ここから二次創作特有の、能力の拡大解釈によるフランドールスカーレット無双が始まります。
運命を操る程度の能力。
レミリア自身はあまりこの能力の素晴らしさを理解していないが、フランドールからしたらこれほどに欲しい能力は滅多にない。
運命という強力な力の前では、どんな強者でも無力に等しい。
それは決して逆らえず、抗えず。どうしようもないのである。
要するに、フランドールは運命を上手く操り、自分にとって都合の悪い可能性を振り払おうとしているのだ。
【西行寺幽々子が常に誰かに見られ隙を見せない可能性、西行寺幽々子が力を残し私に抵抗する可能性、そのあらゆる可能性を事前に奪う。言うならば、私に都合のいい未来を手繰り寄せるということだ。だがしかし、お姉様にそんな事情を説明するわけにはいかないし、とはいえ、事情を説明することなく能力を使わせるなんてそれこそ運命を操らなければ不可能な所業……】
そこでフランドールスカーレットの選んだ手は
『ジョーカー』
彼女はそう呼んでいる。
フランドールスカーレットの切り札だ。
トランプにおけるジョーカーはあらゆるカードの代用として使える。この性質を今の状況に合わせ説明すると、つまりは
フランドールはレミリアの運命を操る程度の能力を、切り札ジョーカーによりコピーして使用しようとしているのだ。
ここで、そのジョーカーのメカニズムを説明しよう。
彼女フランドールスカーレットの能力は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』なのだが、この能力は決して物理的意味にだけ適用されるものではない。場合によれば、概念すらも破壊できるのである。
そこで彼女は考えた。
たとえば能力が体という器に収まっているものだとする。一人の体の中に、一つの能力だ。レミリアで言うと『レミリアスカーレットの中に、運命を操る程度の能力が入っている』フランドールで言うと『フランドールスカーレットの中に、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力が入っている』だ。
ではここで、フランドールが運命を操る程度の能力を収めている器の境界を少し壊したらどうなるだろう……?
運命を操る程度の能力が、レミリアスカーレットの器だけではなく、フランドールスカーレットの器まで含め、計二つの器によって収まっている、と概念がいじられたらどうなるだろう……?
これがまさに
この時点で、運命を操る程度の能力は、レミリアスカーレットだけのものではなく、フランドールスカーレットのものにもなったのだ。これこそ、切り札ジョーカーのメカニズムである。
ただし、こんな万能機能……決して安易に使えるものではない。
条件がある。まだあるかもしれないが、少なくともフランドールが把握してるだけで条件は二つある。
・心の壁がない相手の能力に対してのみ使用可能
・能力をコピーしても、その能力を使えるのは一度に一回だけ。また、体力を異常に消費するため、ジョーカーは一度使うとしばらくの間使用不可
能力を入れる器の壁を壊すためには、相手の中身を探らなければいけない。もちろん物理的にではなく精神的に、だ。そこで問題となるのが心の壁である。中身を探っていることが相手にバレることはないが、とはいえ閉じている精神に押し入ることなど、たとえフランドールでも無理なのである。フランドールに心を開いてる相手であることが最低条件なのだ。
レミリアはフランドールに心を開いているのでそれは問題ない。この世でただ一人の妹とはいえ、開いているどころかフランドールには何もかも心をオープンさせてしまっているレミリアもそれはそれでどうかと思うが……。
もう一方の条件に関してはそのままである。
器の破壊からの能力共有、この過程は実に不安定であるし体力を消費する。そのため、何度もコピーした能力を使用することはできない。コピーした分だけ、使用できる。また、同様の理由でそのコピーの技、ジョーカーも何度もは使用できない。一度使ってしまえば、場合によるが最低1ヶ月? くらいは使用できないだろう。
要するに、コピーした能力を使用できるのは一度に一回きり。使おうにも、そもそもの切り札ジョーカーが使用できるまでにある程度の休憩が必要なため、しばらくは使えないのである。
【このようないわくつきの切り札ではあるけれど、元々お姉様の能力は何回も連続で使うものではない……。一回で十分だ。そして西行寺幽々子を始末するのに成功する運命を引き寄せる……】
皮肉にも、コピーしたフランドールスカーレットの方が、運命を操る程度の能力について理解を示していた。そしてさらに皮肉にも、フランドールが理解していた運命を操る感覚がまさに、レミリアが適当に言った……
「まるで金魚を掬い取るように運命を掬い取る……!」
なのである。
こうして、フランドールは切り札ジョーカーにより自分の運命を味方につけた。そして、その間にも異変は進み、フランドールも白玉楼へ近づいていた。
「ふふ、楽しみだわ……私を脅かす奴らが一人、確実に一人ずつ消えてゆく様を見るのは……!」
誰にもバレぬよう、フランドールは静かに微笑んだ。
解説で一話、終わっちまったよぉ……(涙)
反省します。