白鷺千聖が「狂う」まで   作:陰炎

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陰炎という者です。過去に「隠神カムイ」氏の方で数話委託させてもらった「ヤンデル彼女ノ陰」というものを、最新話(6話)を携えて思い切ってあげてみようと思い、今回上げさせてもらいました。

委託作品を再投稿という事なので、内容、文、言葉選び等は少し委託した物とは変わっています。

委託していた時では、不定期更新且つ、4話~5話の間が約半年を超えており、楽しみに頂いていた方には申し訳ないと思っております。その辺はリアルの事情が絡んできて忙しく、中々続きを描けずにいました。
今後とも不定期更新にはなりますが、引き続き宜しく御願い申し上げます。

それでは「役者」である彼女が狂うまでの本編をご覧下さい。



玉利 陽の照明担当のバンドに「なにが」あったのか
第1話 「好かれている?」


 

 

僕の名前は陽。本名は「玉利 陽」っていう。みんなからは「ようちゃん」とか呼ばれている。

 

最近、とあるバンドのスタジオのことを任されてスタジオにいることが多くなった。

 

「なぜ自分がバンドのスタジオを任されたのか」というのが分からないまま、スタジオにいる。

 

自分の専門はどちらかというと美術で、何より音楽の知識なんてひとつもなかった。その美術さえも微妙な自分が、何故こんな所に居るか不思議になるくらい、自分はここにいることに違和感を覚える。

 

ただ、どうやら人付き合いはどうやら得意らしく「燐子」と呼ばれる少女とは仲良くやっていたりする。

 

実の所、彼女はじつは人付き合いが苦手らしい。だから自分は上手いと言われているんだろう。

 

そして、そんなことを考えながら仕事をしていると、突然綺麗な金髪の子がこっちに来た。「あの、陽さん!」と、声をかけられる。

 

彼女、あまり見覚えはないけれど...誰なんだろうか?

 

うちのバンドのスタジオ使ってるのかな?

 

「私、千聖といいます!パスパレでバンドやってるんですが...」

 

どうやらうちでもライブをしているバンドらしい。

 

ただ自分は主に裏で色々している人なので、話かけられる理由がないし、何故?

 

「今日、照明はあなたがされたのですよね?」

 

と、尋ねられる。

 

「何故わざわざそれを聞くんだい?」と返す。

 

「い、いや、なんか私ばっかりにスポットライトかかってたから...」と彼女は答えた。

 

「ああ、なるほど...」

 

...ちょっとまて。

 

今日自分は何をしていた?

 

...あれ?照明作業した覚えがない。

 

何より千聖さんは今日初対面だ。そんなことするのはミス以外ありえない。さらに言えばさっきも思い返した通り、照明作業をした覚えがないし、何より自分はここに入って数週間だ。何故彼女は自分の名前を...?

 

「ああ...やっぱりあなたがやってくれたんですね...!」

 

彼女は勝手に安心している。

 

「い、いや、自分は...」と否定しようとしたのだが彼女は食い気味に

 

「あの、良ければなんですけど、よかったら今度お話しませんか?今は仕事があって...」

 

と、彼女は勝手に話を進めていた。どうやら今度話がしたいらしい。

 

「あ、ああ。構わないよ」

 

考え事をしていた自分はとっさに反応出来ず、曖昧な返事になってしまう。

 

「よかった...!それじゃ明後日ここでまたお願いしますね!」

 

と言って千聖さんは立ち去って行ってしまった。

 

「千聖さん...どっかで聞いたような?」と自分は彼女について考えていた。

 

「パスパレ」と呼ばれるバンドグループにいるのは間違いないが、普段こういうバンドっていうのは3~5人ほどでやってるはず。

 

というか、まず裏方の人に一人で来て話すというのが引っかかる。「そういやさっきのライブで照明していたのは誰なんだ?」と、確認してみる。

 

...あ、「音斎」(おとき)先輩じゃないか!

 

音斎先輩はうちのスタジオでは「かなりの千聖さん好き」と聞いている。彼なら確かにやりかねない...

 

ただこの筋て通るとなぜわざわざ自分のところに来たのかが気になる。

 

自分はいまさっきはRoseliaのライブの音響をやってたはず。なのに何故...?

 

そんなことしてる間に音斎先輩が来た。「ようよーう!陽くんや。いまさっきのパスパレのライブみたかー?」と言ってきた。

 

「いや、自分はRoseliaの音響をしてたんすよね...」

 

と自信なさげに言うと「おー?その様子じゃ見てないなー?見とけよなー!千聖ちゃんにいっぱいライト当ててたんだからなー!」と自慢げに返してきた。

 

やはり照明は先輩がやっていたようで、「それでな、それでなー!」と色々自慢げに千聖さんのことを話す、いつも通りの音斎先輩だった。

 

色々話を聞いていると定時が来て帰る時間になった。考えていたことはすっかり忘れていた。今日は色々疲れ切っていたので帰ることにした。

 

「...ふふ、ふふふ...」

 

...?なんか聞こえたけど気のせいか。帰ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月9日

 

 

 

やっとあの人に話かけられた。可愛かった。ずっと一緒にいたかったけど、時間がなかった。あの人は、忙しそうだった。あんなオタクと喋っていたけど、私の好きなあなたには変わりはありません。今日はあの燐子とかいうやつとは話してはいなかったから何もしないでやった。前のがきいたのかしら。

 

 

 

「...ふぅ。」

 

私は日記にペンを置いた。

 

この日記は、【あの人】を見るための日記。

【あの人】のための日記。

 

 

 

 

 

...【あの人】をまもるための日記

 

 

 

つづく

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