虹彩異色の妖怪少女   作:A.H

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前回に引き続きよろしくお願いします!
ここから彼等なりの考えで渋沢さんの奥さんの形見とも言える沢山の傘を色んな人に届けようと努力し始めます!
それでは本編どうぞ!


第13話〜渋沢さんに恩返しするぞ大作戦④〜

 恩返しってのは人に頼んでやらせて貰うんじゃない、自分から行動してやるのが普通だ。変に焦っていた俺はそんな簡単なことにも気付いていなかったのか…。

「それで全部か?」

小傘は束ねて持っていた傘をその場に下ろす。

「ひーふー……はい!これで全部ですね!」

そう言うと小傘はスカートについたホコリを払いながら立ち上がった。

「よし、後はどう商売するかだな…」

何の許可もなく街中で商売するのは法律上ダメだった気がするしな、さてどうやって…ん?

「いや、人に届ければ良いのか…」

そうだ、商売しろって話じゃない、今考えれば良いのはどう人々に傘を届けるかだろ。

「でも難しそうだな、今日の予報は晴れだ…条件が噛み合わないとなかなか…」

「なに弱気になってるんですか!やってみるまで分からないじゃないですか!」

「うーん…」

「…き、厳しいですか…?」

さっきまで根性で乗り切ろうとしてた小傘が心配そうに伺ってくる。

「雨さえ降ってくれればな…」

雨…雨ねぇ…

「待ってても仕方ないしな…とりあえず傘屋のボランティアって言う成り行きで街に…」

仕方無しに傘を持って行こうとした時

「…雨降り小僧」

小傘がボソッとそう言った。

「雨降り…?」

「雨降り小僧ですよ、妖怪の」

雨降り小僧…名前の通り現れると雨が降るっていう妖怪だったっけか? 

唐傘お化けと同様日本ではかなりメジャーな妖怪だ。

「なるほど…雨降り小僧に雨を降らしてもらうようにするって訳か…」

でもどうやって見つけるんだ。探すったって簡単には…

「てか、妖怪って居るのか?幻想郷じゃなくても」

「いますよ、外の世界から幻想郷に来訪なされる方も結構いますからね、外の世界で認識が薄れ力が弱くなってしまった妖怪などは幻想郷に自動的に呼び込まれるらしいですからね」

と、小傘は得意げそうに人差し指を立てながら解説をする

「となると、幻想郷に行っちまう前に急いで探さないとな…何か当てはあるのか?」

「狐です。」

「き、狐…? 」

全く結び付きが分からない答えが返ってきた。

「「狐の嫁入り」って分かります?」

狐の嫁入りって…例に言う天気雨ってやつじゃ…あっ

「狐が結婚式を行う際、雨降り小僧に雨を降らせてくれるように頼むみたいでしてね、狐だったら雨降り小僧の居場所がわかるかと」

すげぇ、小傘って結構冴えてるな

「で、その狐は? 」

「………………」

あ、考えてなかったんだ。

「あ、策はありますからね!? 決して無い訳では!」

俺のガックリした目線に感づいたのか慌てて喋りだす。

「その策とは!」

「その策とは?」

「そ、その策とは!!」

「その策とは…?」

………………

「無茶…しなくていいぞ…?」

「…あ……げ…」

ん? 今何か言ったな

「え? 」

「油揚げ…で、釣ります…」

よっぽど恥ずかしいのかこちらに目を向けずに横を向きながらそう言う。

横からでも顔が赤面してるとわかる。

「油揚げ…か」

確かに狐の好物って言うよな…油揚げ…

本当に食うのか?

「幻想郷にいたスキマ妖怪のところの九尾の狐の式神が油揚げ好きだった気がしますから、多分大丈夫…です。」

ほ、ほう…よく分からないが幻想郷側の狐はちゃんと好んで食べるみたいだな…

「外の世界…しかも現代の狐は油揚げ好んで食うんだろうか…」

 

 

 

 

小傘は準備が必要だと一度俺の家に戻ってからとある森林に来たわけだが

「昔、探検気分でここに来たことがあってな、ここなら狐も居そうじゃないか?」

自宅から15分程歩いたところに神社があり、それを囲んでいる森に訪れた。

「ふむ、これはいけますね、わちきに任せてくだされ」

出発前にあれこれと準備してた小傘はそれをまとめたリュックから様々な道具を取り出した。

「ん?何か作るのか?」

小傘はリュックから取り出したロープを周りの竹に何かメモのようなものを見ながら結び始めた。

「はい、軽い罠を…」

はえ〜器用だな…

「俺にもなんか手伝えることあるか? 」

「そうですね…旦那様は鍋でお湯を炊いてくださいな」

小傘はリュックから水が2リットル入ったペットボトルと鍋、そしてマッチを取り出した。

「なるほど、一度俺の家に戻っていろんな道具をかき集めたのは色々準備が必要だったからか…で、お湯は何に使うんだ?」

「油揚げを茹でてもらいます。」

なるほど、てかよくもまぁ自分からここまで考えたもんだ感心するな

俺の自宅で火をつけれるモノだとか長くて丈夫なモノだとか色々用意させられて大変だったが、良い罠が作れそうだ。

「ふわっ!?」

小傘の頭を撫でてやることにした。

「え、虫ですか!?虫がいました!?」

俺はただにっこりと微笑むだけである。

「な、なんですかぁ…? ま、まぁいいや竹を切らなきゃ」

と、ノコギリを取り出しギコギコと刃を竹に入れ始めた。

「………ぬぅ…」

湯を沸かしながら俺はその様子を見ている。

素人の俺でも見てわかる、刃の入れ方が上手い。

小傘は竹をスムーズにバッサリと切り倒してみせた。

「小傘って、大工か何かやってたのか?」

ふぃ〜と額の朝を拭ったあと

「うーん、これと言って本職はないんですけど…鍛冶屋とか…ベビーシッターとか趣味でやってましたよ。」

え、すげぇ

だから刃物の扱い上手いのかな。

「鍛冶屋とベビーシッターってどう結びつくんだ…? 」

「うーん、ベビーシッターは普通に小さい子供が好きでやってたんですけど、鍛冶屋はなんか…筋が合ったというか…何というか…」

なるほど、才能というやつか。

「よし、良い感じです。」

そう言ってる間に切った竹を上手く加工して縄と結びつけて罠のようなモノを作り上げていた。

「すげぇな、めちゃくちゃ良い出来なんじゃないかコレ」

「ふふん、わちきにかかればこんぐらい屁でもないですよ」

小傘は腕を組みながらえっへんと威張って見せる。

「お、油揚げ良い感じかな。」

茹でた油揚げを箸でつまみ皿に盛ったものを作られた罠のかかる場所に側に置いた。

「なるほど、油揚げを食べようと近寄ると脚が縄にかかりてこの原理(?)的なアレで吊り上げられるって訳か…? 」

「まぁそんなところですね!」

よし、時間をおいてまた来てみよう。

 

小傘の意外な特技が見れて中々楽しい体験であった。

 

 

 

 




今回はどうだったでしょうか?
次回もよろしくお願いします!
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