貴様にも味あわせてやる!ゲッターの恐ろしさをな!!外伝   作:小此木

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尾羽太様誤字報告ありがとうございました。


第6話 セプテム前編

 

 

 

…この世界へ来て数日。()は、あの時の軽率な行動を悔いながら日々を過ごしている。

 

()()()、特異点で入手した〝QP〟なる宝石です!御納め下さい!!」

「い、いや、藤丸君…だったかな?「はい!女神様に覚えて頂き光栄です!!」そ、そう…って、違うよ!?毎日僕に特異点?で手に入れた貴重品を奉納しなくていいって言っているじゃないか!!」

 

竜馬君がカルデア内の一室にジャパンと云う島国の〝鳥居付神社〟を小さく再現して造り、勝手に僕を祭り上げてしまった。その日から僕の部屋は半ば強制的に此処になったんだが、カルデアの職員が休憩時間に入れ代わり立ち代わり貴重な品や食料を奉納しに来ている。

正直、邪神の僕には不必要な事で、人間共の悲鳴や絶望なら喜んで受け取るんだけどね。

 

「大丈夫です!ダ・ヴィンチちゃんから、他の特異点にも同じようにQPが発生すると調査で分かったと聞きましたから!!」

「そ、そうなの…」

 

この僕、邪神ナイアルラトホテップを女神と疑わず崇め信仰するカルデアで生き残った人間達。この僕が邪神だと知って絶望するところを見てみたいのだが、この地球にはこの特殊な磁場で守られた〝カルデア〟のみにしか人間は生き残っていない。そんな状態で絶望に落としたとしても、僕の力は1ミリも上がらないし…最悪、竜馬君に消滅させられてしまう。

 

〝ゲッター線〟と呼ばれる僕の力も寄せ付けない力を自在に操り、神や霊体にも触れられる〝明鏡止水〟と呼ばれる武の頂点を極めた彼は正しく武神だ。そんな彼や彼の仲間、神隼人と武蔵を騙して()()()()()()()()()へ飛ばし、少しの平穏(どうせゲッターロボを使って僕の地球へ帰って来るからね)を楽しもうと思ったのに…何でこんな事になったんだろう。

 

「それでは!師匠との訓練がありますので!!」

「はぁ、気を付けて行ってきなよ。」

 

藤丸君とマシュ君が、これ以上竜馬君に汚染されないように祈るしかないね。それにしても、竜馬君は邪神を何だと思っているんだい。英霊って存在を身体に憑依させる為に造られた試験管ベイビーの失敗作共を素体にして人間の精製、英霊?の霊格変換って…まるで、武蔵君から聞いた異世界転生?なるものを行っていた女神の仕事だよ…この世界の人間共も業が深いねぇ。以前、僕がさせていたムーンチャイルド計画に似てる…いや、僕の方がもっと、もっト、モット面白イ事スルケドネ!最後ハ自身ノ造ッタ物ニ殺サレ絶望ニ沈ンデ僕ノ糧トナルノサ!!…ふぅ、少し落ち着こうか。こんなとこ竜馬君に見つかったら、またボコボコにされちゃうよ。

 

だが、竜馬君に召喚されたのも、女神に祭り上げられたのも、そもそもの原因なのはレフとか云うボケが人類を焼却するからだ!人類には程よく希望をちらつかせて、それを目の前で簡単に捻り潰し絶望の底へ叩き落し、その感情を僕の糧にしてこそ意味があるんだぞ!!この地球の絶望を集めれば、僕の神格だって竜馬君を打倒できるまで上がったかもしれないのに!!レフ・ライノールめ!見つけ出したら混沌たる僕の全力で、地獄すら生ぬるい絶望へ叩き込んデアゲルヨ!!

 

 

 

■□■□

 

 

 

「おら()()、今日算出したカルデア内の電力削減案だ。私と竜馬の技術も使うが、既存の技術と部品交換で約50%の電力量をカットできる。ダ・ヴィンチのアマが此処へ来てから改善をしているらしいが、以前の資料と現状を鑑みるに近いうちに此処は電力不足で機能を停止するぜ。」

「まさか、そこまでなんて…レフやってくれたわね。」

 

私の名前は、オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィア。

このカルデアの所長をやっているわ。先日レフが引き起こした爆発で肉体を失ってしまったけど武蔵さんに魂を保護してもらい、彼女達()()()()の女神、ナイア様によって生き返らせて頂いた。今度また貴重な私物を奉納しに行かないといけないわね。

 

話は戻るけど、今現在人類最後の希望である私達のカルデアは窮地に立っている―そこ!元々窮地に立ってたなんて言わない!!オホン、おかしいわね。自分の中でこれまでの事を整理していたつもりなのに、幻聴が聞こえ出したみたい。現在カルデアで火急の要事は、破壊された施設と電気系統の復旧、今残っている人材の体調管理にメンタルケアと自給自足の強化、機械類の部品の確保…ってこれじゃ、ほとんどでしょうが!!

