魔法少女リリカルなのはSUPER ~心優しき超戦士~ 作:バタモン
彼は偶然居合わせた高町 士郎に拾われ、今士郎の家族と共に朝ご飯をごちそうしてもらうことになった。
トテトテと階段を下りる音が高町家に響く。
ブロリーはきょろきょろしながら士郎について行って家のリビングに向かっていった。こうして人の家にあがることは経験がなかったため、少し警戒していた。
士郎「そんなに警戒しなくても大丈夫だよブロリー君。僕は別に君を悪いようにするつもりはないからね」
そんなブロリーの心境を察したのか、士郎は優しい声で話しかけてきた。
ブロリー「すまない、俺の住んでた星には人がいなかったからこうして人の家にいるのがあまり落ち着かなくて・・・」
士郎「そうか、こちらこそすまなかった」
士郎はブロリーの発言に気になる部分があったが今は聞かないことにした。この子は自分が思っている以上に過酷な人生を送っているのではないか。なんとなく士郎はそんな予感をしていた。
考えるのをいったんやめ、士郎はリビングの扉を開ける。そこには栗色の長い髪をした女性と、今のブロリーと同じくらいの年の女の子がいた。
士郎「おはよう、なのは」
なのは「あ、お父さん、おはよ・・・う?」
ブロリー「ん?」
なのは「ふぇ!?」
小さいほうの女の子が父の後ろにいる少年を見てとても驚いていた。自分の家に知らない子がいたら誰だって驚くだろう。しかも父も母も驚いた様子はない。
なのは「えーっと・・・」
桃子「あら、目が覚めたのね」
なのは「それじゃあ、その子がさっきお母さんが言ってた・・・」
ブロリー「ブロリーだ」
ブロリーは礼儀正しくそういった。人の名前を聞くときはまず自分からっというのをチライとレモから教わっていたので、先に自分から名乗っていた。
桃子「あら、ご丁寧にどうも。私は高町 桃子よ」
なのは「えっと、高町 なのはです。よろしくねブロリー君」
なのははブロリーに近づいてきて手を差し出してきた。
ブロリー「ああ、よろしく」
ブロリーもなのはの手を取って握り返した。といってもいつものようにするとなのはの手が骨折どころでは済まないので、かなり手加減していた。
なのは「それで、どうしてブロリー君は家にいるの?」
ブロリー「俺が道で倒れているところを士郎が見つけてくれてここに連れてきてくれたんだ」
なのは「え・・・倒れてたって、お父さんそういうのは警察に言った方がいいんじゃ」
士郎「あー・・・そのことについてなんだけど、先に恭也と美由希を呼んできてくれないか。話すとちょっと長くなる事情があるからみんながいるときに話そうと思ってさ」
なのは「わ、わかった」
なのははリビングを出ると家の横にある道場へと向かっていった。
数分後、再びリビングの扉が開かれるとなのはと見たことのない男女が二人入ってきた。
???「あ、本当に知らない子がいる!?」
??「父さん、一体どういうことだよ・・・」
士郎「あはは・・・これにはいろいろと訳があってね・・・」
???「ねえ、きみお名前はなんていうの?」
二人のうちの女性の方がブロリーに近づいてきた。
ブロリー「ブロリーだ、お前たちが恭也と美由希か?」
恭也「・・・そうだ、俺は高町 恭也だ」
美由希「私は高町 美由希、よろしくねブロリー君」
ブロリー「よろしく」
恭也は少し警戒気味に、美由希は逆に友好的な様子でブロリーに自己紹介をしていた。
そこへ桃子が料理をテーブルに運んできた。
桃子「それじゃあそろそろ朝ご飯にしましょうか。みんな座って~」
桃子がそう言うと子供たちはそれぞれ自分の席に着く。
桃子「ほら、ブロリー君も座って」
ブロリー「うん」
ブロリーも桃子に言われて空いている席に座った。
士郎「――――って言うことがあって」
ブロリー「がつがつがつ・・・」
美由希「つまり、ブロリー君はその光の中で倒れててそれを偶然見つけたお父さんが家に連れてきたってこと?」
ブロリー「もぐもぐ・・・ゴクン」
士郎「ああ、信じられないかもしれないが本当なんだ」
ブロリー「がつがつがつがつ・・・・」
恭也「まあ、父さんが嘘を言うとは思えないし俺は信じるけど・・・」
ブロリー「もぐもぐ・・・」
桃子「どうブロリー君、おいしい?」
ブロリー「・・・うん、すごく美味しい」
桃子「うふふ、お口に合ってよかったわぁ」
「「「・・・・・・・」」」
なのは「にゃはは・・・」
士郎が今朝の事を話している横で、ブロリーの前にある料理がどんどんなくなっていく。彼もサイヤ人なだけあってかなり食欲旺盛であった。
士郎、恭也、美由希は唖然としていて、なのはは苦笑い、桃子は嬉しそうに笑っていた。
数分もたたないうちにあっという間に空になっていた。その時のブロリーの物足りなさそうな表情を桃子は見逃さなかった。
桃子「ブロリー君、まだおかわりあるけど食べる?」
ブロリー「・・・食べる」
桃子「それじゃあ、ちょっと待っててね」
しばらくして桃子がおかわりを持ってきてブロリーがまた食べ始める。2杯目、3杯目、4杯目・・・と食べていき、ブロリー以外のみんなが食べ終わっていてもまだ食べていた。
炊飯器のご飯だけでは足りなくなり、冷凍してあったご飯も使って12杯目、
ブロリー「・・・ごちそうさま」
ようやく食べ終わった。
