貴様にも味あわせてやる!ゲッターの恐ろしさをな!!外伝   作:小此木

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adachi様、影鴉様、Gifld様、trotaro様、亜蘭作務村様誤字報告ありがとうございました。


第5話 オルレアン後編

 

 

 

今日で、竜馬さんがレイシフトされて数日が経った。

黒ジャンヌとファヴニールをジークフリードのお陰で退けた僕達は、Dr.ロマンの通信を聞いて驚いた。竜馬さん…師匠が、何とレイシフトされたと言う驚くべき事態。Dr.ロマンとダ・ヴィンチちゃんによる調査で裏付けもされている。師匠は、魔術師適性が一般人の僕より低く、レイシフト適性なんて皆無だった。そんな人が何かの手違いで、強制レイシフトさせられてしまった。レイシフトの誤差は数時間から数日の前後。

師匠は、突然この世界に来て途方に暮れているかもしれない。レイシフトの際何らかの影響を受けて体に異常をきたしているかもしれない。そんな不安で僕はこのところ夜もあまり寝れていない。

 

「先輩、少し休んだ方が良いです。ここ数日まともに眠っていないじゃないですか。」

「大丈夫だよマシュ。僕なんかに比べたら、師匠は…」

「気にするな、とは言わねぇ。だが、今休んどかねぇと、竜馬を保護するにも不手際が生じる可能性もある。だから、今は休んどけ。」

「兄貴…」

 

此処まで沢山の人に助けら、仲間になってもらって来た。マシュにジャンヌさん、マリーさん、モーツァルトさん、ジークフリートさん、エリザベートさん、清姫さん、ゲオルギウスさん。

皆の力が無かったら、僕は黒ジャンヌの居るオルレアンの近くまで来れなかったと思う。

 

「分かったよ…」

「やっと寝たか。手の掛かる弟分だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、おい!起きろマスター!!」

「先輩、起きて下さい!!」

 

ん?…そうか、僕寝ちゃったんだ。

 

「二人とも、どうしたの?それに、ジャンヌさん達は?」

「先にオルレアンの様子を見に行ってもらっている。ついさっきオルレアンで大きな爆発が起きてな、それの調査だ。」

「ッ!?この時代のジルさん達の奇襲ですか!?」

「分からん。だが、奇襲にしても規模がデカすぎる<ドドン!!>ッ!今の音もその爆発だ。…マジで城を落とす気なのか?」

 

正体不明の大規模戦闘。早くジャンヌさん達に追い付いて何がどうなっているのか聞かないと!それに、師匠がその戦闘に巻き込まれたりしていたら…

 

「皆、急いで向かおう!」

「「はい(おお)!!」」

 

 

 

■□■□

 

 

 

私は今、何を見ているの?

 

「俺の覇気を止められるか!ぬうん!おおおおっ!ほわたぁ!!」

 

私の目の前で、このオルレアンへ集結させたワイバーンやゾンビ兵、(むくろ)の兵達が次々と倒されて行っている。先程も正体不明の()()()()が一瞬ブレ、私が気付いた時には数十の兵を蹴り飛ばしていたわ…それも、サーヴァントである私の視力を持ってしても、見えたのは蹴り終えた右足と吹き飛ばされた兵達だけといった異常な現象で。

 

それにこの()()()()は、竜属性を持っているかもしれない。本当に、ほっんとうに、驚く事に、一番最初にあの()()()()の餌食になったのが、私が使役していたファヴニールだったわ。それも、滅多打ちにされ、空高く打ち上げられ、()()()()の右腕から出て来た白い龍に喰われて行ってしまった…私は本当に()と戦っているの!?

 

真覇光拳(しんはこうけん)!はあああっ!!」

 

またバケモノの(てのひら)から繰り出さられる、白き龍がまたも数十の兵をなぎ倒していっているし…

 

「隙あり!って我が剣が!?」

「敗北は恥…だと言うのに何故、不死身の吸血鬼である余が手も足も出せない!?」

 

バーサーク・セイバー、バーサーク・ランサーも参戦していますが、()()()()を倒す未来がまるで見えて来ないわ…って今度は、セイバーのレイピアを目も向けずに避け、それに合わせたランサーの槍を跳躍で躱した!?

 

「我が宝具『螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)』で召喚した海魔をお前は何故、恐れない!?」

「は?こんなタコ共なら見慣れてるぜ!それより、テメェら弱すぎて相手にするのが面倒になって来たな…」

 

それに海魔を恐れず、何時もの事の様に素手で(ほふ)っています。一騎当千の()()()()め!!何度でも言います!私は()と戦っているのですか!?

