これTS? 憑依?   作:am56x

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日常物の終わり方がよくわからないので、これが最終話です。今まで読んでくださりありがとうございました。


おまけ:或いは、素直になってしまえば。

 アリーナと共に石碑のある森の中へ訪れる。夏真っ盛りの森の中、虻蚊の飛び交う森をアリーナは周囲を氷結させて接近を拒絶する。

 

「ふん、私の柔肌を吸ってよいのは美少女だけと決まっているのだよ」

 

 パキパキとアリーナの周りが霜に覆われ、夏とは思えないくらいに涼しくなる。

 

「これで出歩くのにも楽だろう?」

 

 ニヤリと笑うアリーナは夏にそばにいたらとても便利そうだ。そのまま地図を元に森の中へ入っていく。アリーナは地図を読むのが下手くそであちこちをふらふらするので途中から私が地図を片手に進んでいくと、それはあった。

 

 木々に雑草が茂っていた森の中で唯一土の露出した円形の空間。常人が立ち入ればその異様な空気に呑まれてすぐに背を向け逃げ出す異様な気配を放っている。その空間の中央に石碑は立っていた。

 

「あれを、破壊すれば……」

「そうだ。今や弱体化した悪魔だ、君ほどの実力者なら遅れは取らないよ」

 

 私は目を瞑り、今までを振り返る。幸せだった中学時代、幼馴染の凛と楽しく過ごせただろう過去を破壊した怨敵。大切な家族を引き裂き、お母さんとお祖母ちゃんたちをいつまでも苦しませ続けた元凶。

 

 けど、残念だったね悪魔さん。私はフィエーナのおかげで立ち直れた。フィエーナがくれたこの力で、同じ不幸を繰り返さないためにあなたを消滅させる。

 

 だから……あなたを倒そうとしている今、私は負の感情を抱いていない。フィエーナに立て直してもらったこの人生、最期まで目一杯楽しんで生きるよ。

 

 天旋を抜き、そのまま指輪を輝かせて私は必殺の一撃を構える。緑色の疾風が白銀の竜巻と混じり合い、天まで伸びる。

 

「おいおい、それはオーバーキルじゃないか?」

「一思いに一気にやる」

 

 さよなら、私の過去。ここからは未来を歩ませてもらうから。

 

 私が天旋を振り下ろし、耳をつんざくような轟音が辺りを地震のように震わしたかと思うと、石碑のあった場所には底の見えない大穴だけが残っていた。

 

「は、はは……凄まじいなこれは」

 

 自信に満ちていたアリーナは、大穴を覗き込むと唖然とした表情でしばらく動かさずに固まってしまった。

 

「これで大丈夫?」

「あ、ああ。これだけの一撃、人造悪魔の残滓程度が耐えられるものではないよ」

 

 アリーナに怖がられて、ちょっとショックを受けながら帰宅の途につく。車の性能と運転士さんの運転技能、どちらもが一級品で車内に騒音が入り込むことはなかった。静かに車窓の景色が流れていく。

 

「なあ、遥よ」

 

 隣に座るアリーナはさっきから無言だった。そのアリーナが出会った時から見せてきた偉そうな態度やちょっと怪しげな雰囲気とは違う、気遣うような視線を向けて来る。

 

「君はフィエーナのことを愛しているのかな?」

「うん」

「そうか……」

 

 アリーナの質問に私は何の逡巡もなく即答できた。だって、これは私の本心だから。隠す必要なんてない。何だかフィエーナに妖しい目つきを向けるアリーナには、なおさらだ。

 

「ふうむ、私が割り込むのもそれはそれで一興だが……おいおい睨むな。流石に弁えているとも」

 

 本当だろうか。フィエーナは生身ならとても強い子だけれど、力を使われれば手籠めにされるかもしれない。もしそんなことしたら、私は絶対に許しはしない。

 

「手向けをやろう。フィエーナについて、君の知らない情報を教えてあげる」

「初対面のアリーナが、私の知らないこと?」

 

 そんなこと、あるのだろうか。あるはずはないと思いたいけど、さっきの会話を思い起こすとフィエーナの家系に関する逸話を知っているような口ぶりだった。だとしたら、私が知らない可能性もあるのだろうか。だとしても、初対面のアリーナが私の知らないフィエーナの情報を知っているのはずるい。

 

「なに、先程フィエーナ本人が慌てて取り繕うとしていたある種の裏話さ」

 

 それからアリーナは嗜虐心で目を輝かせながらフィエーナの家系についての話をしてくれた。曰く、父方のアルゲン家は代々内政を司る貴族の出身なのだとか。それはどうでもいいのだけれど、そのアルゲン女は代々気の強い背高女として貴族の間を嫁いでいったが、誰もが褥では嘘のように弱弱しくなるのだとか。

 

また、母方のライエナハウ家も代々の軍人家系で男は頑健とした勇猛かつ知略に満ちた性格の高名な軍人を輩出する一方で巨乳好きとして知られ、嫁ぐ女を選び続けているうちにライエナハウ家に生まれる女の子もまたみんな巨乳として生まれるようになったらしい。だからフィエーナも、そのお母さんもおっぱい大きかったんだ。