恭也(やっと食べ終わった・・・)
美由希(なんだか不思議な子だな・・・)
なのは「あ~~~~!!!!」
突然なのはが焦った様子で立ち上がった。
ブロリー「おわっ!?どうした?」
なのは「もうこんな時間!お母さんお弁当ある!?」
桃子「あるわよ。ほら、恭也と美由希も早くしないと遅刻しちゃうわよ」
恭也「わ、わかった!」
美由希「ありがとお母さん!」
「「「行ってきまーす!」」」
なのは、恭也、美由希は桃子から弁当を受け取ると急いでどこかへ行ってしまった。
ブロリー「士郎、なのはたちはどこへ行ったんだ?」
士郎「ああ、学校に行ったんだよ」
ブロリー「がっこう・・・ってなんだ??」
桃子「学校っていうのは簡単に言うとたくさんの子供たちが集まって勉強をしたりするところよ。もしかしてブロリー君学校に行ったことない?」
ブロリー「ない」
士郎「そういえばブロリー君」
ここで士郎は先ほどブロリーが言っていたことを思い出した。ブロリーの食欲旺盛っぷりに聞きたいことをすっかり忘れていたが聞いてみることにした。
士郎「さっき俺の住んでた星って言ってたけどもしかして君は地球人じゃないのかい?」
ブロリー「ああ、俺はサイヤ人だ」
士郎「サイヤ人・・・?」
桃子「初めて聞くわねぇ」
士郎「ブロリー君、もしよかったら君の事を教えてもらってもいいかな?」
ブロリー「いいぞ」
それからブロリーは自分の事を簡単に話した。自分は惑星ベジータで生まれたサイヤ人だということ、王であるベジータ王の命令で惑星バンパというとても人が住めないような星に追放されたこと、数年後に父パラガスの復讐のために利用され地球に来て二人のサイヤ人と戦ったこと。
士郎「そんなことがあったなんて・・・」
桃子「ブロリー君・・・」
二人はブロリーの歩んできた人生を聞いて、士郎は何かを抑えるように拳を握り、桃子は心配した様子でいた。
士郎「それじゃあ、ブロリー君これからどこか行く当てって・・・?」
ブロリー「ここがバンパじゃないのならない。あとでどこか野宿できそうなところを探そうと思ってる」
ブロリーがそう言うと士郎は桃子にアイコンタクトを送った。桃子はその意味をうまくくみ取ったのか笑顔で頷いていた。
士郎「ブロリー君、もし君さえよければ家で暮らさないかい?」
ブロリー「・・・いいのか?」
桃子「ええ、このままお別れなんて嫌だし。ねぇ、貴方?」
士郎「ああ、君さえよければ僕たちは歓迎するよ」
ブロリー「・・・それじゃあ、ここで世話になるよ」
桃子「ふふ、改めてよろしくねブロリー君」
ブロリー「ああ、よろしく。それと、ありがとう士郎、桃子」
こうしてブロリーは高町家にお世話になることになった。士郎も桃子も先ほどのブロリーの話を聞いてどこか思うところもあり、そもそもこんな子供を一人野宿させることは二人にはできなかった。なので二人はブロリーを家で面倒を見ることを後悔はしていなかった。
しばらくして、士郎と桃子が翠屋に仕事に行く時間になった。
士郎「さて、僕たちはこれから仕事に行くけど、ブロリー君はどうする?」
ブロリー「それなら、向こうの道場を使ってもいいか?ちょっと修業がしたい」
士郎「それなら好きに使ってくれてかまわないよ」
士郎と桃子が出かけていき、ブロリーは一人高町家に残り道場へ入った。
ブロリー「これは、思ってたよりも広いな」
早速道場の中に入ったブロリーの第一印象はそれだった。道場の広さは十分、これなら心置きなく修業が出来そうだと感じた。後は修業に集中しすぎて家を壊さないように気を付ければ大丈夫であろう。
さあ、まずは生前のいつもの日課であった基礎的な特訓を始めよう、ブロリーはそう思ったところで自分のポケットに何かが入っていることに気がついた。
ブロリー「ん?なにかポケットに入ってる?飯とかに夢中で気がつかなかったか・・・」
そう思いながらブロリーはポケットの中の物を取り出した。
ブロリー「!?・・・これは、いつも俺が使ってた
それは、カプセル状になっている人口重力装置だった。前に悟空からもらったものである。
ブロリー「前にカカロットからもらった・・・なんでこれがここにあるんだ」
そんなことを考えながらブロリーは反対側のポケットに入っている物を取り出す。そこには、
ブロリー「!?!?!?なんで・・・これが・・・」
中心部に赤い星が入っているオレンジ色に輝く半透明のボールがあった。
ブロリー「ドラゴンボール、確かこれはカカロットと一緒に消えたはず・・・」
今ブロリーが持っているドラゴンボールには赤い星が四つ入っていた。
なぜこんなところに四星球があるのか、そう考えているとブロリーは先ほどの夢の事を思い出していた。
ブロリー「まさか・・・この世界にいるのか。カカロット」
ドラゴンボールを集めればまた悟空に会えるのではないか、自分がなぜここにいるのか、なぜ若返ったり生き返ったりしたのか、その答えはドラゴンボールが握っている。なぜだかそんな気がしていた。
ブロリー「あと六つ探してみた方がいいかもしれないな・・・」
そこまで考えてブロリーは一旦思考を止め、修業に集中するのであった。
今回出てきた人口重力装置は人造人間たちと戦う前にベジータが使っていた人口重力装置をホイポイカプセルにしたものです。