白鷺千聖が「狂う」まで   作:陰炎

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連続投稿最新話である「第6話」です。


それでは本編をご覧下さい。


第6話 「行方不明」

「ふふ...」

ぼんやりと、あまり聞き慣れない声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

「...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ...ちんまいなのに調子乗るからそうなるのよ...」

 

 

 

 

 

 

「...!ここ...どこ...?」

私はハッキリと目を覚ました。だが、周りは病院ではなく、ましては自宅でもない、紛れもなく「何か」の地下室だった。

掃除こそされてはいるが、薄暗く、窓もなく、外がどうなっていても分からない。無論、誰が話しているかもぼやけていて顔が見えない。

 

 

 

「...何がしたいの!?あこが、何をしたっていうの!!?」

とりあえずぶっきらぼうに問いかける。

 

 

 

 

すると______

 

 

 

 

 

 

「うるさいわね...!少しは黙ったらどう!?」

 

 

 

 

 

 

薄暗くてあまり見えないのに、勢い良く「何か」が壁に刺さったのは分かった。

 

 

 

 

 

「...っ!?」

 

 

 

 

 

 

刺さった所、そして少し見えた顔の眼から出ている「殺気」。

この殺気から内心にかなりの恐怖心が込み上げてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この人は...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____本気であこを殺す勢いだ。

 

 

 

 

 

 

 

「あ...あぁ...」

恐怖心から泣きながらお姉ちゃんに助けを求めた。

 

 

 

 

 

「お姉...ちゃ...」

 

 

 

 

お姉ちゃんを呼ぼうとした途端、更に殺気が増し、

 

 

 

 

 

 

「...貴女これ以上話したら喉元潰すわよ」

 

 

 

 

 

 

 

さっき壁に刺さっていた「何か」を引き抜き、あこの首に振りかざされる。

振りかざしている所には、軽い力がはいっており、首から少しとは言え「血」が出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

「...!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____あまりにショッキングな出来事に「コイツ」は気を失った。

 

「...所詮はちんまいのお子様ね。この程度で気を失うのだから。これも貴女が悪いのよ...。こんな器で【あの人】を支えられる訳ないじゃない。」

 

 

 

 

 

本当に「コイツ」が【あの人】に話しかけるなんて信じられない。

 

 

 

 

イライラしてきた。

 

 

 

 

 

 

 

「貴女は見てるだけでイライラするのよ...!」

 

 

 

 

 

 

 

ぶっきらぼうに手を振りかざそうとした。だが___

 

 

 

 

「...」

 

 

 

 

だが、手は止まった。

 

 

 

 

 

「...っ!」

 

 

 

 

_____途端に【あの人】の事を思い出してしまい、

 

 

「コイツの顔面」からブレて壁を殴った。

 

 

 

「...」

 

 

 

だが憎しみが収まらずまどろっこしくなった。

 

 

 

 

 

 

「...気が変わったわ。また今度痛みつけてあげる。」

 

 

 

 

 

 

 

私「白鷺 千聖」は怒りを抑え、この「監禁部屋」を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

4月13日。

 

「陽」は目を覚ました。

今日は仕事だ。

 

 

「ふあぁ...いっぱい寝れたなぁ。昨日は千聖に迷惑かけたなぁ。」

 

 

昨日はお見舞いのために千聖との予定を少し削った事が申し訳なくなってしまう。

 

 

「でも、Roseliaはとりあえず大丈夫そうだし、よかったなぁ。」

 

 

そう安所しながら自宅を後にする。

 

 

ライブハウスに着いた。入るとすぐ先に音斎(おとき)先輩が立っていた。

 

 

 

「よぉ、陽くん。どうだった燐子ちゃんは?」

 

 

燐子の様態を聞いてきたので

 

 

「元気そうにはしてました。ですが...」

 

 

僕はとりあえず全て話した。すると音斎先輩は

 

 

「そうか...あれだけボロボロだったんだし、彼女にとってはかなり恐怖を植え付けられたんだろう。無理もないな。」

 

 

音斎先輩はやっぱりか、という感じに返した。

 

 

「あ、そうだ陽くん。今日はRoseliaの皆はお見舞いで休むって連絡が入ったんだ。今日は代わりに「Afterglow」の子らの所に行ってくれないか。」

 

 

と、急に連絡をくれた。

 

 

「了解です、「あふたーぐろう」って子らのとこですね。」

 

 

「ああ。あんま理解してなさそーだけど、もうメンバーの子が1人来ているはずだから、コイツで練習部屋を開けてやってくれ」

 

 

 

なんであまり理解出来てないのがバレた。

といいながら音斎先輩から鍵をもらいその部屋まで目ざした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、あんたが新人の人か」

 

部屋の前には既に1人、「赤髪の姉御肌」という印象が強い人がいた。

 

「あ、はい。新人スタッフの陽です。」

軽い挨拶をした。すると

 

「私は宇田川 巴っていうんだ。」

と返された。

...ん?宇田川?