 

そしてライエナハウ家の女は気立てが良く、気性も穏やかで、おまけに嫁いだ先によく尽くす理想の女としてよく求められていた……という表の話から、その実よく喘ぎ、よく啼く至極男に都合のよい女としても貴族界隈の裏話では有名とのこと。

 

 ヨワヨワなアルゲン家の血と、ヨワヨワなライエナハウ家の血を継ぐフィエーナはさぞかし夜よく啼く事だろうと涎をすすりながらアリーナは興奮気味に話す。

 

「どうだい? ヤル気になったかい?」

 

 そしてアリーナはぼそりと悪魔の囁きをしてくる。君ほど好感度があれば、後は無理やり自分のモノに出来る筈だ、と。

 

 本当? 本当の本当? え、え……フィエーナってそんなエッチな面を隠し持ってるの? だったら帰ったらすぐにでも……いやいや! う、うーん……うーん! うーん!? うむむむむむむむむむ!?

 

 フィエーナが……フィエーナを……あ、あ。駄目だ。いつもしている妄想がよりリアルに鮮明に頭に……こんなとこで発情してたらいけない!

 

 どうにか思考を逸らそうとするけれど、一度フィエーナがそういう子と認識させられてしまうと妄想が留まらなくなりだす。

 

「……で、でも。私はフィエーナにその気がないなら手は出さない」

 

 私の絞り出した言葉はどうにも心がこもっていなくて、アリーナにもきっとばれている。

 

「なら、勇気を出すことだな。彼女もまんざらでもなさそうだったよ? 後は君次第だ」

「そう、かな」

「そうとも」

「でも……女の子同士って、迷惑じゃない、かな」

「遥。それで引くのも君の意思だとも。親友としての関係も貴いものさ」

 

 そうだ。私とフィエーナは親友だ。私としてはねっとりぐっちょりとした関係に進みたいけれど、フィエーナに拒絶されたら生きていけない。

 

 ベッドの上でおっぱい丸出しにするトコまでは出来る関係までにはなっている。あの時、生おっぱいに包まれた時は圧倒的な温もりを前に心が癒されまくって何も出来なかったけれど。

 

なので、翌日同じことを頼んだらフィエーナは涙目になりながら顔を真っ赤にして断ってきた。私の視線がおっぱいに向けられてるのを自覚し、華奢な細腕で胸を押さえていたけれど、それが却って胸を強調しているのにフィエーナはいっぱいいっぱいになっていて気付いてなかった。うっかり誘い受けをしてるのかと勘違いしかけてしまった。

 

あのフィエーナの恥じらいだけで十分美味しかったし、感触はしっかり覚えてたから捗ったのも確かだ。

 

 けど、そんな体験を矮小にすらさせる話をアリーナはしていた。

 

「だが、君はそれで満足できないから踏み出そうとしているのではないかな」

 

 う、う……どうしよう。とんでもない話をされてもう私の性欲がぐぐぐぐと盛り始めてしまっている。あー……お腹が熱い♥ あ、あ、もう駄目だ♥ 咄嗟に私はアリーナから目を背けて体を震わす。ばれて、ないよね……。

 

「はあ、私は恋の相談役なんてする側ではないのだがね。あまりに君がいじらしいから調子が狂ってしまった」

 

 妄想のフィエーナが猥らに乱れる様が脳内からこびりついて落ちない。もう、アリーナの目を気にしてられなくなる。吐息の乱れもついに隠し通せず、私は発情した姿をアリーナの前で曝け出してしまう。

 

「今すぐにでも君を食べてしまいたいが……また会おう。その時は結果を聞かせてくれ給え」

 

 このままだと駄目だというところで、何とかお家のあるマンションに到着し私は慌てて車から飛び降りる。私の感情が伝染してか、アリーナの白い頬も赤く染まり呼吸が浅くなっていた。

 

 

 

夜。そう、私は夜まで我慢したのだ。

 

 いつものようにフィエーナを私の部屋に招くと、フィエーナも疑うことを知らずにいつものようにニコニコとベッドに潜り込んで来る。もう私駄目だよ、我慢なんて出来ない。

 

「ねえ、フィエーナ?」

「なあに?」

「前さ、我が儘になれって言ったよね?」

「遥?」

 

 キョトンとするフィエーナの顔がこれから快楽に染まる様を想像するとそれだけもう私は体が震えて来る。ああ、あああああ……♥ 下の口からドロドロと溢れ出て来る。

 

「だから私、我が儘を押し通すことにした」

「えっ? は、遥?」

「私はフィエーナのこと、好き。愛している」

 

 これから私はフィエーナを押し倒す。けれど、無理強いはしない。

 

「だから……もし嫌だったら、最初に拒否してほしい。もう止まれないと思うから」

 

 

 

 

 




あらゆる面で完ぺきな美少女がエロ方面だけクソザコナメクジなのはいけないことですか?
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