これTS? 憑依?   作:am56x

58 / 77
T/A-Ha02:閑話

 私が性的な快感を知ったのは、フィエーナと出会ってからと言っても良かった。ロートキイルでは当たり前だったけれど、日本人の私にはびっくりするくらいくっついてきてはスキンシップを図るフィエーナに最初は驚きっぱなしだった。

 

 そう、初めはその感情は驚きだとか、気恥ずかしいとかそういう部類の感情と私は思っていた。

 

 けど、違った。初めてフィエーナと一緒にお風呂に入った時のこと、今でも鮮明に思い出せる。今より幼げな顔つきなのにおっぱいは既に人並み以上に大きくほっそりとした肢体。普段きつく抑え込まれているフィエーナのたわわなおっぱいはブラジャーの拘束が解かれた故に歩くたびにふるふると揺れ、そしてそれを当時の私は理由も分からず目で追っていた。

 

 いや、おっぱいだけじゃない。フィエーナが前を歩くことで見放題の白くてまあるいお尻にも、すべすべとしていて流麗な背中を、対面した時に見える華奢な鎖骨を、秘所に向かってつるんとして滑らかな鼠蹊部を、フィエーナの露わになった全身の隅から隅まで私は理由もわからず目に焼き付けていた。

 

 あの頃の私は美少女であるフィエーナに見惚れたからだと結論付けた。それは間違っていないけれど、そこに私が今まで隠し持っていた情欲のマグマを噴き上げるやましい感情が隠れていたと自覚していなかった。

 

 そう、お互いに無知なシチュエーションだったわけで私が自慰行為をする際に妄想する定番のネタでもあった。もし、あの時の私が手を出してたら……それを妄想のネタに使ってするとよくイケる。

 

 それはともかくとして、その日に自覚した謎の感情を私はどうやって処理したら分からなくて、それでもそれは気持ちよくて、当時の生きるのが苦しかった私には再び何としてでも味わいたい感覚だった。

 

 けれど、無知だった私にも当時の快感の再現が人目に憚れる行為だとは分かっていて、居候先の林原家でバレたらと思うと思う存分するには憚られた。

 

 こっそり、こっそりと私は自分を慰めていく。今と比べると本当に子供らしく週に数日、隙を見つけては軽く胸や股の間に軽く触れるだけの児戯。そして、その時に思い浮かべていたのはいつもフィエーナだった。フィエーナの裸体を妄想のネタにして私は一人勝手に燃え上がっていた。

 

 幸か不幸か私の体は簡単に飛べる体質で、ヤろうと思って事に及んでもそう時間がかかることはなかった。頻度が数日から徐々に短くなっていき、日に一回はシないと満足できなくなってからも数分もあれば私は一気に高みを味わえていた。

 

 日本に戻ってからは私にとってかなりの高環境を手に入れる。ご近所さんに迷惑をかけないように用意された防音設備は、私が必死に我慢してきた喘ぎ声を自由に上げられるようにしてくれた。

 

 吐息から漏れるエッチな声を必死に我慢しながらの行為もそれはそれで自身を昂らせる燃料として味わっていたのも否めないけれど、それはそれとして快楽に身を委ねて声を上げられる自慰行為は別種の気持ちよさがあった。一度自分がどんな声をだしているのか気になって録音した音声を聞いてみたことがあったけれど、あれを聞かれたら私を見る周りの目は大きく変わるだろう。蔑まれること必至な獣性に満ちた雄叫びを私は顔を真っ赤にして消去した。

 

 退魔師として続けて来た修行は自分の部屋のドアのノブが数ミリ回されたその刹那、股を下品に開いて指を指し込んでいる体勢から瞬時にベッドに潜り込むくらいは容易く行える。

 

 両親に気付かれるスリルを感じながらも、私はいざ部屋に入り込まれてもばれない自信があった。だから、行為は徐々にエスカレートしていった。未成年なのにいけないと知りつつも、インターネットから知識を仕入れてどんどんと快楽に溺れていった。ただし、行為の形がどのように変容しても妄想のネタがフィエーナなのには変わることがなかった。

 

 でも、フィエーナが悪いのだ。私が深みに嵌るきっかけであり、深みに沈んでいく主因でもある。フィエーナさえいなければ私がオナニー狂いになることもなかった。じゃあ、出会わなければよかったとは微塵も思わない。私がフィエーナの魅力に憑りつかれたとしても、在り方が狂ってしまったとしても、私はフィエーナと会えてよかったと思っている。願わくば、フィエーナにもそれくらい私のことを想って欲しい。駄目かな。