 

「私はこのままダ・ヴィンチの補助をやって行くが、この案は実行していいか?一応ダ・ヴィンチにも見せたが、同じ意見だったぜ。」

「実行して構わないわ。それと、ロマニに会ったら伝えといて。」

 

それにしても、茶色のツナギって云う普通は色気の無い服なのに、目の前で美人な隼人さんが汗をかきならが着ているのを見たら…成程、汗をかきながら働く女性は綺麗で美しいわね。

 

「ああん?何で私が?自分で伝えればいいじゃねぇか。」

「私も伝えたのよ…でも、聞いてくれなかったわ。」

「分かったよ。で、何て言えば良い?」

「〝あまり無理をしないで〟って。私が復活して貴女達も来てくれた。大分楽になったけれど、此処の職員は私を含め20人程度。レイシフト先の指揮に自分の管轄だった医療に、スタッフの統率なんて彼はやっていたのよ。今だけでいいから少しは休みなさって念を押しておいてほしいの。」

「分かったぜ。(ロマンのヤツは、色々抱えていた昔の竜馬に似てんな。)」

 

ロマニにも困ったものね。でも、私がいなくなった時、仕事を押し付けてしまったのは事実。ロマニは藤丸君とマシュに懐かれているから、今後レイシフトの際には彼らの指揮をやってもらうつもりよ。医療スタッフには、臨時で入ってもらっている武蔵さんと妖精さん1号?さんと2号?さんを中心に動いてもらいましょう。

 

それに、引き続きカルデア内の補修と改修はダ・ヴィンチちゃんと隼人さん、竜馬さんにやってもらう。実戦訓練は、何故か藤丸君が師事している竜馬さんを中心にサーヴァントである英雄クー・フーリン達に対応してもらう事にするわ。

 

「まだまだ問題が山積みね。でも、こちら側には、私の肉体を蘇らせて下さった女神様がいるのよ!レフにこれ以上好き勝手させるもんですか!!」

 

 

 

■□■□

 

 

 

レイシフトって訳の分からん事に巻き込まれた俺は、無事ここカルデアに戻って来れた。

 

「それそれ!俺の槍が見切れるか!!」

「クソッ!今の僕じゃ受けきれない!!」

「先輩には絶対当てさせない!!」

「マスターは私の後ろに!我が旗よ、我が同胞を守りたまえ!我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)!!」

「ぼ、僕だって守られてばかりじゃ!!」

 

おー、おー。槍が持てるようになって、今日も全開だな(やり)ニキは。んで、対照的に立香の奴は何をやってんだ?

 

「はい、立香減点だ。戦闘においてお前は司令塔。お前が負けた途端、白ジャンヌとマシュは行動不能になっちまう。今のお前程度の実力なら、どれだけ惨めだろうが今は敵から自分の存在を隠す事が先決だ。誰かの背中に隠れたり、岩や建物、自身を隠せる場所から指示を出し敵を倒す、或いは逃げる事が大事だって言わなかったか!!」

「で、でも女の子が頑張っているのに僕は…」

「喝!!」

 

此処で女だ男だって言っている場合か!!

 

「おいおい、立香。お前はつい最近まで戦闘経験のない一般人だったんだ。そんな奴が直ぐに戦えるわけねぇだろが!今は生き残る事だけ考えろ!!マシュは特殊訓練を受けているが、俺に言わせれば一般人に毛が生えたもんだ。が、お前よりはマシだ。白ジャンヌは生前でも戦闘経験があり、軍を動かして来た存在だ。そんな彼女らを女だ子供だという変な固定概念で括るんじゃねぇ!!」

「申し訳、ありませんでした!!」

「よし!じゃ、再開だ!次はマリーさんも(やり)ニキ側に付いて訓練に参加してくれ。」

「あら、あらあらあら?ジャンヌとは敵対関係になってしまいますね。」

「そうですねマリー。でも、これも訓練には必要な事です。竜馬の指示に従いましょう。」

「ええ。」

 

ここカルデアには、過去の英霊をサーヴァントとして召喚できる施設が存在している。好き勝手に呼べるのではなく、呼符と云う物を使って召喚するのだが、特異点から回収した聖杯や敵対していたサーヴァントを倒すと稀に落としていく。