 

「宇田川...じゃああこちゃんは?」

ちょっとした質問を投げる

 

「ん?あこは私の妹だよ。あんた、あこと結構仲良くやってるって聞いてるよ!」

意外な反応が来た。

 

まさかのあこちゃんが言っていたお姉さんだった。

「あこちゃんのお姉さんでしたか。恐縮です...」

ちょっと頭が下がったが、巴さんは「ははは。いいんだよ、うん!」と、明るく返してくれた。

 

「あこちゃん元気してます?」

 

と、何の変哲もない返しの途端に巴さんの顔が暗くなる。

 

「えっと...それがさ」

何か訳ありのようだ。

 

「昨日、あこに連絡を入れっきりで帰ってきていないんだ。あんた、何か知ってることとかは…?」

 

 

「...え!?」

 

 

あこちゃんが昨晩から帰ってきていないだって!?

 

「昨日燐子さんの看病で病院行きっきりでさ。それ以来見ていないんだ。あんた、確か一緒にいたんだろ?」

 

巴さんはある程度状況は理解しているようだ。

 

 

「...それが、実は昨日はあこちゃんより前に帰ってしまって...二人の時間がどうしても必要だと思って....」

 

本当のことを話す。するとやっぱり巴さんは

 

「そうか...すまないな。

あの2人、かなり仲良いからそういう時間も必要だし陽さんは悪くないよ。」

巴さんは仕方がないと励ましの言葉をくれた。

 

「しかし、それにしてもいきなりなんで...?」

と、2人で難しい顔をしていた時に

 

 

 

「巴!どうしたのー?」

 

 

 

とたんに後ろから新しい子がきた。

「うわっ!?「ひまり」!?いきなりとびかかんなよ~!」

 

巴さんはびっくりしていた。

 

「えっと...彼女は?」

ひまりと呼ばれた彼女について問いただす。

 

 

「えっと彼女は...」

 

 

「上原ひまりでーす!!」

 

 

巴さんが紹介しようとした時に(少し食い気味に)大きな声で自己紹介をした。

 

 

「上原ひまりさん、だね。よーし覚えた!」

 

髪の毛が薄いピンクでふわふわな髪をしており、なにより柔らかそうな印象が付いた。

 

と、整理している間に巴さんが

「ひまり、いつから居たんだよ~?」と言って、

 

「え~っとね、あこちゃんが居ないとから辺かな?」

と返した。

 

____だいたい大筋は理解しているようだ。

 

すると巴さんは

「...そうだ!なぁ、陽さん、ひまり!一緒にあこを探してくれないか!?」

と、思いきった発言をする。

 

ひまりさんは

「いいよ!巴がこまってるんだもん!」とかなりやる気だ。よっぽど仲がいいんだろう。

 

無論、自分もそのつもりだ。人がいなくなるのは立派な事件ではある。だが

 

 

「探すのは賛成だけど...宛を探さないと」

と気になった。

 

だが巴さんは

「その辺に関しては燐子さんのところに行けばある程度分かるかも。陽さんが帰った後にもあこが居たのなら燐子さんもなにかは知ってるはず」

と、余裕に返す。

 

 

そして

「...あと、この事については3人の秘密にして欲しい」

とも言った。

 

続けてひまりさんが

「あんまり皆に迷惑かけるのもあれかもね。でも蘭とかモカ、つぐみはどうしよう」

 

と言った。蘭、モカ、つぐみという子達はおそらくafterglowのメンバーなんだろう。

 

巴さんが更に続け、

「全員に教えたら練習どころじゃなくなるだろ。だからここは私と、ひまり、そして陽さんの3人だけだ。無闇な危険を晒す訳にも行かない。」と返した。

 

僕は

「...なるほど、ならライブや練習後に手分けして探すことでいいのかな?」

と提案する。

 

二人は頷いて

くれ、「頑張ってあこを見つけるぞー!」とひまりさんが掛け声を入れ、

僕も入るように「おー!」と気合いを入れた。

 

 

______この時、僕らはこの「事」の大きさに気づかなかった。

 

 

 

暗い暗い地下室の中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喋ったら殺されてしまう中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あこはもう精神の限界だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______お姉ちゃん...助けて...

 

 

 

つづく




連続投稿は以上になります。

引き続き「ヤンデル彼女ノ陰」改め「白鷺千聖が「狂う」まで」を宜しく御願い致します。
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