作者の息抜き短編 銅わーるどへようこそ!   作:銅英雄

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3つ目の作品。ネタバレ注意。


プロローグ③

此処は兵庫県の某所。とある部室棟にて4人の男女がいた。

 

「そっちはどうだ?」

 

「駄目……。全く開かない!」

 

「そんな……」

 

「どうするのお兄ちゃん?」

 

「……ったく。どうしてこうなったんだか」

 

こうなった原因は今から30分前に遡る。

 

~回想~

 

俺達は今日もグラウンドにて野球の練習に励んでいた。とは言っても自主練だから俺とキャッチャーの雪穂しかいないが……。あとはマネージャーがいるくらいか?

 

「ラスト1球!」

 

「了解。いくぞ!」ビシュッ

 

キャッチャーの掛け声のもと俺は全力で投げる。

 

「」パァンッ

 

ボールがミットに納まるこの音が好きで下手くそでも俺は野球をやっていて、辞めることなくプロ野球選手を目指しているんだろう。

 

俺は七海直人(ななみなおと)。花丸高校の2年生だ。

 

「お疲れ!」

 

そして今声を掛けてくれたの七海雪穂(ななみゆきほ)は俺の妹……といっても血の繋がりがないから義妹になるが……。顔は勿論髪色も俺とは違う茶髪のボブカットだからな。

 

雪穂はこの地区では甲子園出場の有力なパワフル高校に進学する予定だったが、また俺とバッテリーを組みたいという理由でこの花丸高校に来てくれた。

 

「雪穂、もう50……いや、もう100球投げ込むぞ」

 

「まだやるの!?あんまり無茶は駄目だよお兄ちゃん」

 

「その通り!マネージャーとしてそれは許容できないよ」

 

「霧島……」

 

霧島玲奈(きりしまれな)。オレンジがかった茶髪を背中まで伸ばしている。うちの野球部のマネージャーで部員からはきりちゃんと呼ばれている。まぁ俺は呼んでいないがな。

 

「そ、そうだよ。レッド君達に勝つためだからって怪我したら元も子もないよ!」

 

「三上もいたのか……」

 

三上歌歩(みかみかほ)。黒髪のボブカットで2人目のマネージャーで部員からはみかみかと呼ばれている。当然俺は呼んでいない。

 

「……わかったよ。今日はもう上がりにする」

 

「それがいいよ。雪穂ちゃんもお疲れ様!」

 

「ありがとうございます玲奈先輩、歌歩先輩!」

 

「3人は先に着替えててくれ。俺は後片付けを済ませてから行くから」

 

女子の着替えは男子の倍は時間がかかるからな。待ってる時間でさっさと片付けを済ませてしまうか。

 

「私も手伝うよお兄ちゃん」

 

「いや、気にしないでくれ。これくらいなら俺1人でもなんとかなる」

 

「ごめんね七海君。本来ならマネージャーである私達の役目でもあるのに……」

 

「さっきも言ったが気にするな三上。霧島もそうだが、2人には1年の頃からかなり世話になってるからな」

 

実際マネージャーが霧島や三上じゃなかったらどうなってたかわからんしな。

 

「じゃあ着替えたら連絡するね」

 

「頼む」

 

3人は急ぎ足で更衣室へと向かった。さて、片付けを始めるか。

 

 

~そして~

 

霧島から着替え終わったとのことで俺は更衣室に向かう。

 

「あっ、来た来た。七海君!」

 

更衣室には霧島達が制服に身を包んで立っていた。

 

「先に帰っててもよかったんだぞ?」

 

「更衣室の鍵を閉めたいからね」

 

「なら俺に渡して先に帰れば……」

 

「まぁまぁ、さっさと着替えちゃって!」

 

まぁ良いけどよ……。なんか納得いかん。

 

 

~そして~

 

「ふぅ……」

 

「随分早く着替えたね」

 

「余り待たせるわけにもいかないからな」

 

「じゃあ帰ろっか」

 

霧島の一言で俺達は更衣室から出ようとした……その時。

 

 

キィ……バタンッ!

 

 

「えっ?」

 

「なんだ今の音は?」

 

「扉が閉まった音みたいだけど……。風の勢いで閉まっちゃったのかな?」

 

そう言いながら三上がドアを開けようとするが……。

 

「あれ?」

 

「どうしたの歌歩ちゃん?」

 

「ドアが開かないの……」ガチャガチャ

 

ドアの故障か……?この部室棟も結構年季があるもんな。

 

「ちょっとあれだが、窓を開けてそこから帰るか。学校には明日事情を説明すればいいだろう」

 

「……あんまり看過できないけど、背に腹は変えられないかな」

 

三上がそう言うがしょうがないだろ。緊急事態なんだから……っておいおい……。

 

「お兄ちゃん?」

 

「なんか窓の鍵が開かなくてな。こんな固かったか?この窓の鍵は……」

 

悪態吐きながら窓の鍵を開けようとするが、上手くいかず難航していた。

 

 

~現在~

 

「出入口のドアは開かない、窓も鍵の立て付けが悪い、最後の望みの非常口も駄目ときたもんだ」

 

「じゃあ私達此処に閉じ込められたの!?」

 

「……認めたくないが、そういうことだろうな」

 

「そんな……」

 

「っていうか七海君冷静だね……」

 

「そうでもねぇよ。内心滅茶苦茶パニクってる」

 

慌てていても自分よりも慌ててる奴を見ると途端に冷静になるのはよくあることだ。

 

しかしどうしたもんか……ん?

 

「なんだこれは……?」

 

ドアの側に落ちていたボタンのような物を見つけた。

 

「七海君、何それ?」

 

「見た感じボタン……みたいだけど」

 

「こんな怪しい物この部室にあったか?」

 

湯田の落とし物かもしれんが、今日来てない時点でその可能性は低いだろう。

 

「……もしかしたらこのボタンに此処から脱出できる活路があるかも」

 

等と言うが正気か雪穂?これ押して爆発とかしないよな?

 

「これって爆破スイッチとかじゃないよね……?」

 

「でももしもコレが爆破スイッチだったら押して此処から出られるってことじゃない?」

 

いやいや、可笑しいだろ霧島。なんで此処を爆破しないと出られないんだよ。

 

「出番だよお兄ちゃん!」

 

「さぁ押してみよう七海君!」

 

「お願いできるかな七海君……」

 

待て待て、なんで俺が押す流れになってるんだよ……。

 

「……別に3人の誰かが押してくれてもいいんだぞ?」

 

『…………』プイッ

 

三者三様に目を背ける。どうやら俺が押さなきゃならないみたいだ。

 

「……どうなっても知らんぞ」

 

 

カチッ

 

 

よくあるような機械音がしたと同時に視界が歪みだした。




という訳でプロローグその3でした。

3つ目の作品は『パワプロクンポケット7 ~凡人達の意地~』の世界線です。

2つ目の作品同様原作(ゲーム)キャラは後に出す予定です。

あと1つ作品を出すか考え中……。
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