ワンピース~俺の推しが女体化してるんだが?~ 作:ジャミトフの狗
とはいえ、意外とサラダローを知らない人っているんですね。
やっぱりこの作品異端なんやなって……。
あ、今回メッチャ時間飛びます。八年ほど。
苦節八年。ハートの海賊団が旗揚げをすると、ローは即座に仲間集めを始めた。無論そこには俺もいた。
あれから強引に『ポーラータンク号』に詰め込まれた俺は、結局ローの心臓を返すこともできず、また俺自身の心臓が返されることもなく、なし崩しでコック兼副船長としてローを支えることになる(一応ちゃんとしたコックが後から加入する)。ローのおかげでいろいろ吹っ切れたし、あれだけ誘ってくれたのだから俺から折れるしかない。というか、ローが死ねば俺も死ぬし、俺が死ねばローも死ぬのだからこうなるのは必至だったのだろう。
仲間集めがひと段落つけば今度は金や医療器具、食料、ログポース等の必要な物資、
とはいえ、入念な準備を重ねに重ねた俺たちは、ついに
割と敵船に容赦のないローの悪名はすぐに広まり、即賞金首になった。とはいえ、彼女が悪党な海賊と世界政府に関わる海軍を良く思わないのは仕方がないわけで。そこに関して俺から特に話す事はない。ただ何故か、そのちょっぴり危険なローと一緒にいる俺も懸賞金をかけられた。海軍の基準は良く分からない。
俺たちの航路はそこそこ時間がかかった。数年かけて前半の海を攻略したといえばその長さが分かるだろう。行く先々で問題が起こったり、磁気の記録に時間がかかったのがその原因である。また道中に強敵と言える海賊や海軍が現れた訳だが、そこは流石未来の七武海、その全てを粉砕してようやくシャボンディ諸島に到着した。
「ようやくここまで来たわね。ホント、長かった」
「ああ、一人も欠けなくて良かった」
視界に広がるは無数のシャボン玉が浮かぶ巨大なマングローブ群。事前情報によると、あれは厳密には島ではなくマングローブ、正式名称ヤルキマンマングローブの集合体らしい。そのためいくら滞在しようがログに影響はない。まさに新世界に臨む海賊の最後の準備場所って訳だ。
「1~29と書かれてあるマングローブは無法地帯らしいわ。船を泊めるならそこね」
「あいよ。じゃあ俺ちょっと見てくるわ」
島が見えたら俺が偵察する。この流れがテンプレートとなっている。
「ええ、任せる」
「行ってらっしゃーい、副キャプテン!」
「おう、行ってくるよべポ」
かわいいウチのマスコットを撫でる。この八年で随分と大きくなったが、相変わらずかわいい。この純真無垢な感じが非常に愛くるしい。特に懸賞金が100ベリーだって分かってしょぼくれた時が一番良かった。
★
トリトリの実、モデル『ハリオアマツバメ』。俺の食べた悪魔の実の正式名称はそうらしい。なんか動物に詳しいウチのクルーが教えてくれた。トリトリの実は世界でも有数の飛行能力をもつ悪魔の実である。しかしよくよく考えると、空を飛べるのって実はあまり珍しくもない気がする。使い方次第で空を飛ぶことが出来る悪魔の実なんていくらでもあるし、なんならこの世界体術で月歩とかあるし。割と悲しみが深いな。
とはいえ、空を飛ぶことは気持ちがいい。それにそこまで体力を使うことなく常に飛行可能なのは確かな強みであると思う。実際、こうして空から探索できるのはトリトリの実の特権だろう。
「ああ、あの場所がよさそうだな」
空から見る限り確かに1~29番は無法地帯のようだ。人相の悪い奴らが多いし、建物はだいたい荒廃している。しかも港に停泊しているのは海賊船ばかりだ。いかにも雰囲気が悪い。これが馴染みあるのだから、俺も立派な海賊という事なのだろう。
対して60~69と書かれてあるマングローブには海軍の駐屯所が多いように見える。これだけ海賊が跋扈してる島なのだから、さぞかし苦労している事だろう。ああ、でも確か奴隷文化が黙認された島なんだっけか。とすると、むしろ職務怠慢になるのかね。非常にどうでもいいことだ。
