進路関連の事で作品に手を入れる時間が…(言い訳)
書いてなかった分変な文章になっていたらごめんなさい!
では本編よろしくお願いします!
日が昇り新しい朝が来た。
眩しい日差しと冷たい風が身に染みる。その快感は、心地良いものなのだが心はスッキリしなかった。
前日、渋沢さんは病院に運ばれた。
気を失っていた渋沢さんを見つけた時、嫌な脂汗と吐き気が交じった感覚に襲われながら必死に彼の名前を呼んでいた気がする。
狂いかけていた俺を止めてくれたのは小傘だった。
本当に助かった。
すぐに救急車を呼ばなかった俺の馬鹿みたいな叫びが自分の耳に残る。
「旦那様」
俺のすぐ横に小傘が来ていた。
その手には缶ジュースを持っていた。
「あの…旦那様から頂いたお小遣いで買ってしまったのですが…良かったらこれ」
ついさっき自動販売機と缶ジュースの存在について聞きたそうだったから話したのだが、やれやれ早速俺の為に買ってきてくれたのか…
何かあった時の為に小傘に小遣いを渡していたのだが、本当に人に優しい子だな…
「…うん、ありがとうな」
彼女の気持ちにあれこれ言うのも恥ずかしい。
俺はその缶ジュースを頂くことにした。
程良い炭酸が少しは気分を良くした。
「病院の中、慣れたか?」
小傘にとっては迷路みたいなところだろう、初めて入った時かなり慌ただしかったからな。
「ええ、まぁ屋上までの道と自動販売機がある所はとりあえず…えへへ」
小傘が缶ジュースを買いに行って帰ってくるまで20分かかっていた。
地図がある場所くらい案内しとけば良かったな。
頑張って探してたんだろう、暑そうだ。
「小傘」
「はい?」
スッと小傘に缶ジュースを渡す
「喉渇いたろ、良いぞ」
「え、良いぞって…え?」
イマイチ理解してないようだ。
「飲んで良いぞ」
「で、でも」
「元々お前に渡した小遣いだ。別に飲むくらい悪いことじゃないだろ?」
「じゃ、じゃあ…貰います!」
小傘は勢いよく缶を受け取りグイっと飲んだ。
「っ!!?」
あ、そういえば炭酸飲料とか初なんじゃないか?この子
「な、なんだぁこらぁ!!?シャワっとビリビリってしちょる!!」
変ななまり口調になってて俺は思わず吹いてしまった。
「ふふ、それが炭酸飲料ってやつだよ小傘」
小傘は目を丸くしながら缶の隅々まで回しながら観ている。
「た、炭酸、あぁ〜なんか河童たちがそんなこと言ってた気が…」
幻想郷にいる河童の話なのだろうか、なんだ? そんな理科っぽい事するのか河童って。
「さて、そろそろ渋沢さんの様子見に行こうぜ小傘」
「そうですね。」
渋沢さんが眠っている病室前まで俺たちは来た。
「よし。」
トントンと二回扉にノックをしてから入室した。
「………」
実際病室と呼ばれる場所に入るのは初めてだ。
医療ドラマとかでよく見るあの部屋通りだった。
ベッドと椅子が二つ、そして窓。
小傘と俺は二つの椅子にそれぞれ腰をかけた。
「…こうして見ると…死んでんのか生きてんのかわかんねぇな…人の寝顔って…」
いきなり不謹慎な事を口走ってしまった。
「だ、旦那様?」
「あっ…何言ってんだ俺…」
馬鹿野郎と自分の頭を叩く。
「旦那様疲れてますね…」
「うーん…ちゃんと寝てなかったしな…小傘は?」
「えへへ…じつはわたひもねぶそ…はぁ〜あ………あっ!すみません!」
喋ってる途中に大きなあくびをぶちかました。
「あはは…お互い寝不足みたいだな」
お互いの顔を見ながら笑い合ったあと、眠っている渋沢さんの方に顔を向け直す。
「全くよ…あんた最期まで俺に黙ってる気だったのかよ。俺だってもう子供じゃねぇって言ってんのに…黙ったまんまでさ…」
渋沢さんは優し過ぎた。全部自分で背負っていくつもりだったんだろう。昨日の焼き鳥屋は確かに俺が奢ったが、全然食べていかなかった。かなり遠慮していたのだろうか。
「旦那様に本当に優しい方ですね…渋沢さん…」
「俺だけじゃなくみんなに優しいさ…親が居なくなっちまった俺にとっては本当の親みたいなもんだったがよ…あの優しさは…」
「ですね。」と小傘はニコッと頷く。
「心臓疾患か…もしかしたら食欲ないのに無理してたのかな…わかんねぇ…」
そう、渋沢さんは過労による心臓疾患に陥ってしまっていたのだ。
「最後まで無茶するぜ…あんた…」
本当にいつも優しく、自分のことは構わないからと他人に力添えをしてくれる。まさに聖人そのものだった人。
そんな人に恩返し出来ないままだと言うのか…
ダメだダメだ…そんな事…
だが…どうしたら…
「旦那様…」
頭の中で考えがごちゃ混ぜになっている俺に小傘は声をかけた。
「………ん?」
小傘は真っ直ぐな眼差しでこちらを見つめている。
ここまで真剣な眼差しをする彼女は初めて見た。
そして
「私たちに今できる事…何かあるはずですよ。」
その言葉を聞いて俺はふと思い出した。
「できる事…そうだ…あるじゃないか…渋沢さんのやりたい事…」
本人は言っていた。死ぬ前に成し遂げたいと、つまり…
生きている間に実行させたいと。
あの時はまだ自分でも出来ると思っていたのだろう。だから自分で成し遂げようとしてた…しかし、この状況…。
「渋沢さんならこの状況、人に頼むはずだ…おばさんと傘達の為なんだから…自分がもう動けないなら…そうするはずだ!」
当たり前のことを何故思いつかなかったのだろう。
ぼんやりとしてた俺に着々と考えがまとまっていく。
「…ありがとう、小傘…やりたい事がまとまった。」
小傘は良かったと頷く。
「俺たちで成し遂げる…渋沢さんの思いを背負ってな…。」
「じゃあ…私もしっかりお手伝いさせて頂きますよ旦那様。」
「傘を全て売る…大作戦はここからだ!」
今回はこんな感じとなりました。
大作戦はここから始まります!
渋沢さんが生きているうちに傘は全部売り切れるのでしょうかね!?
次回もよろしくお願いします!