タイトル通りの作品です。
そしていつも通り魔王と勇者が出てきます。
満月が見える。
その満月はとても綺麗であり、ゆっくりと眺めたり告白するのには良い日だろう。
そんな中、ある二人の人物が向かい合っていた。
「くっ……ふっはっはっ!」
一人は全身が黒一色であり、五体があるのは認識出来るが表情が分からない。まるでシルエットのような人物であった。
その人物とは魔物の王様、魔王である。
「……何が、おかしい?」
もう一人の人物は青年と言える程若い男だった。
腰には巾着を付けており、片手に自身の身長程の剣を持っている。
その男は人一倍勇気を持っている人物。勇者と呼ばれる者である。
その勇者は突然魔王が笑いだした事に怒りを感じ、柄……剣の持つところを力強く握り冷静さを保つ。
「はっはっはっはっ!」
魔王が突然笑いだした事にはキチンと理由がある。
理由は魔王がふざけて仕掛けたトラップに勇者が引っ掛かったからである。
その若さではあるであろう、あるものが無かったのである。それは【かみ】頭から生えているもの【髪の毛】である。
「……ここまで長いようで短かった」
髪は長くも短くも無いんですが。
魔王は『引っ掛かった人物を禿げさせる』と言うふざけたトラップを作ったのだ。
理由としてはただ単に暇だったから。そのトラップを放置してた結果、風が起これば逆立つ程あった髪の毛が全て無くなったのだ。
正直、魔王は反省している。笑ってはいるが内心では『やべぇ、どうしよ……』と思っているのだ。
「数々の危機があり、神にあったりもした」
髪は無かったりもした。
魔王は勇者の言葉を気にせず……正確には気にする余裕も無く、どうしようか悩んでいた。
仮に自分が倒されたとしたら、魔王はハゲに倒された。と言う恥を魔物の歴史に残される。
自分が勝ったとしても、ハゲにしてしまった後悔を引きずってしまう。
魔王はとても気まずかった。
「そして、今! お前にとうとう会えた。決着を付けよう」
髪を付けよう。
魔王はその決断をした。魔法で勇者の頭部を髪がすぐに生えるようにし、何事も無かったかのように戦い始める。
それがベストであり、自分が負けたとしても恥ずかしい歴史が残ることは無いだろうと考えた。
「ふっ……かかってこい」
勇者は一歩足を出し、体を縮めて膝を曲げる。
そして脚に力を入れ、弾丸のように魔王に向かって飛び出す。
そのまま剣を構え始め、魔王を斬り付けようとする。
「なっ!?」
魔王は驚きながらも、上半身を反らし剣をかわす。
剣を持っている手首を横に押し、勇者を真横に飛ばす。
「まだまだぁ!」
勇者は飛ばされながらも剣を魔王に投げる。
魔王は上半身を戻し跳んで剣をかわす。
しかし右足に切り傷が入る。
「驚いたな」
魔王は驚いた。
何故なら勇者は服を着ていなかったからだ。
魔王は思い出した。前にふざけて『全裸になるトラップ』を仕掛けたことに。そしてそのトラップに勇者がまんまと引っ掛かったことに。
なんでこいつは気づかないんだよ……そう思うが、まずはこの状況をどうにかしないと。と思い、その事を考えるのを止めた。
「俺が丸腰になったところで、簡単に倒せると思うなよ?」
丸腰どころか、服すら無いんですが。
魔王はやってしまったと思った。
そして髪を生やすのと、服を着せる。その二つをしないといけないことに気づいた。
これらは全て自分のせいだが、やはりこんなことを思う。
とても気まずい。
これからはもうふざけてトラップを仕掛けないようにしよう。魔王は固く誓うことにした。
頑張りました。
主に勇者の言葉からの第三者視点で髪の話をしてるのを。
「数々の危機があり、神にあったりもした」
髪は無かったりもした。
こんなのを考えるのに時間がかかりました。