 

前回で1つ。今回で4つ呼符を手に入れた。立香君が前回召喚したのは、(やり)ニキことクー・フーリンの兄さん。今はナイアさんの力によって、霊衣解放?が出来るようになってランサーとキャスターのどちらでもなれるようになった。次は白いジャンヌ・ダルクとマリー・アントワネットの仲良しコンビを召喚している。

 

「さぁ、私も参戦(鬱憤晴らし)してきます。いいですよねマスター?」

「いや、駄目だって()()()ちゃん!アンタが行けば、訓練じゃなく本気の戦闘吹っ掛けるだろ!!」

 

そして、何故か俺もやってみろとロマンがしつこかったから試してみたら…サーヴァントが二人?召喚出来てしまった。一人目は言わずもがな俺達の地球の女神(ナイアルラトホテップ)。俺達に、ゲッターが任意で世界を渡れると嘘を言って別世界へ飛ばしたクソッたれ…もとい、女神様(笑)だ。お灸をすえる為、明鏡止水状態で機神猛撃拳を3発叩き込んでやった。当然の報いだ。

 

もう一人召喚したのが、何かと白ジャンヌに突っ掛かって行くジャンヌちゃ…もとい邪ンヌちゃん。俺が彼女の仲間をボコボコにしたことをしっかりと覚えていたが、何故か懐かれてしまった。

 

「貴方みたいに神を(ほふ)る事が出来るまで、私を鍛えてくれって頼みましたよね。約束を破る気ですか?それなら此処の人間、皆殺しにしてしまいます。」

「へいへい、仰せのままにお嬢様。立香達とは別のメニューになるぜ。それと、隼人と武蔵にナイアさんがいるから、此処の所員を皆殺しって逆立ちしたって出来っこねぇけどな。」

「そんな事は分かっています。一種の冗談よ。だけど、今に見ていなさい!いつか貴方に吠え面をかかせてやるわ!!」

 

こんなやり取りも慣れたもんだ。人類殺すウーマンから神様殺すウーマンに変わっただけだけど、初めて会った時よりいい笑顔するようになったじゃねぇか。

 

「さて、組手でm<ゾクリ!!>ひぃ!?な、何だ俺の体を這いずるような殺気は!?」

「りょ・う・ま(どす黒いハート)。今、何、してんだ?」

 

鬼!?いや、魑魅魍魎の類か!?って、

 

「は、隼人!?何でそんなに怒ってるんだ!?」

「何も、私は怒ってないぜ。」

 

絶対怒ってる!ぜぇったい怒ってる!!

 

「マスター、その、何でしょう、頑張って生き残ってくださいね!!(般若の顔した隼人に勝てる筈ないでしょう!?)」

「ちょ、お前、俺のサーヴァントだろ!マスター守れよ!!」

「唯の村娘に、鬼神相手は無茶よ!!」

 

アイツ、逃げやがった!クソッ、立香達は…って、そんなに首を横に振るなよ!!

 

「いや、その、何だ…煮るなり焼くなり好きにしやがれ!!」

『…我は無敵なり、』

 

武技言語(ぶぎげんご)〟発動!?隼人本気で技を出すつもりか!?…こうなりゃ、腹括って此処を生き残るしか選択肢はねぇ!!

 

『我が影技に敵う者無し、我が一撃は無敵なり!!』

 

く、来る!?

 

「はぁぁぁぁぁだりゃあっ!!」

神音(カノン)!!』

 

俺の明鏡止水と隼人の神速の蹴りがぶつかり、

 

「き、今日のくん、練は終わりだ立、香…」

「し、師匠!?ししょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

そこで俺の意識は消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ!?じゃ、邪ンヌちゃんとイチャついて見えたから蹴り飛ばした!?」

「…スマン武蔵。」

 

医務室で少し休憩していたら、隼人ちゃんが竜馬を担いでやって来た。ま、何時もの痴話喧嘩だろう…何故隼人ちゃんは、私には構ってくれないのに竜馬ばっかり!!

 

「ムカつくから、此処で息の根止めるか(小声)」

「あぁ、竜馬。ゴメン、本当にゴメン。起きたら何でもしてやる!膝枕に、添い寝、あ、あーんだってやってやるから許してくれ!!」

「…此処で息の根止めてやる!!」

「ちょ、どうした武蔵!?竜馬の首を絞めるな、死んじゃうだろ!?」

「コロス!!」

 

私にもキャッキャウフフな思いをさせろー!!

 

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