第4話 お兄さんじゃないお爺さんだ!
「やはり、家の縁側の方が落ち着くのだよ」
美竹家に居候して1ヶ月が経ったので、現在自分の家に帰って来ていた。
「にしても、居候の件は自分に言って欲しかったのだよ、母よ」
「いいじゃない、あんたすぐ忘れるから蘭ちゃんに言った方が確実だったのよ」
反論しづらいな。
「まぁまぁ、利文のお爺ちゃん化は、今になって始まったことではないからいいじゃないか」
「フォローになっていないのだよ、父よ」
両親寄ってたかって息子を弄り始めるのは勘弁してほしい。
「で、お土産はなんなのだよ?」
「それがね、良いものがあったのよ利文に似合いそうなもの!はいこれ!」
そう言って取り出したのは玄三さんが着ているような着物だった。まだ自分に似合うからと選んだと買って来てくれたのはいいが、
「....旅行は海外ではなかったのか?」
「なんかそのつもりだったけど、一週間で飽きてね〜、日本に帰ってきて京都旅行してきたのよ!たのしかったわ〜」
「母さんのワガママには困ったけど確かにつまらなかったから御の字だったかな」
この両親かなりの自由人だから困る。おそらく自分の性格の形成の反面教師として活躍したと思う。
「取り敢えずありがとうなのだよ、父、母よ」
「「どういたしまして〜」」
本当にこの両親は、
「ん?蘭から連絡とは珍しい。どうかしたのか?」
メールを開いてみると、
『あんた忘れ物してるよ、しかもギター。』
あ、確かにない。
「いや、すまなかったのだよ蘭。最近物忘れがな」
「本当気をつけてよ、にしてもその着物どうしたの?お父さんのお下がり?」
「いや、旅行のお土産で貰ったのだよ」
「....海外に行ってたんじゃなかったっけ?」
「飽きて日本で旅行してたのだよ」
「本当すごいね利文の両親」
「まったくなのだよ」
確か、自分の和菓子が切れていたな、近くのコンビニで買っていくか、
「いらっしゃいませー!」
「サンシャイーン」
ん?この声は?
「モカちゃんではないか、ここでバイトしていたのか」
「おー!利文お爺ちゃんだ〜」
「ご苦労様なのだよ」
「モカの知り合い?」
「そうですよ〜利文お爺ちゃんでーす」
すると、自分の背後から声が聞こえた。振り返ると、確か、
「家庭系ギャル殿ではないか」
「あ、人参の人!」
その覚え方はどうなのだろう?
「あれー?知り合いなの?」
「あぁ、前にスーパーであって人参を譲ったのだよ」
やっぱり、人参の人だな自分。
「いや〜、この間はありがとうございました」
「気にしなくていいのだよ、それではこれでお暇するのだよ。モカちゃんバイト頑張るのだよ、そしてこれをあげるのだよ」
「わ〜い、ありがとござまーす」
レジのそばにある団子と羊羹を選んで買う。ついでにモカちゃんにパンを買ってあげた。ふっ、蘭から好きなものを既にリサーチ済みだ。孫(義理)には甘いのだよ!
「ねぇ、モカ、あの人って誰なの?」
「えぇ〜と、利文お爺ちゃんですよ〜」
「いやいや!そうじゃなくて!」
「んーと、蘭の従兄妹で童顔なのに自称お爺ちゃんですよ」
「蘭の従兄妹!?もしかして歳上!?」
「いや〜リサさんと一緒だった気がしますー」
「お兄さんじゃないんだ、」
「?お爺ちゃんですよ何言っているんですか〜?」
「私がおかしいの....?」
さて、お菓子も食べたし今日はこの曲で、
『ワンダーステラ』
「命儚い〜恋せよ少女よ〜」
このアニメのシリーズで一番好きなオープニングだ。しかし、普通の少女をいきなり戦わせるのも酷な話だが、まぁ創作物だと割り切るべきか。
「熱情を一つに〜世界を越える〜」
「ふぅ〜、.....人情はやはり素晴らしいものなのだよ、」
☆10
精霊空虚さん、無味無臭パンさん、クロロンヌさん
☆9
積怨正寶さん、漆塗りさん、ケータイさん
☆8
Siroapさん
評価ありがとうございます!
感想をくださった、ハイパー扇風機さん、幻想Dreamさん、AKUSES2511さんありがとうございます!