 

「はああああっ!!」

「今度は一体何ですか!?セイバー、ランサー、ジル!()()()()が何か仕掛けて来ます!力を溜めている今、全力で()()()()に宝具を叩き込んでください!!」

百合の花散る剣の舞踏(フルール・ド・リス)!!』

血塗れ王鬼(カズィクル・ベイ)!!』

螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)!!』

 

セイバーのレイピアに合わせて、ランサーの血の槍が地面から生え、その槍を物ともしない海魔が()()()()へ殺到し、逃げ場を無くして行く。これなら行けるかもしれません…

 

ですが、咄嗟の命令でしたから、正直やり過ぎたと私は思って()()()()。そう、()()()()()()()()

 

「おりゃあっ!!」

「キャァ!?」

 

そして、()()()()は迫り来るセイバーのレイピアを(こぶし)一つで粉砕し、セイバーを私が立っている場所の遥か後方へ吹き飛ばして行ったわ。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

地面から生えていた槍と迫り来る海魔を目にも止まらぬパンチで打ち砕き、ランサーとジルへ肉薄して、

 

「なっ!?」

「いつの間に!?」

「でやあっ!!」

 

二人を宙に浮かせ、()()()()はファブニールを打倒した()()を放った。

 

「城ごと貫け、覇龍!奥義!『轟覇機神拳(ごうはきしんけん)』!!」

 

…え?()()()()は今、何て言った?しろ、ごと?まさか、城ごとじゃないでしょうね!?

 

「そ、そんなバカなぁぁぁぁぁ!!」

「申し訳ありません、ジャンヌゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

そんな事を一瞬思った私は、ランサーとジルが白い龍と共に吹き飛ばされて行った方向を目で追い…

 

「あ、あははははは。こ、コレは夢です。そうに違いないわ…」

 

私は、オルレアンの城が半壊して行くのを見る事しか出来なかった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

雑魚共を一掃した俺は、最初に俺へ攻撃を指示した女の下へ向かっている。他の奴らに指示を出し、一番偉い奴だと思いこの世界?の情報を聞く為、あえて攻撃せず生かして…もとい、五体満足のままにしているからな。

 

<ギュピ!ギュピ!!>

 

ん?俺が歩いた後に変な効果音が…

 

「ひっ、く、来るな!バケモノ!!」

「俺が、バケモノ?違うな…あくmって、本当に違うわ!!一つ聞きたいことがあるだがいいか?」

「ルーラーである私に、この距離で真名が見えないサーヴァントが存在するわけないわ!一体貴方は何者なのよ!?」

 

この姉ちゃん、どんだけ取り乱してんだ?城やビルなんぞ日常茶飯事にぶっ壊れているだろうが。(※当然そんな事は無い。竜馬の常識は、デモンベインとチェンゲ世界に大きく影響を受けている為、普通の人より大きく逸脱していた。)

 

「真、名?だかサーヴァントだか知らんが、俺は只の人間だ。名前は竜馬。此処は何処だ?それと、お前は誰だ?」

「お、お前みたいな人間が存在してたまりますか!!」

 

せっかく五体満足で生かしてやっているのに強情な人だな。それも、俺の故郷(ヒャッハーな世紀末世界)じゃこんな良待遇、滅多にないってのによ。

 

「俺は、言葉のドッチボールじゃなくて、キャッチボールをしたいんだが?」

「戯言を!貴方は、私を〝竜の魔女〟ジャンヌ・ダルクだと知って、もう一人の()へ手を貸していた連中の仲間なんでしょう!!」

 

うーん。全く訳が分からん。この姉ちゃん、完全に俺を敵対勢力の先兵だと思い込んでやがる。自分の中で結論を勝手に完結した奴から情報を聞くのは、愚策だなよな。

 

「ヘイヘイ、そう言う事にしておきますよ。じゃ、もう俺はアンタに用はねぇ。此処でくたばるなり、何処かへ逃げなり好きにすればいい。…はぁ、とんだとばっちりだったぜ。」

「は?へ?わ、私を倒さないのですか?」

「アンタからの理不尽な歓迎の不満は、此処の戦力をぶっ潰して解消したからいいわ。無論、それでも挑んでくるなら相手はするぜ。」

 

さて、次は大きい街にでも行って、情報収集をしますかね。

 

「わ、私はジャンヌ・ダルクです!この世界を『師匠ぉぉぉぉぉ!!』って、今度は何ですか!いったい何が起こっているのです!?」

「ん?この声聞き覚えが『師匠!無事だったんですね!!』ああ、カルデアで鍛えている立香君じゃないか。って、待てよ。確か特異点にレイシフトしている筈…まさか俺、レイシフトされた!?」

 

待て待て待て、思い出せ俺!立香達を送り出した時、立香達が幽霊みたいに透けてたよな。それで俺の場合…透けてた!透けてたよ!!じゃ、じゃあ俺って、特異点とやらにレイシフトしたわけ!?

 

「師匠!心配したんですよ!!数日前に突然レイシフトされたって聞いて、僕もマシュも無事を祈りながら探していたんです!!でも良かった、師匠が無傷で。それと、此処で大規模な戦闘があったらしいんですけど、いったい何処の軍が来たか見ませんでした?僕達が近づいた時には終わっちゃってて―」

「…待てマスター。俺の予想が正しければ、これを起こした犯人は―」

「ん?どうしたんだ兄貴?」

「あ、それ俺だわ。」

「「「えぇー!?」」」

「やっぱり。」

 

それから俺は、立香達に此処へ来た時からさっきまでの事を簡単に説明した。

 

「…すまない。俺は役に立てなかったな。」

「ジークフリード、気にしなくていいよ。僕達の師匠()は色々と規格外だから…」

 

き、規格外って…そ、それよりも!!