さて、ある程度目星をつけた。あとは船に戻るだけだ。
「おつかれツバメ。どうだった?」
「17番のマングローブが良さげだ。比較的人が少ないし、船を隠せる場所が多い。あと60から69のマングローブには近づかない方がいい。あそこは海軍の駐屯所ばかりだ」
「了解。聞いたわね! 17番グローブに向かうわ!」
「「「アイアイキャプテン!!!」」」
★
「ふーん、という事はこの島にゃあすでに何人も億越えのルーキーがいるって事か」
「へ、へぇ、そ、そうですが……」
「だから貴方達は私達の首を狙った、と」
「は、はいぃ。お、恐れながら……」
俺とローの前にひれ伏す十数の男たち。上陸して、荷下ろしを始めた俺らにいきなり奇襲を仕掛けてきた奴らだ。ぶっちゃけ驚くほど弱かった。良くこんなんで挑んできたと思う。度胸だけならそれこそ億越えだ。
「悪いな、ロー」
まさかこんな早く賞金稼ぎに囲まれるとは思わなかった。俺の失態だ。
「仕方ないわ。大方、闇討ちだけは得意だったのでしょう」
「で、どうする? やるか?」
「その前に、『メス』」
そう言って、ローは勢いよくこの集団のリーダー格らしき男の心臓を抜き取った。相変わらずえげつない技である。あれ潰したら死ぬんだからマジでやばい。というか、いつになったら心臓を返してくれるのだろう。
「ひ、ひいぃぃ!!」
「私の質問に正確に答えなさい。嘘をついたらどうなるか分かるわね?」
「はいいいいぃい!!」
「船を泊めるのに適した場所を教えなさい」
「喜んでぇぇぇ!!!」
即落ち3コマである。まぁ分かるが。俺も同じクチだし。
それからというもの、男はそれはもう必死で船を誘導してくれた。やはりウチの船長は素晴らしくスマートだ。少なくとも某麦わらの船長よりは。
「で、これからどうするよ」
「まずコーティング職人を探すわ。それが終わったらショッピング。付き合ってくれるわね」
そのルートと言うのが海底10,000mに位置する魚人島を目指す海底航路である。語るまでもなく、通常の船ではまず航海不可能だ。しかし、その不可能を可能にする技術がこの不思議世界にはある。それがこの島のシャボン玉で船を包むというものだ。すっごい間抜けに聞こえるかもしれないが、その技術を持つ職人なしでは新世界にいけない訳だ。
で、最後のショッピングは彼女の趣味である。
「あいよ。じゃあ俺は俺で探してみよう」
「大丈夫?」
「問題なし。さすがに海軍のお膝元で暴れようとは思わないさ」
「……そう」
腑に落ちないのか、少し不満げにつぶやくロー子。自分自身単独行動が好きなくせに、全く。
「まぁ、何かあればお前がいる」
心臓を共有している仲だからな。俺に何かあれば、具体的には心拍数が上がればローにもすぐ伝わる。そんでもって長い間互いの心臓を持ち続けた弊害か、お互いの位置が何となく分かるようになっている。だから問題ないだろう。
「そういう言い方はズルい」
「でも効率的だろ?」
「はぁ、好きにしなさい」
と、いう感じで許可をもらったのでツバメになって空を飛ぶ。行く場所は決まっていた。
・主人公
ついに名前が決定。感想でツバメ君と呼んでる人がいたのでそれを参考にしました(丸パクリ)。あと心臓を返してもらってない。でもなぜかローの心臓は持ってる。そのことに違和感を持たなくなるぐらいには、長い間心臓を共有している。そのため変な性質をもつようになった。
・ロー子
船長としてカリスマを発揮し、仲間からは慕われる良き船長。懸賞金は原作通り2億。ただ主人公にはいまだに依存しているというか、もはや共依存。長く過ごし続けたせいで、もし心臓を共有してなくとも主人公が死ねばたぶん後を追うかもしれないレベル。
・べポ
かわいい。筆者はぬいぐるみを持っている。