 

 

 

 唯一日本において問題なのはロートキイル時代にあったフィエーナとの物理的な接触が断たれたことだった。もちろん毎日のようにインターネットを介して顔を合わせ、その様子はアーカイブとしてもれなく保存し、 使えるネタ集も何パートも用意してある。

 

 けど……やぱり生のフィエーナが足りなかった。確かに私は鮮明にフィエーナの感触、匂い、温もり、吐息、声音……全て思い起こせる。けど、違う。実際にフィエーナと触れ合いたかった。それをネタにしたかった。そうすれば今の環境と相まってもっともっと気持ちよくなれるのにと歯がゆく思うことも何度となくあった。

 

 そんな折、私は新種の魔之物と対峙することになる。あんなに毎日何回も貪っていた快楽に食指が伸びなくなり、起きて食べて寝るだけの日々へ変貌していく。シたとしても一回、それも軽くさするような程度で満足して眠れるようになってしまった。

 

 まあ、それはそれでいいかなと思っていた。お友達と遊べなくなったり、フィエーナとまともに会話する時間も取れなくなったりといった大事に比べればオナニーが全然出来ないなんてどうでもいいことだった。むしろ、回数が減って健全な性生活を送れていると言ってもよかったかもしれなかった。

 

 

 

 フィエーナが来るまでは。

 

 フィエーナだフィエーナの匂いだいい匂いがするうううううこれだけであ、イっちゃった♥ 無理♥ あ♥ あ♥ フィエーナのおっぱいに直に触れてる♥ 駄目♥ イク♥

 

 このザマだった。もう、フィエーナがいなかった頃のオナニーなんて不感症同然に気持ちよくなれた。自分でもドン引きするくらいに私は簡単に頂点に達し、そしてそれが連続し、しかもその頂点は達する度にどんどんと深く大きくなっていく。

 

 あげく我慢できずにフィエーナの傍でこっそりオナニーし出すありさまで、私自身ドン引きだ。

 

 幸いフィエーナは私のオナニーを見ても態度を変えないでくれたけれど、それはあの時の行為が本当に軽い代物だったからで、もし白目をむくような濃厚なオナニーを目の前で見せつけていたらどうなったのか想像……想像したらムラムラしてくる。駄目だ、本当に今の私はダメダメだ。

 

 せっかくフィエーナが来てくれて心も体も元気いっぱいになったのに、その生まれた気力を無為に浪費しているのだから我ながら愚か者だ。でも、手が止まらないのだ。どうしたらいいんだろう。

 

 あげく数時間も行為に耽って寝不足でフラフラとしている姿を心配される始末だ。

 

 フィエーナを私の自慰行為に巻き込むなんてもってのほかだと理性はストップをかけるけれど、欲望むき出しの性欲はフィエーナを襲えとまで囁いて来る。

 

 そんなの駄目だ。フィエーナを、無理やりなんて……出来なくは、ない。やろうと思えば簡単にフィエーナをベッドに抑えつけて無茶苦茶に出来るだろう。

 

 ヤリたい。フィエーナが誰にも見せたことのない秘所を私が直々に開き、挿れ、ねぶりまわし、溢れる体液を顔中に浴びてフィエーナの匂いに包まれたらどれほどいいのにと思わない日はない。

 

 でも、でも……無理やりしてフィエーナを悲しませたくない。もしフィエーナがヤッたら簡単に堕ちるような子だったら……それはそれで駄目だ。フィエーナを他の人に渡すなんて絶対に駄目だ。そんなことは許されない。もし、そんな敵がいたら私の全力で叩き潰す。殺すだけで足りるだろうか? 

 

 私の技術の粋を尽くしてフィエーナを堕とすのなら、私が私であるが所以でフィエーナを靡かせられたら……はあ、私が願うだけでフィエーナとセックス出来たらいいのにな。

 

 そういえば、フィエーナってたまに異様にチョロイ時があるのを私は思い出す。そう、普段ならニコニコしながらも拒否するようなことでもその時だけは頑張って頼み込めば聞いてくれる。そんな日がフィエーナにはあった。

 

 エリナとそんな話題で盛り上がった時、確かエリナもどうしても頼みたいことがある時はちょろちょろな日を狙うのだと話していた。

 

 もし、その日ならフィエーナと……。

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。