第2話 最早お爺ちゃん
あの日から一週間が過ぎた。その間、蘭のお父さんである玄三さんと将棋をしたり、日向ぼっこしたりと、2人でお爺ちゃんライフを楽しんでいた。しかし、今日は華道の会合とかで1日いないらしい。そんなこの頃。
「あなた誰ですか〜、あ、私はモカちゃんって言いまーす。」
「あぁ、ご丁寧にどうもなのだよ。自分は、蘭の従兄妹の大野利文と言う。」
「「「「はぁ...ご丁寧にどうも...」」」」
?何故みなさんは困惑していらっしゃる?
「利文。それじゃ硬すぎるよ、ただでさえ顔の幼さと雰囲気あってないんだから。」
「む、失礼な。蘭より歳上なのだよ自分は」
「「「「え?」」」」
そんな!?自分はそんなに歳上に見えないのか!?
「まぁ、取り敢えずこの4人は私の友達。遊びに来たの」
「あ、上原ひまりって言います!」
「宇田川巴です。」
「あ、は、羽沢つぐみです!」
「モカちゃんでーす」
「そうだったのか、自分の家ではないがどうぞゆっくりしていってくれ。」
「利文」
「なんだい蘭?」
「私たちリビングで遊ぶけどいい?」
「構わないのだよ、リビングは基本自分は使わないからな。何か、あったらいつものとこにいるのだよ」
「わかった」
さてと、ご挨拶できたし、縁側でお茶でも飲みますかな
「ねぇ、蘭あの人って本当に従兄妹なの?」
「うん。そうだけど、どうして?」
「なんか、ものすごく歳上に感じてね...」
「お爺ちゃんみたいでしたな〜」
「モカちゃん!」
「まぁ、たしかにお爺ちゃんぽかったな」
「巴ちゃんまで!」
利文...そりゃあ、あんな自己紹介されたらお爺ちゃんに感じるよね。顔はともかく。
「自他共に認めるお爺ちゃんだからねあれ」
「どうゆうこと蘭?」
「見ればわかるよ」
私は、みんなをあそこに案内した。
「おぉー本当にお爺ちゃんみたいですなー」
「す、凄い様になってる!」
「あんなに正座とお茶が合う人っているか?」
「な、なんか凄い」
案の定みんなびっくりしてる。というか本当に似合い過ぎ。あんな感じで、本当にお爺ちゃんになったらどうなるんだろ?
なんか先程から、視線を感じると思って横目で見たら廊下の角でトーテムポールの要領で、蘭を含めた5人がこちらを見ていた。はて?見て面白いことがあるだろうか?それなら少し曲でも弾きますかね。喜んでくれると嬉しいが。今日はあの曲で、
『FIND THE WAY』
「どうして君は〜小さな手で〜」
これは、種モビルスーツのエンディングである。戦争に巻き込まれた子供たちの苦悩、主人公の戦いへの葛藤が描かれている。この曲はそんなアニメの最後のエンディングである。これは、落ち込んでいたり悩んでいる時に聞くと自然と気持ちが軽くなったりしたものだ。
「進んだ道の先〜光が見つかる〜から〜」
蘭の従兄妹の人が、急にギターを持ってきて正座で弾き始めからどうしたんだろと思っていたけど、歌を聴いていたらそんな些事なことは忘れて聴き入っていた。聴いたことない曲だったけど、悲しみや葛藤と言ったものが私自身にダイレクトに伝わってきた。自然と涙が出てきた。驚いてみんなを見渡すと、蘭ちゃん以外が涙を流していた。あのモカちゃんが泣いているのには一番びっくりした。
パチパチ
「ん?」
引き終わると角の方から拍手が聞こえてきた。そういえば、いたんだった。
「どうしたのだよ?」
一応惚けながら聞いてみる。
「気づいてた癖に、相変わらず聴き入っちゃった」
「それは嬉しいが、蘭以外の方は何故に泣いている?」
「「「「あ、」」」」
「本当だ、なんでだろ?」
「なんだか自然と出てきたな」
「モカちゃん泣いてないもん...」
「あはは...」
何故だろう、モカちゃんが拗ねてる子供のようで微笑ましく感じてしまう。もしやこれが母性ならぬ爺性か!
「ほれ、モカちゃんや拗ねてないでこっちにきなされや、飴ちゃんあげよう」
「いや、そんなん「食べる〜」んなぁ!」
するとこっちにスタスタとやってきて、となりにきて飴ちゃんあげると、軽く尻尾が見えるくらいに猫っぽかった。微笑ましいの〜
「利文のお爺ちゃん感が増してきた...」
星9☆
ブーブー さん
ありがとうございます!
口調が安定しません!何か案はありませんかメーディーク!