 

()()()()フリードだって!?ど、何処にフリード星の王子がいるんだ!?」

「ど、どうしたんですか竜馬さん?その、()()()フリードなら、そこの胸が青く光っている方ですが?」

「え、うん?()()()()じゃなくて、()()()?な、名前が違う!人違いだった、申し訳ない!!」

 

響が似ていたから聞き間違えてしまった。

 

「あ、あの一ついいでしょうか?」

「ん?いいけど…ジャンヌさんの姉?妹?さんかな?」

 

黒い甲冑のジャンヌさんとは対照的な白い甲冑の女性が、突然話し掛けて来た。

 

「い、いえ、姉妹と言うか、私の黒い部分と言うか…って、そんな事より!コレは竜馬さん一人でやったんですか!?それも、シュヴァリエ・デオン、ヴラド三世それに変わり果ててしまったジル相手に!?」

「そいつらがどいつかは分からんが、そうだ。それと、黒トカゲ君も数えてやれよ。仲間外れじゃかわいそうだろ?」

「ファ、ファヴニールが黒トカゲ君…」

 

それから立香君達はジャンヌさんと話をし、何故かジャンヌさんはこちらをチラッと見た途端消えて行った。これで、解決かな?

 

「そう言えば、師匠はどうやってレイシフト出来たんですか?その状態を再現しないと、ダ・ヴィンチちゃんとDr.ロマン曰くレイシフト出来ないそうです。」

「あー、やっぱり。今から見せるのは、一種の奥義みたいなもんだ。お前等が死ぬまでに習得すれば合格かな。」

「何としてでも習得してみます!!」

「私も先輩と頑張ります!!」

 

ま、俺の見立てじゃ、数十年ぐらいこのまま修行すれば習得できるだろう。…俺達がいなくなってもって条件が付くがな。下地がまだまだ出来ていないから仕方ないけど、俺達に任せれば数年で習得させてみせるぜ。

 

「よく見とけよ、これが『はぁぁぁぁぁはぁっ!!』明鏡止水だ!!」

『こ、この数値はとんでもない!!…大英雄並、いやそれ以上かもしれないぞ!?』

「これが、奥義…」

「私達に出来るでしょうか?」

「…スカサハ、お前が探していたヤツを見つけたぜ(小声)」

 

そして、俺達はマシュちゃんの盾の力でカルデアへ戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―某日、某所―

 

「フフフ、こんなに気分が良いのは何時ぶりだろう?」

 

彼又は彼女はその空間で今の愉悦を堪能していた。

 

「久しぶりに狂気と暴力の世界にでも行ってみようかな?…ん?アレは?」

 

そんな彼又は彼女が漂う空間に、見慣れぬ()()()が現れた。

 

「ククク、アハハハハハハハハ!!この()を呼び出そうと言うのカイ!何処の誰かは分からないが、いい度胸じゃないカ!!何時もなら分体を送り込んで、阿鼻叫喚を造り出し、それを眺めながら美酒に酔うけど…気分が良い今日は、()自身が行こうじゃないか!!」

 

そして、彼又は彼女は躊躇なく魔法陣に乗り、

 

「ム、少し場所が遠いね。そんな時は()の力も貸してアゲルヨ!!」

 

自身の力も使いその呼び出しを行った術者に会いに行った。

 

『こ、これは!?皆下がって!神霊いや、()が召喚されようとしている!!どうなるかは僕達にも分からない!皆気を付けるんだ!!』

「…ホウ、僕が神って分かるんだ。優秀だね君。」

 

それが、彼又は彼女の大きな間違いだった。

 

「今の僕は気分が良いんだ。つい最近僕を別の神格へ祭り上げた奴らがいてさ、そいつらが鬱陶しくて騙したんだよ。そいつ等、僕の言葉を鵜呑みにして出て行ったんだ!これで、僕は元の神格に戻れる!!おっと、これは私情だったね。でも、気にしないで。直ぐにこの世界を混沌と暴力、狂気で満たしてアゲルカラサ!!」

 

鬱陶しい存在を騙し、遠くに避けた事を自慢げに話す神。

 

「ほほう、誰を騙したって?」

「そりゃ、決まってる。竜馬とその番いの神隼人「つ、番い!?そ、そんな嬉し―」あ、あと、おまけの武蔵って…さっきから聞き覚えのある声が!?」

 

ギギギギと錆びた歯車の様に声のする方を見た神は、

 

「よう、久しぶりだな俺達の地球の女神(ナイアルラトホテップ)。その話、奥でじっくり聞こうじゃないか?」

「あ、竜馬君。無事だったんだね。」

「殺す!!」

「か、神殺しはギャァァァァァ!?」

 

明鏡止水状態の竜馬にサンドバックにされてしまった。

 

「竜馬の番い、竜馬の番い、竜馬の番い!!」

「お、おまけ?この私がおまけ…」

 

若干二名程放心状態になってしまっているが、些細な事だろう。

 

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