテアは物凄く悔しそうにしていたようだ。
それを待っていたソーマさんは……1人ベンチで日向ぼっこに興じており、その際に集まってきた猫の相手もしていました。その光景を見ていたこの3人は……
(わ、私も猫の格好をすればあんな風に撫で撫でして貰えるのかしら///)
(アスクレピオス先生ってあんな顔も出来るんだ〜……もっと見たいなぁ〜)
(あぁ……愛でられている猫も可愛いけど、クレイ先生も物凄く可愛い♡ い、今にでも抱きしめたいわ)
と、この様に思った様です。
一通り修道院内とそれぞれの主要生徒を認識した後、各級長に名簿を返した。それをレアに報告すると、今日の夜はベレスとソーマの新任会を行うとレアが言ってくる。
「いや、こんな僕が参加したとしてもなんら面白みに欠けるだろう。だかr「先に言っておくのですが、拒否権はありません。ですから参加しないという選択肢はないものと思って下さい」……はぁ、分かった。参加すれば良いんだな?」
「えぇ。それに貴方の活躍はこの20年、私の元にも届いていますから……もし仮に逃げようとしたら暴露してでも参加してもらいます」
「……まさかまた僕の黒歴史が捏造されているのか」
こので漸くソーマさんは、ここ20年間でも自らの行いが黒歴史とされている事に知った様です……
そして夜に行われる新任会でも、まさか自分を中心にあんな事態に発展する事を……ソーマさんはまだ知りません。
猫のコスプレをしたエーデルガルトさん……物凄く可愛いと思います‼︎ いやもう本当に! そこら辺ソーマさんはどう思いますか?
「……ノーコメントだ」
視線を晒して答えるソーマさんがいました……